【埼玉・西川口】蘭州牛肉麺がブームに！『蘭州料理 ザムザムの泉』で職人技が光る9種類の麺を堪能！

　昨今じわじわと人気が広がっている蘭州牛肉麺。それは手捏ねした小麦粉を手で延ばして作るという、蘭州独自の本格中華ラーメンです。そのブームの火付け役になったといっても過言ではない人気店が、今回ご紹介する『蘭州料理 ザムザムの泉』です。JR京浜東北線西川口駅西口から徒歩6分のところにある同店がオープンしたのは、2017年8月25日。本場の伝統的な製法にこだわったパフォーマンスと確かな味で、連日行列ができるほどお客さまの心を掴んでいます。オーナーのトウヒンさんに詳しいお話を伺ってきました。

埼玉初の蘭州料理店をオープンするために来日

　トウヒンさんのご主人は中国北西部にある蘭州・回族の方です。回族はムスリムの方が大部分を占める少数民族で、ハラール料理という宗教的に認められたものしか口にできません。トウヒンさんのご主人のお姉さんはとても料理上手で、蘭州の伝統料理に精通している人でした。そのお義姉さんが日本に蘭州料理店が少ないことに目を付け、出店を勧めてくれたそうです。今後はお義姉さんも合流し、本格蘭州料理を提供していくことを視野に入れているのだと教えてくれました。

ハラール牛肉や最適な小麦粉探しに試行錯誤

　お店を開店するにあたり、頭を悩ませたと話すのは、食材の仕入れ先です。日本では、一般的な餌を食べ育てられた牛肉は多く販売されているものの、“ハラ―ル牛肉”を扱っている業者はなかなかありません。時間をかけて探し回り、やっとのことで、良質な国産の牛肉を卸してくれる“ハラール食材の会社”を見つけたそうです。また、苦労したのは、牛肉を見つけることだけではありません。同店で提供する蘭州のラーメンは、包丁で切って製麺するものではなく、生地を捏ねて細長く手で引き延ばしながら作るものですが、その特性に合う小麦粉がなかなか見つからなかったのです。納得の一杯を作り上げるには、材料探しから苦労の連続だったそうですが、その努力の甲斐あって、今では多くのお客さまに愛される人気店となりました。

9種類の麺から選べる蘭州牛肉麺

　現在メインメニューは、蘭州牛肉麺と夏季限定メニューの涼麺の2種類です。通年で食べられるのは蘭州牛肉麺一品のみです。それでもお客さまを飽きさせない理由は麺にあります。なんと9種類の麺から選ぶことができるのです。太さも形も食感も違う麺からお好みで選ぶことができ、同じスープでも麺の種類によって全く違うメニューを食べている感覚になるのだとか。
気になる麺は、4種類の平麺と三角の麺、そして4種類の丸麺の計9種類です。
　まず、一番幅の広い麺が“大寛（ダァクワン）”です。きしめんのような食感が面白い麺です。大寛の半分の幅が“薄寛（バオクワン）”で、韮（ニラ）の葉より少し広めの麺が“寛韮葉（クワンジュイエ）”。平麺で一番幅が狭い麺が“搾韮葉（ザイジュイエ）”になります。そして“蕎麦棱（チアオマイレン）”は、三角形の麺で、食感を楽しんで欲しいとのこと。残り4種類は丸麺です。“二細（アーシー）”の太さは讃岐うどんほどになり、“三細（サンシー）”、“細的（シーデ）”、“毛細（マウアシー）”と、どんどん細くなっていきます。毛細はそうめんほどの細さになるそうです。これら9種類の太さも形も違う麺を、オーダーを受けてから一杯分ずつ手で延ばしていきます。時間はかかりますが、そのパフォーマンスも見どころのひとつ。目の前でどんどん麺が成形されていく様は圧巻です。夏限定の涼麺はボリュームがあり食べ応え十分です。野菜もたっぷりで、暑い夏の栄養補給にはぴったりのメニューです。

▲夏季限定 涼麺

お客さま第一のシンプルで小さなお店

　店内はとてもシンプルで、席数はカウンターのみの7席です。厨房がすぐそばで見えるので、麺が出来上がっていく様を楽しむことができます。一杯ずつ麺を作るため、あまり席数が多くても対応しきれなくなってしまうのでお客さまのことも考えてこの広さがベストとのこと。料理のクオリティに一切の妥協をせずに、一つひとつ丁寧に作りあげることを心掛け、お客さま第一で営業しているそうです。

夢は東京進出！お客さまの支えがあってこそ今がある

　実はお客さまのほとんどが、東京や神奈川など他県の都市部からわざわざ通ってくださる方とのこと。そんなお客さまに、もっとアクセスしやすい土地で手軽に同店の蘭州牛肉麺を食べてもらいたいとの思いから、多店舗展開を目標に頑張っているそうです。「皆さまに支えられてきたたからこそ今があります。いつもありがとうございます。」と、トウヒンさん。常連の方も多く、いつもお店のことやメニューについて相談に乗ってもらっているのだとか。『蘭州料理 ザムザムの泉』でしか食べられない、本格蘭州牛肉麺。職人技が光る9種類の麺を食べ比べてみてはいかがでしょうか。