経営支援

飲食店でコロナが出たらどうする?今後の流れと対応を抑えよう

開店ポータル編集部
2020/12/25

 

飲食店では、新型コロナウイルスの感染防止のために、営業時間の短縮や店内消毒を実施していることでしょう。しかし、いくら感染予防を徹底していても、従業員が感染してしまう確率はゼロではありません。万が一のことが起こったとき飲食店は、どのような対応をとればよいのでしょうか。コロナ禍において、誰もがその可能性のある現在は、事前に対応を考えておくことは非常に重要なことです。本記事では、もし飲食店の従業員、または利用者が新型コロナウイルスに感染した際の、今後の流れについて解説していきます。

 

※本記事は2020年12月21日時点の情報です。最新情報は各自治体のホームページで必ず確認しましょう。


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飲食店で従業員が新型コロナウイルスに感染した場合

もし、飲食店の従業員が新型コロナウイルスに感染したときには、従業員を診察した病院、保健所から連絡が来ることが一般的です。しかし保健所からの連絡がない場合は、速やかに保健所へ連絡し、今後どう動くべきか相談しましょう。

 

以下では、各都道府県の保健所の電話番号が記載されていますので、参考にしてください。

外部リンク (保健所管轄区域案内 厚生労働省)

 

対応の流れ

こちらでは従業員の感染が判明したときの飲食店の対応の流れについて解説してきます。各自治帯によって詳細は異なる可能性がありますが、一般的な流れは以下の通りです。

 

①保健所へ連絡するor保健所から連絡が来る
②本人は隔離入院もしくは自宅療養をおこなう
③濃厚接触者の特定を行う
④保健所による従業員への聞き取り調査
⑤保健所の指導のもと、消毒を行う
⑥従業員との接触が考えられるお客さまへ、連絡をする
⑦情報開示
⑧張り紙の掲示
⑨店舗の営業自粛(目安2週間)
⑩ほかの従業員の経過観察(2週間)
⑪営業再開の告知
⑫営業再開

 

東京商工会議所では、店舗で新型コロナウイルス感染者が出たときの、初動について対応をまとめていますので、合わせてチェックしてください。

(参考:職場で新型コロナウイルスの感染が疑われたら読むガイド 東京商工会議所

 

 

飲食店が行うこと

飲食店で新型コロナウイルスの感染者が出た場合、行うことは大きく分けて3点です。

 

飲食店が行うこと①濃厚接触者のリスト化

新型コロナウイルス発症2日前~入院もしくは自宅療養開始までの従業員の行動調査を行います。行動から濃厚接触の疑いがある「濃厚接触者」をリストアップしましょう。ほかの従業員が濃厚接触者となったときには、14日間の出勤停止が求められます。

 

飲食店が行うこと②濃厚接触者の観察

リストアップした濃厚接触者の健康観察を実施します。期間は罹患した従業員と最後に接触があった14日間が目安です。14日間以内に濃厚接触者から新型コロナウイルスが確認されたときには、速やかに保健所に連絡しましょう。

もし店内においてクラスター(集団感染)が発生した場合、飲食店の休業・外部への発表が行われる可能性があります。

 

飲食店が行うこと③店内の消毒

保健所の指導のもと、新型コロナウイルスに感染した従業員が触れた可能性のある場所を消毒します。この消毒は保健所ではなく、店舗が行いますから消毒液は事前に準備が必要です。
手で触れるキッチンやホールの消毒はもちろん、レジ周りやトイレ、ドアノブといった隅々まで消毒しなければなりません。


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飲食店の利用者から新型コロナウイルス感染者が出た場合

飲食店の場合、新型コロナウイルス感染のリスクがあるのは、従業員だけではありません。店舗に訪れる利用者が、新型コロナウイルスに感染している可能性も考えられます。利用者の感染が判明した場合も、保健所からの連絡が入りますから、その日の予約客のリストや、従業員のシフト表をすぐ提出できるよう準備をしておきましょう。

 

飲食店でクラスターが発生したら

また飲食店でクラスター(集団感染)が発生した場合についても知っておきましょう。
クラスターが発生し、感染経路の追跡が難しいときには、感染拡大防止を目的に、各自治で店舗名を公表することになっています。またクラスター発生の原因が、換気不足など飲食店にあるときには、その原因を踏まえた公表となります。

 

(参考:新型コロナウイルス感染症が発生した場合における情報の公表について 厚生労働省新型コロナウイルス感染症 対策推進本部)




 

飲食店が万が一のために事前に用意しておくこと

新型コロナウイルスの感染予防を徹底していても、ときには従業員や利用者から陽性者がでるかもしれません。万が一に備えて、飲食店が事前に用意しておくことをまとめました。

 

保健所との連絡窓口担当者を決めておく

飲食店と保健所の連携は、早急に確実におこなう必要があります。そのため飲食店で新型コロナウイルスの感染者が出たときを想定して、保健所と連絡担当者をあらかじめ決めて起きましょう。担当者の業務は、以下を参考にしてください。

 

・陽性者の勤務状況、最終出勤日、行動履歴に関する情報収集をおこなう
・陽性者が主に働くエリアの確定をおこなう
・陽性者の発症日2日前から患者と接触した濃厚接触者のリストを作成する

 

情報開示をするか決めておく

その他には、店内で新型コロナウイルス感染者が発生したさいに、WEBサイトなどで対外的に情報開示するかどうか決めておきましょう。気を付けなければならないのが、感染者の個人情報をどこまで開示するかという点です。厚生労働省では以下の個人情報は公表しないとしていますので、参考にしてください。(参考:一類感染症が国内で発生した場合における情報の公表に係る基本方針 厚生労働省健康局結核感染症課

 

・氏名
・国籍
・職業
・基礎疾患
・住所

 

新型コロナウイルスに対するデマや、感染者に対する誹謗中傷が起きることも想定できます。よくある質問の回答や、相談窓口を設置して誠実な対応を行いましょう。

 

飲食店の休業期間は約2週間?

飲食店において新型コロナウイルス感染者が発生したときに気になるのが、休業期間ではないでしょうか。よく飲食店のコロナウイルスによる休業は2週間と耳にしますが、2週間の休業は、店舗にとって大きな損失ですから、あらかじめ休業について把握することをおすすめします。

 

一般社団法人 日本フードサービス協会によれば、一般的な衛生管理が実施されているのであれば、感染者が発生した飲食店は、業務停止や原材料の廃棄などの対応を取る必要はありません。しかし店舗の消毒作業や、濃厚接触者を隔離させたことによる人員不足によって、業務が困難な場合は休業が必要です。

飲食店の休業を14日間にすることに、合理的な根拠はないとのことです。

(参考:一般社団法人 日本フードサービス協会


 

不安なことがあれば相談窓口に問い合わせよう

新型コロナウイルス対策を徹底していても、感染はいつどこで起きても決しておかしくありません。つまり誰もが当事者になる可能性があるということです。新型コロナウイルスに対して少しでも不安があるなら、各都道府県の「新型コロナウイルス関連相談窓口」へ問い合わせましょう。

 

東京都であれば「新型コロナコールセンター」へ相談してみてはいかがでしょうか。

(参考;新型コロナウイルス感染症にかかる相談窓口について 東京都福祉保健局

 

まとめ

本記事では、飲食店の従業員や利用者で新型コロナウイルスの感染者が出た場合の対応方法について解説いたしました。

新型コロナウイルスは不祥事ではありません。万が一の事態が起きてしまっても、適切な対応をすることができれば、今後の営業には大きな影響を与えないと言っても過言ではないでしょう。

むしろ、新型コロナウイルスの発生は、どの飲食店、どの店舗でも起こりうることです。冷静な対応を心がけることが大切です。

開店ポータルBizでは、飲食店の新型コロナウイルス対策を始めとして、飲食店のコスト削減や売上アップに関する相談を無料で承っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。


 

 

 

開店ポータル編集部
2020/12/25