経理・会計
どんぶり勘定は倒産の近道に?バランスシート(貸借対照表)の見方を知ろう
儲かっていると思っていたのに、実際は資金がなくなっているということはありませんか?収益を得ていても、設備投資などの負債が資産を上回ると、資金繰りが上手くいかなくなります。今回は、倒産リスクや安定性を確認できる「バランスシート」の見方を説明します。
バランスシートを見るときのポイントは3つ
資産とは会社の全財産のこと。現金、土地、設備、商品、債権も資産にあたります。資産は、流動資産、固定資産、繰延資産の3つに分類されます。
・流動資産 1年以内に現金に変えることができるもの
(現金・商品・売掛金・短期貸付金など)
・固定資産 長期にわたり使用されるもの
(建物・備品など)
・繰延資産 本来は費用。いずれ返さなければならないもの
(開業費 開発費など)
負債について
・流動負債 1年以内に支払期限がくる借入金のこと
(買掛金・短期借入金)
・固定負債 1年以上かけて返済していく借入金のこと
(長期借入金)
純資産について
・資本金、利益剰余金など
バランスシートから倒産の目安がわかる?
・自己資本比率
自己資本率が高いということは、いずれ返済しなければならない負債に依存することなく、経営が成り立っていることを意味します。つまり、自己資本比率が高いほど健全な財政状況であると言えます。
財務省が行った四半期別法人企業統計調査の概要によれば、2018年度の金融業、保険業を除く、全産業の平均自己資本比率は約43%です。自己資本比率を計算し、40%以上であれば倒産しにくいと言えます。ちなみに大手ファミレスチェーンの自己資本比率は40.0%。平均自己資本比率は業種によって差があり、外食産業は概ね自己資本比率が低めです。
経営状況の悪化から負債が純資産を上回り、資産を手放しても負債を返しきれない状態が債務超過です。とは言っても、急に債務超過に陥るわけではなく、赤字が続いているなど、何らかのサインがあります。赤字の状況については、バランスシートからはわからないため、損益計算書で確認しましょう。債務超過のサインは、損益計算書で赤字経営が続いていないか確認できるほか、流動比率と固定比率などで確認できます。
・流動比率
流動比率とは、1年以内に現金化できる資産と1年以内に返さなければならない負債を比較し、短期的な支払い能力を判断する指標のこと。一般的には200%から120%あればよいといわれています。この流動比率が100%を下回っていると、支払い能力が乏しいということになります。
流動資産のうち、現金や預貯金など換金性の高い資産は当座資産です。この当座資産を流動負債で割った比率が当座比率です。支払い能力を測定する信頼できる指標だとされています。
・固定比率
固定比率とは、固定資産と自己資本を比較したものです。これは、固定資産に投資した資金のうち、どのくらいが純資産であるか確認するためのものです。長期にわたりお金を投資することになる、固定資産は返済の必要がない純資産で賄うのが理想的です。固定比率が100%以下であれば、経営状況は安定していると言えます。
債務超過すると倒産する?
バランスシートを確認しよう
「節税になるし赤字経営でも倒産しないだろう」「設備投資による負債は、投資。借金ではない」と考えていると、経営状況が悪化し、倒産するリスクが高まります。また、損益計算書で経営状態が確認できているからと油断は禁物です。
帝国データバンクによれば、2018年1月1日から6月30日までの集計において、1,000万円以上の負債をかかえて、倒産した数は4,029件です。また、資金繰りが苦しくなり、銀行と交渉して一定期間返済を軽くする「リスケジュール」などを行っても倒産してしまうケースも200件ありました。バランスシートを確認し、健全に経営できているかチェックしてください。問題点がある場合は、はやめに対応しましょう。
帝国データバンクによれば、2018年1月1日から6月30日までの集計において、1,000万円以上の負債をかかえて、倒産した数は4,029件です。また、資金繰りが苦しくなり、銀行と交渉して一定期間返済を軽くする「リスケジュール」などを行っても倒産してしまうケースも200件ありました。バランスシートを確認し、健全に経営できているかチェックしてください。問題点がある場合は、はやめに対応しましょう。