経営支援
飲食店倒産件数が過去最多の勢い。廃業を避けたい店がとるべき対策
2019年12月、帝国データバンクが2000年~2019年11月までの飲食店の倒産件数についての統計を発表しました。それによると2019年の飲食店の倒産件数は過去最多の勢いです。
なぜ飲食店の倒産件数が増加しているのでしょうか。大切な店が廃業の危機を迎えないために、実情を知り、対策をとる必要があります。
帝国データバンクの統計によると、2019年11月時点の飲食店の倒産件数は668件。これは、前年の653件を上回る結果となりました。このままのペースで推移すると、2019年の倒産件数は730件前後。過去最多の2017年の倒産件数707件を上回る可能性があります。
業態別にみると、「酒場・ビヤホール」が143件と最多の21.4%。次いで「西洋料理店」が110件で16.5%、「中華・東洋料理店」が96件で14.4%となり、この3業態で全体の52.2%を占めています。
一方、「日本料理店」(46件、6.9%)、「すし店」(18件、2.7%)、「そば・うどん店」(15件、2.2%)などの和食店は倒産件数が少なく、トレンドや消費者の嗜好に左右されにくいことが分かりました。これは、日本食体験を楽しみに訪れる訪日外国人の増加が影響していると考えられます。
なぜ2019年の倒産件数は、過去最多の勢いなのでしょうか。赤字経営や後継者問題のほかにも、考えられる要因があります。
アルバイトによる悪ふざけ動画や画像をSNSに投稿する「バイトテロ」が、2019年の初頭に多発しました。投稿はすぐに拡散され、客離れを引き起こします。バイトテロの発生した飲食店は、厨房機器の消毒や従業員の再教育に追われ、そのまま閉店するケースが目立ちました。
10月に消費税が増税され、軽減税率制度がスタートしました。税率を気にする消費者が多く、中食(テイクアウト)や内食(自炊)が増え、外食の利用率は減少傾向にあります。
さらに軽減税率に対応したレジの導入のほか、仕入れ価格の高騰に対応できず、閉店を決断するケースも見られました。
10月から全国で最低賃金が上昇し、人件費が上がったことも要因といえそうです。ただでさえ飲食店の人手不足が問題になっているところに、高い人件費の負担が経営を圧迫し、閉店を余儀なくされたケースもあるでしょう。
人口の減少が止まらない日本。総務省の発表によると2019年11月の総人口は1億2618万人で、前年同月と比較して28万人も減少しています。一方、経済センサスによると飲食店の総数は2016年時点で約62万店。店舗数は緩やかに減少傾向ですが、ほぼ横ばいです。人口の減少に対して飲食店の数が多すぎることも要因と考えられます。
2020年に施行される改正健康増進法のため、飲食店では分煙・禁煙化対策に追われることになりました。喫煙専用室・加熱式煙草専用室の設置、未成年の入店禁止措置(従業員含む)などです。
これにより、飲食店は集客、求人、設備工事の点で打撃を受ける結果に。2020年の施行を前に閉店を決断した飲食店も少なくないでしょう。
以上のように、2019年は飲食店にとって風当たりの強い一年となりました。現在赤字経営に追い込まれ、まさに廃業の危機にある飲食店が赤字経営を乗り切るためには、どうすればよいでしょうか。すぐにはじめられる対策をご紹介します。
経営が赤字に傾くと陥りやすい悪手が、看板メニューの安売りです。これは一時的に集客効果が出ますが、元の価格に戻すと再び離れてしまいます。
原価に対しての利益も下がってしまうので、有効な手段ではありません。値段を下げるのなら、サイドメニューの値段を下げ、看板メニューはちょっといい食材を使用した高価格帯のバリエーションを持たせましょう。
全体的に見てわずかに値上げするよう、メニュー構成を見直すことが大切です。ほとんど注文のないメニューは思い切って廃止しましょう。
「売上UP」は業務効率化・コスト削減・集客に力をいれて叶えるもの
少しでも売り上げが欲しいと、アイドルタイムも営業を続けて無駄な人件費をかけてしまいがちです。お客さまが少ない時間帯を分析して、お客さまがいない時間帯は思い切って店を閉めましょう。
従業員のオペレーションを効率化するためにPOSレジやハンディを導入する、または食券制にする、食洗機を導入することも人件費削減に役立ちます。
QSCとはQuality(品質)、Service(サービス)、Cleanliness(清潔感)の3つを指し、飲食店経営の大前提です。ここが徹底されていないとお客さまは離れていきます。まずは自分の店に誇りを持ち、この3点のレベルを上げましょう。気持ちよく働ける店づくりをすれば従業員の士気が高まり、活気のある雰囲気のよい店になるでしょう。QSCのレベルをあげることでお店のファンを増やしましょう。
経営が苦しくなってくると、広告掛けるコストを削りがちです。しかし、赤字経営の時ほど広告にはお金を掛けましょう。集客効果の薄いグルメサイトの契約は思い切って解除し、集客力のあるグルメサイトの掲載情報をこまめに更新してアピールするとよいです。
HPにインパクトがなかったり時代遅れのデザインの場合は、デザイン会社に依頼してお洒落なHPにしてもらうなどの工夫をしましょう。街頭でチラシを配るのも有効です。SNSでアピールすることで赤字の危機を乗り越えた飲食店も少なくありません。
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どんなに手を尽くしても効果が出ない!という場合は、見落としがあるかもしれません。そんなときには税理士に相談してみましょう。経営状況を洗い出して、キャッシュフローや無駄なコストを見直し、立て直しのためのアドバイスをくれます。
自力で経営を見直すのには限界があります。経営の専門家にアドバイスしてもらえば、最悪の事態に陥る前に経営を軌道に乗せることができるかもしれません。
飲食店の資金調達・会計は税理士法人クロスポイントに任せよう
2019年は飲食店にとって風当たりの強い一年でした。いまこそ、総合的な経営者の資質が試されます。既出のように、日本の人口は減少傾向にあります。インバウンド集客に目を向け、しっかりと対策をとることも有効です。あらゆる手を尽くしてこの苦境を乗り切りましょう。
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飲食店の倒産件数が過去最多の勢い
帝国データバンクの統計によると、2019年11月時点の飲食店の倒産件数は668件。これは、前年の653件を上回る結果となりました。このままのペースで推移すると、2019年の倒産件数は730件前後。過去最多の2017年の倒産件数707件を上回る可能性があります。
業態別にみると、「酒場・ビヤホール」が143件と最多の21.4%。次いで「西洋料理店」が110件で16.5%、「中華・東洋料理店」が96件で14.4%となり、この3業態で全体の52.2%を占めています。
一方、「日本料理店」(46件、6.9%)、「すし店」(18件、2.7%)、「そば・うどん店」(15件、2.2%)などの和食店は倒産件数が少なく、トレンドや消費者の嗜好に左右されにくいことが分かりました。これは、日本食体験を楽しみに訪れる訪日外国人の増加が影響していると考えられます。
その要因は?
なぜ2019年の倒産件数は、過去最多の勢いなのでしょうか。赤字経営や後継者問題のほかにも、考えられる要因があります。
①「バイトテロ」の多発
②「消費増税」と「軽減税率」の影響
さらに軽減税率に対応したレジの導入のほか、仕入れ価格の高騰に対応できず、閉店を決断するケースも見られました。
③最低賃金の上昇
④人口に対して飲食店が多すぎる
⑤「改正健康増進法」の影響
これにより、飲食店は集客、求人、設備工事の点で打撃を受ける結果に。2020年の施行を前に閉店を決断した飲食店も少なくないでしょう。
以上のように、2019年は飲食店にとって風当たりの強い一年となりました。現在赤字経営に追い込まれ、まさに廃業の危機にある飲食店が赤字経営を乗り切るためには、どうすればよいでしょうか。すぐにはじめられる対策をご紹介します。
①安売りをせずメニューを工夫する
原価に対しての利益も下がってしまうので、有効な手段ではありません。値段を下げるのなら、サイドメニューの値段を下げ、看板メニューはちょっといい食材を使用した高価格帯のバリエーションを持たせましょう。
全体的に見てわずかに値上げするよう、メニュー構成を見直すことが大切です。ほとんど注文のないメニューは思い切って廃止しましょう。
「売上UP」は業務効率化・コスト削減・集客に力をいれて叶えるもの
②人件費を見直す
従業員のオペレーションを効率化するためにPOSレジやハンディを導入する、または食券制にする、食洗機を導入することも人件費削減に役立ちます。
③QSCを意識する
④広告にお金をかける
HPにインパクトがなかったり時代遅れのデザインの場合は、デザイン会社に依頼してお洒落なHPにしてもらうなどの工夫をしましょう。街頭でチラシを配るのも有効です。SNSでアピールすることで赤字の危機を乗り越えた飲食店も少なくありません。
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⑤経営の専門家にアドバイスを仰ぐ
自力で経営を見直すのには限界があります。経営の専門家にアドバイスしてもらえば、最悪の事態に陥る前に経営を軌道に乗せることができるかもしれません。
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