美容室開業時に活用すべき補助金・助成金を一覧で解説!
美容師にとって独立開業は1度は抱く夢や目標ではないでしょうか。
しかし「開業準備」には多くのお金がかかるという現実も否めません。
そこで活用したいのが「補助金・助成金制度」です。
今回は、美容室開業時に活用すべき補助金や助成金を解説しながら、具体的な活用事例もご紹介していきます!
美容室開業時に利用できる補助金・助成金
美容室の開業にはまとまった資金が必要です。美容室を開業して経営していくには、テナント代・材料費・設備費・人件費・広告費など、かなりのお金がかかります。
美容室開業や経営をサポートしてくれる制度である補助金と助成金について詳しくみていきましょう。
助成金と補助金の違いをチェックしてみると、
- 助成金は要件を満たしたうえで申請すると、ほぼ受けることができる
- 補助金は、必ず受けられるわけではない
したがって補助金の受給の方が難易度が高いといえます。
もう一つの違いは、申請期間の違いです。
助成金は随時、あるいは申請期間が長めなのに対して、補助金は募集期間が短い場合が多いのです。
また補助金は事業に使ったことを証明する書類を整備する必要がありますので頭に入れておきましょう。
①補助金
経済産業省が中小企業の事業を活性化させるための施策としておこなっている補助金制度は、一言で表すと、集客をサポートしてくれるものになります。
IT導入補助金
ホームページの作成や、POSレジの導入などでかかる費用を国が最大半分ほど補助してくれる制度です。
申請の手順としては、まずは国にITのシステムを導入する旨を伝え、専用のサイトから申請する流れです。それから国による審査が始まります。
【受給条件(主なもの)】
① 生産性の向上のためにITツールを導入すること
② ITを導入して1年後の労総生産性が3%以上、3年後は9%以上向上する数値目標を立てること など
【受給額】
30万円~150万円の範囲で、費用の1/2を補助
小規模事業者持続化補助金
「小規模事業者持続化補助金」は小規模事業者を対象とした補助金です。宣伝、サービス拡充などが対象となります。
小規模事業者持続化補助金はいろいろな型が存在するため、公式サイトをよく読んで申請ください。
【受給条件】
①商工会地域の小規模事業者であること
②経営計画を策定すること
【受給額】
50万円を上限に、かかった費用の2/3が支給
ものづくり補助金
ものづくり補助金の補助額は500万~3,000万円です。他の補助金と比べると通過率も低いという点に注意しましょう。
【受給条件(主なもの)】
①交付決定日から10カ月以内に発注・納入・検収・支払等すべての手続きが完了すること
②事業計画期間で給与の総支給額を年率平均1.5%以上増加
③事業所内最低賃金を地域の最低賃金より+30円以上の水準にする
④事業者全体の付加価値額を平均3%以上増加
⑤②~④をすべて満たす3~5年の事業計画を策定し、従業員に表明していること
⑥店舗や工場を有していること など
【受給額】
100万円~1000万円の範囲で、中小企業は1/2、小規模事業者は2/3を補助
②助成金
厚生労働省が企業の労働環境の整備を行うことなどに交付される助成金は、雇用の安定や労働環境改善のための取り組みをサポートすることを目的とするお金です。
雇用に関する助成金は、受給要件を満たすのが難しい場合もありますので、専門家などに相談して受給を目指すことも視野に入れておきましょう。
国の助成金には下記のような種類があります。
- 雇用調整助成金
- 労働移動支援助成金
- 特定求職者雇用開発助成金
- トライアル雇用助成金
- 地域雇用開発助成金
- 人材確保等支援助成金
- キャリアアップ助成金
- 両立支援等助成金
- 人材開発支援助成金
- 業務改善助成金
- 時間外労働等改善助成金
- 産業保健関係助成金
- 中小企業退職金共済制度に係る新規加入等掛金助成
この中でも、美容室の開業におすすめの助成金をピックアップしてご紹介します。
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
トライアル雇用助成金は雇用に関する補助金です。就業の未経験、ブランクの長い求職者を、試用期間を設定して雇用することで助成金が受けられます。
【受給条件】
トライアル雇用の対象者をハローワーク等からの紹介で継続して雇用する場合
【受給額】
月額最大4万円(最長3ヵ月間)
35歳未満の対象者には最大5万円(最長3ヵ月間)
特定求職者雇用開発助成金
高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。
【受給条件】
就職困難者をハローワーク等からの紹介で継続して雇用する場合
【受給額】
30万円~240万円
人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)
人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)は、人材確保のために制度や環境を整備することが対象となります。コースはさまざまで、それぞれ受給要件や支給額が異なります。
【募集しているコース】
①雇用管理制度助成コース
②介護福祉機器助成コース
③介護・保育労働者雇用管理制度助成コース
④中小企業団体助成コース
⑤人事評価改善等助成コース
⑥設備改善等支援コース
【受給額】
美容室開業時に補助金や助成金を利用するときの注意点
全額支給してくれるケースはあまりない
まず注意してほしいのが、開業にあたる支出分を全額支給してくれるケースはあまりないことです。
基本的には自己負担が伴うのが一般的ですので「補助金や助成金をもらえて儲かる!」とは思わないようにしてください。
審査には美容師経験も重視される
補助金の審査では、美容師としての経験も重視されるので、経営者としての将来のプランニングをしっかりと行いながら、資金調達を進めていくことが大切です。
ある程度の自己資金は確保しておく姿勢も必要でしょう。
手続きには根気強さも必要
補助金や助成金制度は、手続きの複雑さや数の多さなどから利用している事業者は少ないのが実情です。
審査もありますから必ず援助が受けられるという保証もありませんが、受給対象となれば経営の大きな味方になってくれるだけではなく、返済の必要がないという点が大きな魅力になります。
審査に受かるようなしっかりとした事業計画書を自分で調べて作るとなると3ヶ月~6ヶ月ほどの期間がかかってしまうので一般的です。
しっかりした事業計画書を、短期間で効率よく作ったり補助金の申請を滞りなく進めるためには、専門家に相談することも必要になってくるかもしれません。
資金調達だけでなく、この準備段階から、将来の安定した経営に繋がっていくといえるでしょう。
【美容室開店】コロナ禍の意識調査からみる開店準備ポイント!
美容室開業時に必要な資材(補助金が使えるもの)
補助金の活用で、美容室開業時に経営の資材としてなるサービスやシステムの具体例を下記のようなものが挙げられます。
- ホームページ作成(スマホ対応型含む)
- ・お客様へ癒しの空間と時間を提供するため、紅茶の原材料費や展示棚の購入費
- エイジングを目的とした施術用設備の購入費
- 予約ソフトやPOSレジシステムの導入
- 財務管理システムなどの導入
- 新規集客のためのチラシ作成・ポスティング費
- 地域誌への広告掲載費
- Instagram、facebook、Google等の広告費
- バリアフリー対応の美容室改装費
- 宣伝のために展示会への出展費
- Webコンサルティング費
- デザイン費および店舗看板設置費
- 中小企業が単独では実施することができない「ブランド化戦略」「新商品開発」 「生産プロセスの改善」など
美容室の開業・補助金・システム導入は開店ポータルへ
今回は、美容室開業時に活用すべき補助金や助成金について詳しく解説しました。
一般的に「開業資金の半分は自前で用意する」ということが鉄則のように語られていますが、手持ち資金がなくても助成金や補助金を活用することで開業までこぎつけることも十分可能です。
しかしそれぞれの補助金は内容や流れも異なるため事前に確認するようにしましょう。
開店ポータルBizでは、お店にあった助成金・補助金のご提案のほか、美容室運営におけるコスト削減、地域やお店にあった集客方法についてのご相談を無料で承っております。
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