経営支援

飲食・理美容 事業を成功させる為に必要な「経営センス」と磨き方

開店ポータル編集部
2019/08/30
この記事の目次 [表示する]
 開業後、テンポよく事業を続けるために必要なものとは何でしょうか。

 たとえば、美容室の場合、「ヘアカットが上手な店」というだけで好調に店を続けられるかというとそうではありません。カットの技術力も重要ですが、店を繁栄させる上で重要となるのが、経営センスです。飲食店の場合も同様です。「料理がおいしい店」というだけで、長くお店を続けられるとは限りません。

 では経営センスは、どのようにすれば磨くことができるのでしょうか。

優れた経営者の共通点とは

 経営センスを磨く方法の前に、まず成功している経営者の共通点について考えてみましょう。

 成功している経営者の共通点は、「固定概念やこれまでの常識にとらわれず万能な対応ができる」「何をするかではなく、何をしないかを判断できる」「経営にストーリーがある」などが挙げられます。

 これらの共通点を持っている経営者は、ビジネスを成功させられる、すなわち経営センスがある人ということになります。
 まずはこれら一つひとつを実践することで、経営センスは磨かれていきます。

経営センスを磨く3つの方法

 経営センスを磨き、経営を上向きに運ぶために必要な3つの要素は

①常識にとらわれない対応ができる
②「何をしないか」の判断ができる
③ストーリーのある経営をおこなう

とはいえ、方法がわからなければ実践に移すのも難しいですよね。

 それぞれについて、一つずつ見ていきましょう。

常識にとらわれない対応ができる

 では、なぜ常識にとらわれないことが経営センスに関係するのか、考えていきましょう。
 業務がマニュアル化され同じことを繰り返していると、それが常識となり、そこから外れることが難しくなります。そうなると、新たなサービスを生み出せません。
 経営を上向きにするためには、今あるものを続けていくことだけでなく、顧客のニーズを考えて新しいものを考えて生み出すことが大切です。顧客のニーズは、時代に応じて変化します。これまでの常識にとらわれて、顧客のニーズに合わないサービスを提供し続けても、それを必要とする人は減っていき、最終的には必要とされなくなるからです。特に飲食業界や美容業界は顧客のニーズが常に変化する業界です。提供するメニューや提供の仕方は、ニーズにあわせて変えていく必要があります。
 常識にとらわれない万能な対応をするためには、論理の引き出しを増やすことが重要です。論理の引き出しは、多くの人と対話することで増えていきます。その際は、相手を否定するのではなく、一つの考え方として認めること、受け止めることが大切です。

 対話以外にも、ニュースをみて、「なぜこのようなことが起きたのか」、「この会社はなぜこの新商品を出したのか」と原因や理由を考えることで論理の引き出しが増えます。そして、いざというときに、万能に対応できるようになります。

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「何をしないか」の判断ができる

 経営センスがある人は、「何をしないかを判断できる人」であるとされています。この「何をしないかを判断する」というのは、具体的にどういう意味なのか、見ていきましょう。

 経営者といっても人間です。すべてのことができるわけではありません。どこまで仕事をして、どの仕事をしないことにするか、あるいは、誰かに任せるか、その線引きが必要になります。

 たとえば、一般的な美容室では、カットと洗髪がセットになっていますが、なかには、洗髪やカラー、パーマのメニューを提供せず、カットのみをおこなう美容室も存ります。カットのみの営業で経営が成り立つのか疑問に思う人もいるかもしれません。しかし、カット以外のメニューを提供しないことで、水道代やヘアケア剤、カラー剤などのコストはかかりません。それだけでなく、カットのみを希望するお客さまのニーズもしっかりとおさえています。

 飲食店にも、コストを抑えて、周辺の競合店より安くサービスを提供することで集客に成功している例があります。セルフサービスの店も、各テーブルまで食事を運ぶサービスはしないという選択の上で経営しています。
 商品やサービスの価値を上げるために何をやめるのかを考えることも経営センスを磨く上で重要です。

③ストーリーのある経営をおこなう

 経営戦略としては、「複数の事業を行うなど多角化する戦略」や「市場を国内だけでなく海外へ広げる戦略」、「市場規模が少ない未開拓の市場へ進出する戦略」などがあります。いずれの経営戦略においても共通するのが、ストーリーです。

 経営は、従業員、そして顧客とともに成り立っています。顧客がいなければ、赤字経営になります。従業員の働く意欲が低ければよいサービスを提供することはできず、最終的に顧客も離れていきます。ストーリーのある経営とは、すなわち、顧客や従業員と同じ物語を共有することです。同じようなサービスが多数あったとしても、ストーリーをもたせることでサービスの魅力だけでなく、顧客や従業員に強い印象を与えることができます。

 美容室でいえば、1,000円カットの店が次々にオープンしていることもあり、カットの料金を値下げし、ギリギリのラインでサービスを提供する美容室が増えています。
 顧客にとっては、どこも変わらないのであれば、安いところを探そうという気持ちになり、美容室を検索できるサイトなどで料金の安い店を選ぶという状況になっています。
 こういった場合、単に価格を下げるということではなく、他の店と差別化を測るという意味で、ストーリーのある経営をすることが大切です。つまり、単に「髪を切る」というサービスを提供するのではなく、「どこで切るか」、「誰に切ってもらうか」に焦点をあてるのです。
 まず、技術やサービスそのものではなく、開業ストーリーや想いを従業員や顧客に伝えます。ストーリーには、共感度を高める効果、記憶に残る効果、気持ちを動かす効果があります。このストーリーづくりは、顧客や従業員が共感できるかどうかが重要です。基本的には、開業から現在、そして未来の目標を時系列にそって組み立てます。もしも、ストーリーのない経営になっているのであれば、その点も含めて、今後はストーリーのある展開になるように、経営を見直すとよいかもしれません。

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 経営センスがある人とは、新しい発想で万能に対応する力や何をしないかを正しく判断する能力、ストーリーのある経営ができている人のことです。経営センスを磨くためには、まずこれらを実践すること、そして、センスのある経営者の話を聞くなどして擬似体験をすることが重要といえるでしょう。

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