飲食店のアイドルタイムとは?平均時間や有効活用する方法
「飲食店のアイドルタイムはいつ?」
「アイドルタイムを有効活用する方法は?」
飲食店におけるアイドルタイムとは、来客数が減少することで生まれる空き時間のことです。
飲食店を経営する場合、アイドルタイムの発生時間が長いと、売上につながらず人件費や光熱費などのコストがかかってしまいます。
しかし飲食店経営者の中には、アイドルタイムを有効活用する方法や、アイドルタイムをどうやって短くするかわからないという方も多いはずです。
そこで本記事では、アイドルタイムの活用方法について徹底解説していきます。アイドルタイムを短縮して、売上につなげたいという方は、ぜひ参考にしてください。
飲食店のアイドルタイムとは
アイドルタイムの由来
アイドルタイムとは、お客様が少なく暇な時間や、仕事のない時間をさす言葉です。
英語の「idle」に由来しており、idleがもともと「仕事のない・働いていない」という意味だったため、飲食業界では、お客様の来店が途切れて売上の発生しない時間のことを、アイドルタイムと言うようになりました。
アイドルタイムの言い換え・反対語
アイドルタイムは、無作業時間や待機時間、デッドタイムとも言い換えができます。
またアイドルタイムの反対語は、ピークタイムです。お客様の入れ替えが激しい飲食業界では、必ずアイドルタイムとピークタイムが発生することを覚えておきましょう。
飲食店のアイドルタイムの時間帯
レストランのアイドルタイム
レストランにおけるアイドルタイムは、15時~17時が平均的です。ランチタイムとディナータイムの間に客足が途切れやすくなります。
レストランでは、アイドルタイムにディナーの仕込みを行う場合もあるため、暇な時間ではなく、準備時間とみなしている場合もあります。
カフェのアイドルタイム
カフェにおけるアイドルタイムは、14時〜17時が平均的です。ランチタイム後の13時〜15時にピークタイムを迎え、その後は比較的客足が緩やかになります。
カフェの営業時間だけでは売上が少ないので、カフェとレストランの両方を営業する飲食店もあります。
居酒屋のアイドルタイム
居酒屋におけるアイドルタイムは、オープン~19時が平均的です。20時以降は仕事帰りの会社員が集客できるものの、20時以前の集客がネックになります。
開店時間が他の業態に比べて遅い居酒屋では、バーチャルレストランや間借り経営で営業時間外の売上を目指す店舗もあります。
コンビニのアイドルタイム
コンビニのアイドルタイムは立地によって異なります。例えば駅前やビジネス街のコンビニは22時〜6時、住宅街のコンビニは14時〜17時が空きやすいのが特徴です。
アイドルタイムには営業時間中に在庫の補充や発注、清掃を行う必要があるので、決して暇とは言えません。
飲食店のアイドルタイムのメリット
従業員の休憩を取らせることができる
営業時間の長い飲食店では、アイドルタイムを使って従業員の休憩を取らせることが可能です。
ランチライムとディナータイムの間を閉店しない店の場合、アイドルタイムに従業員に交代で休憩を取らせることで、ピーク時間に万全の状態で接客できます。
調理の仕込みができる
飲食店では、客足が少なくなるアイドルタイムの間に、調理の仕込みを行うことができます。
アイドルタイムがないと、調理の時間が足りずに、十分な料理を提供することができなくなるため、必ずしもアイドルタイムがデメリットになるとは言えません。
清掃作業を行うことができる
飲食店では、ピーク時には接客や調理に集中するため、アイドルタイムに清掃作業を行う必要があります。
お客様の目に付くホールだけでなく、冷蔵庫やフライヤーなど、細かい部分の衛生面も保てるようにしましょう。
アイドルタイムのデメリット
人件費や光熱費が発生してコストになる
飲食店のアイドルタイム中は、売上に繋がる仕事が行われないので、人件費や光熱費などのコストが無駄に発生してしまいます。
アイドルタイムの利益が、コストを上回らない場合は、従業員の人員調整をしてコストカットをするか、アイドルタイム中の売上アップにつながる施策を検討しましょう。
アイドルタイムが長いとアルバイトからの評価が下がる
飲食店のアルバイトの場合、休憩時間は給与に含まれないことが多いので、アイドルタイムが長いと給与が減って、アルバイトからの評価が下がることがあります。
拘束時間ばかり長く給与が少ない飲食店は、最終的にアルバイト離れや人手不足につながりますので、アイドルタイムの解消方法は常に考えるべきです。
営業時間外の店だと思われる
飲食店のアイドルタイム中は、お客様が入っていないため、営業時間外の店だと勘違いされる可能性があります。
せっかく見込み客が来てるのに来店につながらないのはもったいありません。営業時間であることは店外からでもわかるように看板やPOPを出すようにしましょう。
アイドルタイム対策が必要な理由
飲食店のアイドルタイム対策が必要なのは、安定的な経営につなげるためです。アイドルタイムは売上が下がると同時に、人件費などのコストが無駄に発生してしまいます。
ピークタイムでアイドルタイムのロスを回復する手段もありますが、アイドルタイムをいかに短くし、集客につなげるかを考えた方がトータルの売り上げがアップします。
飲食店でアイドルタイムを有効活用する方法
アイドルタイムにスタッフ教育を行う
飲食店のアイドルタイムを活用する方法の1つとして挙げられるのが、スタッフ教育です。飲食業界では慢性的な人手不足が課題となっていますので、1人あたりの生産性アップが重要となっています。
とくに新人の教育がうまくいっていないと、ピークタイムに注文ミスなどトラブルにつながるので、アイドルタイムは積極的にスタッフ教育を行いましょう。
アイドルタイムに清掃を行う
飲食店のアイドルタイムでは、ピークの時間帯に備えて清掃を行うのもおすすめです。テーブルや床の清掃だけでなく、キッチンやレジなど普段清掃できないところも掃除します。
また清掃の方法をマニュアル化しておくと、従業員ごとのスキルを均一化させ、常にお店を清潔にすることができるので、新人教育の1つとして清掃をしましょう。
アイドルタイムに新メニューやキャンペーンを考える
飲食店のアイドルタイムを使って、新メニューやキャンペーンを考えるのも大切です。
アイドルタイムは従業員にも余裕が生まれる時間なので、消費者に一番近いユーザーである従業員の声を取り入れた新メニューを開発したり、キャンペーンを考案できます。
アイドルタイムを売上アップに繋げる方法
アイドルタイム限定でバーチャルレストランを開く
飲食店のアイドルタイム限定で、バーチャルレストランを開くと、隙間時間の売上アップにつながります。バーチャルレストランなら、デリバリーで顧客に料理を提供できるので、雨の日などのアイドルタイムが長引く日でもデリバリーで売上を得ることが可能です。
バーチャルレストランとは
バーチャルレストランとは、実店舗とは異なる業態の飲食店を、デリバリー専門店として開業したものを指します。例えば実店舗で居酒屋経営をしていれば、アイドルタイムの昼の時間帯に唐揚げ店とつけ麺店としてバーチャルレストランとして出店することで、営業時間外の売上を作ることができます。
バーチャルレストランのメリット
バーチャルレストランのメリットは、最低限のコストで始められるという店です。バーチャルオフィスは、デリバリー限定の飲食業態なので、既存の飲食店の厨房設備を併用できます。またバーチャルレストランでは、人気飲食店のフランチャイズとして暖簾分けしてもらえるので、売上実績のあるメニューでデリバリー事業を始められるという魅力があります。
バーチャルレストランのデメリット
バーチャルレストランのデメリットは、実店舗のPRがしにくい店です。実店舗のように内装や外装でお客様に入店してもらうことがないので、デリバリー独自のPRが必要になります。またバーチャルテストランはフランチャイズ経営なので、加盟金や保証金、フランチャイズのロイヤリティなど費用が発生します。フランチャイズ経営をしてコスト以上の利益が出るのか申し込み前に見積もりをしましょう。
アイドルタイムを間借り飲食店として貸し出す
アイドルタイムを解消する方法として、飲食店を開きたいと考えている経営者に間借り店舗として貸し出すのも一つの手です。店舗をシェアすることでアイドルタイムを解消しながら副収入が得られたり、シェアレストランの顧客をゲットして売上アップにつながるなどメリットがあります。
ハッピーアワーを行う
アイドルタイムを売上につなげる方法として、ハッピーアワーがあります。ハッピーアワーは、すでに多くの飲食店で取り入れられている方法なので、導入しやすいのが特徴です。
ドリンクを限定的に安くすることで集客ができ、また普段は集客できていなかった客層を取り込むきっかけにもなります。
レストランのハッピーアワー
レストランのハッピーアワーは15時〜17時が中心です。例えば「ドリンク1杯無料」など、ノンアルコールでもハッピーアワーには集客効果があります。
またランチ客が途切れるタイミングにハッピーアワーがあることで、ランチタイムに満席でお断りをしていたお客様を集客することも可能です。
カフェのハッピーアワー
カフェのハッピーアワーは、14時〜17時が一般的です。酒類を提供するカフェバーの営業体系であれば、ハッピーアワーの導入はかんたんに行えます。
ハッピーアワーを行うとドリンク分の収益性は低下しますが、フードを一緒に頼んでもらえれば、元々アイドルタイムで発生していたコスト以上の利益を生み出すことが可能です。
居酒屋のハッピーアワー
居酒屋のハッピーアワーはオープン〜19時が一般的です。ハッピーアワーを通してピークタイム前から集客ができれば、消費者から「賑わっているから入ってみよう」と更なる集客につながります。
なお、酒類の提供を行う場合はメニューごとの粗利額に注意すべきです。生ビールとハイボールでは、粗利額はハイボールの方が2倍以上差があるので「全アルコール半額」と一律で値段設定すると、儲けるチャンスを逃してしまいます。
子ども向けのサービスを強化する
ランチタイムの後がアイドルタイムになるカフェやレストランなどの飲食店の場合、子供向けサービスを強化することで、子育て層の集客することができます。
子育てをしているユーザーは、ピークタイムを避けて人が少ない時間帯に来店をすることが多いため、お子様ランチ割引や、キッズドリンク無料などがあると来店のきっかけになります。
アイドルタイムの宣伝・告知をする
飲食店のアイドルタイムを売り上げにつなげるには、宣伝や告知が重要です。営業時間やキャンペーンを消費者の目に止まるようにすることで、集客につながります。
宣伝や告知の方法には、クーポンやSNS、POP広告などさまざまな方法があります。自社にあった宣伝・告知を選びましょう。
クーポンを配布する
飲食店のアイドルタイムを解消する方法として、クーポンを配布する方法があります。クーポンをチラシと一緒に近隣住宅のポストに投函することで、地域住民の集客が可能です。
また、クーポンを配布する方法として、来店客に対して直接渡す方法もあります。リピーターを獲得するチャンスにもなるので、積極的に利用しましょう。
SNSを活用する
飲食店のアイドルタイムの宣伝としてSNSを活用するのもおすすめです。とくにインスタグラムは飲食店との相性がよく、写真や動画を使ってインパクトのある宣伝ができます。
またハッシュタグや位置情報をつければ、今までお店を知らなかったという消費者の集客も行うことが可能です。
POP広告を打ち出す
飲食店のアイドルタイムを解消するならPOP広告も手堅い手段です。
店内の壁やテーブルなど、お客様の目に入りやすい場所に、アイドルタイム限定メニューのPOPを置くことで、注文数を増加させることができます。
アイドルタイム中のシフト調整も重要
飲食店では必ずアイドルタイムが発生するため、適切な人数でお店を回せるよう従業員のシフト調整が重要です。
アイドルタイムに従業員が必要以上に入れば無駄なコストになるので、アイドルタイムとピークタイムの必要人数を把握し、シフト調整を行いましょう。
まとめ
飲食店のアイドルタイムとは、お客様の来店が落ち着く時間帯のことであり、アイドルタイムが長引けば、人件費や光熱費など、無駄なコストが発生してしまいます。
アイドルタイムを有効活用する方法としておすすめなのが、バーチャルレストランの活用です。
アイドルタイム限定でデリバリー専門店にすることで、お客様が店舗に訪れない時間帯も売り上げにつなげることができます。