【北海道・旭川】甘さ控えめのたい焼きと十割蕎麦で“小さな幸せ”のおもてなし『菫』
JR函館本線近文駅から車で13分。忠和小学校の近くに、“たい焼きと十割蕎麦”という異色の取り合わせで話題のお店があります。2017年11月21日にオープンした『菫』です。同店は、甘さ控えめでありながら、小豆のしっかりした風味が特徴の“パリパリたい焼き”が自慢です。今回はオーナーの嶋宮さんにお話をうかがってきました。
国鉄職員として“ひまわり号”に関わったのが転機に
嶋宮さんは元国鉄職員。その中で、障がい者専用列車“ひまわり号”の運行に携わり、障がい者の方々と接する機会があったそうです。そのことがきっかけで、その後教員免許を取得し養護学校で教鞭をとることに。長年生徒と向き合い、教頭先生として退職を迎えました。生徒たちに卒業後を見据えて、進路指導や自立を促してきた嶋宮さんは「具体的に彼らが働くという場を自分なりに作ってみたい。」と思うようになったそうです。
障がいのある方が働く場を作ることを考えた時に、自分が働いたということを、自分なりにすぐ感じることができるのは飲食業だと感じたそうです。作ったものを食べてもらい、お客さまと関わることでその評価も分かるからです。そこで奥さまと一緒に『菫』をオープンすることとなりました。同店は2018年1月から就労継続支援B型作業所として募集をかけており、今はじっくり地盤を固めている段階とのこと。
店名を『菫』と名付けたのは、野に咲く菫の花の奥ゆかしい美しさに心奪われたからだそう。花言葉は“謙虚”、“誠実”、そして“小さな幸せ”。「障がいのあるなしに関わらず、このお店でたい焼きや蕎麦を食べてもらって、ちょっぴり幸せな気分に浸れる、そんな居心地の良さを作りたい。」という想いから、この名前にしたそうです。
素朴で落ち着きのある店内
店内の壁にはレトロな玩具が飾られ、和を意識しつつも、幅広い年齢層のお客さまが入りやすいカジュアルさも取り入れています。空き店舗だったところを、大工さんに相談しながら大幅に改装したそうです。
また、開放的な大きなガラス張りの壁から光が差し込み明るい空間となっています。味のある木の看板は手作りだそうで、これがまたほっこりするような温かい雰囲気を醸し出していますね。
美瑛産の小豆を使用した甘さ控えめのたい焼き
同店のたい焼きは、つぶあん、白あん、クリーム、ハムマヨの全部で4種類。一番人気のつぶあんは、美瑛の小豆を使用した甘さ控えめです。元々、嶋宮さんご自身たい焼きが好きで食べ歩きもしていたそう。東京で開かれるたい焼きの講習会などにも参加し、研究に研究を重ねました。そして辿り着いたのは、“あんこはしっかりしっぽまで入って、甘さ控えめ。皮はパリッとしていて、のどが乾かない飽きのこないたい焼き”でした。同店のたい焼きは、いくらでも食べられる優しい味わいが特徴です。
気になるハムマヨは、溢れんばかりのマヨネーズとカマンベールチーズがトロトロで美味しい“おかず系たい焼き”。こちらも人気となっています。
お蕎麦は種類豊富に揃っています。食材は嶋宮さん自ら開拓し、買い付けを行っているこだわりです。麺は北海道産の十割蕎で、もり蕎麦とかけ蕎麦は500円という破格の安さ。
他にも冷たいものでは、とろろ蕎麦、納豆蕎麦、おろし蕎麦など。温かいものは、山菜蕎麦、天ぷら蕎麦、きつね蕎麦など日替わり蕎麦も含めると20種類以上がラインナップされています。
変わり種としては、新鮮なトマトを使ったトマト蕎麦や、サイコロ上にして素揚げした餅をトッピングした、あられ蕎麦などもおすすめ。お財布にも優しく、美味しいとあってお客さまからも好評です。
オープンして間もないですが、リピーターのお客さまも増え、段々と顔馴染みになっていくのが本当に嬉しいと嶋宮さん。今後は、地域のコミュニケーションの場としての役割も担っていけたらと意欲を燃やしています。
「この土地は年配の方も多く、皆さん温かいです。地域の方に助けられていると実感しています。もっとお客さまに喜んでもらうために、たい焼きも蕎麦も日々勉強中です。」とのこと。
昔懐かしいたい焼きを頬張り、ホッとする小さな幸せを感じられる『菫』へ、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
店舗名 | 菫 |
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住所 | 北海道旭川市忠和4条4丁目4-9 |
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電話番号 | 0166-73-7181 |
アクセス | JR函館本線・近文駅から車で13分 |
営業時間 | 11:00~16:00 |
定休日 | 月・火曜 |
ホームページ | https://island-llc.com/sumire/ |
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