コスト削減

ニトリが外食参入!学ぶべき飲食店の経営戦略とは?

開店ポータル編集部
2021/05/07

「ニトリ」が外食事業に参入したというニュースが話題になっています。

家具やインテリアといった自社の強みを生かすことでコストを抑えた独自の戦略があるようです。

新型コロナウイルスの感染拡大で外食の事業環境は厳しい中で、低コストを武器にすれば参入余地があると判断したニトリの展望とはどのようなものなのでしょうか。

 

そこで本記事では、コロナ禍で売り上げ低迷に悩む飲食店もぜひ参考にしてほしい、経営戦略やコスト削減方法をご紹介いたします。

ニトリが外食事業に参入!

(画像引用:ニトリダイニング公式HP)

ニトリホールディングス(HD)は、2021年3月18日、東京足立区にあるニトリ梅島店の敷地内に「ニトリダイニング みんなのグリル」がオープンしました。
おなじみの緑と白のシンプルなニトリのロゴは「ニトリダイニング」として健在しています。

 

居抜き物件を活用

この場所は以前、別のステーキ店があった場所を居抜き物件としてオープンさせた形です。

「みんなのグリル」を運営するニトリパブリックは、前ステーキ店のフランチャイズ店舗運営をしてきている企業ということで、今までのノウハウを活かした新たな事業参入ということが予想されます。

店頭には前ステーキ店のイメージ定着を払拭するかのように、インパクトのあるメニュー看板が大きく掲示されています。

 

みんなのグリル2号店もオープン

そして、2021年4月27日、神奈川県相模原市にレストランの2号店となる店舗がオープンしました。現在、新型コロナウイルスの感染拡大で外食の事業環境は厳しいなか、新たに店舗展開を行うニトリの事業戦略に注目が集まっています。

ニトリダイニングでの低価格メニューが話題に!


(画像引用:ニトリダイニング公式HP https://www.nitori-dining.jp/)

 

ニトリダイニング 「みんなのグリル」では、ステーキやグラタンなどボリュームたっぷりのメニューからスイーツまで、幅広く取り揃えられています。

1番人気のチキンステーキやグラタンは500円からという低価格設定で話題となっています。

「安すぎるくらいでびっくり!」という声もあるステーキは、外がカリッと中はふっくらジューシーで食べ応えがあっておいしいと評判だそうです。さらに、追加料金でサラダやスープ、ライスがお代わり自由になるセットも人気なんだそう。

 

また、このステーキは、テイクアウトを利用すると490円からとなっており、ワンコインでお釣りがくるメニューというところも口コミを中心に注目が集まっています。

 

【代表的なメニュー】

・チキンステーキ 240g ¥500

・チキングラタン ¥500

・キッズプレート ¥450

・サラダ&スープ&ライスバーセット ¥280

・ハンバーグステーキ ¥990

・ハンバーグステーキ 150g+チキンステーキ 120g ¥900

・ラムステーキ ¥990

・ラズベリーソース ダッチベイビー ¥200

 

ちなみにサラダバーなどを利用する際は、手指消毒をおこった上に、ビニール手袋を着用して利用するなど、感染対策も十分に取られています。

 

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ニトリの外食参入では自社商品でコスト削減


ニトリは、2019年にはアパレルブランド「N+」を展開し、2021年にはホームセンター「島忠」と統合するなど業種の拡大に積極的です。

今回の外食事業参入の背景には「衣食住を展開していく」というコンセプトが基になっているそうです。

 

物資調達コストを抑える

レストランで使用する食材は、卸しを通さずに調達し、店内では自社の家具や食器を使うなど運営コストを下げることで売り上げ拡大を目指していくという事業戦略です。

使用しているステーキ皿やグラタン皿などの食器はニトリで販売されている商品を導入するなど、できる限りニトリ商品を使って提供しています。

 

併せてニトリの食器の宣伝効果も

これにより、コストを抑えられ、お客様にも料理と食器の組み合わせやコーディネートを示すことで、家庭で使用する際にイメージしやすくなるそうです。

ニトリとニトリダイニングが敷地内に併設されているため、レストランで使い心地を体験してもらうことで、食事のついでに買い物へ、買い物ついでに食事など、店舗を相互に利用してもらいたいという狙いもあるようです。

 

ニトリの外食参入や経営力から学ぶ


ニトリは直近の決算(2021年2月期)で34期連続の最高益を更新していることも注目されています。
(参考:ニトリホールディングス 有価証券報告書・四半期報告書 https://www.nitorihd.co.jp/ir/library/security.html)

ニトリ独自の強みを生かし、主軸を置きながらもそこから新たな事業を拡大させていく攻めの姿勢や挑戦が、利益を上げ続けている秘訣なのかもしれません。

今後は、全国に約450カ所あるニトリ店舗の敷地を活用してレストラン出店を増やしていく計画が進められているようです。

ニトリは将来、家具と同様に生産から販売までの一貫体制を目指ていくということで、全国に多数店舗を展開するニトリの動向はチェックしていきたいですね。

飲食店は独自の戦略で売り上げ確保を!

ニトリの今回の取り組みのように、現在の店舗経営や自社の強みを生かしながら、新たな事業拡大という選択肢は、どの業界においても今後の参考事例となるでしょう。自店舗に取り入れられそうな具体的な方法をチェックしてみてください。

 

・事業転換補助金を利用

「事業転換補助金(=中小企業等再構築促進補助金)」とは、事業再構築を目的として新事業の展開や業態変換にを行う中小企業を支援する補助金制度です。

飲食店でいうと、コロナの影響で売り上げが落ち込む店舗が、デリバリーやオンラインECサイトへの一本化など、新たな業態展開や再構築を図るために使うことができる補助金となっています。

昨今では、業態を絞り専門店化(パンケーキ専門店、サンドイッチ専門店など)して他店との差別化や、メニューを厳選することでデリバリー対応にも力を入れる店舗が増えています。

 

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・ゴーストレストランでデリバリー専門店に

度重なる緊急事態宣言の発令や、外出自粛の影響でデリバリーの需要は高まり続けています。そこで、思い切ってデリバリーサービスのみに特化するというケースもあるでしょう。

もともとの店舗を間借りし、調理や運営に必要な設備を使用したり、シェアキッチンのようなゴーストレストラン形態でデリバリーに注力する形です。コストを抑えたスムーズな導入が可能な点も支持されています。

 

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コロナ禍だからこそ、飲食店を開業するなら「専門店」にせよ!!

 

・繁盛メニューの見直し

繁盛メニューの見直しも重要です。そのメニューが今後も繁盛メニューとして目玉になるのか、価格や原価率も含め、いま一度見直してみましょう。

感覚ではなく、売り上げ分析を正確におこなってみることで、新たなセットメニューの開発や自店舗のウリにつながるかもしれません。

売上分析ができるPOSレジの活用もおすすめします。

 

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・コスト削減

飲食店経営において、利益を確保するためには、売り上げアップ以外にもコストを削減することが重要です。

しかし具体的に何をどう削減したら良いのか対策がわからない経営者も多いのではないでしょうか。

食材費、水道代、レジ回り、人件費など、飲食店業務全般におけるコスト削減のポイントは意外な視点や盲点となっているものが多く存在します。

 

開店ポータルbizでは、5,000を超える店舗さまのご相談に乗り、課題解決を繰り返しながら様々なケースでのコスト削減の提案をさせていただいております。ぜひお気軽にご活用ください!

 

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まとめ

今回はインテリア家具専門店「ニトリ」が外食事業へ参入したというニュースから、飲食店の売り上げアップにつながる経営戦略についてご紹介いたしました。

 

新型コロナウイルスの感染拡大で外食の事業環境は厳しいなか、もちろん同じ規模で比較することはできませんが、低コストを武器にして新たな事業に飛び込む姿勢には学ぶべき点も多くあります。それぞれの飲食店でも、自社の強みを生かし、コストを抑えた独自の戦略を見い出して売り上げアップを目指していきましょう!

 

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開店ポータル編集部
2021/05/07