集客方法・HP制作

飲食店の「予約ドタキャン」を防止するための対策とは?

開店ポータル編集部
2018/07/18
この記事の目次 [表示する]
 飲食店における“予約システム”は、店舗にとっては売上が見通せて、お客様にとっては安心して来店することができる、双方にメリットがあるものです。

 最近では、グルメサイトなどのホームページから空席状況の確認ができ、そのまま予約をおこなうことができる店舗も多いですよね。気軽に予約ができることで、集客アップにもつながっています。

 その一方で、この気軽さが飲食店にとって大きな損害を与えかねない課題となっている現実も。それが“予約のドタキャン”です。気軽に予約ができてしまうが故に、予定を固める前に「とりあえず…。」で予約をしてしまったり、予約に対する責任感の希薄さを招いたりと、良い面ばかりではありません。

 本記事では、ドタキャンが店舗に及ぼす影響、そしていかに防ぐことができるか、その対策について見ていきましょう。


予約のドタキャンが店舗に及ぼす影響は?


 予約が多いということは、店舗にとって売上が確約されたも同然で、本来はありがたいこと。予約日に向けて、食材の調達や人員の調整、席の確保をします。
 そして迎えた予約当日、時間になっても予約のお客様が来店する様子もなく、事前に聞いておいた電話番号に連絡を入れるも繋がらない…。これが、ドタキャンです。

 こんなドタキャンが起きてしまったら、店舗にはどのような影響があるのでしょうか。

「ドタキャン」が店舗に与える影響

■甚大な食材ロスを招く

 席の確保だけではなく、コース料理も込みで予約が入っていた場合、食材の仕入れや仕込みも進めています。これらの料理が、ほかでさばけなければ、全て廃棄することになります。

 予約の人数が多ければ多いほど、準備をする食材は多いもの。見込んでいた売上がそのまま損害になるという、大惨事を招きます。

■当日の来店客も逃してしまう

 予約を受けるということは、当然、そのお客様のために席の確保をします。予約で満席となった場合は、その日に飛び込みで来店されたお客様に「予約でいっぱいです。」とお断りせざるを得ない場面が多々あります。

 しかし、ドタキャンされた場合、本来売上につながるはずだった当日のお客様を逃してしまうことになります。当日の売上はもちろん、リピーターとなってくれるかもしれないお客様を逃すことにもつながります。

■無駄な人件費を捻出することになる

 大きな宴会やパーティーの予約を受けた場合、お客様に迷惑が掛からないよう人員を増やすなどスタッフの強化を図り、万全の体制でお客様をお迎えします。予約キャンセルに伴い、スタッフを帰す訳にもいかず、売上はないのに人件費を捻出しなくてはなりません。

 ドタキャンにより、その日の売上が減ってしまうという単純な話だけではなく、さまざまな面でマイナスの影響が出てしまうのです。ドタキャンをした相手と連絡が取れたとしてもキャンセル料の回収はおろか、トラブルに発展し、さらに労力を奪われる…なんてことにもなりかねません。
 

予約のドタキャンを防ぐには?


 一部のお客様による予約のドタキャンを恐れるあまり、予約そのものを止めてしまうのは、その他大勢のお客さまや団体客の獲得を逃してしまいます。まずは、ドタキャンを防ぐための対策を考えることが重要です。

■連絡先・フルネームを確認しよう!

 予約を受ける際には、お客様の連絡先、フルネームを聞きましょうもし、会社の忘年会や歓送迎会をおこなう場合は、会社名も聞くことがベストです。予約内容に関する確認や、キャンセル料請求の際に、連絡先は必ず必要になります。お客様自身も、名前や連絡先、会社名などを伝えることで、予約に対する責任感を持つことになるでしょう。

■予約の数日前に店舗側から確認の連絡をしよう!

 予約当日ではなく、前日、または数日前にお店側から確認の連絡を入れるようにしましょう。

 食材の確保や人材の増員などを踏まえて、連絡を入れるタイミングを考える必要があります予約日時、最終的な人数の確認、そしてキャンセルポリシーを再度念押ししましょう。キャンセルポリシーは予約時にも案内することが望ましいです。

■無断で遅れた場合の対処法を明確にしておこう!

 当日の予約時間が過ぎても連絡が取れない場合、キャンセルとみなし、当日のお客様をご案内できる体制を取れるようにしておきましょう。ドタキャンによる損害は少しでも少ない方が良いものです。

 ただし、勝手におこなっては、予約のお客様が遅れて来店した際にトラブルとなってしまうので注意が必要です。事前に「連絡なしに、予約時間から〇〇分を過ぎた場合は自動でキャンセル扱いになります。」と告知をし、お客様からきちんと了承いただく必要があります
 

予約客のドタキャン歴がわかる、話題の“ドタキャン防止システム”とは?


全日本飲食店協会 HP:https://insyoku.press/main_activities/

 2018年の2月にリリースされ話題となっている、”ドタキャン防止システム”をご存知でしょうか。個人飲食店のオーナーで構成された全日本飲食店協会(一般社団法人)が提供している、ドタキャンを未然に防ぐためのシステムです。ドタキャンをしたお客様の電話番号、予約人数、ドタキャン日、どの店舗でドタキャンをしたかなどの情報を共有できるシステムで、加入した飲食店は予約時のお客様の電話番号を検索し、“ドタキャン歴”を調べることができるというもの。あらかじめドタキャン率が高いお客さまであることを認識したうえで対策を練ることができるというわけです。



 サービス利用の受付を始めてからというもの、サーバーがパンクするほど飲食店からの問い合わせが多いそうです。いかに、飲食店にとってドタキャンが大きな問題となっているかが伺えます。ただし、この“ドタキャン防止システム”もまだ始まったばかりのサービス。以下に挙げる注意点も踏まえたうえで、導入の検討をしてみてはいかがでしょうか。

■個人情報の同意が必要

 同システムは、ドタキャンをしたお客様の連絡先を登録し共有することになります。個人情報保護法の観点からも、このシステムを使うには「ドタキャンした際にはデータベースに登録されます。」という旨をお客様に伝え、同意を得る必要がありますそうすること自体が、ドタキャン防止にもつながりますが、この時点で嫌悪感を示し、予約をしないお客様も出てくる可能性があります。ただし、“ドタキャンした場合は…”という前提のため、この時点で断るようであればドタキャンする可能性が高いとも言えます。

■電話番号は変更が可能

 お客様の電話番号を検索してドタキャン歴を確認するため、登録時の電話番号と異なるものを使って予約をした場合は、効力を発揮することができません。

■加入店舗によるデータの構築

 同システムを本格的に稼働させるには、ドタキャンをしたお客様のデータベースが必要です。このデータは、ドタキャンされた飲食店が入力することで作り上げられます。データベースを構築するために、2018年の1年間は、無料でサービス提供をおこなうという同システム。まだデータ量が不十分な部分もあるようです。そのため、このシステムを導入して安心するのではなく、自分のお店は自分で守るという意識の元、このほかの対策に取り組むことも忘れないようにしましょう。


お客さまと真摯に向き合い、店舗を守る!

 
 ドタキャンは飲食店にとって、頭を悩ませる大きな問題です。事前にドタキャンを防止する対策を整え、自分のお店は自分で守る心構えが必要です。忘れてはいけないのが、ドタキャンをするお客様は一部であって、ほとんどのお客様が食事を楽しみに来店される方ばかりだということ。

 それでも悲しいことに、ドタキャンが発生してしまうこともあるでしょう。その時には、SNSなどでほかのお客様に呼びかけてみるのも一つの手です。空席情報や、準備をしてしまったコース料理をサービス価格で提供するなどの情報を拡散させることで、常連さんが駆けつけてくれたり、新規のお客様が飛び込みで来てくれるなんてことも。万が一の事態には、お店のピンチをお客様が助けてくれるような関係を築けるよう、お客さまと真摯に向き合って日々営業していきたいですね。

 

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開店ポータル編集部
2018/07/18