飲食店にキャッシュレスを導入するなら、マルチ端末?それとも個別?
世の中のニーズに伴ってあらゆる業種の店舗でキャッシュレスの導入が広がっています。国を挙げたキャッシュレス化の推進や現在はコロナの影響も重なり、キャッシュレス社会への加速が進み、飲食店もキャッシュレス決済を導入していることが当たり前になりつつあります。そんな中、飲食店経営者の中には、「キャッシュレスを導入したいけれど何がベストなのか」「現在導入しているキャッシュレス以外にも検討した方がいいのではないか」「マルチと個別タイプはどちらが合っているのか」等とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、飲食店にキャッシュレスを導入する際に知っておくべき決済端末について詳しく解説してまいります。
飲食店にキャッシュレス決済は必要?
現代の飲食店経営において、集客率の向上や売り上げアップを目指すならば、キャッシュレス決済の導入は必要です。ユーザーの中には、キャッシュレス対応していないお店には行かないという人も多くなっており、今後はこの流れが加速することが予想されています。
2019年3月に行われた日本政策金融公庫による「飲食店でのキャッシュレス決済の意向・利用状況」の調査によると、消費者が飲食店でキャッシュレス決済を利用したいと考える方が約5割以上に昇るというデータが発表されています。これは、2019年のデータとなっていますので、これから行われる2020年の調査結果では、さらに数字が伸びることが予想されています。
(出典:日本政策金融公庫 2019年3月外食に関する消費者調査結果
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/seikatsu19_0529a.pdf)
これに加えて、2020年10月に発表された「コロナ禍での外食に関する意識」調査の中で「感染予防対策で気になるポイント」として「キャッシュレス決済に対応していること」と回答した割合が57.9%という結果が発表されました。
(出典:日本政策金融公庫 2020年10月 外食に関する消費者調査結果
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/seikatsu20_1113a.pdf)
その中でも興味深いのが、20代から60代までの全ての年代の数字にばらつきが少ないことです。一見、若者の意見が大きいのかと思う方もいらっしゃるでしょうが、キャッシュレス利用の意識は世代を問わずに広がっているのです。
キャッシュレス決済のメリット
これらのキャッシュレス決済は、ユーザにとっては現金を持ち運ばなくても、スムーズに会計を済ませられる利便性はもちろん、飲食店にとっても大きなメリットがたくさんありますので下記をチェックしてみてください。
非接触の決済が可能
新型コロナウイルスの流行が広まり、社会全体的に人との接触を強く意識するようになっています。コロナとの戦いは長期化されることも予想されており、飲食業界では様々な対策が強化される中でも注目度が高いのが、非接触で決済が可能となるキャッシュレスの導入です。
電子マネーやQRコード決済は機械に端末をかざしたり、バーコードを読み込んで決済するため接触機会は発生しませんし、クレジットカード決済もお客様が自分で決済用端末に差し込む形式が広まっています。現金決済では、トレーの使用が広まっているとはいえ、現金を介しての感染リスクが全くないとは言い切れないので、不安視される方が多いのも現状です。店舗側もお客様にとっても安心面を考慮すると、キャッシュレス決済は非常に有効だと言えます。
デリバリーやテイクアウトにも対応
コロナ禍でも飲食店が売り上げを確保するためにデリバリーやテイクアウトを導入した店舗は多いでしょう。ニーズが拡大する理由は「密を避けるため」「人と接触をしないように」「ソーシャルディスタンス保つ」など、ユーザーは「非接触」を強く望んでいるのです。
ということは、必然的に決済も非接触型が望まれるのは当然の流れと言えるでしょう。また、感染症対策以外にも、キャッシュレス決済を導入することで、事前注文や事前決済を受けやすくなります。キャンセル等も防ぐことができるので、時間や食材を無駄にすることが減っていきます。また、現金のやり取りによる勘定ミスも防げますので、総合的にスムーズな対応につながるでしょう。
POSレジと連携可
飲食店の運営において一般的になりつつあるPOSレジは、お会計の際に金額を計算するだけでなく、お客様とのやり取りを行った時点で、販売情報を集計から管理、分析までを行うことができます。
タブレット型などの登場で比較的低コストで導入できるようになり、POSレジの導入時に合わせてキャッシュレス対応にされた飲食店も多いでしょう。
またコストを必要最小限に抑えてPOSレジを導入した場合でも、現在の状況に応じて、キャッシュレス決済との連携サービスを追加するなど、柔軟な拡張も可能です。POSレジとキャッシュレス決済はセットとして考えてよいでしょう。
キャッシュレス導入はマルチが便利?
飲食店経営において、集客率アップにつながったり、業務効率化からコスト削減も可能になるキャッシュレス導入ですが、自店舗に見合ったサービスはどれなのか迷ってしまうほど現在は多くの種類が出回っています。ここでは、複数のキャッシュレス決済サービスに対応できるマルチ決済端末ついて紹介してまいります。
乱立した決済端末を一台に集約できる
キャッシュレス決済の方法としては、クレジットカード・キャリア決済・デビットカード・電子マネー・プリペイドカード・QRコード決済・仮想通貨などがあります。そのような様々な決済に1台で対応できる端末のことを「マルチ決済端末」と呼びます。お客様が利用する際は決済方法の希望がそれぞれ異なりますので、飲食店はできるだけ多くの顧客の決済種別に対応していく必要があると言えます。マルチ決済端末の最大のメリットは、複数の決済種別に対応できる点です。
窓口を広げられる
都心を中心に、飲食店に限らず一部の店舗では、「決済はきゃしゅれすのみ対応」と謳うお店も増加しています。思い切った施策のように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは店舗側にもお客様にも双方に重要と供給やメリットがあるから成り立つという背景があります。それほどまでに広がっているキャッシュレスの導入は、確実に窓口を広げることができるようになります。
客層や店舗ごとの方針によっては個別のほうが良い場合も
マルチ決済端末のキャッシュレスは、1つの端末で複数のキャッシュレス決済に対応できる点で便利ですが、これに比例してもちろんコストもかかることになります。
【導入時】初期費用、端末費用
【運用時】月額費用、決済手数料
上記の費用が継続してかかるので、導入の段階で、コストと導入効果が見合うかの検討が必要です。。導入したものの、お客様の利用頻度が低ければマルチ決済の効果は得られません。自店舗のキャッシュレス決済の需要をしっかり見極め、費用対効果に合った導入を検討しましょう。
飲食店におすすめのキャッシュレス決済端末
日本経済新聞社がまとめた2019年度の飲食業調査では、2020年度に51%の企業が持ち帰りメニューを増やすと回答しており、これに付随して様々なキャッシュレスサービスの導入が進んでいます。是非、これから導入を検討される飲食店は、自店舗にマッチするサービス選びの参考にしてください。
Star Pay(スターペイ)
複数のQRコード決済サービスをまとめて行うことができるStar Payは、国内ならLINE Payやd払い、PayPay、楽天ペイ、海外ならばWeChat PayにAlipayや銀聯など、幅広くカバーしています。
導入や運用に関しても、コストを抑えたキャッシュレス対応ツールとしてつくられているため、端末を問わずらゆる機器・端末へのQRコード決済搭載を付与することができるのが特徴です。すでにPOSレジを利用中でも接続APIとの連携を設定すれば、QRコード決済が導入となっていますので、連携やシステム追加の自由度が高いキャッシュレスサービスといえるでしょう。
タイムズペイ
コインパーキングの「タイムズ駐車場」で有名な「パーク24株式会社」が提供するクレジットカード決済サービスです。決済手数料は3.24%~と低価格で、振り込み手数料も無料、さらに分割やリボ払いにも対応しているため様々なお客様の支払いニーズに対応が可能なサービスです。
決済用の端末は持ち運び可能なコンパクトタイプなうえクレジットカードと電子マネーがひとつの端末で利用ができるため、小さな飲食店でもスムーズに利用できるでしょう。
個別の決済端末
自店舗の顧客層に合う決済サービスを見極めて、個別の決済端末を導入した方が、決済手数料や振込手数料などを含めたランニングコストを抑えることができます。また、お客様もキャッシュレス決済の使い分けが普通になってきていますので、最近の傾向では、その店舗で使える決済方法に合わせていくケースが多くなっています。
①paypay
PayPayは、QRコードやバーコードの提示または読み取りで、支払いを簡単に済ませられるキャッシュレス決済サービスです。お客様のスマートフォンやタブレットで利用できるため、機器を導入する手間がかかりません。また、PayPayは、2021年9月30日まで決済手数料無料で利用することが出来ます。無料期間終了後の決済手数料は現状決まっておらず、継続して使う使わないは飲食店側が自由に判断できます。
②d払い
多くの種類がでているQRコード決済サービスのなかで、d払い独自のメリットはドコモユーザーに対する集客効果が期待できる部分です。5,000万人以上が利用していると言われているドコモユーザーにアプローチすることができます。また、2020年12月にNTTドコモは安価でお得な新料金プランを発表しましたので、これによって今後ドコモユーザーが増えることが予想されます。dポイントが貯まるお店をしアピールすることで集客効果も期待できるでしょう。
③メルペイ
「メルペイ」は、株式会社メルペイが提供するフリーマーケットアプリのメルカリと連携したQRコード決済サービスです。全国のメルペイユーザーがメルペイを通じて店舗に来店してくれることで集客効果や売上向上を見込める点は導入の大きなメリットだといえます。また、決済手数料も他サービスと比較して圧倒的に安い1.5%となっている点も、導入のハードルを下げることができます。
まとめ
今回は、これからの飲食店経営に欠かせないアイテムとなるキャッシュレスの導入について詳しく解説してまいりました。キャッシュレスについてお客様のニーズはつい最近まで、主に若い人たちが利用するというイメージが強かったかもしれませんが、今ではどの世代でもキャッシュレス決済を利用するようになっています。また、新型コロナウイルスの影響も重なり、キャッシュレス決済はニューノーマル(新しい常態)の一つとして社会に浸透しつつあります。
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