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ネオ居酒屋が流行?飲食トレンドから見た「売れる」マーケティング

開店ポータル編集部
2021/11/03
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飲食業界の中でも、新型コロナウイルスの打撃を大きく受けているのが「居酒屋」ではないでしょうか。居酒屋は、利用客の減少と営業時間の短縮によって、売り上げが著しく低迷しています。店舗によっては、売り上げが例年の50%以下というところも珍しくありません。

しかし、そうした中でも、利用客が絶えないのが「ネオ居酒屋」です。ネオ居酒屋はこれまでの居酒屋と異なった「新しいコンセプトの居酒屋」として、若い世代を中心に注目が集まっています。本記事では、ネオ居酒屋とはなにか、ネオ居酒屋がなぜ人気なのかを徹底的に解説していきます。

飲食業界でトレンドのネオ居酒屋とは

そもそもネオ居酒屋とは「ネオ(neo)=新しい」という意味のとおり、いままでにないコンセプトの居酒屋です。大衆居酒屋らしいカジュアル感を残しつつも、現代らしいモダンでお洒落な雰囲気が人気となっています。

例えば、ネオ居酒屋を牽引したといわれる「大衆酒場BEETLE」は、老舗酒場を現代風にリフォームしたような洗礼された雰囲気を醸し出しています。

 

(参考:業界最注目の大衆酒場「BEETLE」が2号店をオープンし、2017年はさらなる拡大を狙う。(東京・五反田/大衆酒場)

 

事実、大衆酒場BEETLEの親会社であるプロダクトオブタイムの千倫義代表は、「親の世代に人気の大衆酒場の良さを受け継ぎつつ、若者世代にも受け入れられる工夫をした」と話しています。 

従来の居酒屋との違い

従来の大衆居酒屋といえば、赤提灯にのれんが定番で、メニューには刺身やモツ煮といった和風のイメージがある方も多いでしょう。ところがネオ居酒屋は、和風のイメージを残しつつも、ネオン管を使ったり、カラフルな内装だったりとテイストが異なります。もちろんメニューも今の時代に合わせ、カクテルにパスタや餃子など、ジャンルを超えたものとなっているのです。

また従来の居酒屋といえば、飲み会で使われることが一般的でした。しかしネオ居酒屋は、飲み会だけでなく、デートや女子会といったシーンでもよく利用されています。普段居酒屋を利用しないという客層を、あえてターゲットとしているのです。

メニューや利用シーンからも分かるとおり、ネオ居酒屋は若年層の女性客が中心です。そのためSNSマーケティングに特化した仕組みづくりが採用されています。
 

 

数字で見えるネオ居酒屋の波

飲食店経営者の方の中には、ネオ居酒屋が本当に流行っているのかと疑問に思う方もいるはずです。

実はネオ居酒屋は、2020年下期のトレンドワード5選にランクインしており、若者からの注目が高さが分かります。またインスタグラムで「#ネオ居酒屋」の投稿件数は、7,900件を超えており(2021年1月時点)、投稿のほとんどが女性によるものです。

(参考:コロナ禍での一年を振り返って見えてきた 「2020年トレンドワード5選」と「2020年下半期トレンドワード10選」

 

ネオ居酒屋は居酒屋ながらも、オシャレで入りやすい店構えが特徴です。そのため友人とカフェに入るような気軽さで、お酒を楽しめる空間として認知されてきています。


コロナ禍でもネオ居酒屋の利益が生まれる理由

ネオ居酒屋は、これまでにないコンセプトが魅力ですが「なぜコロナ禍でも売り上げが伸びるのか」と疑問に思う方もいるはずです。どれだけおいしくて安いメニューを出す飲食店でも、昨今の状況下では次々に閉店となっていますから、そう疑問に思われるのも当然でしょう。実はネオ居酒屋の経営には、利用者が後を絶たない秘訣があるのです。こちらでは、ネオ居酒屋の利益が生まれる構造についてみていきます。

▶▶コロナ禍の飲食店開業は本当に危険?あえてオープンするメリットは?
▶▶独立開業|ゴーストレストラン経営に飲食店営業許可は必要?注意点やオープンまでの流れ

体験型空間

ネオ居酒屋では、食事だけでなく利用客に「体験」を提供しています。例えば撮影ブースが設けられていたり、調理をしている様子が目の前でみることができるなど、五感で楽しめる空間となっているのです。徹底したコンセプト作りによって、おいしかっただけでなく「楽しかった。」と思わせる仕組みが、ネオ居酒屋に隠れているのでしょう。
 

実際、近年ではコロナ禍の影響で、食品に限らず日用品等も通販で購入する方が多くなりました。その影響で、製品そのものよりもその製品を使うことで得られる利便性や体験などが企業価値の評価につながっているのだと言います。

飲食店にも同じことが言え、飲食店のブランドよりも、そこで得られる体験のほうが重視されてきているということです。

 

ネオ居酒屋はSNSとの相性抜群

五感で楽しめるネオ居酒屋は、利用客にいい体験をしてもらえるように、内装やメニューが作りこまれています。そのため利用客は、思わず写真を撮ってSNSにシェアしたくなるのです。

実際にインスタグラムで「#ネオ居酒屋」と検索すると、食事よりもグラスのロゴや、インテリアの写真が多いことに気付くでしょう。とくにグラスはネオ居酒屋の特徴です。店舗のロゴや、ターゲットに刺さるデザインをグラスに載せることで、店舗のPR効果も見込めるでしょう。SNSで有名になることで、SNSからのデリバリー注文や、テイクアウトの注文を受けることも可能になります。

グッズ効果

ネオ居酒屋は、一般的な居酒屋と比較して、インターネットを活用したマーケティングが特徴的です。先ほど紹介した「SNSとの親和性の高さ」に加えて、ネオ居酒屋ではECサイトでグッズを販売している店舗が多いでしょう。

ECサイトでは店内で使っているグラスや、Tシャツ、スマホケースなど食事以外の商品が並んでいます。もし街中でネオ居酒屋のグッズを身に付けている人がいれば、歩く広告塔としてPR効果は絶大です。また、コロナ禍の影響でイートインの売り上げの目途が立たない現在、食事以外にも利益を上げる方法があることは、飲食店にとって画期的ではないでしょうか。

飲食店が参考にしたいネオ居酒屋

飲食店では常日頃、売り上げアップのための施策を講じていることでしょう。たとえばチラシや広告掲載はその手段のひとつです。ところがネオ居酒屋のなかには、販促費を一切かけずに売り上げアップに成功した店舗がありました。そこで同店舗の売り上げアップの秘訣について解説していきます。

トーキョーギョーザクラブ(神田)

日本一メロンソーダを売る餃子屋として知られるのが「トーキョーギョーザクラブ」です。オフィス街に立地するトーキョーギョーザクラブは、販促費を一切かけずに、行列のできる店舗となっています。

ここまで人気店となった背景には、やはり「利用客が自然とSNSに写真を上げたくなる仕組みづくり」がありました。ロゴ入りグラスの写真が撮りやすいよう、全席を壁に面したレイアウトにしているのも仕掛けのひとつです。店舗が紹介されたTwitterの投稿には、2万いいねがつき、SNS集客の成功例といえるでしょう。

 

 

現在トーキョーギョーザクラブは、コロナ禍の影響を受けて、ECサイトのみの販売となっています。同店舗は、ECサイト開設1週間で、月の売り上げの6割を達成していますので、ECサイトもぜひチェックしてみてください。

まとめ

ネオ居酒屋は、飲食業界にとって苦しい状況が続く中でも、若年層を中心に人気の業態です。ネオ居酒屋は一過性の流行として、売れているのではありません。
 

コンセプトや、SNSとの連携、ECサイトへの進出など、利益が出る仕組みが詰まっているからこそ人気なのです。飲食店経営者の方も、ぜひネオ居酒屋から、売れるお店作りのヒントにしてはいかがでしょうか。また現在、飲食店がECサイトを始める際に使える補助金として「IT補助金」・「業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)事業」があります。補助金を活用することで、金銭的な負担を少なくすることが可能ですから、ぜひ活用してみてください。

https://kaiten-portal.jp/biz/food/food-finance/2021_hojyokin2


 

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