開業手続き

飲食店開業・経営に役立つ資格と習い事でスキルアップを目指そう!

開店ポータル編集部
2020/02/01
 飲食業界に携わっている人なら、「いつかは自分のお店を開きたい」と、夢を抱いている方も多いでしょう。せっかくなら、ほかのお店よりもクオリティの高い料理やサービスを提供して人気店にしていきたいですよね。

 それなら、時間を有効的に使って、スキルアップができたり飲食店の開業や経営に役立つ資格の取得や習い事をしてみませんか?
 今回は、取得必須ではありませんが、あると役に立つ資格やおすすめの習い事についてご説明します。

習いごと・資格の取得で可能性を広げる


 習いごとや資格を取得することで、専門的な知識やスキルが身につきます。できることが増えれば、それをお店づくりに活かすことが可能になるでしょう。ほかとの差別化をはかり、自分のお店にしかない料理やサービスの提供ができるようになります。

 資格ならスクールや講習会、通信講座など。習い事ならマンツーマンなどの少人数体制や、時間を自由に決めて通えるものなど。自分のライフスタイルにあわせて気軽に挑戦できるものが増えています。
 では、飲食店を経営するにあたり、役に立つ資格や習い事とはどのようなものがあるのでしょうか。

取得しておくと役に立つ12の資格


 飲食店を開業するにあたり、取得しておくと役に立つ資格はたくさんあります。そのなかでも今回ご説明するのは以下の12の資格です。必須のものではありませんが、どれも専門的な知識やスキルを磨くことができます。

1.調理師免許
2.ソムリエ
3.ワインエキスパート
4.ビアテイスター
5.唎酒師
6.焼酎唎酒師・焼酎アドバイザー
7.栄養士・管理栄養士
8.製菓衛生師
9.パン製造技能士
10.惣菜管理士
11.フードコーディネーター
12.ふぐ調理師免許


 それぞれどのような資格なのか、取得方法などを一つずつ見ていきましょう。

1.調理師免許


 調理師免許は国家資格となっており、資格を取得している人だけが調理師と名乗ることができます。調理師免許は、飲食店を開業するにおいて必須なものではありません。しかし、調理や衛生に関する十分な知識があることの証明となるため、持っているとお客さまからの信頼が得やすいです。
 また、飲食店開業時に必須となる「食品衛生責任者」の資格取得のための講習が免除されるメリットもあります。

 調理師免許を取得するには、調理師専門学校に通うか、実務経験を2年以上積んだ後に試験を受けて合格するかの2通りがあります。
★飲食店開業に必要な資格に関する記事はこちら★
飲食店を開業時に持っておきたい・持っていなければならない資格とは?

2.ソムリエ


 ワインに関するさまざまな知識を持つ、ソムリエ。女性の場合はソムリエールと呼ばれます。保存や管理から、お客さまや料理にあったワイン選びなどをおこないます。ワインだけでなく、他のお酒や接客に関する知識やスキルも高められます。

 ソムリエの資格は民間資格となっており、「一般社団法人 日本ソムリエ協会」と「全日本ソムリエ連盟」の2つの民間団体で取得可能です。
 一般社団法人 日本ソムリエ協会では、アルコールに関する仕事に通算で3年以上の経験があり、一次試験日の時点でも従事していることと満20歳以上であること。全日本ソムリエ連盟では、試験申し込み時に満20歳以上であることが、受験資格として定められています。

3.ワインエキスパート


 ワインエキスパートとは、一般社団法人日本ソムリエ協会の認定資格です。実技テストはありませんが、試験ではソムリエ同等の専門知識や、テイスティング能力が求められます。

 受験は、満20歳以上であれば可能です。職務経歴は問わないため、より気軽に申し込みできます。そのため、プロを目指す方だけではなく、ワイン好きも多く受験しています。

4.ビアテイスター


 ビアテイスターはビールのスペシャリストとして認められた方に与えられる資格です。味わい方や味、品質などビールに関して十分な知識を持っている証となります。お客さまにおすすめのビールや、選び方や飲み方を紹介をおこないます。

 ビアテイスターは、日本地ビール協会が認定をおこなう資格です。年に数回、協会によって東京と大阪でおこなわれているセミナーを受講した後、認定試験を受けて合格すればビアテイスターとして認定されます。合格率は高めで、比較的受かりやすい試験内容となっています。

5.唎酒師(ききさけし)


 日本酒のソムリエといえるのが、唎酒師です。日本酒に関する知識をそなえたプロとして、お客さま一人ひとりの好みにあわせたおすすめの提案や販売をおこないます。

 唎酒師の資格を得るには、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)がおこなっている「通信プログラム」、「2日間集中プログラム」、「受験プログラム 在宅コース」、「受験プログラム 1日通学コース」、「受験プログラム 夜間通学コース」のどれかを受講して合格する必要があります。職務歴などの受験資格は特になく、満20歳以上であれば受けられます。

6.焼酎唎酒師


 焼酎唎酒師は、唎酒師同様に、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)に認定されることで取得できる資格です。焼酎に関する知識やテイスティング力などを身につけ、焼酎の美味しい飲み方の伝授やアドバイスをおこなえるようになります。

 「受験プログラム  1日通学コース」、「受験プログラム 在宅コース」、「2日間集中プログラム」、「通信プログラム」のなかからどれかを受講し、合格すれば焼酎唎酒師となれます。満20歳以上の条件を満たしていれば受験可能です。

7.栄養士・管理栄養士


 栄養士と管理栄養士とは、献立を作成したり栄養に関する指導やアドバイスをおこないます。栄養士の場合は、食品衛生責任者になるための講習が免除になるメリットもあるため、開業時の手間が省けます。どちらも食や栄養面のサポートをするという目的は同じですが、資格の取得方法が異なります。

 栄養士は、大学や短期大学、専門学校などといった栄養士養成施設を卒業することで資格を取得できます。
 一方で管理栄養士は、栄養士養成施設を卒業して栄養士の資格を取得した後、国家試験を受けて合格する必要があります。国家試験の受験資格としては、4年生の栄養士養成施設を卒業するか、栄養士養成施設での年数と卒業後の実務経験があわせて5年以上であることが必須です。

8.製菓衛生師


 製菓衛生師は、厚生労働省により定められている国家資格です。お菓子作りのプロとして、技術のほかに、栄養面や衛生面、食全般に関する知識を身につけられます。また、調理師や栄養士同様に、製菓衛生士の資格があれば食品衛生責任者になるための講習が免除となります。

 取得するには、国家試験を合格しなければなりません。受験するにあたり、製菓衛生師養成施設にて1年以上知識や技術を学んでいること、もしくは義務教育後に2年以上の実務経験を積んでいることが必須条件となります。そのため、どちらも満たしていない場合には受験はできません。

9.パン製造技能士


 製菓衛生帥と同じく、パン製造技能士も厚生労働省によって定められている資格です。パン作りにおいて、知識とスキルが十分だと認められた証となります。

 パン製造技能士は、2級、1級、特級の3つの級にわかれています。2級を受けるには2年以上の実務経験。1級を受けるには7年以上の実務経験もしくは2級合格プラス2年以上の実務経験。特級を受けるには1級合格後に5年以上の実務経験を積む必要があります。なお、2級の場合は、専門の学校に通って必要課程を修了すれば受験資格を得られます。

10.惣菜管理士


 惣菜管理士は、一般社団法人日本惣菜協会で認定される資格です。「三級惣菜管理士」「二級惣菜管理士」「一級惣菜管理士」と3つの級があり、製造や加工、流通、企画、販売など、惣菜を含めた食に関する幅広い知識が必要となります。

 資格を取得するためには、まずは養成研修と呼ばれる通信教育で5ヶ月間勉強します。その後、東京や大阪をはじめとした全国12都市でおこなわれる筆記試験を受けて、合格すれば惣菜管理士になることができます。

11.フードコーディネーター


 特定非営利活動法人 日本フードコーディネーター協会によって認定される資格が、フードコーディネーターです。食のクリエーターとして、メーカー商品や給食メニューなどの開発、記事作成やイベント運営などの演出、店舗やスクール経営などの運営といった、多岐にわたる活動をおこなえるようになります。

 3級、2級、1級とありますが、3級は中学校卒業以上の条件を満たしていれば受けられます。2級の場合は1級、1級の場合は2級に合格していることが受験条件です。
 独学も可能ですが、協会認定校に指定されている学校に通うのも一つの手です。必要な課目を履修すれば3級試験が免除となって資格を取得できます。

12.ふぐ調理師免許


 ふぐ調理師免許とは、ふぐを調理するのに必要となる資格です。ふぐには猛毒があるので、調理のさいには十分な注意が必要となります。そのため、同免許を持っていなければふぐの調理はできません。また、資格を取得するには、調理師免許があることが条件となります。

 試験は都道府県ごとにおこなっており、資格の名称や取得方法が少しずつ異なります。そのため、基本的には合格した都道府県でしか免許は有効になりません。詳しい試験内容や日程などは、地域の保健所に確認しておきましょう。
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趣味としても楽しめる5つの習いごと

 趣味として楽しく続けながら、スキルアップを目指せる習い事。おすすめは以下の5つです。食に関するものはもちろん、接客やお店づくりに役立つものもあります

1.コーヒーセミナー
2.そば打ち
3.外国語
4.ポーセラーツ
5.キャンドルづくり


 一つずつ見ていきましょう。

1.コーヒーセミナー


 カフェや喫茶店の開業を考えている方なら特に、コーヒーにはしっかりとこだわりたいですよね。コーヒーの知識が全くないからと不安な方でも、コーヒーショップなどで開催されているコーヒーセミナーなら挑戦しやすいのではないでしょうか。
 
 ショップ以外でも、コーヒー豆の輸入・販売会社やコーヒーマシンの会社でもセミナーは開催されています。初心者向けから飲食業従事者、開業予定者を対象としたものまでコースも豊富で、希望の目的にあわせて受講できます。

2.そば打ち


 製粉会社やそば屋が開催するそば打ち教室は、外国人観光客からも人気を集めている習い事です。プロに教えてもらいながら、生地作りから伸ばし、切断、茹でまでの全行程を体験できます。

 そば打ちと聞くと「大変そう」や「難しそう」といったイメージがあるかもしれません。しかし初心者向けやプロ向けなどコースが分かれているため、比較的短期間でそば打ちの基礎を学ぶことができます。

3.外国語

 グローバル社会と言われ、社内公用語を英語にする企業もあらわれる昨今。実際に英語を使う機会がないと身につくものではありません。外国語を学ぶ場としてもっともメジャーなのは英会話スクールでしょう。英語に慣れ親しむだけでなく、文化の違いなども体感できます。

 ここ数年、訪日外国人が急増していることを考えると、英語以外の言語にも需要はあると考えられます。訪日中国人や韓国人と円滑なコミュニケーションを取れるようになれば、接客時に役立ちます。中国語は漢字の知識のある日本人にとって、比較的学びやすい語学でしょう。

 大手外国語学校以外にも地域のカルチャースクールや比較的安価なマンツーマンレッスンなど、学ぶ場の選択肢も多いのがうれしいポイントです。

★インバウンド集客に関する記事はこちら★
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4.ポーセラーツ

 ポーセラーツ(Porcelarts)とは、porcelain(磁器)とart(芸術)を組み合わせた造語。真っ白な器にシール状の絵柄を配置して、オリジナルのテーブルウェアを作ることができるアートです。日本ヴォーグ社によって考案されたもので、テレビなどで取り上げられることも増えている注目の習い事の一つとなっています。

 規定のカリキュラムを終了し、インストラクターに認定されれば、ポーセラーツ倶楽部会員(ポーセラーツインストラクター)として活動ができます。オリジナルの食器を使って料理やドリンクを提供すれば、おしゃれだとお客さまに喜ばれるはず。インテリアの一部として飾っておくのも良いですね。

5.キャンドルづくり

 オリジナルのキャンドルを作って、照明に使用したりインテリアとして置いてみるのもおすすめです。花やハーブをキャンドルに閉じ込めたり、カラフルに彩ったり、アロマオイルで香りをつけたりと、いろいろなアレンジが可能。お店のコンセプトや雰囲気にあわせてつくれます。

 本格的に極めたい場合は、社団法人日本キャンドル協会の認定校や推奨校で、キャンドルアーティストやインストラクターの資格を取得することもできます。

開業を決めたら開店ポータルBizに無料相談しよう

 自分のスキルアップのため、ワンランク上の料理やサービスを提供するために、空いた時間を資格の勉強や習いごとにあててみてはいかがでしょうか。しっかりと勉強すれば、未経験でもしっかりと知識やスキルを身につけられます。まずは簡単な階級や初心者向けのコースを受けてみて、徐々にレベルアップを目指していくと良いでしょう。開業、経営のさいには、開店ポータルBizがあなたを全力でサポートします。ぜひお気軽にお問い合わせください!
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2020/02/01