経営支援

長く続くお店にするためには?飲食店経営成功の方法

開店ポータル編集部
2019/07/18
この記事の目次 [表示する]
 2019年7月に発表された「中小企業白書」では、業種別の開・廃業率の分布状況(2017年度)をみることができます。資料によると、飲食店は「高開業かつ高廃業」の業種。

 非常に入れ替わりの激しい業界であり、毎年たくさんの新店がオープンしてはつぶれているということがわかります。

 すぐに廃業に追い込まれる飲食店がある一方で、たくさんの常連さんを抱え、長く営業を続けている飲食店もあります。繁盛店に共通する成功の方法とは、どういったものなのでしょうか。

成功する飲食店は、利益を出し続けている



 飲食店は、利益率の低い業種です。1,000円のとんかつ定食が売れても、1,000円の利益を得られるわけではありません。食材原価はもちろん、家賃や光熱費、人件費など、経営上のさまざまな支出があるからです。

 成功する飲食店の鍵となるのは、販売機会を増やし、高い利益率をキープしていること。当たり前のことですが、利益を上げられなければ赤字が続き、やがて閉業に追い込まれてしまうのです。

利益を上げる3つのステップ

 利益率を高めるためには、売上を増やさなければなりません。次のステップを踏んで、売上を構成する客数と客単価を上げていくプロセスが大切です。

 ①新規のお客様に関心を持ってもらう
↪②リピーターを増やし販売機会を増やす
↪③客単価を上げる

 
Step1.新規のお客様に関心を持ってもらう
 開業時には、「このエリアにはどんなお客様がいて、その人たちは何を求めているか。どんなメニューや営業スタイルで勝負すべきか」とマーケティングをするでしょう。

 でも、周辺のライバル店も、きっと同じことをしています。そのお店だから食べられるメニュー、体験できること、アピールできるこだわりなどがなければ他店と差別化できず、お客様に選んでもらうことはできません。

Step2.リピーターを増やし、販売機会を増やす

 オープン直後は、ものめずらしさから多くのお客様が足を運んでくれます。しかしその後に、同じ人が2度、3度と来てくれるとは限りません。

 リピーターになってもらうには、「もう一度来たい」と思えるきっかけをつくる必要があります。短期間に何度も来店してくれるリピーターが増えれば、販売機会も増えますし、お客様とのつながりを深めていけます。

Step3.客単価を上げる

 お客様が100人いても、それぞれが200円のコーヒーを1杯しか頼んでくれなければ、売上は20,000円にしかなりません。

 リピーターをある程度つくったら、一人ひとりの客単価を上げる努力をし、売上をさらに増やす努力が必要となります。

3つのステップにおいて取り組めること

 利益率をアップさせるには3つのステップが必要なことがわかりました。では、具体的に、どのようなことをすればよいでしょうか。

 「新規のお客様に関心を持ってもらうには?」「リピーターを増やし、販売機会を増やすには?」「客単価を上げるには?」

 以下に、例をまとめました。
 

①新規のお客様に関心を持ってもらうには?
ブランディングをする


 大切なのは、自分のお店にしかない「売り」をつくること。
 「地元の農家から野菜を仕入れています」
 「デザイナーが手がけた居心地のいいソファで過ごせます」

 など、あなたのお店を選ぶ理由をつくらなければなりません。

 売りをつくったら、店頭(看板など)やHP、フライヤーなどでその文言を使い、お店を印象づけましょう。

 「こんにちは!紅茶と手づくりマフィンのお店、○○です」など、SNSの投稿をいつも同じあいさつからはじめると、覚えてもらいやすくなります。
 

②リピーターを増やし、販売機会を増やすには?
1.次の来店のきっかけを作る
2.トイレをコミュニケーションの場にする


1.次の来店のきっかけをつくる


 「そろそろあのお店に食べに行きたい」と思う間隔は、お客様それぞれです。だからこそ、「近いうちにまた行きたい」と思ってもらえる働きかけをしましょう。

 たとえば、「来週はイタリア産の生ハムが入ってきますよ」「ワインのテイスティングイベントを、来月頭に開きます」と声をかけてあげること。お客様に「じゃあ〇日に来ようかな」と予定を開けてもらうことができ、次の販売機会につながります。

2.トイレをコミュニケーションの場に

 トイレは、お客様がひとりになり、フッと息抜きをする場所。腰を下ろした瞬間、目の前のドアに「日替わり&数量限定!大将の気まぐれデザート」というポスターが貼ってあったら、気になりますよね。

 情報発信の場として、見落とされがちなのがトイレです。おすすめメニューや裏メニューの情報、イベントのお知らせ、来月の営業予定…。お客様の興味を引き、販売機会を増やすためのコミュニケーションの場として使ってみてください。
 

③客単価を上げるには?
1.盛り合わせ商品を作る
2.「おすすめは何?」に即答する


1.盛り合わせ商品をつくる

 たとえば、焼鳥屋さんでのこと。もも、皮、つくね、砂肝とメニューが豊富で、初めてのお客様はどれを頼めばよいか迷ってしまいます。

 ここで、“おすすめ6本盛り700円”というメニューがあれば、どうでしょう。お客様は注文を決めるのが楽になるだけでなく、「焼き鳥と、あとはこれとこれも頼もう」という心理になり、客単価が上がります。

 ぜひ既存のメニューを組み合わせて、盛り合わせをつくってみてください。

2.「おすすめは何?」に即答する

 どれがおいしいか分からないけれど、メニュー選びで失敗したくない。お客様はそう思って、「おすすめは何ですか?」と尋ねてきます。
 こんなときに自信を持って「〇〇がおすすめですよ」と答えれば、ほぼ「じゃあ、それをください」と言ってもらえます。

 「6名様であれば、鶏のから揚げを3皿と、当店自慢のとんぺい焼きを2皿くらい頼んで、シェアしていただくとちょうどいいですね。あと、箸休めの小鉢があれば最高です!」
…などと人数をみて提案できれば、一度に何品も注文をもらうことができます。

利益を上げて成功店の仲間入りを

 本記事では、利益を上げ、長く営業を続けていける飲食店の成功の方法を、例を交えてご紹介しました。

 ここで紹介した利益率アップの努力は、お金をかけずにはじめられるものばかり。継続的におこなうことで、あなたのお店も成功店の仲間入りを果たせるかもしれません。

 

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2019/07/18