経営支援

美容室開業 個人経営とフランチャイズ 経営スタイルの違いとは?【相談無料】

開店ポータル編集部
2020/03/18
この記事の目次 [表示する]
 美容業界で働く人の中には、いずれは独立してサロンの経営者になりたいと考えている人もいることでしょう。

 美容所の数は年々増加しており、全国に約24万件以上あるといわれています。今、美容業界は店舗過剰の状態。サービスの低価格化に加えて客数が減少していることもあり、厳しい経営状態に悩むオーナーも少なくありません。

 自分の店を持ちたいという気持ちだけで、あまり準備をせずに開業しても、廃業に追い込まれる可能性が高くなります。

 独立する前に、どのようなサロン経営のスタイルがあるか確認しましょう。

サロン経営のスタイルは大きく分けて2つ

 サロン経営のスタイルには、大きく分けて2つあります。

①個人経営サロン
②フランチャイズサロン


 では、それぞれどのような経営スタイルなのでしょうか。
 一つずつ見ていきましょう。

①個人経営サロン

 約70%を占めるのが個人経営サロン。自分のサロンであるため思い通りに経営できる点が個人経営サロンの強みです。

 たとえば、美容室とエステサロンを併設したり、ネイルサロンを併設したりと自由に経営できます。独立前の美容室などで指名客がいた場合、新しく開業した店の新たな顧客となってくれる可能性もあります。

 しかし、資金が足りなくなった場合や、思うように集客が見込めなかった場合も、すべて自分で解決しなければなりません。もちろん、美容室に必要な機材もすべて自分で揃えます。シャンプーやリンスなどのヘアケア剤なども含め、時には経費を減らす工夫が必要なこともあるでしょう。

 個人経営サロンの場合、美容師としての技術力だけでなく、店を経営していく能力も求められます

②フランチャイズサロン

 フランチャイズサロンは、フランチャイズに加盟し、本社から店の看板やサービス、商品を提供してもらい、収益の一部を本社に支払う経営スタイルです。

 本社の方針にもよりますが、一般的に、資金の調達、物件選び、内装などはすべて本社がおこないます。もちろん、美容師の求人、店の宣伝、経営のアドバイスも受けられます。

 初めて独立する経営者にとっては、初期費用がかからないことや開業後もサポートが受けられる点が魅力です。しかし、自身の考えに基づく戦略や経営はできません。経営者というよりは、「本社に雇われている」という感覚があり、独立した感覚をもてない人も少なくありません。

 さらに、売上の一部を本社に払わなければならないというデメリットもあります。大手の美容室では、フランチャイズ展開により美容室の店舗数を増やしています。

 また、フランチャイズにも、「チェーン型」、「のれん分け」の2種類があります。

 


①チェーン型

 全国区で有名なサロンの名前や経営ノウハウを活用して経営するスタイルがチェーン型サロンです。チェーン店すべて同じ外観、内装になることが多いです。
 ブランド力によって集客が期待できるほか、開業後のサポートも充実しています。ビジネスとしてすべてマニュアル化されており、店のコンセプトや運営方針まで同じです。

 チェーン型サロンの場合、そのサロンでの勤務経験がなくても、チェーン展開を行う会社に加盟すれば経営が可能です。店の利益が少なくても決められた金額を本部に支払うことが求められます。

②のれん分け

 勤続年数や資金準備など一定の条件を満たした従業員に店舗の屋号の使用を許可する制度のことです。のれん分けは、自分が実際に経営する店舗で働き、知識や技術を習得します。まず社員として働くことが条件になります。

 新たな地に店舗をオープンさせる場合もありますが、そのまま経営者として既存する店を引き継ぐ場合もあります。
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働く美容師の雇用はどうする?

 サロンを経営するうえで、そこで働く美容師の雇用形態をどうするのかも考える必要があります。

 これまで美容師の雇用形態は、正社員やアルバイトなどが主流でした。しかし今では、個人事業主(フリーランス)として働く美容師も増えています。このようなフリーランスの美容師に働く場を提供する方法もあります。

①業務委託型

 業務委託サロンは、大手美容室を中心にフランチャイズによって店舗数が増えている雇用スタイルの一つです。まず、店舗の設計や集客に関しては経営者が行います。

 美容師は、社員やアルバイトとして雇わず、個人事業主として契約します。サロンの経営において人件費は大きな経費の一つです。業務委託型サロンは、美容師を直接雇用し固定給料を支払うのではなく、実際の売上に応じて報酬を支払うシステムとなっています。

 もちろん、通常の雇用契約で必要な社会保険料なども支払う必要はありません。経営者にとっては、売上に応じて人件費が発生する仕組みで、赤字リスクが少ないのがメリットです。また、美容師にとっても一般的なサロンで働くよりも還元率が高くなり、仕事をすればするほど報酬が増えるためモチベーションが上がります。

 しかし、一方で稼ぐことを目的とする美容師が集まるため、美容師が独立、店が集客した顧客が奪われてしまうデメリットもあります。業務委託型サロンにおいては、優秀な美容師を確保し、顧客情報の流出を防ぐために、のれん分けによる出店を積極的に行っています。

②シェアサロン

 経営者は働く場所だけを提供し、美容師は場所のレンタル代を払うスタイルです。

 イメージとしては、光熱費や美容機材をシェアハウスのように美容師で共有し、それらの固定費を美容師でわけて支払います。個人の美容室などで、一部の空席を他の美容師に貸す「面貸し」は昔から行われてきました。シェアサロンは、店内におけるすべての席が面貸しスタイルになっています。

 美容師にとってはかかる費用が固定費のみで済むため、売上が上がると利益が大きくなるというメリットがあります。フリーランスの美容師が働く場所を探せるサイトなどもあり、シェアサロン型は今後増えていくのではないかといわれています。

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 サロン経営のスタイルは一つではありません。個人経営をするのか、フランチャイズかによっても全く経営の仕方は異なります。
 また、一言でフランチャイズといっても、店舗の独立支援制度を活用する方法と店のブランド力を活用してチェーン店を営む方法があります。独立を視野に入れて、働く美容室を選ぶ場合は、どのような店を持ちたいのかを考えて選びましょう。

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