コスト削減

飲食店納入業者に給付金支給!仕入れについて飲食店が気を付けたいこと

開店ポータル編集部
2021/01/12

 

新型コロナウイルス感染症の拡大により、1都3県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)を対象に、2021年2月7日までを期間とした緊急事態宣言が再発令されました。また、大阪、京都、兵庫の関西3府県についても対象区域に追加する方針が示されました。

飲食店には再度、時短営業が要請されていますが、この影響は飲食店にとどまらず、店舗と直接取引をしている関係業者にも大きなダメージとなります。これを受け政府は、時短営業を行う飲食店の納入事業者に向けて給付金を支給する方向で調整を進めています。

本記事では、緊急事態宣言による時短営業に伴う施策となる「飲食店の納入業者に向けた給付金」について詳しく解説してまいります。

 

飲食店納入業者に給付金支給の方針

緊急事態宣言の再発令で、時短営業を行う飲食店の取引先や納入業者を対象とした給付金についての詳細は以下の通りとなります。

・対象者

支給の対象者は、首都圏1都3県の飲食店と直接取引している業者に加え、農家や漁業者など間接的な取引先も想定されています。

・支給額

現時点で給付金の支給開始時期は、3月以降になる見込みとなっています。

  • 中小企業:最大40万円
  • 個人事業主:最大20万円

・支給要件

全国の食材の納入業者などが対象となる給付金の支給要件は、1月もしくは2月の売上高が前年同月に比べ半分以下になった場合となります。事業者には申請時に取引形態を説明してもらうことが必須となります。

また政府は、昨年2020年に新型コロナウイルス対策における持続化給付金施策で不正受給が発覚したケースも踏まえ、申請段階で税理士や公認会計士といった第三者による確認を求めることも検討しているということです。

飲食店納入業者の現状

緊急事態宣言による時短要請に伴い、売り上げの大幅な減少や経営危機に関する問題は、飲食店ばかりがクローズアップされがちですが、飲食店と同様に影響を受けるのが取引先である納入業者です。

商材や商品の売り手である卸業者や納入業者と、買い手となる飲食店の取引が始まらないことには、購買活動は生まれず飲食店納入業者も売り上げを確保することができません。休業や短時間営業により飲食店が仕入れの回数や量をセーブしているため、そうした納入業者なども大きな影響を受けているのが現状です。

また、納入業者の倉庫から出ていく商品の減りが遅くなり、抱える余剰在庫が増えています。また、従来は効率よく詰め込んで運搬していたトラックも、今は空きスペースが多い状態で走ることになるので、運送回数が多くても逆に赤字になるケースも見られます。納入業者の中には、少量生産をして、特定の飲食店にだけ納入しているようなところもあります。小さな生産者であれば、体力も少なく、新たな販路を見出すのも大変でしょう。
 

そんな状況を打破しようとする納入業者の中には、飲食店が仕入れの予算を抑えられるよう、採算度外視の価格で食材を販売している業者もあるようです。さらには、物産の納入業者が数社で団結し、生鮮ECサイトを立ち上げるなど新しいルート開拓を始めるケースなども見られます。詳しい例については、次項の”コロナ禍で「仕入れ」について考えるべきこと”を参考にしてください。

飲食店がコロナ禍で「仕入れ」について考えるべきこと

新型コロナウイルスの影響で、外食業を営む飲食店は新しい生活様式に応じて売り上げを確保していくため、テイクアウトやデリバリーの導入やECサイト運営など、新たな業態を取り入れたり、業態転換する店舗が増えつつあります。その流れを踏まえ、飲食店の納入業者も、これからの「仕入れ」についての形について見直していく必要があるといえるでしょう。

・仕入れプロセスのオンライン化

飲食店の生命線といえる食材の仕入れですが、最近ではすぐに使えて便利なオンラインのルートを活用する飲食店が増えています。今までは特定の納品業者から様々な分野の商品を一括で納入していた店舗も、食材にあわせて卸会社を使い分けて無駄を出さないようにする流れも広まりりつつあります。
そこで納入業者の視点から、自社の商品をより多くの販売ルートを確保するため、業務用の食材卸売サイトやECサイト等のオンライン上で出店し新規取引先を開拓してみてはいかがでしょうか。プランや手数料は発生しますが、買い手となる飲食店や企業は全国規模となりますので、提携店の拡大が見込めるでしょう。

・フードロスの削減

飲食店ではコロナ禍で客足の予測が出来ず、食材の廃棄が増えてしまったり、適切な在庫管理ができず余剰食材が発生しがちなため、仕入れをセーブする店舗が増えています。飲食店の需要が低迷するなか、納入業者としてもフードロスの削減を目的に、新たな販路の開拓が必要となってくるでしょう。その中で、一般の消費者に目を向ける納品業者も増えつつあるようです。例えば、東京の豊洲市場では、飲食店の休業が相次いでいることで、マグロやウニといった高級魚介の価格が下落し、行き場を失う事態に陥っています。

そこで一般消費者向けのネット販売に力を入れる業者も登場するようになりました。また、ある青果の卸売を行っている会社では、余剰食材として行き場を失ったこだわり野菜やお米の詰め合わせを全国各地でドライブスルーの形で販売しています。人との接触を最小限に抑えたかたちで野菜を購入できるだけでなく、生産者の支援にもなると話題になっているそうです。

・コストの見直し

納入業者にとっては商品の納入先のルートや安定した数字の確保が先決ですが、物流にまつわるコストの見直しを図ることも大切です。具体的には、事務処理にかかるシステム費、検品作業などの人件費、商品管理費、倉庫の光熱費、維持費などが含まれます。コスト削減を検討する際には、一部ではなく物流の全体像を見ながら効率化を考えていくことが重要です。

作業の際に紙のチェックシートを使って管理しているのであれば、バーコード管理ができる新しいシステムを導入するのもよいでしょう。また、受注予測を行ったり、仕入れの管理や在庫管理を行うことができるITサービスを導入するのも効率化とコスト削減につながります。特に今後、ECサイト等の参入を検討する納入業者は是非、この機会にシステム全体のIT化を図ってみてはいかがでしょうか。提携や活用できるビジネスの幅が広がり、ヒューマンエラーも防ぐことができて、正確でスピーディーな業務を行うことができるシステムのデジタル化は、人件費も含めたコスト削減に大きく貢献してくれます。


まとめ

今回は、緊急事態宣言による時短営業に伴う飲食店の納入業者に向けた給付金について詳しく解説してまいりました。今回の緊急事態宣言では、納入業者の経営悪化を懸念し、時短に応じない飲食店が一定数存在するのも事実です。世論の流れは、時短要請に応えた飲食店だけでなく、納入業者や生産者など直接的や間接的にも影響を被るすべての人へ補償制度や給付金の交付を行うべきだという声が広がっていますので、今後の動向も見逃さないようにチェックしていきましょう。

 

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開店ポータル編集部
2021/01/12