資金計画

新型コロナの影響受けた飲食店が申請できる『家賃支援給付金』

開店ポータル編集部
2020/10/27

新型コロナウイルスの影響によって、売り上げに大きく影響を与えた飲食店は、国内の飲食店のうち約8割に上るとされています。そうした店舗の中には、今後の経営状態も読めず、赤字は膨らむ一方で閉店に至った店舗も多くあります。

そんな飲食店などの事業者の事業継続を支援する施策のひとつとして、『家賃支援給付金』が2020年7月から受付開始しました。

本記事では、新型コロナウイルスの影響を受けた飲食店が申請できる『家賃支援給付金』について解説してまいります。

家賃支援給付金とは?


家賃支援給付金とは、簡単にいうと、売り上げが急激に減少した飲食店などの事業者の家賃を補助しようというものです。

ここでいう家賃とは、経営者の自宅の家賃ではなく、飲食店を営んでいる店舗の家賃を指します。ですので、『家賃』といわれるくらいですから、持ち家で事業を行っている場合は対象とはなりません。前提として大家さんなどから場所を借りて事業を行っている場合に限られます。

詳しい対象店舗等については後述しますのでこのままご覧ください。

家賃支援給付金の概要

ここからは、家賃支援給付金の概要について項目ごとに詳しく解説していきます。

家賃支援の給付対象者

家賃支援の給付対象者は、飲食店の中でも、法人の飲食店と個人事業主による飲食店で陽光が変わってきます。

<法人の飲食店の場合>

以下のすべてにあてはまる方が対象となります。

1、2020年4月1日時点で、次のいずれかにあてはまる法人であること。

(1)資本金の額または出資の総額が10億円未満であること

(2)資本金の額または出資の総額が定められていない場合は、常時使用する従業員の数が2,000人以下であること

2、2019年12月31日以前から事業収入(以下、売上という)を得ており、今後も事業を継続する意思があること。

3、2020年5月から2020年12月までの間で、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、以下のいずれかにあてはまること。

(1)いずれか1か月の売上が前年の同じ月と比較して50%以上減っている

(2)連続する3か月の売上の合計が前年の同じ期間の売上の合計と比較して30%以上減っている

4、他人の土地・建物をご自身で営む事業のために直接占有し、使用・収益をしていることの対価として、賃料の支払いを行なっていること。

<個人事業主の飲食店の場合>

以下のすべてにあてはまる方が対象となります。

1、2019年12月31日以前から事業収入を得ており、今後も事業を継続する意思があること。

2、2020年5月から2020年12月までの間で、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、以下のいずれかにあてはまること。

(1)いずれか1か月の売上が前年の同じ月と比較して50%以上減っている

(2)連続する3か月の売上の合計が前年の同じ期間の売上の合計と比較して30%以上減っている

3、他人の土地・建物をご自身で営む事業のために直接占有し、使用・収益をしていることの対価として、賃料の支払いを行なっていること。
 

基本的には、どちらの場合も2019年以前から家賃を支払って借りた建物内で事業を行っており、かつ定められた期間の売り上げが一定程度減少していれば、給付金の対象になるとお考え下さい。

法人の場合は、出資総額や従業員数なども対象になるので、見落とさないよう気を付けましょう。

家賃支援給付金の支援限度額

給付額については以下の通りです。

<法人の飲食店の場合>

給付限度額:計600万円 ※月額にして100万円が限度

(1)支払い賃料などが75万円以下の場合、給付額は支払い賃料×給付率2/3

(2)支払い賃料などが75万円を超える場合、給付額は75万円以下の支払い賃料などに相当する給付金(50万円)+支払い賃料のうち75万円を超える金額×給付率⅓

<個人事業主の飲食店の場合>

給付限度額:計300万円 ※月額にして50万円

(1)支払い賃料などが37.5万円以下の場合、給付額は支払い賃料×給付率2/3

(2)支払い賃料などが37.5万円を超える場合、給付額は37.5万円以下の支払い賃料などに相当する給付金(25万円)+支払い賃料などのうち37.5万円を超える金額×給付率1/3

なお、いずれの場合も定められた給付率や上限の算定方法に従って月額給付額が決定され、6か月分まで需給することができます。

ちなみに家賃の金額には共益費や管理費、消費税も含まれますが、共益費と管理費が規定された契約書と別の契約書で規定されている場合は算定額には含まれません。また、電気代などを家賃と一緒に払っている場合も対象外です。

また、算定される家賃は、申請日の直前1か月に支払った家賃が算定の基礎です。

家賃支援給付金の申請期間

2020年7月14日から2021年1月15日まで

※電子申請の締め切りは、2021年1月15日の24時までとなっています。

家賃支援給付金の申請をするときに飲食店が用意するもの

飲食店が家賃給付金の申請をするときに必要な書類は主に下記の書類です。

①2019年分の確定申告書

②法人事業概況書の表と裏

③電子申告を行っている場合はメールの詳細

④売り上げが下がったときの売上台帳

⑤賃貸借契約書

⑥直近3か月の賃料支払いを照明するもの

⑦通帳

⑧本人確認書類(個人事業主のみ)

ちなみに、賃貸借契約書については、以下の項目をチェックしたうえ、問題ないことを確認してから必要書類として揃えると不備なくスムーズに申請できます。
 

☑①賃貸借契約書だと確認できる箇所に印をつける

☑②土地・建物の契約だと確認できる箇所に印をつける

☑⑥所在地の箇所に印をつける

☑⑧該当する費用に印をつける

☑③押印か署名があるか確認

☑④⑤貸主と借主の名義を確認

☑⑦2020/3/31時点と申請日時点で有効な契約か確認

家賃支援給付金を申請するときの注意点

飲食店で売り上げが落ちて、家賃の支払いが困難になっている飲食店では、是非この家賃支援給付金を利用して、事業継続を行っていきたいところです。

しかし、スムーズに申請書類を揃え、早急に給付金を受給するためにも下記の注意点に注意しておかなければなりません。

家賃の減額をしてもらっている場合

まず、このコロナ禍で家賃の支払いがままならず、大家さんに家賃の減額を申し出ていた飲食店もあるのではないでしょうか。その場合は、直近の家賃支払い額をもとに給付額が確定されますので、その分給付額も減ってしまいます。

家賃の減額をしてもらっていた飲食店は、もとの値段で支払うことに戻ってから、家賃支援給付金の申請を行えば、満額受給することが可能です。

新型コロナの影響で売り上げが減っていなければ受けられない

直近と比べて売り上げが減っていたとしても、昨年同時期と比べて一定数減っていなければ給付支援金の対象とはなりません。

飲食店によっては季節の影響で、売り上げが上がる月、上がらない月とある飲食店もあるかもしれませんが、あくまでも新型コロナウイルスの影響と見られる場合しか対象とはなりませんので、対象期間についてよく調べておくようにしましょう。

必要書類がそろわなければ申請できない

当然必要書類が1つでもそろわなければ、何度も不備で戻ってくることになります。不備で再申請をしているうちに、せっかく集めた書類も、直近のデータとは違ってくる可能性もありますよね。

そうしたことも考慮しながら、スムーズに申請を終え、給付金をスムーズに手に入れられるよう、早め早めに準備をしなければなりません。

まとめ

本記事では、新型コロナウイルスの影響で売り上げが落ちた飲食店が利用できる『家賃支援給付金』について解説いたしました。

 

10月1日からGoToEatキャンペーンも開始され、少しずつ活気を取り戻すため、飲食店は今が踏ん張りどころなのではないでしょうか。国からもコロナ禍でも生き抜く飲食店を支援する様々な制度が準備されておりますので、そうした支援制度なども上手く使いながら、是非、この機会に売り上げV字回復に持っていきたいところです。

 

 

開店ポータル編集部
2020/10/27