【埼玉・川越】江戸時代から続く歴史ある『宇田川や』で、本物の水飴の味を堪能しよう
昔ながらの風情が漂う埼玉県の川越に、歴史ある問屋会社が経営する『宇田川や』があります。看板商品の水飴を中心に、おこしやお米を使ったお菓子、お茶などを販売しているお店です。
「本物の味を提供したい。」と熱く語るのは、社長の増村さん。同店にかける想いやこだわりについてうかがいました。
地元民で川越を盛り上げたい
地元が川越の増村さん。観光地として賑わっていくのをうれしく思う一方で、ある心配ごとがありました。
――なぜこの業態を選ばれたのでしょうか?
「もともとここは先祖が江戸時代末期に創業した、水飴などの販売をおこなう問屋なんです。僕がその5代目にあたります。問屋会社としてはずっと続けていましたが、地域活性化への貢献ということで水飴のお店をはじめました。」
――それほど歴史があるとは驚きです。地域活性化への貢献とのことですが、最近の川越は観光地としてとても人気が出ていますよね。
「そうですね。毎年多くの観光客が訪れるので、お店の数もかなり増えました。以前と比べて川越はとても賑やかになっていると思います。もちろん喜ばしいことですが、そのお店を開いているほとんどが地元以外の人や企業だというのが少しだけ気がかりです。川越らしさがなくなってしまうと、どこにでもある観光地だと思われかねません。さらに、万が一この先盛り上がりが落ち着いた時、一気にお店がなくなって閑散としてしまうのではないかと心配しています。」
――観光地として人気を集めることが、デメリットとなってしまう部分もあるんですね。
「地域活性化に繋がっているので、悪いことではなくむしろありがたいです。ただ、川越がこれからもずっと賑やかな街であるためには、地元民である自分が動かなければと思ったので、今回のオープンに至りました。」
生まれ育った大切な場所だからこそ、自分の手で盛り上げていきたいという増村さんの熱い想いを感じられます。
本物を知ってもらいたい
“本物”にこだわっている同店。駄菓子屋や屋台で見かける水飴やおこしは、本来のものとは少し違うのだといいます。
――水飴は透明のイメージが強いですが、こちらは色が違いますね。
「実は、これこそが本来の水飴の色なんです。麦芽を糖化させて作るため、透明感のある黄金色になります。一方で、最近街でよく見る透明の水飴はデンプンを糖化して作っているので、色がつかず透明になるんです。」
――そうなんですね。初めて知りました。
「透明のものが本物の水飴だと思っている方は多いです。色を付けているのかと聞かれたこともありました(笑)。おこしに関しても、本来は天日干しして炒った米に砂糖や水飴を絡めてつくりますが、今はデンプンなどを米粒風にしたものが売られていることもあります。」
――知らない方は、そちらを本物だと思ってしまいますよね。
「そうなんです。本物が本物じゃなくなってきていると僕は感じています。そんな現状を見て、当店で提供するものは本物にこだわろうと思いました。」
目移りしてしまう品ぞろえ
看板メニューの水飴をはじめ、同店ではおこしなどのお菓子やいなりずし、夏にはかき氷などさまざまな商品を販売しています。
――水飴にもいくつか種類があるんですか?
「江戸のもち米飴 明治の米飴 昭和の水あめの3種類を用意しています。時代の流れとともに水飴も変化してきたので、味も少しずつ異なります。食べ比べでその違いを感じてみると楽しいかもしれません。これからいろいろな味をつくることも検討していますが、まずは基本の味で勝負しています。」
――良いですね。100円とお手頃価格なのもうれしいです。
「水飴になじみがない方も多いと思うので、まずは気軽に食べてもらうためこの価格設定にしています。それで気に入って、瓶詰タイプをお買い上げいただく方もいらっしゃいますね。身体に良くてヘルシーなので、健康志向の方やダイエット中のおやつにもぴったりですよ。」
――私も食べたくなりました!ところで、水飴以外にも充実したラインナップが揃っていますね。
「はい。先ほどお話したおこしや、お米を使ったお菓子を中心にさまざまな商品を扱っています。暑い時期には冷やし飴やかき氷が人気です。ほかには、川越いなりずしと小江戸助六寿司という、砂糖と醤油だけで味付けした無添加のいなりずしもおすすめです。当店のためにブレンドしてもらったお茶もあるので、ゆっくり味わっていってもらえたらと思います。」
『宇田川や』が本物を知るきっかけになれたら
――最後に、『宇田川や』としての、今後の目標を教えてください。
「時間がかかったとしても、本物の良さをしっかりと広めていきたいと思っています。最近の方が昔を知らないのは当然ですし、それは仕方ありません。当店の存在が気付きの一つになれたらそれだけでうれしいです。本当はこうだったのかと興味をもってもらえるだけでも、お店を続けていく理由になります。」
本物を伝えるために、今日も営業を続けている『宇田川や』。川越に訪れた際には、昔ながらの味を楽しみに立ち寄ってみてください。手作りの優しいおいしさに、きっとほっこりした気持ちになれますよ。
店舗名 | 宇田川や |
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住所 | 埼玉県川越市元町2-10-39 |
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電話番号 | 049-298-7460 |
アクセス | 西武新宿線本川越駅、東武東上線川越市駅から徒歩約15分 |
営業時間 | 10:00~17:30 |
定休日 | 月曜日 |
ホームページ | https://tabelog.com/saitama/A1103/A110303/11046033/ |
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