物件探し

飲食店開業を成功させる物件探しの方法「商圏」を調べよう

開店ポータル編集部
2020/01/31
この記事の目次 [表示する]
 「ついこの前までは居酒屋だったのに、いつの間にかラーメン屋さんになってる!」そんな入れ替わりの激しい場所はありませんか?
 飲食店が繁盛するか閉店に追い込まれるかを決めるのは、料理の味やサービスの問題だけではありません。本記事では、飲食店のマーケティングで重要な、「商圏」についてご説明します。

商圏ってなに?


 商圏とは、お店のターゲット層が住んでいる、または勤務しているエリアを指します。
 新規開業の際には、その地域には、どのような人がどれくらい住んでいるか、何を求めているかを調べ、それを考慮した商品やサービスの展開をしなければなりません。これをエリアマーケティングといいますが、ここで関わってくるのが、商圏という考え方です。

 商圏分析の重要性


 閉店してしまう飲食店の多くは、自分のお店を取り巻く状況を把握できないまま、売ることに重きを置いているケースがほとんどです。

 「主要駅の近くだから、たくさんの人が来てくれるはず」、「味に自信があるから、目立たない場所でも大丈夫」という予想だけで、安易に開業エリアを決めてしまうのは危険です。十分に商圏分析をしてから、お店を構える必要があります。
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 商圏を決める際のポイント


 商圏を決める際に、頭に入れておくべきポイントがあります。

①何を売るか

 商圏の広さは、お店の業態によって変わります。小売店を例に挙げてみましょう。

利用頻度が高く、客単価が低いお店
(コンビニエンスストアなど)
→近所の方が多く利用するため、商圏は小さめ

利用頻度が低く、客単価が高いお店
(百貨店など)
→遠方から訪れる方も多いため、商圏は大きめ

 このように、お手頃価格で気軽に利用できる居酒屋なのか、リッチなコース料理を提供するレストランなのかなど、お店のコンセプトや価格帯、お客さまの利用動機によって商圏は異なります。
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②動線と時間

 まずは、商圏を調査するために、地図と時計を持って、検討中の物件からあらゆる方向へ移動してみましょう。同じ時間で着いた地点を地図上で結び、3分、5分の円を描きます。この円が、おおよその商圏となります。

 その地域の人が、普段、どの方向に動いているのかも重要です。たとえば、お店が住宅街と駅の途中にあれば、駅を行き来する人の動線上にあるので、より集客が見込めます。地域の人が良く利用する駅や大型施設との位置関係は、商圏分析をするうえでとても重要なものとなります。

 また、実質的な商圏は、必ずしも円になるとは限りません。商圏の中には、山、大きな河川、線路といった来店の妨げとなる障害物がある場合もあります。それらの障害物を除いたエリアが、実質的な商圏となります。

商圏分析の調査項目例


 商圏を決定したら、その範囲内に、どのような人がどれくらい住んでいるのかを調べましょう。調査項目の例としては、以下のようなものがあります。
世帯数
世帯当たりの人数

年代別人口
近年の人口増減

所得層の割合


 これに、交通量や通行量、立地、主要施設、人の動線などの情報を追加していきます。人口に関する情報は、地域の役所で入手することができます。また、外出する時間が取りにくい方は、インターネットで国勢調査、自治体や業界団体の統計データを閲覧することもできます。こういった情報をPC上で一括分析する専用のソフトも販売されています。予算に余裕のある方は、ぜひ利用してみてください。

商圏を知る=お客さまを知る

 商圏調査を終えたあとは、しっかりとマーケティングに活かしましょう。商圏を知ることによって見えてきたお客さまのシルエットに対し、以下のようなことを検討します。

どのような人に来てほしいのか
どのようなシーンで利用してほしいのか
どのようなニーズがあるのか
どのような商品やサービスを提供していくのか
有効な集客方法は何か


 お店の成功の鍵となるのは、勘や予想に基づいたマーケティングではなく、数字が裏付けるデータによってお客さまを知ること。そのために、商圏分析は、とても重要なものとなります。
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 新規開業した飲食店は、3年以内に70%が閉店してしまうという厳しい現実があります。この一因として、開業時にエリアマーケティングをおこなわないお店が多いことが挙げられます。

 オープンの知らせを聞いた時、お客さまは「どんなお店ができるんだろう」と心が躍ります。これは、経営者にとっても同じことです。商圏分析することを難しく捉えるのではなく、まずは「この街にはどんなお客さまがいるんだろう」と、出会いを楽しむ気持ちで取り組んでみてください。
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2020/01/31