開業手続き 一覧

  • 「事業計画書の作り方」飲食店・カフェ開業希望者必見!
     オーナーのこだわりを自由に表現しやすいカフェは、飲食店の開業を志す方々に人気の業態です。自分の好きでいっぱいの空間で手作りスイーツやドリンクを提供し、おしゃれな制服を着て働く…そんな毎日は、とても幸せですよね。  未経験からの開業も多いカフェですが、ほかの業態と同様に、しっかりとした事業計画書なくしてお店は成り立ちません。トラブルの際に立ち返れるものがないと、お店が何を目指していたのかが分からず、改善点を見いだすことが難しくなります。  そして何より事業計画書は、開業資金の融資を受ける際に、各機関に提出するとても重要な書類でもあるのです。  本記事で取り上げるポイントに注意して、内容の濃い事業計画書をつくっていきましょう。 事業計画書を作成する意義とは?  オーナーの人物や経歴、どのくらいの期間内にいくらの売上を見込んでいるのか。そして、そのカフェがどのような形で世の中に貢献し、どうなっていくのかというビジョン。  そういったさまざまなことを明記した事業計画書を作成する意義として、次のものが挙げられます。 1.融資の審査を受けるときのアピール書類  事業計画書は、さまざまな機関から融資を受けるときに提出を求められる書類です。書類審査に重きがおかれているため、事業計画書の内容次第で合否がほぼ決まってしまいます。  審査官は、初対面の人に何百万ものお金を渡すか否かを、書類と面談だけで判断しなければなりません。だからこそ、あなたのカフェが“必ず成功し、世の中に貢献し、お金を完済できるビジネス”だと、客観的にアピールしなければならないのです。 2.迷ったら立ち返る、お店の道しるべ  “どのようなターゲット層に何を提供し、毎月の売り上げはいくらを目標にして、将来はどのようにお店を発展させる”といったオーナーの考えが可視化された事業計画書は、お店の道しるべでもあります。  経営不振のときは、事業計画書を立ち返り、目標に対して何が足りていないのか、どこを改善すべきなのかを見つけることができます。   しっかりとアピールしたい4つのこと  事業計画書の作成には、日本政策金融公庫のテンプレートを用いることもできます。こちらの項目は実用的なものではありますが、オーナーの想いや情熱までは、伝わりにくいものでもあります。  実は、事業計画書に決まった書式はありません。Excel、Word、PowerPoint、手書きなど自分に合ったものを選びましょう。  作成時には、次のことがしっかりとアピールできているとよいでしょう。 ①開業の動機 「からだに優しい全粒粉マフィンの美味しさを広めることで、甘いものは身体に悪いというイメージを覆す一歩にしたい。農家から直接仕入れた北海道産の全粒粉を使い、地産地消の大切さを発信していくことも考えている。」  上記のように、人を納得させる開業動機をもつオーナーは、営業上のトラブルに見舞われても折れない心やマネジメント力をもっています。それは、お店が長く続き、事業が成功する可能性が大きいということ。審査官は、そこに信頼をおいて融資を決めるのです。 ②コンセプト  お店のコンセプトは、お客様が数あるカフェの中からあなたのお店を選ぶポイントです。ターゲット、メニュー、雰囲気がちぐはぐだと、経営を成功に導くことはできません。  まず考えるべきは、「誰をターゲットにするか」。  お客様の年齢、性別、職業はもちろん、普段利用するお店、チェックしている雑誌などを具体的にイメージして設定しましょう。  次に、「何を提供するか」。  はじめてカフェを開業する時は、料理よりも、まずはドリンクとスイーツに力を入れましょう。カフェでは安定してオーダーが入るメニューなので、リピーター獲得のための大切な看板商品となります。  そして、「どのような空間が売りなのか」も考えましょう。  木目やアンティークがメインの大人の空間なのか、カラフルな小物が楽しいポップな空間なのか。あなたのお店でしか味わえない雰囲気をアピールしましょう。 ③資金計画  毎月の収支計画をしっかりと立てておくことが、お店の成功の鍵となります。ランニングコストを計算し、それに対してどのくらい売り上げなければならないのかを、事業計画書に明記しておきましょう。  契約農家の有機野菜や、専門店から取り寄せるパンを使ったサンドイッチなど、こだわりが多いのは素敵なこと。しかし、こだわりすぎて費用対売上のバランスが崩れ、経営が成り立たなくなっては本末転倒です。  仕入原価は、売上の30%程度にとどめておきましょう。また、砂糖、ストロー、紙ナプキンといった消耗品は大量注文できる場所で調達し、コストを抑えることが大切です。 ④これからのビジョン  「将来的には、地方にお店を増やしたい」、「カフェが軌道に乗ったら、雑貨や焼菓子の通信販売も始めよう」など、そのお店ならではのビジョンがあるはず。事業計画書では、これらのビジョンを願望として書くのではなく、言い切ったかたちで書くことが大切です。  「お店がうまくいけば、2店舗目を出したい」のように曖昧な記述ではなく、「3年後をめどに、代官山に2店舗目を展開する」と明確に提示することが大切です。こういった強い意志を感じる記載は、審査官にインパクトと信頼感を与えます。 開業してからも長い付き合いとなる事業計画書  どのような業態のお店であっても、融資を受けるためには事業計画書の提出が不可欠です。もちろん、審査に通ったからといってお役ご免というわけではありません。事業計画書は、開業後もお店を支える土台となります。  オープンから3年後に営業を続けていられるお店は、たったの3割といわれている飲食業界。それはカフェも例外ではありません。  多くのお店がオープンしては、次々と閉店しています。クレーム、売上の低迷、競合店の登場など、お店が乗り越えるべき課題はたくさん。いざ直面したときに立ち返れるよう、ポイントをおさえた内容の濃い事業計画書を作ることが大切です。  
    開店ポータル編集部
    2019/05/29
  • 家族経営の節税!青色事業専従者給与に関する届出書を提出しよう【税務署】
     青色申告を申請している場合、家族や親族の従業員に支払った給与を経費とすることができます。毎月支払う給与を経費とできるのなら、大きな節税となるわけですから、夫婦や親子でお店を運営しているのなら利用しない手はありませんよね。    本記事では、この制度を利用するための要件と、届出書の書き方についてみていきましょう。 青色事業の「専従者給与」って?  青色事業の専従者給与、少しむずかしく感じてしまいますが、簡単に言えば家族や親族の従業員=専従者のこと。これが認められると専従者の給与を経費で落とすことができます。専従者として認められる要件は次の3つです。   ①青色申告者と生計を同一にする親族であること   ②当該年度の12月31日に15歳以上であること   ③青色申告者の事業に、6カ月を超える期間専従していること  生計を同一とありますが、これは事業主と同居している、もしくは生活費が事業主の仕送り等の場合をさします。また、基本的に15歳以上であったとしても、本業が学生の場合は対象外となります。  例外として通信制や夜間制の学校に通っている場合は、専従として認められることを頭に入れておきましょう。   ■専従者給与の決め方  青色申告の専従者給与には上限がありません。ですが、常識の範囲内で記入する必要があります。あまりにも高すぎる場合は認められないこともあります。周りの従業員と業務内容や勤務時間が変わらないのであれば、そこに合わせて設定するのがよいでしょう。 「開業をサポートしてほしい!」 >>開店ポータルBizに無料相談しよう<< 青色事業専従者給与に関する届出書の書き方  家族従業員や専従者に支払った給料を経費として計上するためには、必ずこの書類を提出しなければなりません。  書類の申請書は国税庁のホームページからダウンロードすることができます。  書き方は次の通りです。 「月5,000円で税理士とやりとりできるって本当?」 >>開店ポータルBizに無料相談しよう<< ①青色専従者給与の関する“届出”書にチェックをつける  一番上、青色専従者給与の関する届出・変更届出書とありますが、届出にチェックを入れましょう。 ②税務署名と提出日  管轄の税務署名と提出する日付を記入します。 ③納税地の住所・電話番号  飲食店の場合は、まず、事業所等にチェックを入れます。つづいて、お店の住所と電話番号を記入しましょう。  上記以外の住所等には、自宅の住所を記入します。 ④氏名・生年月日  氏名、生年月日を記入します。   ⑤職業と屋号  職業の欄には、“飲食業”と記入しましょう。屋号には、お店の名前を記入します。 ⑥日付  給与の支払いを開始する日付を記入しましょう。 ⑦“定めた”  届出として提出するので、定めたにチェックを入れましょう。 ⑧青色事業専従者給与  書き方は以下のとおりです。専従者一人ひとりの情報を正確に記入していきましょう。 引用元:国税庁 HP:https://www.nta.go.jp/ ⑨その他参考事項  専従者が他に職業を有している場合、または、就学している場合に記入する必要があります。 【例】「●●(株)取締役」「●●大学夜間部」 ⑩使用人の給与  従業員が専従者のみの場合は、空欄で問題ありませんが、そのほかにも従業員がいる場合に記入します。その場合は使用人のうち、専従者と類似する仕事をしている人や、給与の水準を示す代表的な例を記入してください。 提出期限はあるの?  青色事業専従者給与に関する届出書には、提出期限が定められています。はやめの提出を心掛けて、前項②で記入した管轄の税務署に届出をしましょう。 ①1月15日までに、事業を開始した・専従者となった場合 →その年の3月15日迄 ② 1月16日以降に、事業を開始した・専従者となった場合 →その日から2か月以内 【人気記事】はじめての飲食店開業 お店を開くために必要な7つのステップ 開業・店舗運営のお悩みは、開店ポータルBizに無料相談!  開店時に提出するさいは、さまざまな機関に提出しなければならない書類も多く、一つひとつの書類が複雑に感じてしまうこともあるでしょう。不明点がある場合は、提出先の税務署に相談をしてみてくださいね。 【記事】飲食店開業のために必要な手続き【消防署編】 【記事】飲食店の「開業届」の書き方を知ろう  開店ポータルBizでは、店舗運営にかかるコスト削減のほか、資金調達サービス、地域やお店にあった集客方法・HPやSNS運用についてのご相談を無料で承っております。ぜひお気軽にお問い合わせください!
    開店ポータル編集部
    2019/04/01
  • 税務署に提出する「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」の書き方は?
     お店が雇っている従業員の所得税は、通常、事業主が源泉徴収として天引きし、預かった分を毎月税務署に収めることになっています。しかし、少人数でお店を回す個人事業の場合、多岐にわたる業務のなかで毎月納税をするのは大変なこと。  そこで今回は、従業員が常時9人以下の店舗で手続きを簡略化できる“源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書”について説明していきます。 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書とは?  源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書とは、通常は毎月税務署に源泉所得税を納めるところ、年2回にまとめて納めることができるようにする書類です。給与支払事務所等の所在地である税務署に提出する必要があります。  特例を受けられる条件として、「給与を支給する従業員が、常時9人以下であること」となっています。繁忙期などに臨時で雇った人の数は含まないのがポイントです。  この特例を受けることにより、1月~6月までの源泉徴収した所得税と復興特別所得税を7月10日まで、7月から12月までの源泉徴収した所得税と復興特別所得税を翌年の1月20日までにまとめて納めることができます。 提出期限は?  “源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書“には提出期限はありません。源泉徴収の納期の特例を受けたいと思ったときに提出すれば大丈夫です。ただ、提出する際はいつから適用されるかについて、注意が必要です。  原則として税務署に提出した日の翌月に支払う給与などから適用されます。そのため、申請した月の源泉所得税だけは翌月10日までに納付します。例えば9月に源泉徴収して10月10日までに納付する分にはまだ特例は適用されません。10月に源泉徴収して11月10日に納付する分から納期の特例が適用されることになり、翌年1月20日の納付になります。  作成した申請書は、給与支払事務所等の所在地の所轄税務署へ提出します。 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の書き方  源泉徴収をするアルバイトやパートなどの従業員を雇う場合、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書を開業届と一緒に提出致しましょう。書類の申請書は国税庁のホームページからダウンロードすることができます。 ①日付と管轄税務署名  提出する日付と提出先の税務署名を記入します。 ②お店の住所、お店の電話番号、名前  オープンするお店の住所や電話番号、店名を記入します。 ③法人番号と代表者氏名  法人番号は個人事業主の場合記入する必要がありません。マイナンバーも書かなくて大丈夫です。代表者氏名は個人事業主自身の名前を記入します。 ④ 給与支払事務所等の所在地  先ほど書いた住所と、給与支払事務所の住所が同じ場合は空欄になります。違う場合は、給与支払事務所の住所と電話番号を記入します。 ⑤申請の日前6か月間の各月末の給与の支払を受ける者の人員及び各月の支給金額  “源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書”を提出する日の前6ヶ月の各月の月末の人員数と各月の給与の支給金額を書きます。まだ給与を支払ったことがない場合、記入する必要はありません。また、支給実績が6ヶ月に満たない場合は、支給のあった月数分をすべて記入することになります。  繁忙期などに臨時のスタッフを雇って給与を支給した月は、常時雇っている従業員の分と分けて記入します。「支給人員」と「支給額」の欄の中で「外」と記載してある右側に、 臨時の従業員数合計と臨時従業員へ支給した給与の支給額を記入することになります。 ⑥現に国税の滞納があり又は最近において著しい納付遅延の事実がある場合~の項目  この項目は基本的に記入する必要がありません。もしこの事実に該当する場合は、税理士等に相談して記載内容を考えてください。 ⑦税理士署名押印  この申請書を税理士に作成してもらった場合は、その税理士に署名・押印をしてもらいます。税理士本人の自筆でなければならないので注意してください。 国税庁HP:https://www.nta.go.jp/ 最後に  ここまで源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書について、見てきました。気をつけなければならないのが、前提として従業員が9人以下のお店が対象ということ。少人数でお店を回している場合は、すこしでも毎月の業務を軽くしたいものですよね。申請はとても簡単なので、条件を満たしている場合はぜひ利用してみてください。  
    開店ポータル編集部
    2018/09/21
  • 動物系カフェ開業猫カフェをオープンする前に知っておきたい届け出・資格・設備とは?
     猫カフェをオープンし営業するためには届け出や施設、設備などにおいて守らなければならない決まりがあります。この決まりが守られていないと判断されると、登録の取り消しや業務停止命令が下された例もあります。  まずは、必要な届け出、資格、設備を確認したうえで猫カフェのオープンに向けて準備をすすめましょう。 必要な資格と届け出  猫カフェは、動物とのふれあいを提供する店となり、第一種動物取扱業の登録が必要になります。  地域や建物によっては、第一種動物取扱業を営むことができない場合もあるため、オープンを予定している地域が決まったら、その地域の役所に相談しましょう。  また、第一種動物取扱業の登録を申請する際、「動物取扱責任者」の選任が必要になります。 第一種動物取扱業の登録とは  猫カフェを営業する前に、都道府県知事または政令市の長の登録を受ける必要があります。登録申請書に記載した後、書類審査、施設の検査などを経て、登録証が交付されます。登録期間は5年です。なお、5年ごとに登録申請の更新が必要になります。  また、登録の際に気を付けたいのが、1つの業種ごとに登録手数料がかかるという点です。  猫カフェといっても、里親を募集する保護猫カフェもあります。猫とのふれあいの提供のみである猫カフェの業種は「展示」のみです。しかし、顧客から預かった猫を保管し、ふれあいを提供、里親を探す営業形態は、「保管」と「展示」の2つの業種を登録する必要がある場合も。猫カフェの営業内容を詳しく説明し、どのような登録手続きが必要なのか相談しましょう。 「動物取扱責任者」とは  「動物取扱責任者」は、第一種動物取扱業の登録に必要な条件の1つで、資格ではありません。なお、動物取扱責任者は、都道府県等が開催する「動物取扱責任者研修」を一年に1回以上受ける必要があります。  動物取扱責任者は、猫カフェのオーナーが選任した人、あるいはオーナー自身がなることができます。しかし、動物取扱責任者に誰もがなれるわけではありません。以下3つのうち、どれか1つを満たせば動物取扱責任者になれます。 ・猫カフェで半年以上実務経験がある ・教育機関を卒業している ・資格を取得している(家庭動物管理士など)  一般的に、はじめて猫カフェをオープンする場合、資格を取得する人が多いようです。   ①飲食物を製造し販売する場合  猫カフェで飲食物を製造し販売する場合は、飲食店営業許可の取得と食品衛生責任者の資格が必要になります。 ・飲食店営業許可  飲食店営業許可とは、管轄する保健所の審査を受けて得られます。この保健所の審査は、各都道府県の食品衛生法施行条例に基づき行われます。まず、保健所に確認が必要です。 ・食品衛生責任者  養成講習会を受講すると食品衛生責任者の資格を得ることができます。ただし、栄養士、調理師などは、養成講習会に参加しなくても食品衛生責任者になれます。   ②既成品のみを販売する場合  自販機でペットボトルや缶ジュースなどを販売する場合であれば、飲食店営業許可の取得や食品衛生責任者の資格は不要になります。 ③店の収容人数が30人を超える場合  猫カフェの営業において、店の収容人数が30人を超える場合、防火管理者の資格が必要になります。資格は、所轄の消防署または市役所で申込みし、講習会を受講すると取得できます。   必要な設備  猫のために必要な設備は、猫が心地よく過ごし、訪れる人と共存するためのものです。猫カフェには猫好きが集まります。猫のために設備が整っているかどうか、訪れる人が厳しい目でチェックすることも少なくありません。   猫にとって適切な広さと空間を確保しよう  狭い部屋に猫を同居させると猫にストレスがかかります。過去に、狭い部屋にたくさんの猫を同居させたことなどが原因で業務停止命令を受けた事例もあります。また、人の出入りによって猫が逃げないように内装も工夫しましょう。 ■給水・給餌器具や遊具などの設備  爪とぎや隠れる場所なども用意しましょう。 ■トイレや換気システム  排泄物はにおいが出るというのもありますが、猫が安心してトイレができるように、別の部屋に置くなど設置場所に注意が必要です。また、においの原因となるため掃除がすぐにできる場所がよいでしょう。 カフェとしての設備を整えよう  飲食を提供する場合、カフェとしての設備も必要になります。どのようなメニューにするかによって厨房設備は異なります。また、猫が厨房に入らない内装にする必要があります。保健所に確認しながら、提供するメニューや厨房設備を整えましょう。  猫とのふれあいだけでなく、カフェとして飲食を提供する場合は特に衛生面に注意しましょう。猫のために必要な設備と飲食提供のための設備がそれぞれ必要です。   猫カフェをオープンする前に  猫カフェをオープンし営業するためには、届け出や資格、設備などが必要になります。資格については、講習を受ければ取得できるものが多いです。  動物取扱責任者の条件については、通信講座などを利用して必要な資格を取得することも可能です。ドリンクの提供も自販機などを利用するのであれば、特別な手続きはいりません。  比較的はじめやすいことから、増えつつある猫カフェ。しかし、営業を続けるのが難しいのも事実です。万が一、閉店した場合のことも考えて、責任を持って猫の世話をできる環境を整えておくことも大切です。  
    開店ポータル編集部
    2018/09/01
  • アニマルカフェ開業「動物系カフェ」をオープンする時に守るべきルールとは?
     近年、猫カフェや小鳥カフェ、爬虫類カフェ、フクロウカフェなどさまざまな動物系カフェが流行しています。「カフェ」といえども、通常のカフェとは一風変わった業態であるため、動物系カフェを開く場合、守らなければならないルールがいくつもあります。ただ触れ合いのみを目的としたカフェのほか、触れ合いに加えて軽食を提供するカフェなどその形態はさまざまですが、サービス内容や扱う動物によって守るべきルールにも違いがあります。詳しく見ていきましょう。 1.動物系カフェを開業するうえで守るべき2つのルール  基本的に動物系カフェは生きている動物を扱う業態です。動物のいるカフェにかぎらず、ペットショップなど動物を扱う店を開業する場合は、都道府県知事または政令市の長の登録を受けなければなりません。また、動物の管理の方法や施設の規模、構造などの基準を守ることが義務付けられています。 ①動物取扱業に登録する  動物系カフェを開業する場合は、動物取扱業に登録申請する必要があります。なかでも動物系カフェは、生きている動物を展示している業種とみなされるため第一種動物取扱業への登録が必要になります。そして、開店の条件として、職員のなかから動物取扱責任者を選任することが求められます。 ・動物取扱責任者とは  動物取扱責任者とは独立した資格ではなく、その店での責任者という位置づけです。ただ、店の職員であればだれでもなれるわけではなく、動物取扱責任者になるための条件が定められています。また、動物取扱責任者は、年一回以上、動物取扱責任者研修を受ける必要があります。 【動物取扱責任者になるための条件】 ・動物系カフェで半年以上の実務経験があること。 ・動物系カフェを営む上で必要な知識や技術を習得するため教育機関で1年以上学校法人や教育機関で学んでいること。  …学校法人以外の教育機関の場合、要件として認められない場合もあるので注意が必要です。 ・動物系カフェにかかる資格を持っていること。  …資格は、公平性及び専門性を持った団体が行う客観的な試験、が該当します。例えば、環境省が認めている資格として、一般社団法人 全国ペット協会の家庭動物管理士や協同組合 ペット・サービスグループ(PSG)の小動物飼養販売管理士などがあります。 ②動物の管理方法や施設の基準について  動物の所有者として最後まで責任を持って飼養することが求められます。店内の動物に感染症が蔓延するなど不適切な取扱によって動物が弱ったり、鳴き声や臭いによって周辺の住民とトラブルになったりしないように基準が定められています。  守らなければならない動物の管理方法や施設の基準の概要をいくつかご紹介します。 1.飼養施設等の構造や規模について  ・個々の動物に適切な広さや空間を確保すること ・給水・給餌器具や遊具など必要な設備を配置すること 2.飼養施設等の維持管理について ・1日1回以上の清掃を実施すること ・動物の逸走を防止すること 3.動物の管理方法について ・動物の状態を事前に確認すること ・適切な飼養または保管を行うこと ・広告の表示規制を守ること ・関係法令に違反した取引はしないこと 4.全体事項 ・標識、名札を掲示すること ・動物取扱責任者を配置すること  必要に応じて都道府県の動物愛護担当者が立ち入り検査を行い、基準が守られているかどうか確認します。また、第一種動物取扱業に登録せずに営業した場合は100万円以下の罰金に処せられます。 2.飲食を提供する動物系カフェのルール  飲食を提供せず、動物の販売なども行わない場合は、動物取扱業に登録し、動物の管理方法や施設の基準に従い開店すれば問題ありません。しかし、カフェとして飲食を提供する場合は、食品衛生責任者の資格と飲食店営業許可の取得が必要です。  開業場所の保健所によって衛生管理のルールに違いがあります。動物のスペースと飲食のスペースを完全に分けるなど決まりがある場合も多いので、事前に確認しましょう。なお、ペットボトルなどの販売のみであれば、飲食店ではないため品衛生責任者の資格や飲食店営業許可の取得は不要です。 3.営業時間に関するルール  営業時間に関しては、扱う動物によってルールが異なります。 ・犬や猫を扱うカフェ  午後8時から午前8時までは原則営業できません。 ・犬や猫以外の動物を扱うカフェ  営業時間に関するルールはありませんが、動物に過度な負担がかからないように注意して営業することが求められます。 4.動物を販売する場合のルール  犬や猫だけでなく鳥類や爬虫類を含め、動物を販売する場合は、購入者に対して動物を直接見せてそれぞれの特徴や適切な飼育方法を説明することが義務付けられています。こちらは、対面で、文書を使いながら行わなければなりません。  また、動物が売れ残った場合について、譲渡先をどのようにするか検討しておくことも義務付けられています。特に犬や猫を販売する場合、以下の内容が守るべき基準として定められています。 ・犬猫等健康安全計画を登録時に策定し遵守すること ・かかりつけの獣医師と連携し、犬猫の健康を管理すること ・販売困難な犬猫についての終生飼養を確保すること ・生後56日を経過しない犬猫を販売しないこと(正し法に定める日までの間は 49日) ・飼養する犬及び猫の帳簿を作成し5年間は保管すること ・犬や猫の所有数を報告すること ルールを守り動物を守ろう  動物系カフェには一般的なカフェにはないルールがいくつもあります。そしてそのルールの多くは、お店やお客さまのためではなく、動物を守るために定められています。癒やしや喜びを与えてくれる動物は、人にとってかけがえのない存在。そんな動物たちがお店で元気に過ごせるように、動物がいるカフェをオープンする場合は、必要な申請手続きを確認し、ルールを守って開業準備をすすめましょう。 ★アニマルカフェに置いてはいけない植物についてはこちら★ 取扱い注意!実は危険な観葉植物 子どもやペット同伴可のお店は要チェック  開店ポータルBizでは、インフラ周りのコスト削減のほか、地域やお店にあった集客方法・HPやSNS運用についてのご相談を無料で承っております。ぜひお気軽にお問い合わせください!  
    開店ポータル編集部
    2018/08/27
  • 契約後のトラブル防止~物件を決める前に最低限確認すべき4つのポイント~
     飲食店経営者に❝開店準備をすすめるなかで、一番苦労したことは何ですか?❞とたずねたとき、資金集めと肩を並べるほど多くの経営者が苦労するのが“物件探し”です。物件を決めるときには、何度も不動産屋へ足をはこび、内見を重ねなければなりません。  たとえ、理想の物件に出会えたとしても、気を付けなければならないポイントがあります。“やっと理想の物件に出会えた!”と喜びのあまり、すぐに契約に踏み切るのは、おすすめできません。契約後にトラブルが起きるのを防ぐため、いくつか事前に確認しておかなければならないことがあります。事によっては、その後の準備や営業にまで影響が出てしまうものもあります。スムーズにお店をオープンさせる上で重要な“事前確認”。本記事では、物件契約前に最低限確認しておくべき4つのポイントをお伝えします。 1.前に入っていたお店が退店した理由は何なのか  以前、その物件に入っていたお店がどのような理由で退店したのか、確認をしておきましょう。オーナーの個人的な都合であれば特に気にする必要はありませんが、原因が立地や集客、設備の不具合などにある場合は要注意です。せっかく開業しても、同様の理由で、自分の店舗も閉店に追い込まれてしまう可能性があります。また、短期間での入れ替わりが激しい物件の場合も同じような原因が考えられます。どれだけの期間続いていたのかも確認できると良いですね。  たとえ、立地が悪いからといって、絶対に諦めなければならない物件というわけではありません。人通りの少ない場所にお店を構えて、“隠れ家スポット”として人気店となった成功例もあります。物件が良くない=繁盛しないとは、一概には言えないのです。とはいえ、営業を続けにくい可能性があるのも事実。前のお店がどのような理由で退店をしたのかしっかりと確認をし、相応の対策をとったうえで決めましょう。 2.初回家賃が発生するタイミングはいつ頃か  初回家賃が発生するタイミングは、物件や管理会社によって異なります。多額の費用がかかる重要なことなので、管理会社や物件のオーナーにしっかりと確認をしましょう。  交渉次第で融通をきかせてもらえる場合もありますが、基本的には、契約後、すぐに初回家賃が発生してしまうケースがほとんどです。そのため、今後のスケジュールや準備を整えてから、契約にすすめましょう。ここを押さえておかなければ、空家賃が発生してしまい営業開始前から赤字となってしまうことも。 3.いつから内装工事に着工して良いのか  物件が決まった後はスムーズに内装工事が進められるよう、あらかじめ施工業者に工事スケジュールを確認しておく必要があります。混み合う時期だと希望のタイミングで行えないことはざらにあります。すると、工事を進められないまま家賃だけが発生してしまう状況にもなりかねません。契約後、すぐに初回家賃が発生する物件ならなおさらです。着工できる時期にあわせて、物件の契約が結べるように調整する必要があります。できるだけ余分なコストや無駄を省いていきましょう。 4.電気やガスの容量(設備)は適切か  飲食店の営業に欠かすことのできない電気やガスですが、業種や業態によって使用量には大きな差があります。とくに、以前入っていた店舗と業態が全く異なる場合には要注意です。“多分大丈夫だろう”と安易に考えてはいけません。どれだけの容量があるのかしっかりと確認しておきましょう。この確認を怠ってしまうと、オープンしてから電気やガスが思い通りに使えず、営業ができない場合も。工事で解決することはできますが、それにはもちろん、費用がかかります。事前に、営業をするうえで必要な容量を把握しておき、それをまかなえるだけの設備がある物件を選ぶのが良いでしょう。 より良いスタートをきるために        前に入っていたお店が退店した理由、初回家賃が発生するタイミング、内装工事に着工するタイミング、電気やガスの容量といった4つのポイントは、物件を決める前に、最低限確認をしておきたいものです。物件を契約してしまった後にこれらの問題が発覚すると幸先が悪く、モチベーションの低下にも繋がります。また、予想もしていなかった問題に直面した焦りから、さらに別の問題を引き起こしてしまうことも。  物件を選ぶ際には事前確認をしっかりとおこない、スムーズにお店を開店させましょう。  
    開店ポータル編集部
    2018/07/05
  • 動物系カフェ開業「アニマルカフェ」を開く時に必要な資格や許可を調べてみた
     いまやカフェは、おいしいドリンクやデザート、食事を楽しむだけの場所ではありません。犬や猫、フクロウや小鳥、爬虫類やハリネズミ…さまざまな動物と触れ合えるアニマルカフェが人気を博すようになり、多くのお客さまに癒しの時間を提供しています。  経営者は自分の好きな動物と一緒にお客さまをおもてなしできる、そんな夢のようなアニマルカフェですが、そう簡単な話ではありません。お店を経営するだけでも大変なのに、一緒に働く従業員は動物たちです。言葉も通じなければ、営業後も定休日も、彼らのお世話が待っています。  一緒に働き、生活を共にするのですから、それ相応の責任と覚悟が必要になることは言うまでもありません。そして、飲食店を開業するさいの手続きにプラスしておこなわなければならないこともあります。本記事ではアニマルカフェを開業するにあたって、必要な資格や許可についてみていきましょう。 アニマルカフェを開業するために必要な手続き  まず、アニマルカフェを開業するための、一連の手続きを確認しましょう。  申請する内容の基本は、猫、犬、ウサギなど種類を問わず同じものとなります。   1.営業許可の取得 2.第一種動物取扱業の登録 3.動物取扱責任者の選定 4.ペットフードの製造と販売に関する届出※犬猫のみ 5.消防署への届出 6.税務署への届出 申請方法や要件の詳細 1.営業許可の取得   お客さまに食事を提供する場合は、一般のカフェと同じく保健所から営業許可を取得する必要があります。  自治体によっては、アニマルカフェに特化した基準を設けている場合もあり、衛生面に関してはより厳しく審査されることもあります。  ■料理を提供する場合:飲食店営業許可  ■飲物と簡単な菓子類の提供:喫茶店営業許可  ■他に菓子類等の販売:食品製造業許可 飲食店開業のために必要な手続き~営業許可~【保健所編】はコチラ>>>   2.第一種動物取扱業の登録  これは、実験動物や産業動物を除く、哺乳類、鳥類、爬虫類が対象の登録制度です。営利を目的とし、下記業種に該当する場合は必ず届け出ましょう。  必要に応じて各都道府県の担当者による検査も行われます。犬や猫の動物たちが、カフェスタッフとしてお客さまとの触れ合いサービスを行う場合は下記業種の「展示」にあたります。また、カフェで動物を預かる場合は「保管」の登録も必要になります。  ※ペット同伴で食事ができるスタイルのカフェは、この登録は必要ありません。   >>新規開業の悩みを無料相談しよう<< ■該当する業種 販売:ペットショップ・ブリーダー・ブローカーなど 保管:トリマー・ペットホテル・ペットサロン・ペットシッターなど 貸出:ペットレンタル・ペットモデル・タレント犬など 訓練:ドッグトレーナー・ペットトレーニングなど 展示:動物園・水族館・動物ふれあいパークなど 競りあっせん業:会場でおこなう動物のオークションなど 譲受飼養業:老犬などを有償で動物を譲り受けて飼養する業務   ■申請方法 上記種別ごとに申請   ■申請場所 管轄の保健所か動物愛護センター   ■守るべき事項 動物取扱責任者の選定、管理方法、営業施設の構造など   ■基準、登録違反の場合 業務停止命令、100万円以下の罰金 可能性あり   3.動物取扱責任者の選定  上記の業種に該当する場合は、動物取扱責任者を選定しなければなりません。  責任者は次の3つのうち、いずれかの要件を満たすことが求められています。 申請したい第一種動物取扱業の種別について、 ①半年以上の実務経験があること ②専門学校・スクール(一年以上)を卒業していること ③民間が営む独自の資格を有していること    半年以上でもアルバイト経験があれば条件を満たすことができるので、難しくはないでしょう。  動物取扱責任者となった人は、各自治体の研修を初回と年に一度受講しなければなりません。   4.ペットフードの製造と販売に関する届出 ※犬猫のみ   お持ち帰り用の犬と猫のペットフードを店内で調理し、販売する際には各都道府県の農政局または地域センターに届け出なければなりません。  これは愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律に則ったもので、有害な飼料からペットを守るため平成21年6月1日に施行されました。もし、届け出をしなかった場合には罰則があるので、注意してください。  お持ち帰り用の犬と猫のペットフードを店内で調理し、販売する場合には製造と販売の帳簿をつけ、保管しておくことが義務付けられています。製造したペットフードを店内だけで提供する場合には、手続きの必要はありません。   5.消防署への届出   アニマルカフェであっても、多くのお客さまが来店する場所のため、消防法上の届け出は必要です。 ■防火管理者責任届 従業員を含め収容人数が30人を超える場合、営業開始までに届出 ■防火対象設備使用開始届 建物を利用する場合、利用開始10日程度前までに届出 ■火を使用する設備等の設置届 火を使用する設備を設置する場合、設置前までに届出 飲食店開業のために必要な手続き【消防署編】はコチラ>>>   6.税務署への届出  また、個人事業主として以下の項目を、管轄の税務署に届け出る必要があります。   ■開業届 開業から1ヶ月以内 ■給与支払事務所等の解説届出書(給与支払委がある場合) 開業から1ヶ月以内 ■青色申告承認申請書 開業から2ヶ月以内 飲食店開業のために必要な手続き【税務署編】はコチラ>>> 飲食店開業の悩みは開店ポータルBizに無料相談しよう  このように、アニマルカフェの開業には、通常の飲食店には必要のない資格や許可、届け出が必要となります。手続きが多く大変な点もありますが、お客さまが安心して利用できるようもれなく準備をすすめましょう。  アニマルカフェ開店後の注意点は、衛生管理・飼育管理を徹底することです。動物の臭いは周辺に伝わります。こまめに掃除をして、動物たちも人間も気持ちよく過ごせる環境づくりが必要です。  動物たちを従業員とするわけですから、配慮しなければならないこともたくさんあります。たとえばフクロウなどの場合、一日中狭い部屋のなかで、紐に繋いでいてはいけません。ストレスを抱えてしまわないように、人目を気にせず自由に過ごせる時間を設けてあげる必要があります。また、糞尿の匂いが気になるからと彼らにあたえるご飯や水の量を減らすなどのずさんな飼育管理をしてはいけません。きちんと尊重し、快適に過ごせる環境づくりをおこないましょう。 ★アニマルカフェに置いてはいけない観葉植物★ 取扱い注意!実は危険な観葉植物 子どもやペット同伴可のお店は要チェック ★はじめての飲食店開業★ はじめての飲食店開業 お店をはじめるために必要な7つのステップ  このほか、忘れてはいけないのが、動物の愛護及び管理に関する法律です。犬及び猫の販売業者、貸出業者、展示業者の営業時間は20時までと定められています(一定の条件を満たせば22時まで営業可能)。  生き物を扱うお店として、動物たちの労働・生活環境を整備することで、長く愛されるアニマルカフェを目指しましょう。  開店ポータルBizでは、インフラ周りのコスト削減のほか、地域やお店にあった集客方法・HPやSNS運用についてのご相談を無料で承っております。あなたのお店にあったサービスをご提案いたします。お気軽に下記フォームよりお問い合わせください。  
    開店ポータル編集部
    2018/06/26
  • 飲食店開業のために必要な手続き【税務署編】
     開業をする際に、書類を提出しなければならないのは保健所や警察署、消防署だけではありません。忘れてはならないのが“税務署”での手続きです。お店を経営するわけですから“事業を開始しますよ”という届出を税務署に提出する必要があります。雇われていた頃には、給与から所得税などの税金を差し引いて国に納付する“源泉徴収”や、年末調整を会社にしてもらっていましたよね。お店を経営する立場になった場合は、自身で売り上げや支出の管理をし、申告を行い、所得税を納めなければなりません。そのため、開業時には税務署への届出が必ず必要になるのです。  また、個人が開業する場合と、法人がオーナーとなる場合では手続き内容が異なりますので注意してください。本記事では個人事業主として必要な税務署関係の手続きをみていきます。 1.個人事業の開業届出書  新しく事業を始めた時に必ず提出しなければならないのが“個人事業の開業届出書”です(所得税法229条)。期限は、“事業の開始等の事実があった日から1ヶ月以内”と決められています。提出期限が、土・日・祝日に当たる場合は、その翌日が期限となります。  また、この開業届を提出しなければ、所得税の確定申告を“青色申告”で行うことができません。これは個人事業主にとって、非常にデメリットとなるので“開業届出書”と“青色申告書”はセットで考えましょう。 個人事業の開業届出・廃業届出等手続/国税庁HP:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/   2.所得税の青色申告承認申請書  事業主が1年に1度行う、所得税の確定申告を“青色申告”で行うために提出する申請書が“所得税の青色申告承認申請書”です(所得税法第144条、所得税法第166条)。確定申告は“白色申告”と“青色申告”の2種類がありますが、白色申告と比べて青色申告は、若干手間はかかるものの、節税面でお得な点が多々あります。この申請書を、前述の開業届出書と一緒に提出しておかないと、青色申告はできません。忘れずに申請しておくことをおすすめします。  期限は、青色申告をしようとする年の3月15日迄、その年の1月16日以後、新たに事業を開始した場合には、その事業開始等の日から2ヶ月以内に提出してください。 ■白色申告とは   開業したばかりで節税するほど所得が高くないという場合や、会計に詳しくない方に適した確定申告と言えるでしょう。メリットとしては、誰でも記入できるフォーマットを使って“単式簿記”で記帳するため、会計業務が非常に簡単に行える点です。納税者が所得と税額を計算して、税務署に申請して納税します。   ■青色申告とは  一定以上の事業収入がある方に適した確定申告です。まず忘れてはいけないのが、前述の“開業届出書”を提出していないと、青色申告をすることができず、自動的に白色申告となります。  青色申告は、申請書を提出して税務署の承認を受ける、帳簿の記入は複式簿記で行うなどの条件をクリアして、初めて申告ができます。白色申告と比べて、かなり手間はかかりますが、その分メリットも大きいのが特徴です。総収入額から65万円を差し引く特別控除があり、大幅な節税ができるのです(単式簿記の場合には10万円控除)。その他にも、控除される項目が多々あるので併せて確認しましょう。   所得税の青色申告承認申請手続/国税庁HP:https://www.nta.go.jp/   3.青色事業専従者給与に関する届出手続   これは青色申告を行う事業主が家族や親族を従業員として雇用した場合に必要な届出です(所得税法第57条)。青色申告では、家族従業員に支払った給与を全て経費として計上ができます。この手続きを行わなければ給与を支払うことができませんし、もちろん経費にもできません。  青色事業専従者給与の提出期限についても、申告を行う年の3月15日迄で、1月16日以後に開業した場合は開業から2ヶ月以内となっています。 青色事業専従者給与に関する届出手続/国税庁HP:https://www.nta.go.jp/taxes/ 4.給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出  アルバイトやパートなど従業員の所得税を給与から源泉徴収する際に必要な手続きです(所得税法230条、所得税法施行規則第99条)。これには家族従業員の給与も含まれます。所得税が発生しない給与が少額の従業員であっても届け出なければならないので注意してください。期限は、給与支払事務所の開設の事実があった日から1ヶ月以内。  また、開業時に提出する“開業届出書”に給与支払いに関する項目があるので、そこに記入すれば給与支払事務所等の開設届出書は不要ということになっています。しかし、実際には提出を求められることがあるようです。二度手間を避けるためにも、あらかじめ提出をしておいた方が良いでしょう。 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出/国税庁HP:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/   5.源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請   これを申請することによって、毎月税務署へ納める所得税を、年2回(1月・7月)にまとめて納められるようになります(所得税法第216条、第217条)。個人経営の飲食店にとって、毎月の納税は負担も大きいのではないでしょうか。そういった手間を少しでも減らし経営をスムーズに行うためにも、申請をしておくと良いでしょう。ただし、適応される条件は従業員9人迄となっているので注意してください。 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請/国税庁HP:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/   個人事業主としての自覚を持とう!  飲食店をオープンする際には、さまざまな届出や申請を行わなければいけません。届出を行わないと開店できないものであれば、見落とすことも少なくなりますが、税務署への届出は、開業後に行うものばかりです。忙しさにかまけて、うっかり忘れていたなんてことも。お店を経営し従業員を雇うことは、自分だけでなく従業員の生活を支えていかなければなりませんよね。個人事業主としての自覚を持ち、税金や記帳などに関する知識をつけていきたいところです。  
    開店ポータル編集部
    2018/06/18
  • 飲食店開業時の手続き「深夜における酒類提供飲食店営業開始届出」【警察署編】
     飲食店を開業するにあたって待ちうける、さまざまな手続き。税務署に届け出るもの、保健所に届け出るもの、消防署に届け出るもの…それだけで安心してはいけません。あなたのお店では、どんなサービスを提供しますか?営業は何時までおこないますか?  本記事では、午前0時以降にお酒を提供するお店が警察署に届け出なければならない「深夜における酒類提供飲食店営業開始届出」や、守らなければならないルールについてみていきましょう。 「深夜における酒類提供飲食店営業開始届出」とは  午前0時以降もお酒を提供する飲食店の場合、飲食店営業許可(保健所へ届出)にプラスして、「深夜における酒類提供飲食店営業の開始届出」が必要になります。風営法では深夜の定義は「午前0時から午前6時」。この届出は、深夜営業を行っており、かつ酒類をメインで提供している場合に必要な届出になります。 ■届出が必要な飲食店  居酒屋やバー、スナックは、多くの場合、午前0時を過ぎてもお酒を提供します。そのようなお店の場合には、提出が必須となります。該当する場合には、営業を始める10日前までには届出書を管轄の警察署へ提出しましょう。   ■届出不要の飲食店  もちろん、営業時間が午前0時を越えない飲食店であれば、届出の必要はありません。営業時間が夜11時までであったり、またはドリンクのラストオーダーが夜11時30分までのお店などは、届出不要です。  また、営業時間が午前0時を超える場合でも、届出の必要がないケースもあります。通常、「主食」とされる食事を中心に提供している飲食店は届出が不要の扱いとなります。主食とは、米や麺、パンなどをメインとして提供している飲食店が該当します。例えば定食店やラーメン店、ファミリーレストランなどです。  ここで気を付けなくてはいけないのが、「主食を中心に扱う飲食店であるかどうか」の判断です。明確な線引きがあるわけではないので、必ず事前に管轄の警察署に問い合わせをするようにしましょう。 守らなければいけないルール  深夜にアルコールを提供するお店を始めたい時には、ただ届出を提出すれば良いというだけではありません。守らなければならないルールがあります。 ①用途地域によっては深夜酒類営業ができない  「用途地域」とは、都市計画法により住居や商業、工業など土地の利用方法を定められたもので、12種類に分類されています。用途地域に関しては、各自治体のホームページなどで確認することができます。 <深夜酒類営業可能地域>  ・商業地域  ・近隣商業地域  (・準工業地域・工業地域・工業専用地域) <深夜酒類営業一部可能地域>  ・第一種住居地域  ・第二種住居地域  ・準住居地域 <深夜酒類営業禁止地域>  ・第一種低層住居専用地域  ・第二種低層住居専用地域  ・第一種中高層住居専用地域  ・第二種中高層住居専用地域  基本的には、商業地域や近隣商業地域であれば営業は可能です。工業系地域でも可能ですが、そこに店を構えることはまずないでしょう。住居地域では一部の地域では営業できるよう、条例が定められている場合もあります。また、住居専用地域では深夜酒類営業はできません。物件を探す際に、不動産屋へ必ず聞くようにしてください。 ②内装や設備などの基準を満たさなければならない  店内についても細かい基準が設けられています。内装を設計する際には、事前に管轄の警察署へ確認することを忘れないようにしてください。届け出る際はもちろん、営業を続ける限り維持していかなければなりません。 <基準例>  ・客室の床面積は、1部屋あたり9.5平方メートル以上あること  ・客室の内部に、見通しを妨げる設備を置かないこと  ・善良な風俗を害する恐れがある写真やポスター、装飾設備がないこと  ・客室の出入り口に施錠設備がないこと  ・客室の照度が20ルクス以上であること  ・騒音や振動の数値が、条例で定める基準値以下であること ③営業所には従業者名簿を備えておく  営業所ごとに、本人確認書類と共に従業者名簿を備えておかなければなりません。従業員が退職した日から、3年間は店舗で保管しておく義務(風営法)があるので、きちんと作成しましょう。実際の名簿を作成するにあたっては、風営法や内閣府令、施行規則等をしっかりと読み込み、不備のないようにしてください。 <必須記載事項>  ・氏名  ・住所  ・性別  ・生年月日  ・採用年月日  ・業務内容  ・退職または解雇の年月日(解雇理由)  ・死亡年月日(原因) <本人確認書類(日本人)>  ・生年月日と本籍地の都道府県名が記載された住民票記載事項証明書  ・パスポート  ・生年月日および本籍地都道府県名が記載された観光庁発行の書類その他これに類するもの <本人確認書類(外国人)>  ・在留カード  ・パスポート、難民旅行証明書等 ④午前0時以降に「遊興させる」のはNG  午前0時以降は、お客様に遊興させてはいけないというルールがあります。お客様が自発的に遊興するのではなく、お店側が積極的にすすめる形でお客様に遊興させることを禁じています。お客様同士で行う分には遊興にはあたりません。 <遊興例>  ・不特定多数のお客様に、歌やダンス、映画などの興行等を見せる行為  ・生バンドの演奏などをお客様に聞かせる行為  ・不特定のお客様にカラオケを歌うことをすすめる行為 など ⑤接待行為の禁止  風営法上、“接待“とは“歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと”と定められています。以下に具体例を挙げましょう。 <接待例>  ・特定のお客様の席について継続して話をしたり、お酌をしたりする行為  ・特定のお客様に歌や踊りを聞かせたり見せたりする行為  ・特定のお客様に歌を歌うよう勧めたり、歌っているときに手拍子や楽器で盛り上げたりするような行為  ・お客様と一緒にゲームや競技をする行為  ・お客様と身体を密着させたりする行為  これらの「接待」を行う場合は、必ず風俗営業許可が必要になるので注意が必要です。 必要書類と提出方法  必要な書類を揃えたら、店舗所在地を管轄する警察署へ提出します。郵送やインターネットでの受付はしていません。直接警察署の窓口での手続きが必要になります。また、一般的に事務手続きに手数料はかかりません。 <必要書類>  ・深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書  ・営業内容に関する書類  ・店舗の平面図  ・届出者の本籍地記載がある住民票の写し  ・定款、法人登記事項証明書と全役員の住民票(法人の場合)  (風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令第24条) ルールを守った店舗運営を      このように、午前0時を超えてアルコール類の提供をメインとする飲食店の場合、警察署への届出が必要なことに加えて、さまざまなルールが存在します。違反行為があった場合は、罰金刑を科せられることも。また、接待をおこなっていた場合は“風俗営業”を無許可で行っていたとして摘発され、その場で逮捕されるというケースもあります。  あなたのお店では、どのようなサービスを提供しますか?営業は何時までおこないますか?お店を開く場所は深夜営業が可能な地域ですか?開店後にトラブルが起こらないように、届出を提出し規定を守りながら店舗運営をおこないましょう。   
    開店ポータル編集部
    2018/05/23
  • 【企業家必見】10日かかる会社設立の手続きが、たったの1日に!?
     “雇われて働くのではなく、自分でビジネスを立ち上げたい” 起業を志す多くの人は、そんな夢を胸に数知れない努力を重ねています。ですが、“会社設立まであと一歩”というところまで来て、手続きの煩雑さに辟易としてしまうケースも多いのです。  政府は、2018年6月にまとめる成長戦略に、“会社設立手続きのオンライン化”を盛り込む方針を固めました。これが実現すれば、10日ほどかかっていた会社設立の手続きを、わずか1日に短縮できることになります。 煩雑で時間がかかる、日本の会社設立     中小企業庁の調べによると、2001年から2015年までの日本の開業率は、毎年5%前後の横ばいとなっています。欧米諸国の開業率が10%代半ばを記録している点と比べてみると、日本の開業率は低いことがわかります。その一因として考えられるのが、会社設立の手続きが煩雑なうえ、開業まで約10日と時間がかかることです。開業までに要する日数の平均は、アメリカなら6日、フランスなら4日となっています。  ここで、日本の会社設立の流れを見てみましょう。 ①定款の作成  会社設立の際には、会社の基本原則を定めた“定款(ていかん)”というものを作ります。これは、国でいう憲法のようなもので、絶対記載事項、相対記載事項、任意記載事項を記載します。なかでも、“絶対記載事項”は、定款に効力を持たせるための重要事項であり、必ず記載しなければなりません。 *絶対記載事項  …記載がなければ定款自体が無効となるため、必ず記載しなければならない事項 ・商号(社名) ・事業の目的 ・本社所在地 ・設立の際の出資財産額、またはその最低金額 ・発起人の氏名又は名称および住所 ・発行可能な株式の総数 *相対記載事項  …記載がなくても定款自体は無効にならないが、定款に記載しなければ効力が認められない事項 ・株式の譲渡制限に関する規定 ・株主総会の招集通知を出す期間(通常は2週間前まで)の短縮 ・取締役員の任期の伸長 ・公告の方法について ・株券発行の定め など *任意記載事項  …記載必須ではない上、定款に記載しなくても有効となる事項 ・事業年度 ・役員の人数 ・株主総会の議長 ・定期株主総会の招集時期 ・役員報酬の決め方 など ②公証人による定款の認証  定款が完成したら、その記載が正式なものであることを第三者に認めてもらわなければなりません。これを“定款の認証”と呼びます。  起業家は定款の事前チェックを受けたのち、公証役場で公証人と面談を行い、認証を受けるといった流れです。定款は、認証を受けることで初めて効力を持つようになるため、この手順が非常に重要となります。定款の提出から面談、そして認証を受けるまでには、7日ほどの日数を要します。 ③登記手続き  認証を受けた定款やその他必要書類をまとめ、法務局に提出します。登記が完了した時点で会社設立となりますが、書類の提出から登記完了まではさらに3日ほどかかることになります。つまり、定款の提出から会社設立までには、およそ10日ほどの日数を要することとなります。 オンラインで会社設立が可能に!?  では、会社設立手続きのオンライン化によって、どのように状況が変化するのでしょうか。  まず、起業をしたい人は、定款の作成後に公証役場に足を運ぶ必要がなくなります。定款をファックスなどで公証人に提出し、PCやスマートフォン、タブレットなどを通したオンライン面談によって、認証を受けられるようになるのです。  また、定款認証後の登記手続きもオンラインでおこなえるようになるので、認証を受けたら速やかに手続きを進めることができます。そのため、文書のやり取りなどにかかる時間が大幅に削減され、手続きを1日で終えることができるのです。 起業の後押しとなる政策に期待  政府の狙いは、会社設立の手続きを簡素化することで起業家の背中を押し、経済を発展させること。ですが、この案に関して、「手続きが簡単になるのはいいけれど、そこまで急ぐ必要はあるのだろうか?」「法人税や設立コストの削減など、先に取り組むべきことがあるのでは?」といった世論も。  さまざまな意見がありますが、この案が、起業家を取り巻く環境を改善する先駆けとなることは間違いありません。関連法の改正や新しい政策など、これからの政府の動きに目が離せませんね。  
    開店ポータル編集部
    2018/05/11