求人

飲食店 人材不足の3つの原因とスタッフが辞めない店が実践している取り組みとは

開店ポータル編集部
2018/10/12
この記事の目次 [表示する]
 「アルバイトがすぐに辞めてしまう」「優秀な人材が集まらない」――こんな悩みを抱えていませんか?

 帝国データバンクが2018年4月に実施した調査において、正社員が不足している企業の割合は約49%、非正社員においても約32%は不足を感じているという結果になりました。なかでも飲食店における非正社員の雇用については、7割を超える企業が人材不足を認識しています。飲食店業界全体が人材不足に悩んでいるという状況ですが、解決策はあるのでしょうか。人材不足になる原因と解消する方法について考えてみました。

飲食店における人材不足の原因とは?

 人材不足となる原因としては、次の3つが考えられます。

1.給料の問題
2.労働環境の問題
3.従業員の意識

①給料の問題

 製造業や医療、福祉などさまざまな業種がありますが、飲食サービス業は男女ともに賃金が最も低くなっています。
 産業別に賃金を比較すると男性の場合、最も高いのは、保険業で467万円です。飲食サービス業の271万円と比較すると、196万円以上の差になります。飲食業界全体の給料が低いことも人材不足になる原因の1つです。また、アルバイトの場合、求人などで時給は1200円となっていても、研修期間の時給は980円。おまけに研修期間が長いところも少なくありません。研修期間中に辞めてしまう人も多いようです。
 

②労働環境の問題

 飲食店などのサービス業は、土・日や祝日、年末年始が繁忙期です。一般の会社が休みのときに休めないことも、人が集まりにくい原因になっています。居酒屋やファミリーレストランなど深夜まで営業している店も多く、正社員が少ない飲食店の場合、アルバイトの仕事が増える傾向にあります。長く続けていると、シフトの作成やアルバイトの面接まで任されることもあり、それでも給料が変わるわけではないので負担になります。
 

③従業員の意識

 店側がアルバイトに求めることと、アルバイトの仕事に対する意識にはズレがあります。
 店側は利益を考えて、ミスなく効率よく仕事をする人材を求めています。シフトの融通がきき、店の都合や利益を優先して動いてくれる人であればなおよいでしょう。しかし、アルバイトは基本的に「お金が必要である」という理由で働いています。なかには、料理や接客のスキルを学ぶために働いている人もいますが、店にはこだわっていない人がほとんどです。仕事内容によっては、アルバイトにとって重荷となり離職につながっています。
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人材不足を解消する方法とは?

 では、人材不足を解消するためには、どのような取り組みをすればよいのでしょうか。
 次の2つの視点からみていきましょう。

1.給料や働く環境を改善する
2.積極的に求人募集をする


①給料や働く環境を改善する

 実際に人材不足の解消に向けて、原因を解決し、従業員が辞めない環境作りに取り組んでいる例をみてみましょう。飲食業界では働き方を改善し、従業員の確保に取り組んでいる店舗が数多くあります。そのなかから具体的に2つ、ご紹介します。

『ドトールコーヒー』

 大手コーヒーチェーンのドトールコーヒーでは、2017年から社会保険に加入し、週30時間以上勤務している非正規雇用者を対象に退職金制度を導入しています。従業員の声に耳を傾け、安心して長く働ける環境の改善に努めています。

『有限会社えん家』

 海鮮系の居酒屋や焼き鳥店などを経営するえん家。えん家では、週2日から勤務可能などアルバイトに働きやすい環境を提供しています。また、育児休暇制度や社会保険などを完備し社員の離職率が低い会社でもあります


 給料を上げることも離職を防ぐ方法の1つですが、従業員の声を聞き、どのような働き方を求めているのか、どのような制度があると働く意欲が高まるのか、まずは知ることが大切です。学生の場合、お盆やお正月は帰省したいと考えている人が多いです。有給休暇やボーナスがほしいと思っているアルバイトもいるかもしれません。給料の支払い方法についても日払いや週払いなど希望があるはずです。面接の段階で不安に思っていることや希望を聞いておきましょう。

②積極的に求人募集をする

 給料や環境の改善だけでなく、求める人材の幅を広げて、広く募集しましょう。
 外国人労働者の採用を検討してみるのも1つの方法です。外国人労働者は、日本人にくらべて就労意欲が高いといわれています。就労意欲の高い外国人労働者の存在が刺激となり、日本人アルバイトの意識に変化がおこる可能性もあります。

 インバウンドにより日本を訪れる外国人観光客の数は増加しています。外国語が堪能な外国人労働者によって、来店客とのコミュニケーションの問題も解決するでしょう。外国人労働者が外国人を集客するよい方法を知っていることもあります。日本語や日本文化を教えるというだけでなく、外国人労働者から学ぶことも多いはずです。ある程度、日本語が話せる必要はありますが、積極的に採用を検討してみましょう。

人材不足による閉店を防ぐために

 一人でも切り盛りできる店は別として、ある程度広いの店の場合、人材不足は閉店につながります。料理の美味しさはもちろん大切ですが、調理場から客席へ料理を運ぶスタッフは必要不可欠な存在です。店が繁盛していても、人材不足によってサービスの質が低下し客足が離れていくことはあります。人材不足解消に向けて、できることからはじめましょう。
 
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2018/10/12