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【東京・早稲田】毎日500人以上のお客さんで溢れかえった、伝説の『東京パリ食堂』がついに復活

 20世紀初頭から現在まで、学生街として栄えた早稲田鶴巻町。この地に、アットホームなフレンチレストランが2016年10月31日にオープンしました。フランスのファミリー経営レストランを彷彿させるこじんまりした雰囲気のお店の中に入ると、お店を始めたばかりとは思えない、シェフとマダムのオーラに圧倒されます。

 実は2人は、20世紀に一世を風靡した『東京パリ食堂』の初代オーナー夫妻。当時、東京都に50坪ほどの大型レストランを3店舗経営し、毎日500〜600人ほどのお客さんで溢れかえったパリ食堂が、なぜ早稲田でアットホームなお店を始めたのか。またフレンチ歴50年の巨匠・徳田正彦氏の作り出す食堂料理とは何か。その秘密に迫ります。

フレンチの普及に貢献した徳田正彦氏

 今回お話を伺った徳田氏は、フレンチ界では超有名人。50年ほど前、当時東京でさえ珍しかったフレンチレストランに憧れ、『こけし屋』で修業の日々を送ることに。修行に明け暮れる中、本人が自ら西欧を旅した際にフレンチの魅力を再確認し、「自分で店をやりたい」と思い、独立。亀戸で『出世魚』、大田区で『シェ ドゥーゼム トクダ』を経営したのち、飯田橋、神楽坂、水道橋に『東京パリ食堂』をオープンさせました。

 フレンチは今でこそメジャーですが、当時、本当の意味での “ビストロ” はなかったそうです。フレンチと言えば結婚式会場や高級ホテルで食べるもので、大衆からは敷居の高い料理だったそう。
 しかし、もちろん本場フランスにはそのような店しかないというわけではありません。実際には、大衆がフラッと入れる居酒屋のような店が数多くあります。徳田氏は日本人のフレンチに対する概念を変えるべく、敷居が低く、お手軽なお店をオープンさせようと『東京パリ食堂』をオープンさせました。フレンチの概念を変えたお店は瞬く間に人気となり、3店舗合わせて毎日5,000〜6,000人のお客さんが足を運んだそうです。

絶品食堂料理の数々


▲ウズラのフォアグラ詰め物 チェリーソース

 フランス料理にもかかわらず、ディナーの平均価格は4,000〜5,000円程度とその安さに驚かされますが、料理に手抜きは一切ありません。「ウズラのフォアグラ詰め物 チェリーソース」は、ウズラの肉を自らさばき、手作業でフォアグラとひき肉を入れていきます。この作業を徳田氏がすべてのお客さんに対してひとりで行うというので、驚きを隠せません。

▲ノルウェー産 鯖の自家製燻製と鴨砂肝のコンフィトマトサラダ

 前菜も超がつくほど本格的です。ご本人は食堂と言いますが、高級フレンチレストランに引けを取らない手の込みようです。燻製にした鯖と鴨砂肝が以外にも相性が良く、素材同士の掛け算が生み出す凄さを思い知らされます。


▲4種類のポークミルフィユ仕立て

 4種類のポーク(ロース、頬、舌、ひき肉)を柔らかくなるまでボイルし、豚の網脂で閉じ込めたミルフィユは、お店の大人気メニューです。赤ワインソースがコクを引き立て、ワインへ伸ばす手がとまりません。そう言えばこちらのお店、ワインボトルも2,800円から始まり、ほとんどのワインが3,000円ほどと驚くほどリーズナブル。徳田氏はワインが非常に好きらしく、「ワインが料理より高いのは有り得ない」「ワインが高くてビクビクしながら飲むのなんて絶対に嫌でしょう」と語ります。それゆえに良心的な価格のワインが多いのでしょう。

かつてとは違う、のんびりアットホームなお店へ

 以前の『東京パリ食堂』の時は、現役バリバリでとにかく忙しく、お客さんとの会話もほとんどできない状態だったよう。しかし今回は当時とは異なり、「ゆっくり楽しみながら経営していきたい」とお二人は口を揃えます。確かにお店の中は時間がゆっくりと流れていて、どこか平和な雰囲気が漂います。都心の喧騒から離れ、時間もお金も気にせず、気の向くままに食事を楽しみたいという方に、これ以上のお店はないのではないでしょうか。

■文、写真・片岡力也

店舗名 東京パリ食堂
住所 新宿区早稲田鶴巻町568 大元ビル 1F
電話番号 03-6205-6513
アクセス 東京メトロ有楽町線、江戸川橋駅から5分 早稲田駅(メトロ)から529m
営業時間 11:45~13:30 18:00~21:00
定休日 月曜日火曜日
ホームページ https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130504/13202096/

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