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飲食店の集客に効果的な営業時間の決め方!

開店ポータル編集部
2020/10/21
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飲食店を開業する際に、決めるべきことは多々ありますが、営業時間や定休日の設定に悩む店舗も多いでしょう。

店舗の営業時間は、コストと売り上げに直結していきます。

単純に「大体このくらいだろう」「他店舗と足並みを揃えよう」など、簡単に決めてしまうと売上げや利益を圧迫させ、後々経営が厳しくなってしまう可能性も出てきます。しかし、効果的な決定方法をよく知らないという方も多いでしょう。

そこで本記事では、飲食店の業務形態別に、店舗の利益を最大化させる営業時間の決め方を解説していきます。

飲食店が営業時間を決めるときのポイント


お店の経営で最も重要なことは、利益を出すための「売上」と「コスト」のバランスです。

これに付随して「営業時間」を決めることは、利益を左右させる店舗のコンセプトを考えることと同じくらい大切な要素です。

それでは、主な項目別に、飲食店が営業時間を決めるときのポイントを解説していきます。

 

業種ごとに効果的な時間を検討する

一般的に飲食店の営業時間は、混雑するコアタイムが異なってくるので、提供するメニューの種類によって決めます。

業種別に、一般的な適した営業時間はありますが、例外もあります。

例えば、そばやうどんの店であれば昼帯がピークタイムですが、居酒屋であれば夕方あたりから混み出します。しかし、そばやうどんの店でアルコールやつまみを出したり、居酒屋でランチを出したりする場合は、昼と夜もどちらもコアタイムに設定することもできるでしょう。

下記の表は、一般的な営業時間を業種別でまとめてみました。

 

◆業種別一般的な営業時間

ターゲット選定をする

立地的に見て、大まかなターゲット層は見えていると思いますが、大事なことは一般論だけで判断せず、「自分の足で客足の動向を細かくチェックする」ことです。何時ごろにどのような人が通るのかをよく調べてください。

例えば、オフィス街や商店街に店をオープンさせる場合は、そこで働いている人たちの昼食時間にも注目し、一斉にランチタイムがやってくるのか、時間差なのか、グループが多いのかなど、細かくチェックしましょう。

そうすることで、「ランチタイムを長めに取った方がいい」「この曜日を定休日にしよう」などの意外な発見によって、売り上げがアップする可能性があります。

立地などとも照らし合わせる

 

立地によって、主なターゲット層や来店の動機や集中する時間帯などに違いがあるため、営業時間が変わります。例えば、主婦やファミリー層が多いのか、学生が多い地域なのか、サラリーマンやOLなどの社会人がメインなのかによって、時間ごとの来客数に大きな違いが出てきます。
これは、地域の顧客動向からくる影響であるため、近隣の店舗状況も合わせて、きちんと調査しておくと良いでしょう。


予想売り上げも加味する

飲食店を経営する上では家賃、人件費、光熱費などの経費と売り上げのバランスが重要です。
 

営業時間内にかかる、経費と時間毎の売上高を計算し、月単位で売り上げを予想することも大切です。また実際には営業時間以外にも、開店準備や閉店後の片付けもありますので、その時間の人件費や光熱費なども考える必要があります。
 

そして、忘れてはいけないことが、店を開けていて、お客様の来店があるからといって、必ずしも利益になっているとは限らないという点です。店を開けているということは、光熱費や人件費などのコストがかかっているからです。

一方で、営業しなくてもかかってしまう家賃や減価償却費があります。

どちらが店舗の利益にプラスとなるかも見極めることも大切です。
 

赤字の時間を割り出す

 

日々のルーティーンや、決められた営業時間内での業務に追われて、赤字に気づかないケースもあります。「周囲のお店も開けているから」「最初に営業時間決めてしまったから」という理由で、利益にならない時間帯に営業を続けていても意味がありません。まずは、開店時間と閉店時間を見直すことをおすすめします。
曜日ごとに1時間単位の来店客数を記録し、売り上げから原価を引き、その間にかかった人件費、光熱費、そして1時間単位に割り戻した家賃と減価償却費を引いて算出します。これを、曜日ごと×時間単位にまとめます。すると、明確に、利益が出ている曜日と時間帯、赤字になっている曜日と時間帯がわかります。最低でも2か月間集計すると、はっきりと、赤字の時間帯が見えてきます。


ライバル店を観察する

郊外にポツリと佇むお店等でない限り、近隣にライバル店は存在しているでしょう。そのお店は、大体何時くらいにどのくらいのお客さんが入っているかを観察するのも大いに参考になります。但し、ライバル店と同じ時間に営業時間を決めればいいというわけではなく、メニューや時間帯の差別化を図るなど、自店舗のオリジナル色を出す工夫材料として捉えることも重要です。

飲食店の業態別おすすめの営業時間

営業時間は、各店舗によっても様々ですが、業態別におすすめする営業時間をお伝えします。

業種別に、ピーク時間を参考におすすめの営業時間帯を表にまとめました。

以下で詳しく解説していきます。

カフェ

最近では、出勤前に利用する人も増えていますので、モーニングなどを提供するなら、6時~8時ごろには開店すると、常連客も増えるでしょう。

観光客の集客も見込めます。朝早くからの仕込みは大変ですが、ライバルは減りますし、「あのお店は朝〇時から開いている!」と定着すると、知名度も上がります。
 

モーニングがなくランチ営業がメインの場合は、午前11時ごろの開店が望ましいでしょう。夜は、仕事帰りのお客様が一日の最後に落ち着ける時間帯夜の20時~21時ごろまで営業すると、この時間帯の常連客も集まってくることが期待できます。

一般的には、多くのカフェでは午前11時から午後7時くらいまでを営業時間にしている店舗が多いようです。

喫茶店

喫茶店はカフェと似ていますが、営業許可の内容に違いがあります。喫茶店では、店内での調理ができず、アルコールを含まない飲み物とトーストやケーキなどの軽食のみを提供することができます。一方、カフェでは、調理全般が可能となり、コーヒーや紅茶以外にアルコール飲料も提供することが可能となっています。

 

喫茶店は、比較的、個人経営で小さな規模のお店が多いので、オーナー(スタッフ)にとって無理のない時間内で、かつ常連の固定客の時間を考慮した営業時間を設定しましょう。多少、営業時間自体が短くても、常連客に認識されれば、その時間帯の中でお客様は来店してくれるでしょう。

 

居酒屋

居酒屋では、食事はもちろん、お酒を楽しみたいというターゲット層が来店します。主な客層は仕事終わりのビジネスマンですので、午後5時前後から午後11時くらいまで営業している居酒屋が多いです。来店客のピーク時間帯は午後7時から午後9時くらいになります。

深夜の1時や2時、長ければ明け方まで営業するお店もありますが、0時を過ぎても営業を行う場合は、深夜酒類提供飲食店となり、公安委員会に「深夜酒類提供飲食店開始届」を提出しなければなりませんので注意しましょう。

 

ラーメン店

ラーメン屋のピークタイムは11時30分~13時30分、夕方18時~21時ころまでと言われています。ですので、この前後で営業時間を設定している店舗が多いです。
 

ラーメン店では、仕込み作業も多く、体力を使うため、営業時間を長くしすぎると負担が大きくなってしまいます。そして、長い時間営業していれば利益が上がるというわけではなく、特にラーメン店においては、客単価もほぼ決まっていますので、営業時間内で、いかに回転率を上げるかが勝負になってきます。
 

お昼から開店し、スープがなくなり次第終了というお店もあれば、ランチ営業をせずに夕方から夜にかけて営業するお店もあります。また、繁華街など集客がしやすい場合は、シメの1杯を楽しみにしているサラリーマンや夜遅い職業の人たちが通うお店もあります。

数ある業種の中で、ラーメン店は特に、店舗ごとに営業時間のばらつきがありますので、自店舗のコンセプトをしっかりと確立させることが大切です。

ファミリーレストラン

働き方改革の一環で、ファミリーレストランのほとんどの店舗で24時間営業が廃止となりました。これは、本記事の「飲食店における長時間営業のデメリット」の部分にも共通しますが、長時間営業していることが全て利益につながるわけではありません。

従業員の働く環境の改善にも、もちろんつながっていますが、やはり、需要とコストの費用対効果による判断が大きな理由になっています。時間を短縮することで、ランチやディナーの時間帯に、従業員の配置を増やし、サービスをより向上させ、利益を上げていこうという動きです。

また、新型コロナウイルスの影響も大きく、新しい生活様式に対応する策としても、今後、ファミリーレストラン業界に浸透していくでしょう。

「ファミリーレストラン=24時間営業」の定説はなくなり、ここをカバーするそれぞれの店舗の戦略がキーポイントとなるでしょう。



飲食店で定休日を決めるときのポイント

多くの飲食店は原則的に、定休日は曜日で決めています。

重要なのはお客さんに覚えてもらいやすいことであり、定着です。

 

定休日の決定はターゲット層や立地に左右されますので、曜日毎の人の流れを確認したうえで決定しましょう。一般的には週の前半に定休日を定めている店舗が多いようです。一例ですが、以下を参考にしてみてください。

日曜定休の場合

 オフィス街など、平日に出勤する社会人をターゲットとしている場合、サラリーマンの一般的な休日に合わせて日曜日を定休日していることが多いです。

月曜定休の場合

忙しい土日の週末を乗り越えた月曜日の定休日というのは、昔からの定番です。月曜定休の場合、ハッピーマンデー法や祝日の振り替えで月曜日が祝日になることも多いので、その場合は月曜営業で火曜日をお休みにしているお店が多いです。

火曜定休の場合

 ハッピーマンデー法や振り替えで、祝日や祭日が月曜日になることが多くなってからは、稼ぎ時の祝祭日はお店を開けて、その次の火曜日を定休日にするお店も多くなりました。

水曜定休の場合

市場がお休みのことが多いので、和食系の飲食店は水曜定休のことが多いです。
 

元々、魚市場などの卸市場関係の職種の休みは、日曜と祝日に集中していましたが、週休二日が当たり前になったことで、水曜日が一番忙しくないという理由により、週の真ん中である水曜日に休みを設けるようになったそうです。

定休日は、お客様が少ない曜日にするというのが普通ですが、飲食店の立地や業態によって変わってきます。来客数や売上げののデータを取ってみたらそんなに大差がなかったということもあり得ます。

以上を踏まえ、定休日の設定は、開業後、しばらく営業してお客様の動向のデータ分析をしたうえで決めても良いのではないでしょうか。

その一方で、定休日が近所のお店と被らせないという選択肢もあります。

案外、同じ曜日にどこの飲食店も定休日にしているということが多いので、被らないようにするとお客様に喜んでいただけます。これが定着すると、「〇曜日だけど、あのお店は開いてるから行こう!」と常連客も増えるかもしれません。



飲食店における長時間営業のデメリット

24時間営業など、長時間にわたって営業をしていれば売上げの取りこぼしはなくなりますし、様々なニーズの顧客を取り込めるメリットがあります。長い時間に対応することで、アルバイトやパートの募集時には、シフト制による時間のニーズに合った人材も集まりやすくなります。

しかし、長時間営業には多くのデメリットになる部分も多くあります。

長時間営業を考える場合は、安易に判断せず、以上のデメリットも把握したうえで、自店舗にマッチする営業時間を割り出しましょう。

人件費・光熱費などの経費がかかる

長時間営業しても、客足が伸びず、収益に対し、人件費や光熱費の方が高くついてしまえば

赤字になってしまいます。雇う時間帯によって人件費(時給など)が異なる場合もありますが、費用対効果を考慮し、人材を配置する時間も考える必要があります。


長時間労働による質の低下

これはどの業種や物事にも通じますが、長い時間、頑張れば良いというものではありません。長時間営業に伴い、従業員の勤務時間も長くなり、業務の質が低下したり、集中力も欠け、お客様に対するサービスに影響が出ることがあります。

また、人員不足の場合は、その影響が顕著にあらわれてしまいます。

食材ロス

お客様の来店数に関わらず、長時間にわたり営業している場合は、その分、食材を確保する必要があります。特に、新鮮さが命の場合や腐敗しやすいものは、食材が無駄になってしまう可能性が増えます。

 

さらに、営業時間を長くすることで、取り込もうとするお客様のニーズが拡大し、同じメニューで飽きないように、品数を増やすという店舗も多いでしょう。これも前者と同様に、食材の無駄を生み出す原因になります。

以上の、飲食店における長時間営業のデメリットを参考にし、「営業時間の長さと売上げは比例しない」ということを念頭に、営業時間を決めていきましょう。

まとめ

店を開けているということは、お客様の数に関わらず、それだけでコストが発生することになります。要は利益を上げるには、そのコストの使い方、つまり営業時間をどう設定するか、店舗経営において重要なポイントになるということです。

 

現在は、新型コロナウイルス感染症の影響で営業時間の変更や短縮を余儀なくされている飲食店も多くありますが、通常営業に戻す際、今後も継続していく経営対策として、本来設定していた通常の営業時間を変更する店舗も増えています。

経営を持続させるためには、コストや売り上げはもちろん、身体に無理のない範囲に設定することも大切であるといえるのではないでしょうか。

 

自店舗のコンセプトや魅力を生かし、お客様へ最大のサービスができる営業時間を設定し、集客と売上アップを目指していきましょう!

 

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