【愛知・名古屋】『魚生』の海鮮は、“本当に良いもの”だけを選んだ店主こだわりの品質

 今回ご紹介するのは、近鉄戸田駅から少し歩いた住宅街のなかに、ひっそりとたたずむお店『魚生(うおせい)』です。昼間は主にお弁当や総菜の販売、夜には居酒屋として営業しています。こちらで楽しめるのは、品質にこだわった海鮮や、手作りのお惣菜などです。
 お母さまと一緒に営業しているという、店主の桜井さんにお話をうかがいました。

修業が力となり新たなお店をオープン

 幼いころから、お店を営む両親の姿をずっと見てきた桜井さん。それが、お店をはじめたきっかけに繋がっているそうです。

――『魚生』をオープンされたきっかけはどのようなものでしょう?

 「親が魚屋を開いていたことですかね。そこはやむを得ない理由で閉店してしまったので、新しくお店をつくろうと思って『魚生』をはじめました。店名は、魚屋だったときのものをそのまま使っています。」

――想いを継がれているようで素敵です。お店をはじめるまでにもどこか飲食関係の場所で働かれてましたか?

 「名古屋のホテルで4年ほど修業をしていました。人手不足もあり毎日とても忙しくて、かなり鍛えられましたね。そこでたくさんの経験をしたからこそ、今の自分があると思っています。」

今の『魚生』になるまで

 実は『魚生』、最初から居酒屋だったわけではないそうです。現在のスタイルになるまでには、どのような経緯があったのでしょうか。

――オープン当初はどのようなお店だったのですか?

 「最初はお弁当の販売だけしていました。今お店があるこの場所はもともと自宅だったので、新たに物件を契約してニ軒分の家賃を払うなら、改装して自宅兼店舗にしようと考えたんです。お弁当なら場所も選ばないのでちょうど良いですしね。はじめてみたら思いのほか好評で、けっこう忙しかったんですよ。ただ、スーパーやコンビニの増加に伴ってお弁当屋を利用する方がだんだん減ってきてしまって…。」

――確かにいまはどこででもお弁当や惣菜が買えてしまいますよね。

 「それでこのままではだめだと思い、夜にもなにかやろうと決めて居酒屋をはじめました。いざというときのため改装時に座敷席をつくっていたので、カウンター席も増やして今のかたちになります。」

――それからずっと続けられているのですか?

 「僕の親だけでなく親戚のほとんどが魚関係の仕事だったため、魚屋をやらないかと誘われて6年間くらいはそっちで働いていました。その後またここに戻ってきて、お店を再開。今は昼と夜にお店を開く傍ら、朝は市場に行って魚をさばいたりもしています。」

なじみの顔で賑わう場所

 住宅街のなかということもあって、来店されるのは地域の方が中心となっています。一度行けば通いたくなると人気で、お客さまのほとんどが常連の方なのだとか。

――お客さまは常連の方が中心だそうですね。

 「そうですね。9割以上が常連客となっています。徒歩か自転車で来られる程度の、少し離れたところの方が多く、それも2人くらいの少人数のケースがほとんどです。ご家族で10人というのはありましたが、基本的に団体はほとんどいません。初めて来店される方は、外観を見て入りにくさを感じてしまうそうです。」

――確かに少し敷居の高さを感じます。

 「もともとホテルで働いてはいましたが、そのような高級感を出すつもりは全くないんです。中に入ると、そんなことはなかったと言われるくらいなので。ただ、お客さまの声を聞いて門構えやメニューのつくりを変え、親近感のある雰囲気づくりをしようと考えたこともあります。でも安っぽくするのも違うかなと思って、結局そのままです。」

品質にこだわった自慢の品揃え

 自慢の海鮮をはじめとして、さまざまなメニューが並ぶ同店。お酒を飲みながらおしゃべりを楽しみたい方も、ゆっくりと食事を楽しみたい方も、思い思いの時間を過ごせます。

――おすすめのメニューはどちらになりますか?

 「やはり海鮮ですね。できるだけ旬のものを提供しているので、一番おいしい状態で召し上がっていただけます。春頃ならホタルイカがおすすめです。また、うちは弁当屋でもあるので、定食やうな重などご飯もののメニューも揃っていますよ。そのほかおつまみや惣菜もあるので、お酒を飲まない方でも、十分に食事を楽しんでいただけると思います。」

――海鮮以外のメニューも豊富ですね。コースはあるのでしょうか?

 「特別決まったコースはありません。一人当たりの予算をお伝えいただければ、それにあわせて旬のものを使った料理をお出しします。大体3,500円から4,000円程度で希望を受けることが多いです。」

――予算にあわせて用意してもらえるのはうれしいです。仕入れは市場からとかですか?

 「そうですね。市場や、昔から付き合いのある業者からがほとんどです。良いものを提供してくれるため信頼しているので、いつも値段も聞かずに仕入れるものを決めてしまいます(笑)。」

値段ではなく味で勝負

 お母さまと力をあわせながら、今日も営業している『魚生』。桜井さんには、とあるうれしいことがあるのだといいます。

――営業していて特にうれしかったことはありますか?

 「旬のものが満足に手に入らない状況が続いているため、少し高い魚を仕入れることもあります。そのなかで、価値を理解して納得したうえで注文してくださる方が多いことがとてもうれしいです。値段ではなく味で選んでくださるのを見ると、もっと良いものを提供できるように頑張ろうと思えますね。」

――本当に良いものを届けたいとの想いが伝わってきます。最後に、今後の目標を教えてください。

 「お客さまといろいろな話をして、もっと距離を縮めていけたらと思っています。かしこまったお店ではないので、いつでも気軽な気持ちでお越しください。若い世代は魚を食べない人が増えているように思うので、一度当店の魚を食べてみて、好きになってもらえたらうれしいです。」

 できる限り品質の良いものを提供していきたいと、終始熱く話してくれた桜井さん。そんな想いがこもった料理を楽しみに、『魚生』を訪れてみてはいかがでしょうか。

店舗名 魚生
住所 愛知県名古屋市中川区戸田ゆたか2-1614
電話番号 052-301-6423
アクセス 近鉄名古屋線戸田駅から徒歩8分
営業時間 17:30~21:00
定休日 水曜日
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