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美容室・サロン開業 事業計画書に必要なコンセプト・売上計画の作り方

開店ポータル編集部
2020/03/27
 全国には、コンビニの約4倍もの美容室やその他サロンがあるといわれています。美容業界はまさに飽和状態。新しくオープンしたサロンのうち、3年後まで生き残れるのは1割以下という厳しい現実があります。

 その一方で、リピーターをつかみ、お客さまに愛されながら営業を続けているサロンもあります。そんな繁盛店の土台となっているのは、サロンのコンセプトや方向性、売上計画などをまとめた事業計画書です。

 事業計画書は、経営上のトラブルを解決し、お店を発展させていくための大切な書類です。本記事では、美容室やその他サロンの事業計画書において、特に重要な2つのポイントについてご説明します。

ライバル店に埋もれない美容室・サロンを開こう

 主要駅の周辺などでは、近い範囲に多くのサロンがお店を構えています。「右を見ても、左を見てもライバル店」という状況におかれたお店も多いでしょう。そんなときにオーナーがすべきことは、他店との差別化をはかる戦略や売上目標を、しっかりと事業計画書に掲げておくことです。

 事業計画書を作成するときには、つぎのポイントをおさえておきましょう。

事業計画書において重要な2つのポイント

 事業計画書において特に重要な2つのポイントがあります。
 
1.コンセプト
2.売上計画


 この2つは、美容室やその他サロンの事業計画書において、特に重要なポイントです。
 一つずつ見ていきましょう。

1.美容室・サロンのコンセプト

 「お客さまがこのサロンを選ぶ理由」となるコンセプトは、なによりも重要です。
 コンセプトが確立していないと、あなたのサロンだけが持つ価値がお客
さまに伝わらず、「ほかのサロンと変わりばえしない」と思われてしまいます。
 

①ターゲット層

 コンセプトを決める際は、はじめにターゲット層を設定しましょう。
 アプローチするお客さまの年代、性別、職業などが見えてくれば、施術メニューや内装の方向性も固まります。

②空間のアピールポイント

 ラグジュアリー、ワクワク、ホッとする――など、あなたのサロンはどのような空間が「売り」でしょうか。
 次の例にあるように、具体的に設定しましょう。

・アンティークのチェアやミラーが並ぶ空間で、ノスタルジーに浸れる
・白と青をメインにした海辺のような空間で、リゾート気分が味わえる
・あたたかな木の家具に囲まれて、自分の家のようにリラックスできる


 長い施術の間もリラックスできる店内は、お客さまが再来を決める重要なポイントです。
 ターゲット層に合わせた、居心地のよい空間づくりをおこないましょう。

③心をつかむサービス

 プラスアルファのサービスを設け、他店との差別化をはかりましょう。

 人気サロンでは、プロカメラマンによる施術後の写真撮影サービス、お年寄りや子どもに優しいバリアフリー設計のシャンプー台など、心にくいサービスを用意しています。

 もちろん、カラーやシャンプーなどの基本メニューにこだわるのもOK。しかし、どんなに素晴らしい商材を使っても、そのままではお客さまに伝わりません。ホームページやSNS、店内POPなど、どのような方法でアピールしていくのかということも、事業計画書に明記しておきましょう。

2.売上計画

 売上計画は、サロンが将来のビジョンを実現するために、毎月こつこつとクリアしていくべき目標です。売上計画を立てるさいは、はじめに以下の手順を踏んで、客数と客単価を求めておきましょう。

Step1:客数の設定

 まずは、
月間技術客数
(ひと月に施術を受けるお客さまの人数)
月間店販客数
(ひと月に物販商品を購入するお客さまの人数)
に分けて、客数を求めます。

①月間技術客数
【技術者(スタイリストやカラーリストなど)の数×一人あたりの月間施術客数】
または、
【セット面(スタイリングチェアやシャンプー台など)の数×一台あたりの月間稼働数】
で求めます。
 技術者一人あたりの月間施術客数、セット面一台あたりの月間稼働数は、サロンの規模や技術者のスキル、アシスタントの人数などを参考に設定しましょう。

②月間店販客数
 通常であれば、物販商品を購入するのは、施術を受けたお客さまです。よって、施術を受けたお客さまのうち、どれくらいの方が商品を購入するのか(店販購入率)を考え、
【月間技術客数×店販購入率】
で求めます。

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Step2:客単価の設定

 次に、
①技術単価(カットやカラーなどの施術メニュー)
②店販単価(サロンで販売しているスタイリング剤などの各アイテム)

に分けて、以下の式で客単価を求めます。

①技術単価
 各メニューの金額に、来店したお客さまのうち、そのメニューを利用する方の割合(利用比率)をかけて求めます。
メニューごとの技術単価=メニュー金額×利用比率
→メニューごとの技術単価の合算=技術単価(合計)

②店販単価
 各アイテムの金額に、物販商品を購入するお客さまのうち、そのアイテムを選ぶ方の割合(購入率)をかけて求めます。
アイテムごとの店販単価=商品単価×購入率
→アイテムごとの店販単価の合算=店販単価(合計)
 

Step3:売上高を参考に収支計画を立てる

 Step2までで求めた客数と客単価を使って、次の式で月間売上高を求めます。
月間技術売上高=月間技術客数×技術単価(合計)
月間店販売上高=月間店販客数×店販単価(合計)


 さらに売上高から、賃料、水道・光熱費、人件費、備品購入費などのランニングコストを差し引いて利益がいくら残るかを計算し、収支計画を立てます。クロスやタオルなどの消耗品はなるべく安く調達し、利益に対して費用が大きくなりすぎないようにしましょう。
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 全国に星の数ほどあるサロン。キラリと光るコンセプトやサービスで差別化をしなければ、お客さまはあっという間に他店に足を向けてしまいます。

 「お客さまにキレイになってほしい」、「おしゃれのお手伝いをしたい」という想いだけでは、美容業界で生き残ることはできません。施術メニューや空間、サービスにおいて何を売りにするのか、どのように売上を増やしていくのかを記した事業計画書を、サロンの土台に据えましょう。そうすることで、トラブルや経営不振に悩んだときも原点に立ち返り、何度でも経営の軌道修正ができるのです。

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