【福岡・香椎】人気店に急成長！メディアに引っ張りダコ『蜀香 担々麺』

　安くておいしい坦々麺の専門店『蜀香』は、行列ができることで地元でも有名です。2016年7月のオープンから1年半で急成長した秘訣を探るべく、店長の宇海さんにインタビューしてきました！

四川料理を教えるために来日

―――宇海さんのご出身は福岡ですか。

　「いいえ、中国です。中国の専門学校で料理を勉強して、卒業後は6年間、結構有名なホテルで働いていました。料理を教えてほしいと頼まれて、日本にやってきたのが1995年。それからずっと日本で料理を作っています。」

―――そうなんですか。日本語は大変じゃなかったですか？

「いやぁ、日本語は、難しいですね。」

―――中華料理がご専門ということですが、坦々麺の専門店を開かれたのには何か理由があるんですか？

　「九州は豚骨ラーメンばっかりですよね。坦々麺のお店は少ないです。中国人として、本場の坦々麺を日本の人に知ってほしい、坦々麺の味を広めたいと思って始めました。」

―――テレビや雑誌にも良く取り上げられていますね。安くておいしいと評判です。

　「テレビの取材は4回来ましたね。福岡ウォーカーにも載りました。土曜、日曜はお客さんが並んでます。全部1人でやっているから、忙しい時は大変ですけど、香椎のお客さんは優しいですね。みんな辛いものが大好きだし、「おいしい、おいしい！」って言いながら食べてる顔を見れると幸せです。」

本場四川のシビれる辛さ！

―――お店の看板メニューとなる坦々麺はどんな味ですか？

　「坦々麺は辛いイメージですね。麻辣（マーラー）は山椒と唐辛子の辛さで、ビリビリな感じですね。」

―――痺れるような？

　「そう、痺れる。四川料理だから、麻辣の、本場の感じ。普通の坦々麺はあんまり辛くないですね。でも超激辛坦々麺になると結構辛いですね。汗がいっぱい出てきますね。」

―――へぇ～。辛さは調整できるんですか？

　「できますよ。ちょっと下げるとか、お客さんの希望に合わせて。」

―――他のお店の坦々麺と違うところは、どんなところですか？

　「麺がちぢれ麺で、モチモチしておいしいですよ。いろいろな麺屋さんを回りましたが、福岡でこの味はあんまりないと思いますね。スープのベースは鶏ガラとで、しっかり炒めた肉味噌は甘みと辛さがあります。」

―――この‟赤坦々麺”っていうのは、普通のとはどう違うんですか？

　「‟赤坦々麺”は普通の坦々麺の倍の辛さです。超激辛は14倍辛くなります。山椒で舌がビリビリするけど、おいしいです。辛さで汗が出たらおいしい証拠です（笑）。それから‟黒ゴマ坦々麺”は黒ゴマの味噌を作りました。普通の坦々麺は白ゴマだから、黒ゴマの方が濃い感じですね。あと、つけ麺もあります。」

―――うわ～、おいしそう！坦々麺だけでもいろんなバリエーションがあって楽しいですね。‟坦々つけ麺”っていうのは、あんまり聞かないメニューですけど、どんな感じなんですか？

　「うちのつけ麺はちぢれ麺ではなくて、つけ麺専用の麺があります。太くて結構おいしいですよ。スープもちょっと違うので、普通の坦々麺とはまた別の味です。辛いのが苦手な人には塩そばや鶏そばもあります。」

麻婆豆腐や餃子も見逃せない！

―――麻婆豆腐もおいしいって聞きました。

　「四川料理なので、麻婆豆腐は本場の辛さです。豆板醤と豆豉（トウチ）、それから山椒でミンチを炒めます。日本の醤油と中国の醤油で味をつけて、色はちょっと濃いです。ご飯の上にかけた麻婆豆腐丼もあります。」

―――ランチには麻婆豆腐丼っていうチョイスも良さそうですね！それから餃子も気になるんですけど…これは水餃子ですか？

　「中国では焼き餃子はあまり食べないです。餃子と言えば水餃子。全部本場の料理です。中の具は豚肉とエビで、やっぱり手作りした皮で作るのでおいしいです。」

――タレは酢醤油ですか？

　「いや、特別に作ったものです。赤醤油や香味酢など手づくりの調味料に砂糖や陳皮（乾燥させたミカンの皮）とか、いろいろ入れて。しびれる感じが足りなかったら山椒とか花椒（カショウ）とかを入れて。」

―――うわー、すごい！香りが良いですね。これはおいしそうです。ビールにも合いそうですね。

　「お酒のおつまみには、麻辣（マーラー）醤で味付けした‟ネギ鶏皮”や、蒸し鶏、油淋鶏（ユーリンチー）なども人気です。辛くない料理もあって、お子さんには肉味噌ご飯も人気です。」

―――家族みんなで本場の坦々麺や四川料理が楽しめて、宇海さんのアットホームな雰囲気で心がほどけます。

　「四川料理は辛いから汗が出ますけど、汗が出たらおいしい証拠です。今日もお客さん、汗をパタパタしながらスープを全部飲み干してくれて、すごく嬉しかったですよ。もっとたくさんの人にうちの料理を食べてほしいです。」