【大阪・天神橋】未来の家族を待つ『SAVE CAT CAFE』の保護猫たちに会いに行こう！

　JR天満駅から徒歩で約3分。山田ビルの壁に描かれた猫の看板を目印に、階段を上がると『SAVE CAT CAFE』があります。こちらは、猫との暮らしを身近に感じられる保護猫カフェ。
　オーナーの曽野さんにお店の保護猫たちについて教えていただきました。

一匹でも多くの猫を幸せに

　『SAVE CAT CAFE』は、2015年4月1日、猫と里親との出会いの場としてオープンしました。野良猫を保護する機会があり、世話の仕方がわからず、ネットで調べていた曽野さん。そのさいに、たまたま飼い主を失い、居場所をなくしてしまった猫の現状を知り衝撃を受けました。
　そして、一匹でも多くの猫を救いたいと考えた曽野さんは、当時はまだ珍しかった保護猫カフェのオープンを決意したのです。

　大阪産業創造館へ足を運び、経営相談などプロのアドバイスを受け、テナント探しからスタートしました。通常のカフェであれば、たくさんテナントはありますが、動物を扱えるテナントの数は少なめです。
　しかも、当時、まだ保護猫カフェの存在を知っている人は少なく、どのような店か詳しく説明する必要もありました。苦労して探した結果、ペットを飼っていて理解を得られたテナントのオーナーさんと出会い、現在に至ります。
　もちろん、苦労は店探しだけではありません。生き物を扱う以上、定休日でも出勤し、猫の様子を確認しています。具合の悪い子はいないか、猫の体調管理にも気をつかっています。

猫も人も居心地よく過ごせる空間に

　店内は、猫も人も居心地のよく過ごせる空間にするために、さまざまな工夫がされています。
　猫のほこりや毛、匂いが気にならないように換気にも注意して設計。空気がスムーズに流れるように柵をつけています。猫と触れ合える場所は、なるべく自宅をイメージしやすいように、猫が自然体でいられるように、意識して設計されています。

　猫カフェとは異なり、保護猫カフェは、里親さんと出会いそれぞれの猫が卒業していく姿をあたたかく見守る仮の住まいです。
　里親さんには、なるべく、猫との暮らしを感じられるように。猫たちには、集団での生活を通して、のびのびと過ごせるように。そのため、カフェは、少人数制で予約優先です。何度か通って、お気に入りの猫を見つけてほしいと話す曽野さん。オープンして4年。ここから約140匹の猫が卒業しました。リピーターのなかには、2匹目を探しに来られる人もいるそうです。

　保護猫との出会いの場は、保護猫カフェのほか、里親会もあります。
　里親会との違いは、猫が動いている姿や、寝ている姿、数匹の猫が戯れる様子など、自然に近い猫の様子を見て、しっかりと触れ合えるところです。一緒に生活するイメージが湧くことで、保護猫と暮らしたい飼い主さんが増えるとうれしいと曽野さんは話します。

　もちろん、猫カフェとは異なり、ずっと同じ猫がいるとは限りません。保護猫たちにとって幸せなのは、カフェでずっと暮らすことではなく、いずれは、里親さんと一緒に、家族の一員として過ごすこと。『SAVE CAT CAFE』は、卒業していく猫たちをみんなであたたかく見守り、そして、また新しい猫と出会える場所なのです。

猫モチーフにおもわずにっこり！手作りスイーツ＆オリジナルカレー

　猫が主役ではありますが、カフェだけでも楽しめるほど、料理は本格的です。

　おすすめの料理は、猫モチーフのカヌレです。口のなかで広がる、ふんわりしたバニラとラム酒の風味。そとはカリッと、なかは、もっちりとした独特の食感は一度食べるとやみつきになります。

　ほかにも、スパイスを原型で仕入れ、独自ブレンドした、店のオリジナルカレーなどを提供。猫との触れ合いはもちろん、カフェ利用のみでも満足していただけるように、料理にもこだわっているのだそう。

猫との暮らしをはじめる前に

　「猫と一緒に暮らしたいと思ったときに、保護猫カフェを思いだして、保護猫を家に迎えるきっかけになるとうれしい」と曽野さん。曽野さんから、みなさんにメッセージをいただきました。

　「理想は、保護しなくていい猫がいなくなること。里親になっていただける人は是非一度ご来店ください。」

　猫を捨ててしまう人がいるかぎり、誰かが手を差しのべなければ、捨てられる猫は増える一方です。『SAVE CAT CAFE』の猫たちは、未来の家族を待っています。もちろん、家で一緒に暮らせないなど、ここで猫と触れ合いたい人も大歓迎です。