労務管理
個人事業主が知っておくべき【白色申告】と【青色申告】 その違いとは?
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会社が年末調整をおこなってくれるサラリーマンと違い、個人事業主は、自分で確定申告をしなければなりません。個人事業主の確定申告には“青色申告”と“白色申告”の2種類がありますが “どちらを選べばいいの?”、“そもそも、どういった違いがあるの?”と、疑問に思っている方も多いでしょう。本記事では、青色申告と白色申告の違いや、それぞれの特徴についてご説明します。
1.白色申告とは?
白色申告は、“開業したばかりで、節税するほど所得が高くない”という場合や、会計に詳しくない方に適した確定申告です。実は白色申告というものはなく、青色申告の必要資格を満たさない場合に“青色申告以外の方法で行う申告”を、“白色申告”と表現しているのです。すなわち、青色申告の手続きを行わない場合は、自動的に白色申告を行うことになります。
白色申告のメリットは、誰でも記入できるフォーマットを使って単式簿記で記帳するため、会計業務が簡単なことです。
たとえば、
5月1日、食材代5,000円を現金で支払った
→「5月1日 食材代5,000円」を支出の欄に記入
5月3日、現金で15,000円の売上があった
→「5月3日 現金15,000円」を収入の欄に記入
このように、収入は収入、支出は支出で取引がまとまるので、総収入額から総支出額を差し引けば、所得額が分かります。確定申告時に提出する書類が少なく、手続きが簡単なのもメリットといえるでしょう。
2.青色申告とは?
一方、青色申告は、一定以上の事業収入がある方に適した確定申告です。申請書を提出して税務署の承認を受ける、帳簿の記入は複式簿記で行うなどの条件をクリアすると、青色申告が行えます。最大のメリットは、総収入額から65万円(単式簿記の場合には10万円)を差し引く特別控除があり、大幅な節税ができるという点です。
それでは実際に、【年間収入500万、必要経費150万、各種控除額35万】として、白色申告の場合と青色申告の場合に分けて所得税額を計算してみましょう。
確定申告の際に必要となる所得税額は、以下の式で求めます。
年間収入―必要経費―各種控除額=課税対象所得額
課税対象所得額×税率―課税控除額=所得税額
※税率と課税控除額は、課税対象所得額によって異なります。
白色申告の場合
315万×10%―97,500=所得税額217,500円
青色申告の場合
250万×10%―97,500=所得税額152,500円
このケースを見ると、白色申告に比べ、65,000円の節税が可能になります。
青色申告が持つ節税効果は、上記だけにとどまりません。特別控除以外にも、以下のような特典が用意されています。
①家族の給与を経費として計上
家族経営のお店の場合、従業員の給与(配偶者なら86万円まで、その他親族なら1人あたり50万まで)を経費とし、所得額から差し引くことができます。
②赤字の3年間繰り越し
③減価償却費の一括計上
※一つひとつが10万円以上、30万円未満の固定資産に限る
④貸倒引当金の利用
良いことづくめの青色申告。でもちょっと待って!
どちらかといえば、“節税効果があって良いことばかりだし、青色申告にしよう”と考える方が多いのではないでしょうか。ですが、安易に青色申告を選ぶのは適切ではありません。先ほど白色申告で提示した取引を、複式簿記に直してみましょう。
5月1日、食材代5,000円を現金で支払った
→「5月1日 食材代5,000円 現金5,000円」と記入
5月3日、現金で15,000の売上(収入)があった
→「5月3日 現金15,000円 売上15,000円」と記入
青色申告では、“現金”、“仕入”、“売上”、“買掛金”、“通信費”など細分化された勘定項目を仕訳する複式簿記で記帳しなければならないだけでなく、損益計算書や貸借対照表も作成しなければなりません。そのため、会計の専門知識がない方にとっては、骨の折れるものとなります。
あなたに最適な確定申告を選ぼう
白色申告から青色申告への切り替えを考える場合、申告書を提出する前年の3月15日迄に、所轄の税務署に“青色申告の承認申請書”を提出することで変更ができます。
専門知識がなければ、記帳が難しい青色申告。税理士に依頼する手段もありますが、その場合は、その分のコストがかかるというデメリットをおさえておかなければなりません。とはいえ、初心者でも気軽に使える会計ソフトもあります。会計ソフトについては、会計帳簿にお悩みの方必見!個人経営の飲食店にFreeeを勧める5つの理由をチェックしてみてください。
“白色申告”と“青色申告”、それぞれの特徴をしっかりと確認し、あなたにあったものを選びましょう。
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