コスト削減

飲食店の大幅なコスト削減は『家賃の見直し』をしてみよう

開店ポータル編集部
2020/10/22

はじめに

新型コロナウィルスの影響で休業させざるを得ない飲食店では、食材や人件費をおさえたり各種給付金や補助金をフルに活用しても、固定費の支払いが厳しい場合があります。固定費の中でも特に家賃は大きな割合を占める部分であり、店舗存続の可能性を高めるためにも、この費用を少しでも抑えたいと願う経営者は多いでしょう。そこで検討するのが入居しているテナントの賃料の引き下げです。今回は、飲食店の家賃交渉のポイントについて紹介してまいります。

 

飲食店における業種別家賃相場 飲食店の家賃相場はどれくらいか。

 

飲食店の家賃は、売上の良し悪しに関わらず一定額が発生する「固定費」に分類される費用です。また家賃は、飲食店のすべての経費の中でも、多くの割合を占めています。

一般的に、飲食店の家賃相場は「売上の7%~10%」が限度と言われています。月の売り上げが100万であれば7万円~10万円が相場になります。しかし家賃の割合が、10%前後の店舗は、大手飲食チェーンがほとんど。そのため個人店の家賃は、7%前後にとどめたい所です。なおこの指標はキッチンとホールの広さや、立地条件によって変動しますから、あくまで参考程度と考えましょう。

 

新型コロナウイルスの影響によって、飲食店は打撃を受け、月の売り上げがほぼ0になった店舗もありました。そのため家賃の割合が相場よりも高くなり、経営が苦しくなった店舗も。「家賃の値下げ交渉が出来れば」と考えるオーナーも多いでしょう。下記では飲食店の家賃交渉について詳しく見ていきます。
 

 

飲食店で家賃の値下げ交渉はできる?

「そもそも、1度決めた家賃を値下げ交渉出来るのか」と不安に感じる方も少なくないでしょう。結論から言えば「賃料減額請求権が認められれば、減額が出来る可能性は高い」といえます。民事法「借地借家法第32条」には以下の文面が書かれています。


 

建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。(引用:借地借家法第32条第1項)


 

つまり家賃交渉が出来る条件は以下の3つです。

①土地もしくは建物に対する税負担の増減があった場合
②土地もしくは建物価格が上昇・下落その他経済的な事情の変動があった場合
③近隣同種の建物と比較して不相当になった場合


 

新型コロナウイルスの影響により、景気が悪化し(②経済的な事情の変動)、近隣の賃貸物件でも値下げが起きている(③近隣物件の家賃水準との乖離)などの事情があれば、家賃減額請求権が認められる可能性は高くなります。


 

・家賃交渉のポイント

家賃交渉は、あくまで「相談ベース」で行うことが前提です。店舗にも家賃を見直したいという事情があるように、オーナーにも家賃を回収する事情があります。いくら減額したいのか、減額の必要性など、オーナーにとって「家賃を減額したほうがメリットになる理由」を提案するようにしましょう。家賃の適正化による事業継続を示すことが出来れば、オーナーは「長く入居してもらえる」という安心感につながり、家賃交渉の成功率が高くなる可能性があります。

 

ただし、一方的に減額をお願いするのは、交渉決裂を招くリスクがあります。その後のオーナーとの関係が悪化する可能性もありますから、当事者同士の着地点を見極める必要があるといえるでしょう。

 

・コロナ影響の場合は給付金も

家賃交渉が難航したり、今すぐ家賃の補填がしたい場合は、中小企業・個人事業主のための「家賃支援給付金」制度をぜひとも活用したいところです。家賃支援給付金とは、新型コロナウイルスによって売上が減少した中小企業・個人事業主の、家賃負担を軽減するために作られた給付金です。法人であれば最大600万円、個人であれば最大300万円を受給できます。締め切りは2021年1月15日まで(電子申請は2021年1月15日の24時まで)となっているので、まだ申請されていないという方は、早めに申請しましょう。

 

飲食店の家賃の見直しは『賃料適正化サービス』を活用

 

家賃交渉は法律で認められた正当な権利です。とは言え、適正家賃を自分で調査するには、不動産知識も必要ですし時間もかかります。また家賃交渉が失敗した時にオーナーとの関係悪化を不安視し、交渉に踏み切れないケースもあるでしょう。最近では、新型コロナウイルスの影響から、家賃交渉も需要が増えたことで「賃料適正化サービス」が注目されています。


 

・賃料適正化サービスの概要

賃料適正化サービスは、今の家賃を適正化するためのサポートサービスです。実績豊富な専門家が「適正家賃の調査」・「必要書類の準備」・「家賃交渉」を代行してくれます。専門家にお任せするため、資料を準備する手間や時間が必要なく、本来の業務に集中できるでしょう。

家賃の削減が実現すれば、浮いた固定費を他の費用に当てたり、利益として計上可能。人が集まりにくい状況下において、家賃削減は店舗の大きなメリットになるはずです。

 

・賃料適正化サービスのポイント

賃料適正化サービスは「家賃交渉の成功率の高さ」が魅力。不動産鑑定士や弁護士などの専門家と連携を取ることで、交渉の場で根拠力のある書類を提示できます。そのため平均削減率は17%、家賃交渉の成功率は約80%を誇ります。

 

また、賃料適正化サービスは「完全成果報酬型」の契約となっています。もし交渉が上手くいかず減額が失敗した場合は、費用が発生しません。減額の一部が報酬になるため、別途資金を用意する必要がないのも、経営者にとって嬉しいポイントです。

 

さらに、この賃料適正化サービスが選ばれる理由は「当事者同士の関係を第一にする」という方針にあります。貸主と借主の両方の視点から、スムーズに交渉を進めれくれます。資料の作成から交渉まで遂行してくれるので、安心して任せられるでしょう。

家賃のみなおしでコスト削減をしよう(まとめ)

飲食店の店舗経費の中でも大きな割合を占める「家賃」を削減できれば、飲食店経営の安定に一歩近づくことが可能です。昨今の状況下においては、売上アップの施策を講じてもなかなか結果が現れにくいですから、コスト削減に力を入れていきたいところです。家賃の見直し以外にも、光熱費の削減や、業務効率化による人件費の削減など、取り組めるポイントは多いはずです。


 

開店ポータル編集部
2020/10/22