飲食店が店外売り上げを確保する方法は?テイクアウトの活用法
新型コロナウイルスの影響で、外食の自粛の流れや営業時間の短縮で外食業界は大きな打撃を受けました。緊急事態宣言のや東京アラートが解除されてから少しづつ客足も戻りつつありますが、以前のような活気が戻るには、まだまだ先が見えない状態です。
そんな中、多くの飲食店が生き残りをかけて始めた新たなサービスは「テイクアウト」「デリバリー」「EC(通販)」の3つに集中しており、特にテイクアウトについては、TableCheckの調査によりますと、営業自粛中に新たに飲食店が始めたサービスとして全体の約40%をしめる結果となりました。そのうち7割は今後も続けると回答しています。
今回は、飲食店が店外売り上げを確保するための、テイクアウトの活用法をご紹介します。
コロナ禍におけるイートイン以外の売り上げ確保の重要性
新型コロナウイルスの影響は、今後も長期化することが予想されています。飲食店においては、営業時間の短縮やソーシャルディスタンスによる座席の間隔を空けることで、集客数を最大化することもできません。
飲食店向けの予約・顧客台帳サービスを提供している株式会社トレタの調査によると、新型コロナウイルスの影響でイートインへの予約は80%以上減少したというデータが発表されました。
出典:https://www.foods-ch.com/gaishoku/1600060169908/
「新しい生活様式」が浸透しつつある中で、飲食店が事業を継続していくには、既存のイートインだけに頼らない売上げ対策を掲げることが大切になってきます。
「外食」「中食」「内食」のカテゴリーを越えた、テイクアウトやデリバリー、通販の拡充、オンラインでの商品提供など、様々な対策が必要です。
今までは、店舗に合わせて消費者(客)が選択をしてきましたが、これからは、消費者が、提供の形を選ぶ時代になっています。時代やニーズに合った提供の形を広げていくことが、飲食店が生き残るポイントになります。
テイクアウトを売り上げアップにつなげるポイント5つ
では、テイクアウトを売り上げアップにつなげるために、飲食店はどのような対策をとることが重要なのでしょうか。本項ではテイクアウトを実施することで売り上げアップを図るためのポイントを5つご紹介いたします。
テイクアウト導入サービスの選定
テイクアウトを始める飲食店が急増し、それに伴って、ICTやアプリを活用したサービスも数多く提供され、どのサービスを選ぶべきか悩む飲食店も多いでしょう。
「テイクアウトアプリ」は、スマホからメニューを予約し、時間になったら店舗に取りに行くという流れが主流です。
提供各社にはキャンペーン期間が設けられていたり、手数料や利用料の比率が異なるため、店の規模や売上げ、コストと見合ったサービスを選ぶことが重要となります。
また、独自でテイクアウトを展開している店舗も多い中で、FacebookやTwitter、InstagramなどSNSの活用や、Googleマップ上に飲食店のテイクアウト情報を表示しているGoogleマイビジネスの登録、テイクアウトやデリバリー情報を強化した無料で登録できるポータルサイトの活用もおすすめします。
地域のニーズやターゲット層に合ったメニュー展開と価格設定
テイクアウトが売り上げに直結する要素の一つとして、店舗の立地に応じたターゲット層にマッチするメニューと価格価格設定が挙げられます。
例えば、ファミリー層の多い住宅街や事業所が固まっている郊外地域はテイクアウト導入の成果が出やすく、逆に、オフィス街や繁華街では、あまり出歩く時間が取れないため、デリバリーが好まれたりする傾向もあります。ターゲット層を改めて整理し、適した価格設定を見直すことも必要です。
感染拡大防止策を講じていることを告知する
マスクの着用やアルコール消毒が当たり前になり、ウイルスに対して社会全体的に過敏になっています。以前なら、お店が提供するメニューは、しっかりとした衛生管理が徹底されているのが当たり前という風潮がありましたが、コロナ禍の現在、消費者はさらに敏感になっています。「当店では新型コロナウイルス感染拡大防止のために以下を徹底的に行っています」とお約束事を掲げるだけでも、与える安心感の印象が変わっています。
それと同時に、テイクアウトで持ち帰りの時間があることも踏まえた「食中毒対策」も重要です。商品のパッケージに「店名・住所・電話番号・製造責任者・製造時間」とともに、「〇時までにお召し上がりください」と明記することは基本です。その他の情報も細かすぎるくらい掲載しても、今の時代、煙たがられることはなく、逆に信頼できるお店だと認識してもらえるのではないでしょうか。
容器にも工夫を
コロナ対策で、急遽、テイクアウトやデリバリーを始めた飲食店は、使い捨て容器にまでこだわる余裕がないまま、始められた店舗も多いと思います。
しかし、「容器」は、ただメニューを持ち運ぶための道具としての役割だけではありません。実用性を兼ね備えていることはもちろん、デザインや色合いなどにファッション性を持たせるという、容器の選択も重要なポイントです。「SNS映え」するようなおしゃれな見た目ですとユーザーの投稿による拡散で話題にもなり口コミが広がり、新規のお客様の集客対策にもなります。
予約・顧客管理システムやPOSレジの導入
VSコロナ時代の飲食店経営の在り方が目まぐるしく変化する中「密」を避けるため、新たに非接触型決済などのサービスも需要が高まりつつあります。
予約台帳や顧客管理システムやPOSレジの導入で、業務効率も高まり、顧客分析も容易に行うことができる機能が備わっていますので、今後の経営戦略を後押ししてくれるでしょう。また、従業員の業務効率化にもつながります。
導入のコスト面が気になるという方は、現在「小規模事業者持続化補助金」「時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)」を利用することで、初期費用の最大2/3が戻ってくる制度もありますので、うまく活用することをおすすめします。
飲食店にテイクアウトを導入するときの注意点
テイクアウトサービスを新たに導入する際、見落としがちな注意すべき点をお伝えします。
①営業許可証申請について
店内で調理したものをそのままテイクアウト用に提供する場合は新たな許可申請義務の必要はありませんが、調理する場所と販売する場所が違う場合は必要となります。
また、単品メニューを提供する場合も注意が必要です。
例えば、「ケーキ」「アイスクリーム」「お酒」「ハム」なども、店内で販売する場合は飲食店の営業許可のみでOKですが、テイクアウトの場合は別途、「菓子製造業」や「アイスクリーム製造業」の申請が必要となります。これは、地域によってもルールが異なる場合もありますので、管轄の保健所に確認すると良いでしょう。
②食品表示について
店内調理のメニューをテイクアウトで提供する際には、原材料を表記する必要はありません。というのも、コンビニ弁当などと違い、お客が注文時に直接お店側に確認することができるためです。
そのため表示の義務はないのですが、「消費期限・アレルゲン・保存方法」など、お客様が必要とする情報を表記すると安全性的にも良いでしょう。
また、陳列販売などの仕入品を提供する場合は食品表示が必要な場合もありますので、こちらも保健所に確認すると安心です。
③店内飲食とのバランス
テイクアウトを導入する場合、イートインと同時に対応できるか、どちらも顧客満足の高いサービスを提供できるか、という両立が難しくなってきます。そのためにも、スムーズにテイクアウトメニューを提供できるフローの確率が必須です。時間との戦いの中で、質を落とさず、店内で提供するメニューと同じクォリティのものを出せるのが理想です。
「サイドメニューは予め準備し、メインは注文後に調理する」「思い切って全部、事前予約制にして備える」など、店舗によって対策も様々ですが、コロナ終息後もテイクアウトをサービスの一環として続けるのであれば、テイクアウト専用のフローを早めに模索し、自店舗に合ったサービスを確立させましょう。
まとめ
本記事では、飲食店がテイクアウトなどで店外売り上げを確保する重要性と、そのポイントについて解説いたしました。
コロナ禍における新しい生活様式の広がりなどもあり、今後は店内飲食と同じくらいにテイクアウトやデリバリーなどの需要も拡大していくことが予想されるでしょう。もちろんテイクアウト専門店でない限り店外飲食だけで飲食店を継続していくことは難しいかもしれませんが、通常の店内飲食と合わせて、店外飲食のニーズにも答えていくことで二刀流で売り上げ確保をすることができるはずです。
これを機に、店舗サービスの一環としてテイクアウトやデリバリーを導入しお客のニーズに応えながら、自店舗にマッチする取り組みを模索していってみてはいかがでしょうか。
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