集客方法・HP制作

マクドナルドの事例からわかる愛されるお店の作り方!

開店ポータル編集部
2020/10/19

『マクドナルド』は知らない人は居ないと言っても過言ではないほど、誰もが知っているファストフード店の1つです。

実際、マイボイスコムの2019年の調査では『直近1年で行ったファストフード店』で、マクドナルドと答えた人は85.1%で5回連続1位という結果になりました。単純に考えて、日本人の約80%はマクドナルドを利用するということになります。

創業から50年経った今も尚多くの人々に愛され、求められ続けるのにはどのような理由が隠されているのでしょうか。

本記事ではマクドナルドの例をもとに、末永く愛される飲食店を作るコツについて考えていきたいと思います。

マクドナルドにも低迷期があった


50年以上、全国に店舗展開をし続けてきているマクドナルドも、創業からずっと好調だったわけではありません。

2014年に相次いだ不祥事

マクドナルドの経営危機は2014年の『期限切れチキン』が発端で起こりました。期限切れチキン問題は大々的に報じられ、経営に膨大な影響を与えたことはいうまでもありません。

その後も『ナゲットにビニールが混入』、『ポテトに人間の歯が』といった異物混入が相次ぎ、消費者のバッシングを更に強めてしまうことになったのです。

食の安全や清潔さは外食産業では消費者に最も求められていることであると言っても過言ではなく、マクドナルドは『食の安全』への信頼を失ったことで、ますます売り上げを落とすことになります。

2015年には235億円の赤字に

そして、2013年には115億円の利益があったマクドナルドは、2014年の不祥事を皮切りに業績を落とし、2015年には235億円の赤字を記録しました。

参考:日本マクドナルドホールディングス 連結決算推移

日本マクドナルドホールディングス(HD)によると、2015年1~10月末までに閉店した店舗は79店舗、そして同年12月末までに約80店舗が閉店し、ピーク時(2002年)に3890店舗あった店舗は一気に3000店舗を割ったといいます。

しかし、上記のグラフをみて気になることがありませんか。そうです。2015年の大赤字以降、マクドナルドは何故か売り上げV字回復に成功しており、年間の営業利益の黒字化にも成功しているのです。

それは一体なぜなのか、次項にて解説していきます。

マクドナルドのV字回復!復活劇


2015年に大きく営業利益を落としたマクドナルドは、翌年2016年から売り上げのV字回復および黒字化に成功し、その後2018年の営業利益は約260億円、2019年は約280億円と好調です。

そして今年2020年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、外食産業は大打撃を受け、多くの店舗が閉店しましたが、マクドナルドは今年の最終営業利益予想を約300億円としています。

イレギュラーな事態を物ともしないマクドナルドの驚異的な復活劇にはどのような経営戦略が隠されていたのでしょうか。

不採算店舗の閉店

先述にマクドナルドが期限切れチキンや異物混入の食品を提供したことによる『食の安全』への信頼低下について触れました。2015年以降は計150店舗以上を閉店し、採算の改善を図ることから始め、表参道などおしゃれな一等地にたたずむ店舗などもその対象として力をいれる店舗を絞ることにしたのです。
 

特に、表参道もしかり、接客の質や店の清潔さなどは周辺にある競合他社の影響を受けやすくなります。もし店舗の近くに新しいハンバーガー店ができれば、確実に競争環境が生まれますし、影響を与えられるものです。常に不採算店舗を洗い出し、取捨選択するという採算改善は見極めが難しいものの、大切な作業であり、マクドナルドの復活劇を大きく支えた一因となりました。

SNSの活用

また、マクドナルドはSNSを積極的に活用し、特にTwitterを主に活用したキャンペーンなどを実施ながら顧客参加型のイベントを行いました。例えば、2016年2月に発売された『北海道産ほくほくポテトとチェダーチーズに焦がし醤油風味の特性オニオンソースが聞いたジューシービーフバーガー』のメニュー名があまりにも長いのでTwitterを活用して、一般利用客に命名を募ろうというキャンペーンです。
 

応募総数は500万を超え、結局ハンバーガーの名前は『北のいいとこ牛っとバーガー』に決まりました。

実際に、Twitter上でも連日『#名前募集バーガー』というハッシュタグが話題になったことで、多くの人にマクドナルドのユニークなキャンペーンを知ってもらうきっかけになった上に、発売前から購買意欲を極限まで掻き立てることに成功した一大イベントとなったのです。

これが開催されたのは膨大な赤字となった翌年2016年のことですから、SNSを活用したイベントにより話題性を持たせたことや新規顧客を獲得できたことで、V字回復につなげることに成功したとも言えるのではないでしょうか。
 

顧客の声を反映する

異物混入などの諸問題により急落したファミリー層からの信頼を取り戻すため、マクドナルドはもう一度顧客が『マクドナルドに何を求めているのか』、顧客の声を拾いなおすところから始めたと言われています。

とりわけマクドナルドが重視したのは、『ママ』で、そもそもファストフードを子供の教育上あまり食べさせたくないと感じる母親も多いことから、まずは若い母親世代の年齢層に目を付けました。

マクドナルドは実際に、ママたちの声を聞くべく『タウンミーティング with ママ』を実施し、延べ352名のママとの話し合いを行いました。議題としては、食品品質向上のためにしてほしいこと、また、安心安全に関することから店舗体験の向上などです。

同ミーティングで出た顧客からの意見については、2015年から『Webサイトメニューページの改善』、『主要商品パッケージのQRコードを分かりやすく表示』、『野菜が多く、暖かいメニューとしてスープの提供開始』、『ソフトツイストのカップ提供』などが実現されています。

マクドナルドが愛される理由

このように、マクドナルドは2014年に起こった不祥事によって赤字墜落した経営状態を、わずか1年ほどでV字回復させることに成功したのです。

V字回復に成功したその後も高い人気をモスバーガーなど競合ハンバーガー店を差し置いて、人気店堂々1位を保っているマクドナルドですが、マクドナルドが多くのお客に愛される理由とはどういった理由があるのでしょうか。

・立ち寄り安い場所にある

マクドナルドは世界で最も成功した不動産王だ!とはよく言われたものですが、誰もが立ち入り安い立地にあるのは、人気の秘訣の1つです。というのも、駅をでてすぐ、子供が疲れやすいショッピングモールの中、ドライブスルーで入りやすい場所など、かゆいところに手が届くという表現がピッタリであるくらいに、良い場所にあります。

入りやすい場所にあるというのは、お客を誘導しやすくなるので、おのずと利用者を増やすことにつながっているということでしょう。

・客層を選ばない豊富なメニュー

マクドナルドには、ハンバーガー単品で600円以上する高価なハンバーガーから、100円でいただける安価なハンバーガー、そして、朝マックやマックカフェなど、豊富なメニューを取り揃えています。

要は、ターゲットをあえて絞っていないことで、あらゆる年齢層、客層にアプローチができ、それぞれ分散して訴求することができているということです。

お客はそれぞれ自身に合った、気に入ったメニューを注文することができるので、大人数で来店しても、食べたいものがないという人がほぼ居ない状態を作ることができます。

よく、親子の集まりや部活帰りの子供たち同士で利用しているグループなども見かけますが、『誰もが食べられるものがある』というのが多くの人に愛される秘訣と言えるでしょう。

・人気アプリ『Pokémon GO』とのコラボ

マクドナルドはPokémon GOが日本でリリースされたと同時にコラボレーションをはじめ、日本で最初のPokémon GOパートナー企業となりました。国内のマクドナルド店舗でPokémon GOを通して様々なアクションを起すことができます。
 

そして、ポケストップとしてゲーム内のマップ上にも表示させることができるので、Pokémon GO利用者で、これまでマクドナルドを利用したことがあまりなかった人も、ゲーム目的で利用するケースが増えました。

このように、人気アプリとコラボすることも、新規顧客の獲得やリピート顧客増加につなげることができます。

・斬新なキャンペーン

先述にもSNSによる名前募集バーガーのキャンペーンについて解説しましたが、マクドナルドはそれ以外にもマクドナルド総選挙や、人気定番バーガーに、期間限定のスペシャルトッピングをアレンジしたマクドナルドお勧めの“裏メニューが楽しめる企画など、斬新なキャンペーンを数々行ってきました。

キャンペーンに話題性を持たせることで、口コミによる拡散も期待できると同時に、定期的にキャンペーンを行えば、より長い期間話題に上らせることができるわけです。

そうしたことの積み重ねで、マクドナルドは今もなお、多くの人々に愛され続けているファストフード店になっていると言えます。

マクドナルドから学べる愛される飲食店になるための秘訣

ここまでに、マクドナルドが経営回復のために行ってきた戦略や、いくつもの不祥事があってもなお愛され続けている理由について解説いたしました。

個人飲食店、チェーン店、フランチャイズ店問わず、すべての飲食店に共通して、マクドナルドから学べる『愛される秘訣』は

①食の安全に対する信頼を獲得すること

②お客の立場に立ったサービスを提供すること

③話題性のあるキャンペーンを実施すること

④SNSを活用すること

です。

①食の安全に対する信頼を獲得すること

飲食店で提供される食事に安全性が確保されていることは、当然のことで、マクドナルドのように、そこに対する信頼が欠けてしまうと一気に赤字に転落してしまうのはもちろん、経営ができなくなってしまう可能性もあります。
 

また、現在は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、食の安全だけではなく、店舗自体の衛生環境や感染拡大防止対策の徹底なども信頼できるお店かどうかの物差しの一つとなってきているのです。

安全であることは当たり前のことですが、当たり前が当たり前に実施されていることで顧客からの信頼を獲得でき、末永く愛されることができるでしょう。

②お客の立場に立ったサービスを提供すること

また、お客の立場に立ったサービスを提供することももちろん重要です。それは立地であったり、駐車場の有無、メニュー表示、お手洗いの場所、注文を聞きに行くタイミング等料理だけでなく、細やかな部分まですべてです。
 

注文を聞きに行く行程などは、タブレットなどで効率化している飲食店もありますが、手厚い接客をすることが一番というわけではもちろんありません。お客がどんなサービスがあったら便利で、どんなサービスがあったら喜んでもらえるのか、そこを一番に考えることが重要です。

定期的にアンケートなどを実施して、声を聞き入れて反映すると良いかもしれませんね。

③話題性のあるキャンペーンを実施すること

マクドナルドのように大々的なキャンペーンはできなかったとしてもSNS等を利用して類似のキャンペーンを行うことで、話題性を持たせることができるようになります。

そうすることで、口コミの拡散が期待でき、新規顧客の獲得につなげることができるでしょう。
 

④SNSを活用すること

新規顧客の獲得やお店のアピールにはSNSの活用も欠かせません。SNSの利用方法が分からないという方は、繁盛しているお店のSNSなどをチェックして、写真の撮り方や文章の書き方、投稿の仕方などを研究してみると良いでしょう。

インスタグラムは特に、インスタグラムからテイクアウトの注文を受けることができたり、DMで予約を受け付けたりする飲食店も増えてきています。予約を受ける窓口や、注文を受ける窓口をいくつも持っておくことで、入口を広くできますので、顧客の取りこぼしをなくすことにもつなげられます。

飲食店の集客でSNSの活用はなぜ必須?メリットや注意点について解説
 

まとめ

ドライブスルーや、ショッピングモール内など、どの店舗も繁盛しているように見えるマクドナルドも、実は様々な不祥事で赤字転落した過去があったのです。

しかし、顧客のことを一番に考えたサービス展開や、話題性のあるキャンペーンの実施など、様々な経営戦略も相まって、マクドナルドは50年以上も多くの人々に愛され続けています。

これがチェーン店だから、大手企業だからというわけではありません。当然、採算が取れなければ、そのまま続けても赤字が膨らむだけですので、個人飲食店でもチェーン店でも閉店は免れないのです。

しかし、採算が取れないときこそお客のニーズに目を向けなおしたり、戦略転換を行ったりすることで、長年愛される飲食店へと成長していくことができるのではないでしょうか。
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開店ポータル編集部
2020/10/19