閉店手続き 一覧

  • お店の名前はどう決める?飲食店のネーミング法!
     街を歩けば、お店の数だけ看板があります。そこに書かれている店名は、外国語表記のおしゃれな名前から、老舗の風格を感じる名前までさまざま。私たちが親に名前をもらうのと同様に、それぞれのお店にも、オーナーの願いが込められた名前がつけられています。  これから飲食店や理美容店をはじめる方の中には、お店のネーミングに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。店名は、一度決めたら簡単には変えられません。後悔のないネーミングをするために、本記事で取り上げる3つの方法とポイントを参考にしてみてください。 大切なのは、覚えやすく言いやすいこと  お店のネーミングで重要なのは、覚えやすく、言いやすいことです。  たとえば「コメダ珈琲店」という店名は、何のお店なのかが一目で分かりますよね。店名を見ただけ、聞いただけで、焼きたてのトーストやコーヒーの香りまで、ありありとイメージできる方も多いでしょう。店名には、お客さまにお店をイメージづけ、ブランディングをする役割があるのです。  シンプルな店名は、宣伝面でも有利です。  「あのお店、おいしかったけど…名前は何だっけ?」とお客さまを困らせては、誰かに紹介してもらうことも、検索してもらうこともできなくなります。  広く知られ、親しまれるお店にしたいのであれば、覚えやすさと言いやすさを備えている名前であることが大前提であるといえるでしょう。 オリジナリティのあるネーミング  それでは、お店のネーミングに迷ったときに使える3つの方法をご紹介します。 1.ショルダーネームをつける  ショルダーネームとは、「パティスリー 〇〇」、「個室居酒屋 〇〇」、「ダーツ&バー 〇〇」など、何屋さんなのかを表した肩書のようなものです。  「天然酵母のベーカリー ○○」は、身体に優しいパンが食べたい人に。「オーガニックカラーのヘアサロン ○○」は、地肌に優しいカラーがしたい人に。…というように、ショルダーネームがあれば、お店が提供するメニューやサービスを求めているお客さまに認知されやすくなります。  変わったコンセプトのお店であれば、「お箸で食べるスペイン料理○○」、「心理カウンセラーのいるマッサージ店○○」など、ショルダーネームをつけるだけで他店と差別化できますね。 2.地名や人名を入れる  オーナー本人やゆかりのある人の名前、その街の名前などを入れてもよいでしょう。  たとえば「村上屋」という店名は、「村上さんという方のお店なのだな」とすぐに分かって、覚えやすいですよね。「仙台のおいしいおでん屋さん」のように地名を入れると、街に根差したアットホームなお店であることを知ってもらえます。  ただし、ありふれた人名や地名を使う場合は、他店とかぶりやすくなるので注意が必要です。  そんなときは、「みちこ'sキッチン」、「居酒屋けんちゃん」のようにオーナーの愛称を使ってみましょう。より親しみやすくなり、お客さまとの心の距離がぐっと近づきますよ。 3.お店を表す単語からイメージする  お店のコンセプト、提供する料理やサービスなどからイメージできる単語を書き出してみましょう。それらを組み合わせたり、外国語に直したりすると、店名のヒントが見つかるかもしれません。  「おいしいパンで、土曜日の朝のように穏やかな気持ちを」というコンセプトのベーカリーなら、フランス語を使って「サムディマタン」(Samedi matin=土曜日の朝)とするのも素敵ですね。  オムライスとハンバーグのお店の場合、「オムバーグ」では安直ですが、ショルダーネームとひらがなを使って「鉄板オムライスとハンバーグの旨い店 おむばあぐ」にするとインパクトが出ます。 店名を決める前にチェックすべきポイント  「これだ!」という店名を思いついても、即決はおすすめできません。次のチェックポイントをクリアしているか、確認してみてください。 1.ターゲット層に合っているか  同じカフェでも、「喫茶 〇〇」などのレトロな名前は、若者をターゲットにしたお店には向きません。  一方で、年配の方がくつろげる雰囲気のお店の場合は、外国語の長い名前は向きません。店名を口に出した時の音も大切です。    女性向けのお店であれば、濁音を使った力強い響きよりも、清音や半濁音を使った柔らかい響きの名前がよいでしょう。 2.由来を説明できるか  特に由来のない店名に決めてしまうと、お客さまに尋ねられたり、メディアの取材を受けたときなど、返答に詰まってしまいます。  「子どものころ、床屋で丸刈りにされるのがイヤでした。それで“男のおしゃれとは何なのか”って考えるようになって、美容師を志したんです。この店名は、修業時代のサロンの店長が、僕の門出に贈ってくれたものなんですよ。」店名の裏にあるそんなストーリーも含めて、お店の魅力になるのです。 3.他店とかぶっていないか  ほとんどのお客さまは、スマートフォンを使ってお店を探します。そのときに、同じような名前のお店がいくつも出てきたら、混乱してしまいますよね。  他店と名前がかぶると、せっかくの販売機会を逃す恐れもあります。よい店名を思いついたら、インターネットや電話帳で検索して、似たような名前のお店がないかをチェックしましょう。 ★「流行る店名・流行らない店名」に関する記事はこちら★ 飲食店の名前の付け方「流行る名前」と「流行らない名前」 考えるのは、コンセプトやターゲット層を明確にした後  飲食店といっても、和食や洋食、ラーメンやうどんなど、その業態はさまざま。お店の名前は、売り出す看板メニューやお店のコンセプト、ターゲット層を明確にしてから決めましょう。  たとえば、60代以上をターゲットにした、お寿司をメインに提供する和食料理店の名前を考えたとしましょう。 ①『寿司割烹 松』 ②『和dining-sushi  matsu』  どちらも架空のお店ですが、ターゲット層が一目で「寿司料理店」だと判断できるのは、どちらでしょうか。この場合、多くの方が①を選択するはずです。お店の名前のわかりやすさは、お店の認知度にも大きく影響します。そのため、どういった客層をターゲットにするのかを明確にしておくことが大切になります。また、一目でどういった料理を提供するお店なのかを伝えられる名前にましょう。②はどちらかと言えば、横文字に慣れている20代から30代へ向けた店名と言えるでしょう。  お店の名前でそのお店の印象を決める人は、非常に多いです。コンセプト、ターゲット層をしっかりと考慮したうえで、わかりやすい名前を付けましょう。 文字数は2文字から7文字以内に  文字数にも気を付けたいところ。理想はショルダーネームを覗いて、2文字から7文字です。長すぎる店名は、あまり覚えてもらえません。より多くの人にお店の名前を覚えてもらいたいのであれば、できるだけ短くおさめましょう。  「雰囲気がおしゃれで、料理もおいしくて…もう一度行きたいけど、あのお店の名前は何だっけ?」なんて経験がある方も多いはず。  店名が覚えにくいというだけで、リピーターを逃してしまうのは非常にもったいないことです。あらかじめ、すぐに思い出せるような名前にしておきましょう。 一度決めたら変えるのは大変!お店の名前は熟考しよう  「好きな言葉だから」「響きがカッコいいから」という安易な考えで、お店の名前を決めることは避けましょう。  後から変えることもできますが、その苦労は並大抵のものではありません。のれんや看板、ホームページ、ショップカード、手提げ袋、ハンコなどがすべて作り直しになり、膨大な手間と費用がかかるからです。  店名は、お店の顔となる大切なもの。営業を続ける限り付き合うものなのだという覚悟を持ち、熟考して決めましょう。  
    開店ポータル編集部
    2019/08/08
  • 「閉店」のお知らせ方法は?決められた形式は?
     閉店を決めたさい、お客様にどのように告知すればいいのか悩むオーナーも多いですよね。今まで来店していただいたお客様には、感謝の気持ちも含めてお知らせをしなければなりません。  閉店のお知らせにはどのような方法があるのか、見ていきましょう。 「閉店のお知らせ」の方法には何がある?  一般的には、紙媒体とインターネットを利用して知らせることが多いです。 ①紙媒体  張り紙  お客様の目に触れやすい店内やお店の入り口に張り紙をします。お客様に口頭で直接伝える必要もなく、またお店を利用するお客様の目に留まるため効率的です。パソコンで作成したものでも、手書きで作成したものでも、どちらでも構いません。  お知らせチラシ  張り紙以外にもテーブルの上にお知らせの紙を設置するのもいいでしょう。また、会計時にお知らせの紙を渡すのも方法の一つ。  お客様の住所を知っている場合には、コストはかかりますが、ハガキでお知らせするのもいいですね。 ②ホームページやSNS  インターネットを使った告知も効果的です。公式ホームページがある場合にはTOPページに閉店のお知らせを表示させましょう。  SNSの場合も同様で、プロフィール欄や最新の書き込みに明記します。閉店後もしばらくの期間はアカウントを残すことが大切です。 告知するタイミング  では実際どのタイミングで閉店のお知らせをするべきなのでしょうか。  一般的には閉店日から2ヶ月前近く前にお知らせを始めます。長い間お店を営業していた場合、お客様の思い出の場所となっていることもあります。  「閉店する前にもう一度行きたい」。そのように思うお客様もいるかもしれません。期間には余裕を持って告知をおこないましょう。 何を書けばいい?  では、張り紙やホームページで告知をする際、何を書けばいいのでしょうか。  基本的には①閉店決定のお知らせ、②お客様への感謝の気持ち、③店名、④閉店予定日を書けば十分です。  そのほか、閉店にいたる経緯や営業年数などお客様に知らせたい想いがあれば書いておきましょう。  上記の必要項目を含めた例文をご紹介します。閉店のお知らせに決められた形式はありません。  参考としてご覧ください。 ================= ~閉店のお知らせ~ この度、●年●月●日をもちまして当店は閉店することにいたしました。 20年間もの長い間「○○(店名)」をご愛顧いただき、心から御礼申し上げます。 今までご来店いただき、誠にありがとうございました。 店主 ================= 最後の日まで感謝を込めて営業を  閉店を決めたら、まず思い浮かぶのは、お客様の顔。閉店のお知らせ文に、決められた形式はありません。  たとえば、別の土地でオープンすることを決めている場合には、その旨を記すのもいいでしょう。思いつくまま、自由に、お知らせを作成しましょう。  
    開店ポータル編集部
    2019/07/01
  • 飲食店閉店時に必要な行政機関への届出・手続きには何がある?
     魂を込めて営業してきた大切なお店。さまざまな事情から、閉店せざるをえない状況になってしまうこともあります。そんなとき、どのような手続きを取ればいいのかわからないといった経営者もきっと多いはず。  各行政機関への届け出やあらゆる契約の解約など、開店時同様にやるべき作業が実はとても多いのです。そこで、今回は閉店時に必要な届け出の種類や手続きをご説明します。万一に備えて頭に入れておきましょう。 行政機関に提出すべき届出の種類  まずは閉店に関する届け出を各行政機関に提出する必要があります。開業時に提出した書類や業態、保険の加入状況などによって各店舗で届け出るべき書類が変わるため、該当するものを確認しておかなければなりません。  では一体、どの機関にどのような書類を提出すればよいのでしょうか。 ①保健所 ②警察署 ③消防署 ④税務署 ⑤都道府県税事務所 ⑥日本年金機構 ⑦公共職業安定所への届出 ⑧労働基準監督署  一つずつみていきましょう。   ①保健所 ◆廃業届 ◆飲食営業許可書(返納)  廃業届は、営業を停止した日から10日以内に保健所へ提出することが義務付けられています。期間が短いため期日を過ぎてしまわないよう注意しましょう。届け出は各地域の保健所HPから入手できます。  あわせて、開店時に受け取った飲食営業許可書を返納する必要があります。万が一紛失してしまったときには、再発行や紛失届の提出が必要です。   ②警察署 ◆廃止届出書 ◆風俗営業許可証(返納)  居酒屋やバーなど深夜帯にお酒を提供していた店舗は、警察署に廃止届出書を提出しなければなりません。各地域の警察署HPから入手可能です。  また、風俗営業許可をとって営業していたなら風俗営業許可証の返納も必須。その際、閉店や返納の理由を記す返納理由書も忘れずに提出しましょう。  廃止届出や許可証返納は閉店から10日内、返納理由書はなるべく速やかにと決められています。怠ると罰金や罰則が発生する場合もあるので気をつけてください。   ③消防署 ◆防火管理者解任届  消防署には開店時、防火管理者選任届と防火対象設備使用開始届を提出しているはずです。そのため閉店したら防火管理者解任届を出します。具体的な期日はありませんが、閉店した日を解任日としているためできるだけ早いほうが良いです。各地域の消防署HPから入手しておきましょう。  あわせて開店時に提出していた防火対象設備使用開始届については、特になにもしなくて大丈夫です。   ④税務署 ◆個人事業の開業・廃業等届出書 ◆給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出 ◆所得税の青色申告の取りやめ届出書 ◆事業廃止届出書  税務署への書類は4種類あり、それぞれ該当するものを提出します。  個人事業の開業・廃業等届出書は、個人事業主として営業していた店舗が該当するもので、営業停止から一ヵ月以内の提出が必須です。  給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出は、従業員や専従者がいた場合、営業停止から一ヵ月以内に提出しなければなりません。  所得税の青色申告の取りやめ届出書は、今までおこなっていた青色申告をとりやめる場合に提出します。やめる年の翌年3月15日までに提出してください。  事業廃止届出書は、課税事業者が事業を廃止した際に提出するものです。営業停止後、速やかな提出が義務付けられています。  それぞれ国税庁のHPから入手できます。 国税庁 HP:http://www.nta.go.jp/   ⑤都道府県税事務所 ◆閉店の届け出(各都道府県ごとの名称)  個人事業であれば各都道府県税事務所にも閉店に関する届け出をしなければなりません。届け出の名称や提出期日はそれぞれで定められているためさまざまです。店舗が所在する都道府県税事務所のHPから詳細を確認してください。   ⑥日本年金機構 ◆健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届 ◆雇用保険適用事業所廃止届(事業主控)  従業員を雇い、健康保険や厚生年金保険、雇用保険のどれかに加入している場合には日本年金機構にも書類の届け出が必要です。  保険の加入状況をあらかじめ把握しておきましょう。提出期日は閉店から5日以内となっています。  健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届は、日本年金機構のHPから入手できます。 日本年金機構:https://www.nenkin.go.jp/   ⑦公共職業安定所への届出 ◆雇用保険適用事業所廃止届 ◆雇用保険被保険者資格喪失届 ◆雇用保険被保険者離職証明書  従業員を雇って雇用保険に加入していれば、公共職業安定所にも届け出をします。書類は3種類。雇用保険適用事業所廃止届のみ閉店から5日以内、それ以外は10日内の提出となっているため注意です。  雇用保険被保険者離職証明書に関しては公共職業安定所窓口や郵送での受け取りになります。ほかはハローワークインターネットサービスから入手可能です。 ハローワークインターネットサービス: https://www.hellowork.go.jp/   ⑧労働基準監督署 ◆労働保険確定保険料申告書  従業員を雇って労働保険に加入している場合には、労働保険確定保険料申告書を提出します。提出先は労働基準監督署、もしくは都道府県労働局か日本銀行のいずれかです。  閉店日から50日以内の提出と、ほかに比べて猶予があります。届出は送られてくるため、ダウンロードや取りに行く手間はかかりません。  基本的に届出の入手や提出は、店舗が位置する各地域の行政機関のHPや窓口からおこなえます。郵送や窓口持参、電子申請など提出方法や書類の名称が異なるものもあるので各自で確認しておきましょう。 契約の解除・スタッフ、顧客への対応  各行政機関への届け出が完了したら、次はさまざまな契約の解約やスタッフ、顧客への対応です。  後回しにしがちですが、これをおろそかにしてしまうと余計な出費や大きなトラブルの元になる恐れがあります。締結時の書類などをあらかじめ用意し、すぐにとりかかれるよう準備しておきましょう。 ①リース品の返却や借入金の返済  まず確認しておきたいのが、リース品や借入金など借りているものがあるかどうかです。  契約内容によっては所有権が移る場合もありますが、基本的にリース品は返却しなければなりません。返却方法やタイミングなどはリース会社に聞いておきましょう。  ただし、ここで注意なのが残債です。もし完済していなければ閉店後も支払い続ける義務があります。同様に、借入金の返済が残っている場合も支払いの義務は続きます。  今後の支払い方法や期間などを相談するためにも、必ずリース会社や金融機関に連絡しておいてください。   ②物件やインフラ周り解約  閉店が決まったら前もって解約の準備をしておきましょう。契約内容や期間によってはすぐに解約できなかったり、違約金が発生する可能性もあります。  特に物件は、解約予定の数ヵ月前までに書面で解約通知を提出しなければならないことがほとんどです。閉店しても家賃を払い続ける期間が出てしまうので、逆算して早めの行動を心がけてください。  電気やガス、水道などのインフラは電話で解約日を伝えれば済むので簡単。つい後回しにして忘れてしまいがちなので注意です。解約し忘れてずっと料金だけ払っていたなんてケースもあります。   ③従業員への解雇通告  閉店により従業員を解雇するときは、30日前までに解雇通告をおこなわなければなりません。これは労働基準法で定められています。万が一急な閉店となってしまった場合には十分な説明と誠意ある対応が大切です。  従業員のその後の人生にも関わるため、30日前は関係なく閉店が確定した段階でできるだけ早めに伝えてあげると良いでしょう。   ④顧客に閉店の報告  これまで来店してくださったお客様に感謝を伝えるためにも、閉店のあいさつは重要です。張り紙やHP、SNSなどで閉店日も含めてお知らせしておきましょう。  来店した方にはワンドリンクサービスなどキャンペーンを組めば、最後にもう一度訪れてもらう良いきっかけになります。頻繁には来られない方のため早めに告知しておくのがおすすめです。 新たなスタートを迎えるために   閉店が決まってから閉店した後まで、意外にもやることは山積みです。しかも届け出はどれも期日が迫ったものばかり。漏れなくこなすためにもやるべきことをしっかりとリストアップし、終わっていることと終わっていないことを把握しておく必要があります。  最後の最後まで責任をもって手続きをおこない、すっきりとした気持ちでまた新たなスタートを切りましょう。  
    開店ポータル編集部
    2019/04/23
  • 飲食店閉店時の基礎知識 事前に知っておくべき手続きや届出とは
     どんなに繁盛していた飲食店でも、さまざまな理由から終わりの時はやってきます。開業するからには、いつかやってくる「店じまい」についても、しっかり頭に入れておきたいところです。  お店を閉める時には、開業時と同様に、多くの手続きが必要になります。本記事では、閉店時におこなわなければならない基本的な手続きや、行政機関への届出についてまとめました。 赤字だけが閉店の理由ではない!?  飲食店が閉店する理由のなかで最も多いのは、赤字経営が続くことによる経営不振です。そして、そのほかにも閉店せざるを得ないさまざまな理由があります。  人材不足、弟子への暖簾分け、業務好調ゆえの好立地への移転、体力的・年齢的な理由での引退、家庭の事情による経営困難、都市計画による立ち退きなど、経営自体は好調であっても閉店という選択をしなければならないことがあるのです。 閉店時にするべき6つのこと  閉店を決めてから実際に立ち退くまでに、期間のあるなしに関わらず、必ずおこなわなければならない手続きや行政機関への届出があります。  知らなかったからといって放置してしまうと、後々になって大変な思いをすることになります。しっかりと手順を踏んで、大切なお店の看板をおろしましょう。   1.店舗物件の契約内容を確認する  まずは店舗が、「どのような契約を結んでいたのか」を確認をしましょう。  退去予告は何ヶ月前にすべきか、居抜き譲渡について、原状回復義務の有無など、どのような退去条件を結んでいたのかが重要です。   2.物件解約の届出をする  閉店を決意したからといって、すぐに物件が解約できるわけではありません。  解約の届出を提出してから短くても3ヶ月程度、長い場合は半年以上も家賃を支払い続けなければなりません。これを“解約予告期間”といいます。次の借り手が見つかった場合、支払期間が短くなるケースもあります。  契約で原状回復義務がある場合は工事をして、借りる前の状態、またはスケルトンの状態にしなければなりません。金銭面でも相当の負担になるので、あらかじめ、契約内容の確認をしておきましょう。   3.従業員への解雇通告をおこなう  従業員への解雇通告は閉店の30日以前におこないましょう。  これは労働基準法で定められており、万が一、30日を切ってから通告することになってしまった場合は、“解雇予告手当”を支払うことになります。即日解雇の場合、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなくてはなりません。20日前に予告した場合、10日分だけを支払うということもできます。    従業員が厚生年金・健康保険に加入している場合は、各関係機関に閉店した旨を届出る必要があります。苦楽を共にしてきた従業員には、なるべく早く閉店する旨を伝え、誠意を持った対応を心掛けましょう。 4.リース品の精算をする  什器や機器などのリース契約をしていた場合、解約手続きをして残高を支払う義務があります。  リース品は、リース会社に返却すればいいと勘違いをしている方も多くいますが、それは間違いです。一定期間料金を支払いながら使用し、不要になれば返却するというのは「レンタル」であって、リースではありません。リースとは、リース会社を通して希望の品を購入してもらい、長期にわたって分割払いをする契約のことを言います。したがって、閉店時に支払いが終わっていない場合、残高を支払うのは当たり前のこと。一括で払えない場合は、分割で満額まで支払い続けることになります。  リース品の所有権は、支払いが終わった時点で借り手に移るケースもありますが、基本はリース会社にあります。勝手に第三者に売り、その資金を返済に充てるなどしないよう注意してください。自身がどのような契約を結んでいるか、きちんと把握しておきましましょう。   5.レンタル品の返却をする  レンタル品を使用している場合は、お店の営業最終日に返却する旨をレンタル会社に伝えましょう。  毎日使用していると、レンタル品であることを忘れがちなので気を付けたいところです。放置してしまうと後になって多額の請求が来ることになります。お店の営業を終えるその日に返却し、無駄な出費が出ないよう注意しましょう。   6.各行政機関への届出をおこなう  期限の決められている手続きは、届出が遅れると罰金が発生する場合があります。速やかに各関係機関へ届出をしましょう。  電気、ガス、水道などのライフラインの解約も忘れずにおこないましょう。 ■保健所  開業時には、保健所の許可を取らないことには営業ができないため最初に手続きをします。閉店時にも、届出をしっかりおこないましょう。 ・“廃業届”を提出 ・“食品営業許可証”の返還 ⇒閉店日から10日以内に届出 ■警察署  深夜0時以降~日の出の時間帯に酒類、食事を提供する飲食店(深夜酒類提供飲食店)は、開業時に警察署へ“酒類提供飲食店営業開始届出書”を提出しなければなりません。深夜酒類提供飲食店は、閉店時にも届けを出す必要があります。 ・“廃止届出書”を提出 ・“届出認定書”の返還 ⇒閉店日から10日以内に届出 (届出を怠った場合、30万円以下の罰金を科せられたり、行政処罰の対象になる場合もあるので注意しましょう)   ■消防署  開業時に“防火管理者選任届”を提出しています。防火管理者の解任日が閉店日とされているため、閉店時には届出が必要になります。 ・閉店日を届出 ⇒特に期限はない ■税務署  下記届出が必要な各書類は、国税庁のホームページよりダウンロードでき、全国共通のものになります。 ・“個人事業の開業・廃業等届出書” ・“給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書” ⇒閉店日から1ヶ月以内に届出 ・“消費税の事業廃止届出書”(課税事業者の場合)  ※課税事業者とは、基準期間の売上げが消費税を除いて1,000万円以上の事業者のこと ⇒速やかに届出 ・“所得税の青色申告の取りやめ届出書”(青色申告をおこなっている場合) ⇒青色申告を取りやめた、翌年の3月15日までに届出   ■公共職業安定所  従業員を雇い、雇用保険に加入している場合は、店舗所在地を管轄する公共職業安定所に届け出る必要があります。 ・“雇用保険適用事業所廃止届”(事業主控えのコピーを日本年金機構に提出) ・“雇用保険被保険者資格喪失届” ・“雇用保険被保険者離職証明書” ⇒閉店日の翌日から10日以内に届出   ■日本年金機構  従業員を雇い、健康保険・厚生年金保険・雇用保険のいずれかに加入している場合は、日本年金機構の事務所に書類を届け出る必要があります。 ・“健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届” ・“雇用保険適用事業所廃止届”の事業主控のコピーを添付 ⇒閉店日から5日以内に届出   ■労働基準監督署  閉店した場合、保険関係も消滅することとなるので、「確定保険料申告書」を提出して、年度当初に見込みで申告・納付してあった“概算保険料”を精算する必要があります。もし確定保険料の額が概算保険料の額より大きい場合には、その差額を納付しなければなりません。  また、既に納付している概算保険料の額が確定保険料の額より大きい場合には、“労働保険料還付請求書”を提出することになります。 ・“労働保険確定保険料申告書” ・“労働保険料還付請求書”(還付金がある場合) ⇒閉店日から50日以内に届出 閉店の告知も忘れずに  これまでに挙げた手続きのほかにも、卸業者への連絡や、売掛金(ツケ)の回収なども忘れてはいけません。  そして何より、お客さまへの告知は、感謝の気持ちを込めてしっかりおこないましょう。 ★閉店の告知方法についてはこちら★ 飲食店閉店のお知らせ方法は?告知のタイミングは?  大切なお店をたたむ時は、気力も体力も必要になります。それでもやってくる「その時」に備えて、どのような届出が必要なのかをしっかりと確認し、計画的な手続きがおこなえるように手順を把握しておきましょう。  
    開店ポータル編集部
    2019/04/09
  • 飲食店閉店の決断!「再建に向けた閉店」に必要な2つの要素とは
     帝国データバンクの調査によれば、2017年の企業倒産件数は8376件。売上の低下や人手不足などが原因となり、飲食店の倒産件数は707件と過去最多を記録しています。  さらに、後継者不足や経営者の高齢化により、倒産ではなくても、廃業を選択しなければならない企業が倒産件数を上回っているのが現状です。  本記事では、再建への第一歩となる閉店を決断するさいに必要な2つの要素をお伝えします。 近年増えつつある閉店の理由  閉店の理由はいろいろですが、もっとも多い販売不振について、「赤字が1年以上続いている」や「人件費がなく人を雇えず運営できない」、「光熱費、家賃が払えない」などがあります。  また、「高齢のため経営を維持できない」、「病気になった」、「介護が必要になった」…など、経営状況とは別の個人的な事情が閉店の原因となることもあります。  さらに、人手不足の影響から、アルバイトを確保するために時給を上げざるを得なくなり、売上は上がっているにもかかわらず、減益となり倒産する…というケースも。いま、飲食業界のみならず、建設業などでもこの人手不足による倒産の増加が懸念されています。 閉店の決断は難しい?  販売不振による閉店について考えてみましょう。  例えば、飲食店の開業には、工事費用やテナント賃貸料など多額の費用がかかります。銀行などから借入がある場合、売上が落ちているからといって簡単には閉店できません。もう少し改善すれば利益が出るのではないか、まだ続けられるのではないかと考えてしまい、赤字に転落しているにもかかわらず、限界まで続けてしまいがちです。そして、破産、倒産してしまうケースも多いです。  経費削減や集客方法などの改善によって、売上が伸びた場合はよいですが、地域の人口減少など、経営努力ではどうにもならない部分もあるでしょう。  実際に閉店を決断した人は何を基準に閉店を決めたのでしょうか。閉店の決断に必要なことはあるのでしょうか。 見逃してはいけない「閉店のサイン」  閉店には資金が必要です。そしてもちろん、閉店した後も人生は続きます。ある程度余裕を持って閉店することが、これから先の人生を豊かにすることは言うまでもありません。限界まで営業を続け、基本的に飲食店の資金がまわらなくなると閉店せざるを得なくなります。  ここで必要なのが、限界まで頑張らず資金が底をつく前に閉店する決断をすること。例えば、飲食店における具体的な閉店のサインは次の3つです。 1.来店客がゼロの日が多い 2.人気料理の注文が減っている 3.他店とくらべて繁盛していない  来店客がゼロであっても、人件費や家賃などの固定費は発生します。客が減っているにもかかわらず、不景気だから仕方がないとそのまま営業を続けても、いずれ赤字に転落するでしょう。  また、以前は人気があった料理の注文が減っている場合、客のニーズが変化していることが考えられます。客層や近隣の同じ業態の店を調査し、どのようなメニューが今求められているのか知ることが大切です。  来店客が減少している原因には、まず、地域の人口減少なども考えられます。しかし、近隣の店舗は繁盛しているのであれば、店自体に問題があります。メニューの見直し、珈琲の無料サービスなど集客に繋がりそうな対策をとらなければなりません。  このほか、閉店する店の共通点として、店内や厨房内、トイレなどの清掃が行き届いていないことがあります。店の中をよく見て、掃除ができているか、客の目線に立って確認しましょう。    これらを全て改善したにもかかわらず、売上が伸びないのであればそれは、閉店のサインです。思い切った選択をしましょう。 閉店に必要な資金を把握しよう  閉店時には大きく分けて原状回復費と家費、この2つの費用が必要になります。 ■原状回復費  まず、原状回復とは、閉店のため物件から退去するさいに、契約時に決められた状態に戻すことです。入居する前の状態に戻すケースとスケルトンにするケースがあります。居抜き物件として借りた場合でも、契約内容によっては退去時にスケルトンにしなければならないこともあるため、賃貸借契約書の引き渡し条件を確認しましょう。  原状回復費の相場は、坪数と坪単価によって異なります。一般的な目安としては、10坪から50坪であれば、1坪あたりの単価が1万円から2万円くらいです。  例えば、20坪で、1坪あたりの単価が1万円であれば、20万円の原状回復費が必要になります。原状回復費はインターネットなどで無料で見積もりをとることができます。複数の業者に見積もりを依頼して金額を把握しておきましょう。   ■家賃  また、閉店までの間、営業をしていなくても家賃は発生します。物件契約は一般的に解約予告期間が定められています。家主に閉店を伝えても、すぐに退去できるとは限りません。家賃30万円で、3カ月間かかった場合、90万円の家賃が発生します。  家賃に加えて、厨房機器などをリース契約している場合は、リース代や違約金などが発生することもあります。閉店に必要な資金を算出し、確保しましょう。 再建に向けた閉店  従業員がいる場合は、30日前までに解雇予告をする必要があります。このほか、保健所、警察署、消防署、税務署、公共料金等の所定の手続きが必要です。いずれにしても、すぐには閉店できません。さらに、開店のさいに融資を受けている場合は、融資先の金融機関に閉店することを伝えておきましょう。 ★あわせて読んでおきたい記事はこちら★ 飲食店閉店時の基礎知識 事前に知っておくべき手続きや届出とは  閉店をするにしても、再起不能な倒産による閉店ではなく、もう一度再建できる力を蓄えた閉店がベストです。  再建に向けた閉店に必要な要素は、閉店のサインを見逃さないことと、閉店に必要な資金を準備することです。新たなビジネスをはじめるためにも、最善のタイミングで余力のある閉店を選択しましょう。  
    開店ポータル編集部
    2019/01/26
  • 飲食店閉店のお知らせ方法は?告知のタイミングは?
     どんなに繁盛しているお店でも、経済面や健康面、立ち退きなどのさまざまな理由から、いつかはおわりのときがやってきます。店舗の後片付けや各方面の届け出など、オーナーがやるべきことはたくさん。大切なお店を閉める寂しさをこらえながら、閉店作業をこなすのは精神的にも大変ですよね。  そんな中で、後回しになりがちなのが、お客さまや関係者の方々へ閉店のお知らせをすること。お世話になった方々への連絡もなしに、突然シャッターを下ろすわけにはいきません。閉店日が決まった段階で、あらゆる媒体を使って告知しておく必要があります。 「シャッターに貼り紙」だけでは、不誠実?  お気に入りのお店に訪れたら、閉ざされたシャッターに一枚、「閉店」の貼り紙が。肩を落とし、ほかのお店を探す…そんな経験はありませんか?  贔屓にしていたお店が何のお知らせもなしに無くなってしまうのは、お客さまにとってショックなこと。「どうして前もって教えてくれなかったの?」「知っていれば、最後にもう一度食べに行ったのに」と、悲しい気持ちになる方も多いでしょう。  きちんと閉店の旨を伝えることは、お客さまや、お店づくりに関わってくれた人への礼儀です。前触れもなくお店を閉め、シャッターに貼り紙をして済ませるのは誠実とはいえません。  では、閉店のお知らせにはどのような方法があり、どのタイミングで告知すればよいのでしょうか。   閉店日の1~2カ月前には告知をしよう!  閉店日が決まったら、以下のような手段で速やかにお知らせしましょう。タイミングは、閉店の1~2カ月前です。  「あの料理をもう一度食べたい」「オーナーにひとこと、あいさつがしたい」。そう思ってくださるお客さまのためにも、告知から閉店までには余裕をもたせましょう。   1.告知の方法 ①ホームページ  お店のホームページがある場合は、「インフォメーション」のようなクリックして見るページではなく、トップページに閉店のお知らせを掲載しましょう。たくさんの人の目に触れやすくなります。  また、閉店後はすぐにホームページを閉鎖せず、しばらく残しておくことも忘れずに。久しぶりに訪れる予定だったお客さまや、歓送迎会シーズンだけ利用していたお客さまにも、もれなく知らせることができます。 ②ブログやSNS  ブログでお知らせする場合は、普段のようなタイトルではなく、「【重要】閉店のお知らせ」など、目にとまりやすいタイトルにしましょう。  InstagramやFacebookのアカウントは、ホームページと同様に、しばらく残しておきましょう。最後の営業日には、店内の様子やスタッフの集合写真などを投稿して、明るく締めくくるのがいいですね。 ③はがきやメール  遠方のお客様に閉店を知らせるには、はがきも有効です。メルマガ会員のお客さまには、個別メールでお知らせするのもよいでしょう。  はがきの場合、基本的な文面はプリントしても問題ありません。しかし、一人ひとりに一言、手書きのメッセージを添えると喜ばれます。はがきはお店が無くなっても、お客さまの手元に思い出として残るもの。特に贔屓にしてくれた常連さんには、手紙を送るのもいいですね。 ④手渡し  店頭で、お客さまに閉店のお知らせを手渡しする方法もあります。はがきサイズほどの小さな案内を作り、会計時にひとこと添えてお渡ししましょう。足を運んでくれた一人ひとりに、オーナー自らの声で感謝を伝えることができます。   2.閉店のお知らせで書くべきことは?  どの方法でお知らせするにしても、決まった形式はありません。  「(店名)は、〇〇年〇月〇日をもちまして、閉店いたします」「〇〇年間営業を続けてまいりましたが…」といった閉店の事実や、お客さまをはじめとする関係者への感謝の言葉は、最低限盛り込みましょう。  閉店の理由を必ず明かす必要はありませんが、特にお世話になった方には個別にお知らせしてもよいでしょう。健康上の理由で閉店する場合は、お客さまを驚かせてしまうため、詳しい病名や病状には触れなくても大丈夫です。  大切なのは、あまり堅苦しくせずに、オーナーの人柄が感じられるような文面にすること。  最後まで「このお店らしいな」と思ってもらえる、よい締めくくりにできるといいですね。   余裕をもった閉店告知を  取引先、お店づくりに協力してくれた友人や知人、そしてお客さま。お店は、たくさんの人の支えがあって成り立っています。そのお店を閉めるにあたって、オーナーは、改めてお世話になった方々へ感謝を伝えなければなりません。  いつかまたお店を開くことがあれば、顔なじみになったお客さまが会いに来てくれることもあるでしょう。取引していた業者とも、またお付き合いをするかもしれません。だからこそ、時間と気持ちに余裕をもって閉店告知をし、きれいな形でお店の歴史に幕を引くことが大切です。  
    開店ポータル編集部
    2018/12/26
  • 飲食店経営で大切な「閉店を決断するタイミング」
     オープンしたばかりのお店も、長くお客様に愛されてきた老舗も、さまざまな理由から経営を続けられなくなる場合があります。  「一年以上赤字が続いている」、「人を雇う余裕がなくお店をまわせない」…そんな状態が続いたときによぎるのは、閉店の二文字。まして、お店は繁盛しているのに、後継者の不在や健康上の理由などで閉店を余儀なくされた場合は、より悲しいものです。  しかし、悲しんでばかりはいられません。閉店を決めた瞬間から、費用や手間のかかるたくさんの手続きが待っています。本記事では、お金と時間という2つの側面から、飲食店が余裕を持って閉店するためのタイミングを考えていきます。 余裕を持って閉店するためのタイミング 1.お金  閉店のタイミングを考える第一のポイントは、「お金」です。  閉店時には、開店時と同じようにさまざまな費用がかかるため、お店の資金が尽きる寸前まで営業を続けるのは望ましくありません。以下に挙げる費用にお金を充てる余裕があるうちに、閉店の決断をしましょう。 ポイント「まずは閉店時に必要な費用を整理する」 ①解雇予告期間の家賃 ②保証金の償却費 ③原状回復工事費   2.時間  閉店のタイミングを考える第二のポイントは、「時間」です。  スケルトンに戻すか、居抜きで明け渡すかのどちらを選ぶかが鍵となり、閉店スケジュールが変動します。工事の見積もり依頼や、居抜きの場合は次の借主を探す時間を考えた上で、閉店日を決めましょう。 ポイント「まずは余裕を持った閉店スケジュールを立てる」 ①居抜きで明け渡す場合 ②原状回復工事をする場合 ③その他のやるべきこと  以下で一つずつ見ていきましょう。 1.お金  ①解約予告期間の家賃  閉店を決めたからといって、すぐに店舗を出ることはできません。物件を解約するには、解約届を退去の3か月前~半年前に提出しておく必要があります。解約届を提出してから退去までの期間(解約予告期間)は、今まで通り家賃を払い続けなければなりません。ただし、次の借り手がすぐに見つかった場合は、支払い期間が短くなる場合もあります。 ②保証金の償却費  保証金は、入居時に、家賃滞納時の充てん用や退去後の修復費用として貸主に預けるお金です。退去時には、それらにあてた分を差し引いたお金が戻ってきます。  しかし、契約書に“保証金償却”が設定されている場合は注意が必要です。返ってくるはずの金額から、償却額に応じた金額が減っていくのです。そのため、“保証金を閉店費用に充てようと考えていたのに、お金が足りなかった”という事態に陥ることも。  償却の方法については、“年に〇%償却”、“〇か月借りたら全額償却”などのパターンがあるので、契約書を確認しておきましょう。 ③原状回復工事費  退去時に原状回復をして明け渡すことが契約書に定められている場合、原状回復工事をしなければなりません。その費用は閉店費用の中でもっとも金額が大きく、小さな店舗でも50~100万円はかかります。 2.時間  ①居抜きで明け渡す場合  原状回復の義務がある物件でも、交渉次第では居抜きでの明け渡しができることも。費用がかからない上、譲渡益を得られる場合もあるためメリットは大きいです。  その場合は、新しい借主を見つけてから貸主に交渉しましょう。次の借主がいない状態で設備を残したまま退去されるのはリスクが高く、貸主が了承してくれない可能性もあるからです。次の借主が見つかるまで、最低1か月はかかると見込んでおいてください。知人や同業者に声をかける、不動産会社に依頼するなどして積極的に動きましょう。  “いつまでに次の借主が見つからなければ、原状回復する”という期日を決めておくことも大切です。閉店日の1か月前を目安に次の借主が見つからなければ、速やかに着工できるように手配しておきましょう。 ②原状回復工事をする場合  原状回復にかかる費用は、業者によって10~20万円の変動があります。安く抑えるには、複数の業者から見積もりを取る時間が必要です。  スケルトンに戻す際は、不要になった厨房機器を処分しなければなりませんが、製造後10年未満のものであれば買取金額が付く可能性も。査定業者や、買取金額がつかない場合に処分を依頼する業者を探しておきましょう。 ③その他のやるべきこと  他にも、スケジュールに入れておくべき閉店準備はたくさんあります。従業員の解雇通知は、遅くとも閉店日の1か月前までに済ませましょう。閉店後も、日本年金機構や公共職業安定所、労働基準監督署などへの届出が待っています。電気、ガス、水道業者へ解約日を伝えることや、お世話になったお客様に閉店のお知らせをすることも忘れてはなりません。 時間とお金、そして気持ちに余裕をもった「閉店」を  お店への思い入れが強いほど、オーナーは少しでも長く経営を続けたいと願うもの。しかし、厳しい経営状況が続けば、資金も心もギリギリまで追い詰められてしまいます。お客さまのことを考えた上でも、そのような綱渡りの経営は避けたいところ。お金と時間に余裕のあるタイミングで、早めに閉店の決断をしたいですね。  「立つ鳥あとを濁さず」の心で、次のステップに進むための閉店スケジュールをしっかり立てていきましょう。  
    開店ポータル編集部
    2018/10/10
  • 飲食店閉店のタイミング 費用と時間が必要って知ってた?
     大きな希望と目標を胸に、自分のお店を構えたものの、さまざまな理由で経営が難しくなってしまい、閉店を余儀なくされることも現実として大いにあり得ることです。ただ、そこで忘れてはいけないのが“閉店にも費用と時間が必要”だということ。  閉店を決意したからといって、その日に全てが終わるわけではありません。開店時と同様に、多くの手続きが待っています。もちろん、その手続きには費用も時間もかかります。大切なのはどのタイミングでお店を閉めて、手続きを滞りなく進めるかということ。  本記事で、閉店のタイミングについて見ていきましょう。 「閉店」がよぎったらすべきこと  冒頭でも述べた通り、閉店をするにあたっては、さまざまな手続きにかかる費用と時間が必要になります。  閉店が頭をよぎった場合、確認しなければならない多くの事項があります。それらを一つひとつ丁寧に整理していきましょう。 1.賃貸借契約書の見直し作業  物件を契約する際に交わした、“賃貸借契約書”には閉店時に関する取り決めが記載されています。記載事項をきちんと把握することから始めましょう。 ■解約予告期間  “解約予告”は、大抵の場合、書面による通知とされています。書式はどのようなものでも構いません。  ここで、気にするべきは“解約予告期間”です。書面で解約の意思を通知したその日から、賃貸借契約書に記載されている期間は、家賃を払い続けなければなりません。短くても1ヶ月、長ければ6ヶ月程度、家賃を払い続けることになります。 ■敷金返却時の償却額  契約時に大家さんに預けた、敷金の返還のタイミングはいつか把握できていますか。これも賃貸借契約書に記載されています。“契約終了後速やかに返還”、“契約終了後〇ヶ月以内に返還”など、その内容はさまざまです。  自身の契約内容をしっかり確認してください。返却時には、大家さんが受け取る“償却額”があることも忘れてはいけません。預けた分が全額返還されるわけではないので注意が必要です。家賃の1~3ヶ月分が差し引かれると想定しておきましょう。 ■原状回復義務の有無  閉店資金として大きな負担となるのが“原状回復工事”にかかる費用です。  スケルトンの状態まで工事をするのか、居抜き物件を契約していた場合、どこまで原状回復する必要があるのかなど、しっかり確認しましょう。相当な費用がかかることを覚悟しておきたいところです。   2.借入残高とリース残高の確認  お店を開店する際の借入金がいくら残っているか、設備のリース契約における残債がいくらあるのか、正確に把握しましょう。  月々の返済額や残額が記載されている書類を確認しましょう。  閉店を考えた時に、まずすべきことを挙げただけでも、閉店のタイミングが重要なことに気付かされます。  解約予告期間に発生する家賃の支払いや、原状回復工事費用、借入金・リース契約の残債などの支払いに対応できる余力のある時点で、閉店のタイミングを迎えることが理想です。  すでに、それら返済の余力がない場合、返還される予定の敷金を、借入金の返済やリースの残債の精算に充ようと考えるでしょう。しかし、解約予告期間が4ヶ月で、敷金返還のタイミングが契約終了後1ヶ月先の場合、5ヶ月間は、家賃を支払い続けなくてはなりません。さらに原状回復工事費用がかかるので、やはり計画的に閉店のタイミングを見極めなくてはなりません。 明け渡し方法によるタイミングの違い  明け渡し方法としては、居抜き物件として明け渡すか、原状回復工事をして明け渡しをするかの2択です。この明け渡し方法によっても、閉店のタイミングは変わってきます。 1.居抜きで明け渡す場合  賃貸借契約書には、借りたものは元の状態に戻して返すよう記載がされています。また、それは民法でも定められており、居抜きで明渡しをするには“契約内容の変更”となるので、大家さんと交渉して了承を得る必要があります。  ここでポイントになるのは、次の借り手を見つけてから大家さんとの交渉を開始すること。物件を貸す側にとって、次の借り手がいない状態で居抜きとして明け渡しを了承するのはリスクが高いのです。そのため、次の借り手が決まっていれば、スムーズに話が進む可能性が高くなります。  居抜きで明け渡しをする場合は、売却益が出る上、原状回復工事の費用はゼロ円になります。また、次の借り手が決まったことで、解約予告期間を短縮することも可能です。  …となると、次の借り手を探す期間が重要になりますよね。友人や同業仲間への声掛けや、居抜き物件を扱っている不動産会社に借り手を探してくれるよう依頼をしましょう。最低でも、1ヶ月はかかるものです。ここで、不動産会社選びを失敗するとさらに多くの時間を費やすことになります。  また、解約通知書を提出してしまった後に居抜きでの明け渡しが難しくなってしまった場合、原状回復工事や資金面において、危機的状況に陥ってしまうこともあり得ます。早々に解約通知書を提出するのではなく、懐事情の把握と明け渡し方法の選択をしっかり行い、最善のタイミングを探りましょう。 2.原状回復工事を行って明け渡す場合  原状回復工事を行う場合、最も重要なのは“解約予告期間”です。原則、契約期間内に工事を終わらせることが決まりとなっています。その期間をどう使うかがポイントです。  立地や環境から考えて、次の借り手が容易に決まりそうであればすぐにでも原状回復工事を行い、解約予告期間内は家賃を払いながら次の借り手を待つことになります。  運よく次の借り手がすぐに決まれば家賃負担をせずに済みますし、次の借り手が決まるのが難しいと判断した場合は、解約予告期間から原状回復工事にかかる期間を引いた日まで営業することで、空家賃をさけることができます。  明け渡し方法を選択したら、明け渡すまでのスケジュールを立てましょう。その中で、不動産会社や原状回復工事を行ってくれる業者、大家さんなど、さまざまな人たちと打合わせや交渉をしなければなりません。  閉店にいたるまでの道筋をしっかり描けるように、入念なリサーチと準備をおこないましょう。 確実な閉店が次のステップへ繋がる  さまざまな苦労や葛藤を経て閉店を決意したものの、いざ閉店に向けて動くとなると、莫大な閉店資金と、多くの時間を費やさなければいけないことに気付かされます。そこで途方に暮れるのではなく、確認しておかなければならない事項を把握し、正しい選択ができるように、事前の準備が必要です。  また、閉店前に行う従業員や常連客への告知、仕入れ業者への報告などはもちろん、閉店後にも期日が決まっている届け出や申請があります。これら全てを滞りなく完了させ、次のステップへ進みましょう。そのためにも最善のタイミングで、閉店を迎えられるようにしたいものです。  
    開店ポータル編集部
    2018/06/15
  • 店舗を手放すその前に!「かしこい閉店」の3つの方法
     赤字がつづくことによる経営不振のほかにも人材不足や家庭の事情による経営困難など、経営自体は好調であっても“閉店”という選択をしなければならないことがあります。しかし、いざ閉店するとなるとリース品の清算や、閉店を決意してから退去までの家賃、原状回復工事などの費用が必要になります。お店を手放し、再スタートを切ろうという時、できるだけ資金は手元に残しておきたいところ。そこで、本記事ではお店を手放す前に知っておきたい“かしこい閉店”の方法を3つご紹介します。 1.居抜き物件として売却する ■“居抜き売却”とは  内装設備などの造作物を、そのままの状態で次の店主へ売却する方法を"居抜き売却"と言います。「賃貸物件の場合、経営者自身が物件所有をしているわけではないから、居抜き売却はできないのでは?」と考えてしまう方もいますが、賃貸物件であったとしても、物件自体を売却するという訳ではないので、“居抜き売却”ができます。 ■メリット 【現借り手】 ・原状回復義務の回避による、工事費のコストダウンができる ・売却金を獲得できる 【物件オーナー】 ・次の借り手が比較的早く見つかるため空白期間が無い 【次の借り手】 ・開店時の工事費や設備購入などのコストダウンができる  このように、三者にとってメリットが大きい居抜き売却ですが、気をつけなければならないポイントもあります。それは、物件オーナーの承諾が必須なこと。大抵の賃貸借契約書には、そもそも居抜きの状態で契約を終了させてもいいとは記載されていません。民法第616条 第598条でも定められていますが、“借りたものは元の状態にして返す”ことが基本です。そのため“居抜き売却”をする際には、オーナーの承諾を得る必要があります。 ■居抜き売却の方法 Step1:オーナーの許可を得る  まずは、オーナーから“造作譲渡”の許可をもらうことから始めます。前述の通り、契約内容次第では原状回復が必須の可能性もあるので、必ず確認をしましょう。 Step2:売却相手を探す  その後“次の借り手”を探すわけですが、事前に何を譲渡するのか、それぞれいくらで売却したいかをしっかりまとめてから交渉に当たりましょう。開業時に“居抜き物件”からスタートする飲食店は、数多くあります。知人やスタッフなど、次の借り手が身近にいる場合は、スムーズに進められるでしょう。 Step3:オーナーへの報告・契約  次の借り手が見つかった旨をオーナーに報告し、紹介します。そこで問題がなければ、現借り手と次の借り手の間で“造作譲渡契約”を交わします。譲渡後のトラブルを防ぐためにも、しっかりと契約書を作成しましょう。その後、オーナーと次の借り手の間で賃貸借契約が行われます。  ここで気を付けたいのは、現借り手が“解約届”を提出するタイミングです。提出してしまった後で居抜き売却がうまくいかなかった場合、売却ができないまま原状回復工事を行い、退去するということにもなりかねません。次の借り手が見つかってから提出した方が良いと言えるでしょう。  個人で居抜き売却を行う際は、細心の注意を払いながら進めていきましょう。後々、トラブルが起きてもすべて自分で対処しなくてはなりません。閉店に向けてさまざまな手続きを進めなければならない状況下で、自身で行うのが難しい場合は“居抜き売買専門業者”へ依頼し、仲介してもらうのも手です。その際には仲介手数料は発生しますが、プロの手を借りることは安心材料にもなりますので検討してみるといいでしょう。   2.業務委託で営業を続ける ■“業務委託”とは  業務委託とは、現借り手が賃貸借契約を続けたまま、店舗運営をしてくれる別の方に店ごと引き継ぐこと。閉店の理由はさまざまです。店舗経営は好調であっても体力的な問題や、家庭の事情などがその理由にあたる場合もあります。そのような時は、別の方に店舗運営をまかせる“業務委託契約”を考えてみてはいかがでしょうか。業務委託もまた、契約上禁止されている場合があるので、よく確認しましょう。 ■メリット 【委託元】 ・営業が続く限り、毎月収入(委託料)が得られる ・運営の手間がかからない ・賃貸借契約は続いているので、業務委託契約の期間満了時にもう一度お店を運営することができる 【委託先】 ・飲食店運営の経験をつむことができる ・開業時の初期投資を抑えることができる   ■業務委託の進め方 Step1:契約内容を決める  まずは、委託先を募集するための“契約内容”を決めなくてはなりません。その際に最も気を付けなければならないのは、賃貸借契約上できることとできないことを明確にしておくことです。物件によっては、営業時間の制限や、音を出す際の禁止事項、改装や機器の入れ替えなど、細かく禁止事項が決められている場合もあります。後々のトラブルを避けるため、あらかじめ契約内容に組み込むようにしましょう。 Step2:委託先の募集をかける  適正な条件で募集をかけることがポイントです。長く営業を続けてもらうためにも、あまりにも厳しい契約内容を提示することは避けましょう。月々の支払いの負担が大きすぎては、開業資金のコストカットができるとしても、委託先は契約に踏みきれないでしょう。 Step3:契約を結ぶ  お互いの条件をしっかりと確認できたところで、“業務委託契約”を交わします。  委託先は低コストで開業はできるものの、通常の賃料にプラスして委託料も支払わなければならないので、ランニングコストは多少かかってしまいます。適切な委託料を設定し、委託希望者が契約しやすくなるようにしましょう。また、突然の解約に備えて保証金や解約金に関しても契約時に設定しておく必要があります。   3.業務転換で再スタートをきる ■“業務転換”とは  思い切って業態を大きく転換し、収益増を目指す方法です。ただし、業態転換時に工事をするなど新たな投資が必要になるため、慎重な判断が必要です。 ■“業務転換”の方法 ・客単価の高い業態に転換する ・近所にはない業態に転換し、新規顧客を獲得する ・昼と夜で業態を変える  業務転換をする際には、自店が置かれている状況を把握し、何を変えれば売り上げが伸びるのか慎重に調査を重ねましょう。業務転換には、内装工事や機器の購入などの出費も考えられるので、タイミングと現状の見極めが重要です。   最良の選択を  お店をたたむ場合、経営を続けることと同様の苦労と苦悩を経験することになります。しかし、お店を手放すことは、すべての終わりではありません。次のステップへのスタートにもなるのです。ただお店を閉めるのではなく、“居抜き売却”“業務委託”“業態転換”などを視野にいれてみてはいかがでしょうか。道はひとつだけではないということを忘れずに、最良の選択をしていきたいですね。  
    開店ポータル編集部
    2018/04/27