経営支援
個人経営の飲食店が大手外食各社から学ぶ「増税後の客離れを防ぐ方法」
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2019年10月の増税は、飲食業界に大きな影響を及ぼしました。飲食店は、値上げもしくは据え置きの選択を迫られました。このときの選択を誤った店舗は、いままさに、客離れに苦しんでいる真っ只中。消費税率10%への引き上げにともない、家計への負担を考えて外食を控える人が増えたのです。
大手外食各社は、業界で生き残っていくために、お客さまを呼び込むべくさまざまな取り組みをおこなっています。各社の動きを参考に、客離れを防ぐための対策を考えていきましょう。
大手外食各社の対応
株式会社シンクロ・フードが2019年10月におこなった、増税と軽減税率制度の影響についての意識調査があります。これによると、増税と軽減税率制度の影響について、もっとも多かった回答は「客足が減った」(49%)。消費税率たった2%の違いでも、多くの人が「外食は高いから控えよう」と意識するようになったのです。
今回の増税による客離れを防ぐために、大手外食各社はさまざまな方法をとりました。各社の対応を見てみましょう。
吉野家(株式会社吉野家)
増税後も本体価格を変えず、イートインなら10%、テイクアウトなら8%とルールどおりに会計を分けています。
サイゼリヤ(株式会社サイゼリヤ)
ちなみに、看板メニューの「ミラノ風ドリア」は、増税前は税込299円でした。これを増税後、イートインは272円(税抜)+消費税10%、テイクアウトは277円(税抜)+消費税8%と、どちらも税込299円になるようにそろえています。この対応に、SNSでは多くの反響が寄せられました。こうした企業努力で、さらなるファンづくりに成功しています。
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丸亀製麺(株式会社トリドール)
さらに、イートインとテイクアウトを税込み同一価格に設定。加えて、テレビCMに力を入れることで値上げ後の売上をアップさせることに成功したようです。
リンガーハット(リンガーハットジャパン株式会社)
幸楽苑(株式会社幸楽苑)
個人経営店がとり入れるべき対策
既出のように大手はさまざまな対応をとっています。値上げに踏み切った企業も多くありましたが、結果的には売上を落とさずに客離れを回避しています。
これを参考に、個人経営の飲食店がとり入れるべき対策を考えました。
「値上げ」にはお得感をプラスする
看板メニューを値上げしたぶんほかのメニューを値下げすると、お得感が出ます。メニュー全体でとらえて、お客さまに「損をした」と感じさせない工夫をしましょう。
※値上げ時の注意点
安さを売りにしたせんべろ居酒屋が思い切って100円の値上げをすると、お客さまは「高くなった」と感じてしまいます。これでは客離れも避けられません。一方、平均客単価が3,000円程度のレストランが100円の値上げをしても、お客さまはそこまで負担に感じないものです。値上げをするのであれば、お店のイメージによって調節しましょう。
看板メニューの「値下げ」は極力しない
値下げをするのならば『幸楽苑』のように、注文されにくいメニューを少しだけ値下げしてバランスをとりましょう。
看板メニューにバリエーションをもたせる
限定メニューは、グランドメニューのトッピングを変えるだけでもつくれます。たとえばプレーンパンケーキに、春はいちご、夏はマンゴーをトッピングするといったかたちです。メニュー表に、「プレーンパンケーキ500円」、「春限定いちごパンケーキ600円」が並んで記載されていても、お客さまは後者を特別高いとは思いません。「春限定・いちご」というところに価値を感じて、オーダーしてくれるでしょう。
メニューを絞ってクオリティを上げる
メニューを増やすのならば、セットで頼めるサイドメニューの幅を広げるのもよいでしょう。客単価を上げながらお客さま満足度を高めることができます。
キャンペーンで目を引く
サービスの質を高める
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