飲食店の値上げを成功させる5か条とは?コロナ禍で生き残る店になろう
新型コロナウイルスの感染拡大によって、飲食業界は大ダメージを受けています。飲食業界はもともと低価格路線の薄利多売が当たり前であったため、営業時間の短縮や休業要請によって、廃業に追い込まれる店舗が相次いでいます。そのような状況からか「値上げ」を検討しているという店舗が増えてきているのです。しかし、値上げとなれば常連客が離れて行ってしまわないかと不安に思う方もいるでしょう。そこで本記事では、値上げをする前に知っておきたい「値上げに成功する店舗と失敗する店舗の5つの違い」について解説していきます。
2020年の飲食店倒産数は過去最多
帝国データバンクによる飲食店倒産の倒産推移によれば、2020年の飲食店事業者の倒産件数は780件となっており、これまでの過去最多を更新しました。(参考:飲食店の倒産動向調査(2020年度上半期)
倒産数が増えた要因は、新型コロナウイルスの影響が大きいでしょう。アルコール提供が20時までとに要請されたり、休業や営業時間の短縮などによって売り上げが激減し、廃業に追い込まれているのです。
コロナで廃業する飲食店の特徴
飲食店の廃業率が高いのは、新型コロナによって営業がままらなくなったからだとお伝えしましたが。しかし、、それでも廃業せずに営業を続けている飲食店は多くあります。それでは廃業に追い込まれる飲食店には、どんな問題があるのでしょうか。
実は、新型コロナウイルスの影響によって廃業した飲食店の多くは、値段重視の「格安店舗」が中心でした。
格安店舗は客単価を下げている分、より多くの集客をしなければなりません。しかしコロナ禍では、いくら集客をしても売り上げが伸びず、廃業に追い込まれてしまったのです。
客単価の安い店舗では、薄利多売の自転車操業で、なんとか利益を出してきましたが、集客ができない現在では、その営業方法は通用しません。売れば売るほど赤字になってしまうリスクもあるでしょう。
飲食店が生き残るには「値上げ」が必要
薄利多売の営業方法が使えないコロナ禍では、飲食店が生き残るために「値上げ」に踏み切る店舗も増えてきました。しかし値上げをすると、客足が離れてしまうのではという不安視する方も少なくありません。
事実、値上げ戦略にの失敗してしまった飲食店もあります。
例えば大手焼き鳥チェーン「鳥貴族」では、全品280円均一としていた価格を18円値上げしました。しかし値上げしたというニュースが大々的に報じられたこともあり、企業の全体売り上げは15%落ち込んでしまいました。そのため飲食店の値上げは難しいと感じるのも当然です。
値上げに成功する店と失敗する店の5つの違い
鳥貴族のように値上げに失敗する事例もありますが、値上げをしても愛され続ける飲食店も存在しています。値上げに成功する飲食店と、そうでない飲食店では、何が違うのでしょうか。以下では値上げに成功した店舗の、具体的な取り組みについて紹介します。
①プライスレスなサービスの提供
値上げ失敗した飲食店の多くは「値上げだけ」をしています。つまり「値上げをしました。でもサービスも料理の質も変わりません」という状況です。これでは、だと利用客からするとは、一方的に金額を上乗せされたように感じ、不満の声が出るのは当たり前でしょう。飲食店が値上げをするときは、値上げ以上の付加価値を提供することが大切です。
たとえば、原材料の質や量をあげるのは、もっとも分かりやすいサービスの提供ではないでしょうか。食材を変えたり、量を増やしたりと、利用客が損を感じさせない工夫をとりいれます。このように値上げ前後の変化がわかりやすい場合、値上げをしても利用客から受け入れやすくなります。
②コンセプトを明確にしブランディング効果を高める
値上げをするときに、料理の質を高めるだけが手段ではありません。店舗のブランディングを強化するのも大切です。値上げした分、顧客満足度を高める店舗づくりに還元するのも手ではないでしょうか。
たとえば在宅の影響で需要が伸びている「コアワーキングスペース型のカフェ」で考えてみます。この場合ターゲットから求められる店舗には、以下の要素があげられます。
・電源コンセント ・Wi-Fi完備 ・仕切りのある空間 ・仕事のしやすい照明やテーブル |
上記のようにターゲットが求める環境を構築できれば、フードやドリンクの値段が高くても多くの利用客を獲得できます。またターゲットの需要にマッチした空間を供給することで、長期的なリピーターになる可能性もあるでしょう。
③コンセプトを従業員にも共有
コンセプト設計を見直したら従業員にコンセプトと自分たちの行動指針を伝えることも大切です。例えば「おちついた長居できるカフェ」というコンセプトであったとしても、従業員が大衆居酒屋のように大声で注文をとっているのはミスマッチでしょう。そのため研修時に、どんな接客をしてほしいのか接客方法についても教育することをおすすめします。意外とこの項目は見落としがちなので、従業員への共有を忘れずにおこないましょう。
④コンセプトを外部に発信する
安さを売りにする飲食店では、SNSやグルメサイトなどの集客媒体にも思わず「大特価」など価格を前面に押し出しているケースが多く見受けられます。この場合、集まってくる利用客はやはり「値段重視」の人が多く、客単価も低くなりがちです。
しかし今後は、価格だけのPRでは生き残って行くことはできいけません。飲食店の質をPRする広告に変えていく必要があるできましょう。なぜなら料理の質や空間の魅力に興味を引かれた利用客は、価格だけで店舗を判断しないからです。値上げをした後も継続的にリピーターをなってくれるはずです。
⑤サービスの質を料金に加える
先ほどお伝えしたとおり、飲食業界の主流は「低価格戦略」であり、薄利多売状態が続いています。しかし周囲との価格競争に乗せられてしまうと「低単価×客数」のデフレから抜け出すことはできません。新型コロナウイルスのように想定外のアクシデントが起きたときに、途端に経営が傾く可能性があるでしょう。
今後の飲食業界では、安さだけにこだわる店舗は次々と廃業していきます。料理や空間のサービスを突き詰めた店舗が生き残っていくはずです。自店舗が提供するべき価値は何かを考え、周囲に左右されずに価値を自分で付けることが大切でしょう。
すでに低価格で経営している飲食店は、①~④のポイントを押さえて、利用客がついてきてくれるか自信をもてたら、全体的な値上げをすることをおすすめします。
値上げをせずに利益を上げる方法はある?
※まとめの最後のところに突然コスト削減が出てきているので、であればここにh2足した方が良いかもです。
とはいえ、常連客も多く、突然値上げをするのは不安だという方もいらっしゃるでしょう。そのような場合は、値上げをせずに利益を上げる方法を考えなくてはなりません。
方法としては下記の2パターンが考えられます。
①客単価を上げる工夫をする
まずひとつ目は、客単価を上げるための施策を講じることです。
よく飲食店で取られる手段は「松竹梅理論」です。とあるメニューに対し、値段を三段階用意しておくと、多くの利用客が真ん中の価格を選ぶという心理学を用いた考え方です。そのため真ん中の価格を高めに設定しておけば、客単価を上げられるでしょう。
また従業員の力を借りて客単価を上げる方法もあります。利用客が料理を注文した際に「一緒に○○はいかがでしょうか」と一言声がけを行うのです。この手法は、ファーストフードの大手「マクドナルド」が実践している取り組みですので、ぜひ取り入れてみてください。
②お店のコスト削減をする
もうひとつ、飲食店の利益率を高める方法として「コスト削減」があります。コスト削減が成功すれば、浮いた金額はそのまま売り上げにつながりますから、店舗の利益率を高めることができるでしょう。
しかし飲食店では「もうコスト削減に取り組んでいて、削れるところがない」と感じる方も少なくありません。そんな方に、見直してほしいのが「電気・ガスの自由化」です。電気やガスの契約会社を切り替えるだけで、月々の電気代やガス代をぐっと削減できます。もちろん使用感は全く変わりませんから、今までどおりに使って、光熱費を削減できるのです。
まとめ
新型コロナウイルスの流行は1年を超え、これ以上の売り上げ悪化をさけるためには、飲食店の値上げは早急におこないたいものです。値上げを成功させるためには、値段重視の取り組みをやめ、料理や空間の質にこだわった集客をして行くことをおすすめします。
しかし、値上げをするのが不安という方もいるはずです。そんなときには、まずはコスト削減のツールを導入してみてはいかがでしょうか。とくに電気やガスのプランは、携帯と同じように2年に1度見直す時代です。月々に掛かるコストを抑え、利益率をアップさせるという手段もあります。開店ポータルBizでは売り上げアップに効果のある集客ツールや、コスト削減の施策をどんどん紹介していますので、ぜひお気軽にご相談ください。