店舗設計

【飲食店の受動喫煙対策】適切な分煙環境の作り方を知ろう

開店ポータル編集部
2018/05/17
この記事の目次 [表示する]
 飲食店にとって、避けて通れない課題のひとつに受動喫煙対策が挙げられます。全面禁煙店舗も増えている一方、居酒屋やカフェなどでは、多くのお店が分煙のスタイルを取り入れています。分煙環境はお客さまがお店を選ぶ際の基準にもなり満足度にもかかわってくるため、しっかりとした対策が必要です。

 分煙には、店舗規模やコストによってもさまざまな方法があります。すでに店舗をお持ちの方も、これから開店準備を進める方も、今求められている受動喫煙対策を見直してみましょう。本記事では、どのような分煙環境が望ましいか、その作り方を取り上げていきます。

オリンピック開催に向けた禁煙化の動き


  目前に迫っている、2020年開催の東京オリンピック。国際オリンピック委員会や世界保健機関はタバコのないオリンピックを目指しており、これまでも開催地では、公共施設や飲食店での屋内禁煙を実施し、法律や条例を定めてきました。

 日本でも受動喫煙対策法案が国会で議論されており、2020年4月の全面施行を目指しています。どのような規制となるのか、飲食店にとっては大きな問題です。今から正しい分煙の知識を持ち、対策を進めていきましょう。


分煙の基礎知識

  さまざまな分煙方法をご紹介する前に、知っておきたい分煙の基礎から見ていきましょう。

 タバコの煙や臭いは、壁や天井の換気扇で排気だけをおこなっても換気はできません。必ず、給気口を設置し空気を取り入れ、排気口へ流すという一方向の空気の流れが必要です。せっかく喫煙スペースと、非喫煙スペースを分けたとしても、適切な換気をおこなわなければタバコの煙や臭いが漏れてしまうことになりかねません。

 また、タバコの煙は上昇しながら拡散する性質をもっており、壁や天井、テーブルなどの物体の表面を、伝っていきます。店舗の構造をしっかり把握し、その環境を利用しながら、適切な分煙をおこなうことが重要です。


日本たばこ産業株式会社HP:https://www.jti.co.jp/tobacco/bunen/knowledge/about/index.html

分煙方法

①時間帯で分ける

  ランチタイムやディナータイムなどによって、喫煙と非喫煙の時間を分ける方法です。小規模の個人店やバーなど、夜の時間にお酒を提供する場合によくこの方法を採用しています。メリットとしては、コストがかからずに必要最低限の対策ができる点です。一方、時間帯で句切るとはいえ、同じ空間で喫煙することになるので、天井や壁などに臭いや汚れが付いてしまうというデメリットもあります。時間帯分煙を取り入れる際にはしっかりと換気をおこない、臭いや汚れへの配慮を怠らないようにしましょう。
 

②屋外に喫煙スペースを設ける

  店舗の外に灰皿を設置するなどし、喫煙スペースを屋外に設ける方法です。店内のスペースが狭く、屋内に喫煙スペースを設けられない場合に有効です。費用もかからず手軽にできるので、導入がしやすいでしょう。気を付けたいのは、近隣の方や通行人の迷惑にならないようにすることです。きちんと環境を整える必要がありますね。

③エリアで分ける

 ホール内に、喫煙スペースと非喫煙スペースを設けて区切る方法です。カフェやファミリーレストランでよく見かけますね。分け方は喫煙スペース付近にその旨の掲示をする方法と、物理的に壁で区切る方法とがあります。後者の場合、個室になるので新たに工事が必要となりますが、個室化することで高い分煙効果が期待でき、双方のお客様満足度も高まること間違いありません。その際には、個室内の環境も整える必要があります。煙や臭いがこもらないよう、換気設備を導入しましょう。
 また、個室を設けるための広さや資金がない場合は、パーテーションや観葉植物を設置して分けることもできます。ただし、完全に仕切られているわけではないので注意が必要です。喫煙スペースから非喫煙スペースへ煙や臭いが漏れていかないよう、喫煙スペースには“局所排気設備”の設置をおすすめします。タバコの煙が上昇、拡散する前に排気することがポイントです。

④フロアごとに分ける

  喫煙スペースと非喫煙スペースを、各フロアで分ける方法です。タバコの煙は上へ流れていくという性質を踏まえて、上層階を喫煙フロアにすると、より分煙効果が高まります。また、お客様がそれぞれのフロアだけで過ごせるよう、フロアごとにお手洗いを設置する配慮があるとなお良いでしょう。カフェやファストフード店に多く見られる分煙方法です。お客様が安心して長居できるよう、フロアごとに快適な環境を整えましょう。

日本たばこ産業株式会社HP:
https://www.jti.co.jp/tobacco/bunen/knowledge/about/index.html


助成金制度を上手く活用しよう!

  いざ分煙環境を整えようと動き出したとき、かかる費用に頭を抱えることも多いと思います。そんな時は、分煙対策を進める企業が利用できる助成金や補助金を活用しましょう。
 
■受動喫煙防止対策助成金制度(厚生労働省)
概要:
受動喫煙防止対策を推進することを目的として、中小企業主が喫煙室の設置等をする取組みに対して助成するもの。
対象:
労働者災害補償保険の適用事業主であって、中小企業事業主(※)であること。
※飲食店の場合、常時雇用する労働者数は50人以下、資本金は5,000万円以下
内容:
助成率・助成額は、費用の1/2(上限100万円)
※飲食店の場合は2/3
 

 「受動喫煙防止対策助成金制度」は、喫煙室の設置などにかかる工費、設備費、備品費などが助成対象になります。喫煙室設置の際の細かい要件もあるので、きちんと確認してから申請をするようにしましょう。

 ほかにも、東京都産業労働局による飲食店と宿泊施設を対象とした分煙環境整備補助金制度などもあります。こちらは2018年度の受付はまだ始まっておりません。こういった、助成金や補助金の情報にも敏感に反応できるようにしておきましょう。
 

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快適な分煙環境で繁盛店へ


 分煙方法は、店舗の広さや構造、コストなどによってさまざまです。自店にあった分煙方法を取り入れることで、非喫煙者はもちろん、最近ではすっかり肩身が狭くなっている喫煙者も周りに気を遣わずに来店でき、お客さま満足度の高い店づくりを実現できます。お客さまが気持ちよく過ごせる環境あってこその繁盛店。分煙の正しい知識を持って、快適な分煙環境づくりを目指しましょう。

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2018/05/17