経営支援

【飲食店向け連載⑥】IT導入補助金で導入できる予約管理システム

開店ポータル編集部
2021/02/15

さて、前回の連載コラムでは、IT導入補助金を活用した「会計業務の効率化」を中心に、クラウド会計システムのメリットやおすすめの会計管理サービスなどを解説いたしました。

非対面・非接触の会計システムを導入することによって、感染症の対策効果はもちろんのこと、業務効率の改善や生産性の向上なども同時に見込むことができるため、積極的に検討していきたいITツールの一つであると言えるでしょう。

今回は、会計管理システムと合わせて導入することで、さらに効果を見込むことのできる「予約管理システム」について、そのメリットや具体的なサービスなども踏まえながら、わかりやすく解説を進めていきます。

第1回~第5回までの連載コラムはコチラから!

▶︎【飲食店向け連載①】IT導入補助金を利用して整えたい店舗環境《2021年最新版》
▶︎【飲食店向け連載②】IT導入補助金でデリバリーを始めよう《2021年最新版》
▶︎【飲食店向け連載③】IT導入補助金でPOSレジは導入できる?
▶︎【飲食店向け連載④】IT導入補助金で導入可能なセルフオーダーシステムとは《2021年最新版》
▶︎【飲食店向け連載⑤】IT導入補助金で会計業務を効率化しよう《2021年最新版》

予約管理システムとは?


そもそも「予約管理システム」とは、その名の通り、「顧客の予約状況を管理するためのITツール」を指すものであり、個人経営の中小店舗や大手のチェーン店舗などに関わらず、近ごろでは大小さまざまな店舗で導入が試みられるようになりました。

予約管理システムを導入することによって、顧客の入力した予約情報などが自動的に反映されるようになるため、これまで手動で行っていた予約情報の入力などの軽作業を省けることで、全体的な業務効率の改善を期待することができます。

予約管理システムのメリット


予約管理システムの大きなメリットとしては、「手動で行う予約管理よりも迅速かつ的確に現在の予約状況を把握することができる」という点が挙げられます。

ヒューマンエラーが発生しやすい従来の管理手法とは異なり、予約管理システムを活用することによって、より迅速かつ正確に予約情報を管理することができるため、業務効率の改善や人為的なミスの防止に大きな効果を発揮します。

また、各種グルメサイトとの連携機能による集客効果の改善や、予約確定メールの送信によるキャンセル防止の効果など、その他にもさまざまなメリットを見込むことができるでしょう。

予約管理システムの主要サービス


ここからはより具体的に、予約管理システムの代表的なサービスを、3つほどピックアップして紹介します。

ebica(エビカ)


レストランや飲食店に特化した予約台帳システム

Table Solution(テーブルソリューション)


電話自動応答システムを特徴とする予約管理システム

Airリザーブ


各種サイトやブログとの連携機能が魅力の予約管理システム

なぜ予約管理システムが必要なのか?


会社の経営を行う場合、まず真っ先に重要となってくるのが「顧客関係管理(CRM)」という考え方です。

CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客の持つ属性(年齢・性別・職業・年収・地域など)の情報を収集することによって、より最適なマーケティングフローを構築したり、新しい商品やサービスを開発したりするという、いわゆる「顧客とより良い関係を構築するための考え方(またはそのためのITツールそのもの)」を指す言葉です。

そして、このCRMという考え方は、飲食店の店舗経営においても同様に重要であり、顧客ごとの細かな特徴を理解していなければ、そもそも訴求力のあるメニューの開発や居心地の良い空間を提供することが難しくなってしまいます。

予約管理システムを導入することによって、それぞれのグルメサイトを経由して顧客の情報を収集することができるようになるため、想定しているターゲットと来店しているターゲットの比較から、価格の変更やメニューの見直しなどを行うことができます。

IT導入補助金で予約管理システムは導入できる?


予約管理システムのメリットは理解することができましたが、こうした予約管理システムはIT導入補助金の申請対象になるのでしょうか。

まずは、IT導入補助金の対象となる条件を確認してみましょう。

出典:経済産業局説明会における「IT導入補助金2021(仮称)の新特別枠」解説

上記リンクの解釈によると、店舗の業務効率改善を目的としたITツールの導入ということであれば、おおよそのサービスが対象としてカウントされるため、予約管理システムの導入に関しても、IT導入補助金の申請対象と考えて問題はないでしょう。

予約管理システムと一緒に活用できるITツール


予約管理システムと好相性なITツールとしては、以下のようなサービスが挙げられます。

・POSレジ
・SNS運用ツール
・デリバリーサービス
・クラウド会計システム
・セルフオーダーシステム

特に近ごろでは、新型コロナウイルスの影響にともなう外出自粛のニーズから、デリバリーサービスの需要が急激に増加している傾向にあるたね、各社サービスとの連携を実施することで、新たな収入源として新規顧客の獲得などを見込むことができるでしょう。

まとめ

今回は、会計管理システムと合わせて導入することで非常に大きな効果を見込むことのできる「予約管理システム」について、そのメリットや具体的なサービスなども踏まえながら解説いたしました。

予約管理システムを導入することによって、業務効率の改善はもちろんのこと、集客アップやキャンセル防止などのさまざまなメリットを見込むことができるでしょう。

コロナ禍に突入してからというもの、実際の接客をともなう飲食店の現状は、刻一刻と深刻なものとなっています。

こうした状況のなか、IT導入補助金を活用した店舗のDX(デジタルフォーメーション)施策などは、今後の「ウィズコロナ(アフターコロナ)」の時代を生きる飲食店にとっては、ほとんどなマストな取り組みと言えるのではないでしょうか。
開店ポータル編集部
2021/02/15