飲食店にセキュリティ対策ソフトは必要か?おすすめの対策方法まで徹底解説
近年ではIT技術の発展に伴い、同時に、ネット上のセキュリティが脅威にさらされる「サイバー攻撃」の手口も巧妙化しています。
飲食業界は、他業種と比べ比較的、IT化が遅れていると言われていますが、現在では、キャッシュレスシステムやPOSレジ、フリーWi-Fiの設置、メニューの注文用タブレットなど、インターネットを通じたシステムの導入が進んでいるところです。
業者や取引先との提携業務や、顧客情報の取り扱い、自社ホームページやSNSの運用によってネットワークを使用している限りは、常にウイルスや不正アクセスなど、さまざまな攻撃を受ける危険性が潜んでいます。
きちんとした対策をしないと、思いもよらない被害により、飲食店経営の存続に関わることにもなりかねません。
本記事では、飲食店の運営における、セキュリティ対策ソフトの重要性を解説してまいります。
セキュリティソフトとは
「セキュリティソフト」とは、パソコン、サーバ、スマートフォンなどのデジタル端末(コンピューター)をインターネット上からの脅威から守り、安全性を高めるためのセキュリティ機能を持つソフトウェアの総称です。「ウイルス対策ソフト」「アンチウイルスソフト」などとも呼ばれます。
セキュリティソフトには様々な機能がありますが、代表的なものとして挙げられるのが、
コンピュータウイルスやインターネットワームなど、悪意のあるソフトウェアを検知し除去する「アンチウイルスソフト」と、ネットワークを通じて外部から行われる攻撃を防ぐ「ファイアウォールソフト」です。
従来は、アンチウイルスソフトなどのように、特定の機能を持った製品を個別に入れて対策するのが一般的でしたが、現在では、複数の機能を持つソフトウェアをパッケージ化したものが多く出回っています。ネット上のあらゆる脅威に対応すべく、多方面からセキュリティを強化することができる、総合型のセキュリティソフトの普及が広がっています。
飲食店にセキュリティソフトは必要?
飲食業界でも、情報セキュリティへの意識の向上と、セキュリティソフトの導入は必要不可欠になっています。
飲食店の業務内容は、仕込みから調理、接客、店舗運営における売り上げ等の管理、集客対策などなど、多岐にわたります。
それ故に、情報セキュリティへの取り組みが疎かになりがちだという店舗が多いのも実情ではないでしょうか。
また、2020年総務省は、端末機器に不正アクセスを防ぐ機能を設けることを義務付けし、セキュリティ対策を法律として制定しています。そのため、「うちは飲食店だから、企業や事業所のような対策は必要ない」という時代ではなくなってきているのです。
多くの情報が飛び交う飲食店にとって、ネットワークにおいてのウイルスやハッキングへのセキュリティ対策は確実に必要なものといっても過言ではないでしょう。
POSレジを導入している店舗が増えた
飲食業界で優先的に導入されているのが、「レジとPOSシステムが繋がったレジ=POSレジ」やオーダーシステムです。「いつ」「何が」「いくつ」「いくらで」販売したかを、定量的に把握することが可能なシステムですが、これもインターネットとつながっているため、リスクも発生します。
例えば、取引先の業者から認証情報を盗み、外部から侵入を試みる方法で、ウイルスを店舗内のPOSシステムに感染させたり、クレジットカードを含む個人情報が大量に流出してしまったりなどが挙げられます。
格安料金で利用できるPOSレジは増えていますが、一方で、しっかりとしたセキュリティ対策をしなければいけません。
freeWi-Fiを提供している
飲食店を利用するお客様に、快適なサービスを提供するため、または集客対策のために、freeWi-Fiを導入している店舗も多いでしょう。
客の中には、悪意を持った利用者によって、入力した IDやパスワード、クレジットカード番号等の個人情報を盗み見される可能性があります。
またこれは、お客様側が講じなけれなならないセキュリティ対策にもつながりますが、
通信内容を盗聴されないよう、危険性を回避する対策をとることが大切です。
万が一、お客様に被害があった場合、店側にとって被害が無くても、「セキュリティ対策が行われていない店舗」だということで口コミが広がったり、クレーム対応に追われたりなど、店舗にとってもリスクが発生したり信用問題に発展することにもなり兼ねません。
飲食店に限らず、freeWi-Fiという通信手段を提供する際は、セキュリティ対策までは保証していない場合も多く、利用者の自己責任に問われることも多いのが現状です。しかし、飲食店運営をしていく中で、freeWi-Fiに関しても、セキュリティ対策をしっかりと行っていくことは、大きな信頼と安心感につながっていくと言えるでしょう。
なにかあってからでは遅い可能性も
万が一情報漏洩などのセキュリティ事故が発生してしまった場合、飲食店の存続にも関わるような重大な被害につながる可能性があります。機密情報が流出するといった直接的な被害の他に、恐ろしい二次被害、三次被害が発生することになるのです。
例えば、システムやサービスの停止、顧客対応などにより営業に支障をきたしたり、関係者への賠償金の支払い、あるいは訴訟リスクなどにより、金銭的な損害が発生したりなど、思わぬ被害が降りかかる可能性があります。何かトラブルがあってからでは取り返しのつかない問題に発展する危険性があるということを頭にいれておかなければなりません。
飲食店にセキュリティソフトを導入するならUTM
飲食店では、仕入れ業者とのメールや店舗の売上状況、予約管理システムが入っていれば顧客の連絡先、ECサイトを運営していれば顧客のクレジットカード情報など、店舗で使用しているパソコンには重要な情報が詰まっています。
インターネット機器を利用し、あらゆるモノの情報を、ネットワークを通じて管理から操作、連携まで、業務効率化が図れるシステムは、利便性や有用性が高い反面で、セキュリティ面においてはリスク回避の対策が必要です。
そこでおすすめなのが、安心してネットワークを利用するためにセキュリティ対策を強化してくれる「UTM」です。
UTMとは
UTMとは「Unified Threat Management」の略語で、日本語では「統合脅威管理」と呼ばれています。簡単に言えば、セキュリティ対策をひとまとめに出来るもので、様々なセキュリティソフトを導入して、対策を行わずとも、1台で簡潔する優れものです。
UTMは、1台の設置で総合的に脅威から守ることができるのでセキュリティ管理が容易になるだけでなく、コストも抑えられるという現代の市場のニーズにもマッチしており、近年ではますます需要が高まっています。
UTMの特徴・機能
現代の多様化したネットワークリスクに対応できる、総合的なネットワークセキュリティシステムUTMは、複数のセキュリティ機能を一つにまとめて管理や運営をおこなうことができます。
主に搭載されている機能としては、以下のものがあります。
①ファイアウォール
外部からの不正なアクセスを防御する機能で、悪意ある不正アクセスを防御できます。
②Web(URL)フィルタリング
ウェブサイトへのアクセスや閲覧を制限する機能で、不正なWebサイトから飲食店の機密情報が漏えいすることを防ぐことができます。
③アンチウィルス
悪質なウイルスやプログラムを発見して除去する機能で、ウイルスに感染することを防ぎます。
④アンチスパム
迷惑メールやフィッシングメールをブロックする機能です。
⑤IPS、IDS
IPS は不正アクセスを検知する機能、IDSは検知して防御する機能で、外部からの進入だけでなく、店内における機密情報の持ち出しも検知できます。
⑥アプリケーション制御
使用できるアプリケーションを制限する機能です。
このようにUTMは、サーバーやクライアントを保護するだけでなく、利用者による内部からの情報漏洩対策も可能です。
UTMのメリット
UTMの特徴でもある、一つの製品でセキュリティを広くカバーできるという点は、メリットにも共通しています。
①コストを削減できる
セキュリティソフトを別々のメーカーからそれぞれ導入するよりも、すべてを一括でまとめた方がより少ないコストで済ませられます。また、一括で管理できるため、セキュリティソフトの管理にかける人件費も抑えられます。
②導入・運用が簡単
それぞれの脅威に対するセキュリティ対策ツールを個別に利用する場合と比較すると、導入や運用管理の負担を軽減できるほか、導入のための工事が必要ないため、比較的短時間で簡単に導入が可能です。
③導入時やトラブル発生時の手間が減る
UTMの導入時や使用上のトラブルが起きた場合、契約先が別の場合はそれぞれ問い合わせして対応する必要があります。しかしUTMであれば、一つの問い合わせで済むため手間がかかりません。
④さまざまなネットワーク機器に接続可能
パソコンだけではなく、コピー機や防犯カメラ、POSレジなどさまざまな機器に接続して利用できます。そのためアンチウイルスなどのソフトをインストールできない機器にも対応可能です。
⑤古い機器もまとめて防御
脆弱なOSやアプリケーションをまとめて保護してくれたり、サポート切れの機器や更新が終了したOSなどのセキュリティ対策を行ってくいれるUTMも存在します。
飲食店へのUTM導入なら開店ポータルBizへ
今回は、飲食店がインターネットを利用したサービスを使用する際に必要な、セキュリティ対策ソフトについて解説してまいりました。
セキュリティ対策は、様々な機器を導入しなければならない印象を持っている方も多い為、高額なコストがかかると、導入を見送る飲食店も少なくありません。しかし、1台で総合的なセキュリティ対策が可能なUTMの導入であれば、比較的低コストに対策を行うことができます。
是非この機会に、店舗のセキュリティ対策を見直してみてはいかがでしょうか。
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