労務管理

人手不足に悩む飲食店 まずはスタッフ目線で労働環境を見直そう

開店ポータル編集部
2020/03/09
 求人で応募者が集まらない原因に、「飲食店の仕事はきつい」、「飲食店は稼げない」というネガティブなイメージによるものがあります。

 これを払しょくするためには、労働環境を整えて、求職者に「このお店で働いたら楽しそう」、「やりがいがありそう」と思わせる取り組みをおこなうことが大切です。

 では、具体的にどのようなことをすればよいのでしょうか。

労働環境を整えるために、チェックすべきポイント

 人材不足の問題を解決するためには、まず従業員が安心してはたらけるように、「労働環境」を整える必要があります。労働環境を改善するさいに見直すべきポイントは、つぎの5つです。

①店の設備
②時間
③労働条件・福利厚生
④教育・研修
⑤指示系統・役割・役職


 以降はこの5つの項目に焦点を当てて考えていきましょう。

①店の設備を見直す

 調理設備、調理器具、バックヤード、収納場所、そして休憩所。設備に不満や使いにくさがあると、経営にもさまざまな影響をあたえます。

 「古い調理機器を工夫しながら使い続ける」「忙しくても手書きで注文を取る」「手入力で清算をする」という労働環境では、やや時代遅れ。時間をロスし、スタッフがストレスや不満を抱える原因になります。

 ちなみにこれは、最新の業務効率UP機器を取り入れていれば大丈夫!…というわけでもありません。収納場所が片付いていないと、必要なものをすぐに取り出せず、それがお客さまを待たせることにもつながります。

【改善方法】

 最新の厨房機器やPOSレジ・ハンディ、または券売機の導入、休憩所の環境整備、収納場所を使いやすくするなど、店内全体の設備を見直し、仕事しやすい環境を整えましょう。
 開店ポータルBizでは、業務効率UPを叶える厨房機器やサービスのご提案をおこなっています。「使いやすい道具、仕事がしやすい設備」を整えることで、人件費の節約にもなり、品質の向上も期待できます。お気軽にお問い合わせください。
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②時間を見直す

 労働時間が長くなっていないか、だらだらと営業時間を延長していないか、仕込みに時間をかけすぎていないか、片付け時間は、準備時間は…など、「時間」について見直しましょう。とくに場が盛り上がっているときは、つい営業時間を延長してしまったりと、時間をロスしがちです。
 労働と対価が見合わないようではいけません。スタッフが離職しやすい環境ができあがってしまいます。

【改善方法】

 もっと時間を短縮できるところはないか。効率よく処理する方法はあるか。など、これまで業務にかけていた時間を見直し、スタッフ全員がゆとりをもって業務にあたれるよう調整しましょう。特に気を付けたいのが、仕込み時間です。仕込み時間は、かけようと思えばいくらでもかけられてしまいます。こだわりたい気持ちはわかりますが、スタッフの労働時間を守ることも大切です。

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③労働条件・福利厚生を見直す

 労働条件が良くなければ、スタッフが集まらないのも当然。せっかく育ったスタッフも定着しないでしょう。特に飲食店は定休日が少なく、労働時間が長いわりに時給は低め。スタッフの生活水準が低くなりがちです。スタッフ一人ひとりにも生活があることを忘れてはいけません。

【改善方法】

 週休2日以上のシフトを組む、勤務時間を8時間以上にしない、副業OKとするなど、スタッフが働きやすい労働条件を整えましょう。営業時間が長い店舗は、深夜と早朝が連続にならないようにシフトを組み、10時間以上はインターバル(休息時間)を設けるなどの工夫が必要です。

 福利厚生の待遇も整備し、社会保険や厚生年金、各種手当をつけるなど、スタッフが長く働ける労働環境を整えましょう。勤続年数の長いアルバイトを正社員登用する、能力にあわせた昇給制度をつくるとスタッフのモチベーションも向上します。
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④教育・研修 を見直す

 料理人の世界はまだまだ「師弟関係」が根強い社会です。新米料理人は店主(師匠)の技術を盗むまで何年も皿洗いをさせ、時間をかけて育てるという店舗もあるでしょう。しかし、独立して店を持ちたいと考えている料理人は全体の半数ほどといわれています。半数の料理人は飲食店に「就職」するものと考えていて、必ずしも自分の店を持ちたいと考えているわけではないようです。店主が時間をかけて育てるつもりでいても、スタッフにその意識がなくては、もっと条件のよい店舗に再就職してしまうことでしょう。

【改善方法】

 現代は特に人手不足が深刻化し、じっくり育てる余裕もなくなり、即戦力が必要になっています。「修行」「下積み」という業界の常識を考え直し、一般企業として優秀な人材を適正な労働条件で育てる必要があります。
 くわしくは【記事】従業員が辞めないカフェが実践しているスタッフ・アルバイトの育成方法を読んでみてください。

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⑤役割・指示系統を見直す

 新人・中堅・リーダー・経営者など、どの店舗も人が増えれば役割や立場がうまれます。新人がやるべき仕事をいつまでもリーダーがやっている、スタッフ数は多いがリーダーがいない、リーダーにふさわしい待遇を与えていない…――このような状況では、組織としてうまく機能しません。
 個人経営の飲食店であっても、組織としてうまく機能しなくてはお店全体に不満がたまってしまいます。

【改善方法】

 新人に与える役割、中堅に与える役割、リーダーの業務内容、オーナーがすべき仕事。役割・指示系統を見直し、それぞれのレベルに応じた仕事を任せましょう。

 勤続年数やその働きに見合った待遇を与えることも大切です。独立開業した経営者はついつい何でも抱え込スタッフに任せてもいい仕事はスタッフに割り振り、組織としてお店を回せるようスタッフ間の役割分担を見直しましょう。
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 飲食店経営の忙しさに気を取られて、労働環境が悪化していませんか? 定期的に店内環境を見直し、スタッフの労働環境を改善しましょう。一つひとつの店が環境を改善することで、飲食業界にまん延するマイナスイメージも改善されていきます。「飲食店で働いて楽しかった」という成功体験をスタッフ一人ひとりに与え、人生のステージが変わってもまた飲食店で働きたいと思ってもらえる店づくりをしていきたいですね。

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開店ポータル編集部
2020/03/09