経営支援
飲食店・個人事業主にピッタリな助成金について調べてみた!
あたらしく事業をはじめたり事業を拡大していくためには、多額の資金が必要です。とはいえ、自力で調達できるお金は限られているもの。そんなときの強い味方が、国や自治体から支給される助成金です。
本記事では、個人事業主が活用できる雇用関係の助成金「トライアル雇用助成金」、「特定求職者雇用開発助成金」、「キャリアアップ助成金」の3つについてまとめました。
助成金と類似する融資制度に、「補助金」があります。補助金とは、産業を発展させたり、施策を進めたりといった目標達成をサポートするために、会社や個人事業主に支給されるお金です。私たちが支払う税金を財源としています。
一方で助成金は、各企業が支払う雇用保険料を財源としています。そのため、採用や教育、働き方改革など、雇用に関するものが一般的です。
助成金も補助金も原則返済が不要という点では同じですが、次のような違いがあることをおさえておきましょう。
個人事業主が受け取れる代表的な助成金は以下の3種類です。
1.トライアル雇用助成金
2.特定求職者雇用開発助成金
3.キャリアアップ助成金
一つずつみていきましょう。
トライアル雇用とは、3か月間「お試し」で働いてもらい、その人の適正や業務遂行能力を見極めたうえで採用を決めることです。これをおこなう場合に受け取れるのが、トライアル雇用助成金です。
この助成金を利用するメリットは、人件費の助成を受けながら労働者を雇うことができる点にあります。履歴書や面接だけではわからない実際の仕事ぶりや得意不得意、社風とのマッチングなどを見て、本採用後のミスマッチを防げるのも利点です。
労働者側も試用期間のなかで仕事や職場への理解を深め、「きちんと働いていけるかどうか」を自分で判断できるでしょう。
【対象となる労働者】
①紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上の転職や離職をしている人
②紹介日の前日の時点で、離職期間が1年を超えている人
③妊娠、出産・育児のために離職し、紹介日の前日時点で安定した職業に就いていない期間が1年を超えている人
④紹介日時点で、ニートやフリーターなどで45歳未満の人
⑤紹介日時点で、就職支援をおこなう上で特別な配慮を要する人
(生活保護受給者、母子家庭の母、父子家庭の父、日雇い労働者、季節労働者、中国残留邦人などの永住帰国者、ホームレス、住居喪失不安定就労者、生活困窮者)
上記①~⑤に該当し、かつ本人がトライアル雇用を希望した労働者を雇い入れた場合のみ、助成金を受け取れます。
【助成金の支給条件】
①ハローワーク、地方運輸局または職業紹介事業者の紹介により、トライアル雇用をおこなうこと
②トライアル雇用を開始した日の前日から過去3年間に、当該労働者を雇用したことがないこと
③トライアル雇用を開始した日の前日から過去3年間に、当該労働者に職業訓練(短期訓練は除く)をおこなっていないこと
④トライアル雇用しようとする労働者が、事業主または取締役の親族(3親等以内)でないこと
⑤トライアル雇用期間中に、支払うべき賃金(時間外手当、休日手当などを含む)を支払っていること
支給条件はこのほかにも数多くあり、すべてを満たしている必要があります。
【助成金の支給額と支給期間】
・支給額…労働者1人あたり月額4万円
※母子家庭の母もしくは父子家庭の父の場合は5万円
・支給期間…トライアル雇用期間の開始日から1か月単位で最長3か月
※トライアル期間終了後、各月の合計額をまとめて支給
【申請の流れ】
①ハローワークや職業紹介事業者などに求人情報を提出
↓
②トライアル雇用を希望する労働者を雇い入れる
↓
③トライアル雇用の開始から2週間以内に、トライアル雇用実施計画書を提出
↓
④3か月間のトライアル雇用期間を終えたのち、常用雇用契約を結ぶ
↓
⑤トライアル雇用の終了日の翌日から2カ月以内に、助成金の支給申請書を提出
年齢や障がい、経済的な理由などから、就労できずに困っている求職者がいます。そんな人たちをハローワークなどの紹介で一定期間雇用すると受け取れるのが、特定求職者雇用開発助成金です。
この助成金には、学校の既卒者や中退者を雇う場合の「3年以内既卒者等採用定着コース」、65歳以上の高齢者を雇う場合の「生涯現役コース」など8つのコースがあります。
ここでは、高齢者や障がいのある人、母子家庭の母などを対象とした「特定就職困難者コース」にスポットを当てます。対象者の種別や労働時間、事業所の規模などによって支給額が変わるので注意しましょう。
【対象となる労働者】
・60歳以上の高齢者
・母子家庭の母
・父子家庭の父(児童扶養手当受給者に限る)
・身体・知的障がい者
・精神障がい者
など
いずれも、雇用開始日の満年齢が65歳未満の人が対象です。
【助成金の支給条件】
①ハローワーク、地方運輸局または職業紹介事業者の紹介によって雇い入れること
②雇用保険被保険者として雇い入れ、継続して雇用することが確実だと認められること
(対象労働者が65歳以上になるまで継続して雇い、かつ、その雇用期間が継続して2年以上であること)
など
このほかにも、雇用関係の助成金に共通する支給条件など、いくつか満たすべき項目があります。
【助成金の支給額と支給期間】
1.短期労働者以外
※カッコ内は中小企業以外(大企業)の場合
2.短期労働者(一週間の労働時間が20時間以上30時間未満の人)
※ カッコ内は中小企業以外(大企業)の場合
【申請の流れ】
①ハローワークや職業紹介事業者などに求人情報を提出
↓
②対象労働者を雇い入れる
※支給対象期間は、起算日(賃金の締日が決まっている場合は雇い入れ日、締日が決まっていない場合は雇い入れ日直後の締日の翌日)から6か月間で1期となる
↓
③各支給対象期間の末日の翌日から2カ月以内に、助成金の支給申請書を提出
「非正規労働者の減少」を目的につくられた制度が、キャリアアップ助成金です。アルバイトやパート、契約社員を正社員に登用するなどしてキャリアアップさせた場合に受け取れます。
非正規労働者を正社員登用した場合の「正社員化コース」、正規労働者と共通の仕事に対して賃金規定をもうけた場合の「賃金規定等共通化コース」、週の労働時間を5時間以上のばし、社会保険に加入させた場合の「短時間労働者労働時間延長コース」など、7つのコースがあります。
ここでは、代表的な「正社員化コース」についてみていきましょう。
【対象となる労働者】
・その事業所に通算6か月以上雇用されている有期契約労働者
・その事業所でおこなわれた有期実習型訓練を受け、修了した有期契約労働者
・その事業所に6カ月以上雇用されている無期雇用労働者
・同じ業務に6カ月以上継続して従事している派遣労働者
のいずれかに該当する人
【支給条件】
①雇用保険適用事業所の事業主であること
②事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いていること
③キャリアアップ計画を作成し、その地域を管轄する労働局長に受給資格の認定を受けていること
④該当コースに応じた賃金の支払い状況などを明らかにする書類を持っていること
⑤キャリアアップ計画の期間内に、キャリアアップに取り組んでいること
【支給額】
①有期契約社員を正社員にした場合
ひとりあたり57万円(生産性の向上が認められる場合は72万円)
②有期契約社員を無期契約社員にした場合
ひとりあたり28万5,000円(生産性の向上が認められる場合は36万円)
③無期契約社員を正社員にした場合
ひとりあたり28万5,000円(生産性の向上が認められる場合は36万円)
※1事業主の1年度あたりの支給対象上限人数は20人まで(①~③の合計)
【申請の流れ】
①労働組合などの意見を加味して、キャリアアップ計画を作成・提出
↓
②就業規則などの改定をおこなう(正社員登用に関する規定がない場合)
↓
③規定に応じて、非正規雇用労働者を正社員に登用
↓
④正社員登用後、6か月の賃金支払い
※非正規雇用時と比べて、賃金が5%以上増額していることが条件
↓
⑤助成金の支給申請書を提出
補助金と比べて利用しやすい助成金ですが、助成金の種類ごとに定められた条件を満たさなければ受け取ることはできません。
虚偽の申請や書類の改ざんなど虚偽申請をおこなった場合は、実際に助成金を受給していなくても不正受給となります。その後3年間は雇用関係の助成金が一切申請できなくなり、経済産業省のホームページに「不正をおこなった企業」として名前が公表される場合も。それだけでは済まされず、刑事罰を受けるケースもあるようです。
助成金の申請先は「国」であり、虚偽申請や不正受給は必ず見破られることを心に刻んでおきましょう。
助成金は返済不要のお金であるため、支給条件を満たす事業主にとっては強い味方となります。
個人事業主が事業を育てていくためには、定期的な投資が必要です。あたらしい商品やサービスを開発したり、集客戦略を練ったりといったブラッシュアップに、お金を投じていかなければなりません。そのときに、手元にきちんと資金があれば心強いですよね。
ご紹介した3つの助成金のほかにも、さまざまな助成金があります。あなたの事業をより社会に活かしていけるよう、利用を検討してみてください。
開店ポータルでは、助成金無料診断のほか、インフラ周りのコスト削減、集客のご相談を無料で承っています。お気軽にこちらからご連絡ください!
本記事では、個人事業主が活用できる雇用関係の助成金「トライアル雇用助成金」、「特定求職者雇用開発助成金」、「キャリアアップ助成金」の3つについてまとめました。
助成金とは?
助成金と類似する融資制度に、「補助金」があります。補助金とは、産業を発展させたり、施策を進めたりといった目標達成をサポートするために、会社や個人事業主に支給されるお金です。私たちが支払う税金を財源としています。
一方で助成金は、各企業が支払う雇用保険料を財源としています。そのため、採用や教育、働き方改革など、雇用に関するものが一般的です。
助成金も補助金も原則返済が不要という点では同じですが、次のような違いがあることをおさえておきましょう。
個人事業主が受け取れる代表的な助成金
1.トライアル雇用助成金
2.特定求職者雇用開発助成金
3.キャリアアップ助成金
一つずつみていきましょう。
1.トライアル雇用助成金
この助成金を利用するメリットは、人件費の助成を受けながら労働者を雇うことができる点にあります。履歴書や面接だけではわからない実際の仕事ぶりや得意不得意、社風とのマッチングなどを見て、本採用後のミスマッチを防げるのも利点です。
労働者側も試用期間のなかで仕事や職場への理解を深め、「きちんと働いていけるかどうか」を自分で判断できるでしょう。
【対象となる労働者】
①紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上の転職や離職をしている人
②紹介日の前日の時点で、離職期間が1年を超えている人
③妊娠、出産・育児のために離職し、紹介日の前日時点で安定した職業に就いていない期間が1年を超えている人
④紹介日時点で、ニートやフリーターなどで45歳未満の人
⑤紹介日時点で、就職支援をおこなう上で特別な配慮を要する人
(生活保護受給者、母子家庭の母、父子家庭の父、日雇い労働者、季節労働者、中国残留邦人などの永住帰国者、ホームレス、住居喪失不安定就労者、生活困窮者)
上記①~⑤に該当し、かつ本人がトライアル雇用を希望した労働者を雇い入れた場合のみ、助成金を受け取れます。
【助成金の支給条件】
①ハローワーク、地方運輸局または職業紹介事業者の紹介により、トライアル雇用をおこなうこと
②トライアル雇用を開始した日の前日から過去3年間に、当該労働者を雇用したことがないこと
③トライアル雇用を開始した日の前日から過去3年間に、当該労働者に職業訓練(短期訓練は除く)をおこなっていないこと
④トライアル雇用しようとする労働者が、事業主または取締役の親族(3親等以内)でないこと
⑤トライアル雇用期間中に、支払うべき賃金(時間外手当、休日手当などを含む)を支払っていること
支給条件はこのほかにも数多くあり、すべてを満たしている必要があります。
【助成金の支給額と支給期間】
・支給額…労働者1人あたり月額4万円
※母子家庭の母もしくは父子家庭の父の場合は5万円
・支給期間…トライアル雇用期間の開始日から1か月単位で最長3か月
※トライアル期間終了後、各月の合計額をまとめて支給
【申請の流れ】
①ハローワークや職業紹介事業者などに求人情報を提出
↓
②トライアル雇用を希望する労働者を雇い入れる
↓
③トライアル雇用の開始から2週間以内に、トライアル雇用実施計画書を提出
↓
④3か月間のトライアル雇用期間を終えたのち、常用雇用契約を結ぶ
↓
⑤トライアル雇用の終了日の翌日から2カ月以内に、助成金の支給申請書を提出
2.特定求職者雇用開発助成金
この助成金には、学校の既卒者や中退者を雇う場合の「3年以内既卒者等採用定着コース」、65歳以上の高齢者を雇う場合の「生涯現役コース」など8つのコースがあります。
ここでは、高齢者や障がいのある人、母子家庭の母などを対象とした「特定就職困難者コース」にスポットを当てます。対象者の種別や労働時間、事業所の規模などによって支給額が変わるので注意しましょう。
【対象となる労働者】
・60歳以上の高齢者
・母子家庭の母
・父子家庭の父(児童扶養手当受給者に限る)
・身体・知的障がい者
・精神障がい者
など
いずれも、雇用開始日の満年齢が65歳未満の人が対象です。
【助成金の支給条件】
①ハローワーク、地方運輸局または職業紹介事業者の紹介によって雇い入れること
②雇用保険被保険者として雇い入れ、継続して雇用することが確実だと認められること
(対象労働者が65歳以上になるまで継続して雇い、かつ、その雇用期間が継続して2年以上であること)
など
このほかにも、雇用関係の助成金に共通する支給条件など、いくつか満たすべき項目があります。
【助成金の支給額と支給期間】
1.短期労働者以外
※カッコ内は中小企業以外(大企業)の場合
2.短期労働者(一週間の労働時間が20時間以上30時間未満の人)
※ カッコ内は中小企業以外(大企業)の場合
【申請の流れ】
①ハローワークや職業紹介事業者などに求人情報を提出
↓
②対象労働者を雇い入れる
※支給対象期間は、起算日(賃金の締日が決まっている場合は雇い入れ日、締日が決まっていない場合は雇い入れ日直後の締日の翌日)から6か月間で1期となる
↓
③各支給対象期間の末日の翌日から2カ月以内に、助成金の支給申請書を提出
3.キャリアアップ助成金
非正規労働者を正社員登用した場合の「正社員化コース」、正規労働者と共通の仕事に対して賃金規定をもうけた場合の「賃金規定等共通化コース」、週の労働時間を5時間以上のばし、社会保険に加入させた場合の「短時間労働者労働時間延長コース」など、7つのコースがあります。
ここでは、代表的な「正社員化コース」についてみていきましょう。
【対象となる労働者】
・その事業所に通算6か月以上雇用されている有期契約労働者
・その事業所でおこなわれた有期実習型訓練を受け、修了した有期契約労働者
・その事業所に6カ月以上雇用されている無期雇用労働者
・同じ業務に6カ月以上継続して従事している派遣労働者
のいずれかに該当する人
【支給条件】
①雇用保険適用事業所の事業主であること
②事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いていること
③キャリアアップ計画を作成し、その地域を管轄する労働局長に受給資格の認定を受けていること
④該当コースに応じた賃金の支払い状況などを明らかにする書類を持っていること
⑤キャリアアップ計画の期間内に、キャリアアップに取り組んでいること
【支給額】
①有期契約社員を正社員にした場合
ひとりあたり57万円(生産性の向上が認められる場合は72万円)
②有期契約社員を無期契約社員にした場合
ひとりあたり28万5,000円(生産性の向上が認められる場合は36万円)
③無期契約社員を正社員にした場合
ひとりあたり28万5,000円(生産性の向上が認められる場合は36万円)
※1事業主の1年度あたりの支給対象上限人数は20人まで(①~③の合計)
【申請の流れ】
①労働組合などの意見を加味して、キャリアアップ計画を作成・提出
↓
②就業規則などの改定をおこなう(正社員登用に関する規定がない場合)
↓
③規定に応じて、非正規雇用労働者を正社員に登用
↓
④正社員登用後、6か月の賃金支払い
※非正規雇用時と比べて、賃金が5%以上増額していることが条件
↓
⑤助成金の支給申請書を提出
虚偽申請や不正受給をした場合のペナルティ
補助金と比べて利用しやすい助成金ですが、助成金の種類ごとに定められた条件を満たさなければ受け取ることはできません。
虚偽の申請や書類の改ざんなど虚偽申請をおこなった場合は、実際に助成金を受給していなくても不正受給となります。その後3年間は雇用関係の助成金が一切申請できなくなり、経済産業省のホームページに「不正をおこなった企業」として名前が公表される場合も。それだけでは済まされず、刑事罰を受けるケースもあるようです。
助成金の申請先は「国」であり、虚偽申請や不正受給は必ず見破られることを心に刻んでおきましょう。
「助成金の無料診断」は開店ポータルにおまかせ!
助成金は返済不要のお金であるため、支給条件を満たす事業主にとっては強い味方となります。
個人事業主が事業を育てていくためには、定期的な投資が必要です。あたらしい商品やサービスを開発したり、集客戦略を練ったりといったブラッシュアップに、お金を投じていかなければなりません。そのときに、手元にきちんと資金があれば心強いですよね。
ご紹介した3つの助成金のほかにも、さまざまな助成金があります。あなたの事業をより社会に活かしていけるよう、利用を検討してみてください。
開店ポータルでは、助成金無料診断のほか、インフラ周りのコスト削減、集客のご相談を無料で承っています。お気軽にこちらからご連絡ください!