経営支援

エステの開業に必要な資格や開業手順と、利用できる助成金について解説

開店ポータル編集部
2021/05/24

 

エステの開業については、美容業界を経験したのちにエステを開業させるというケースも増えつつあります。

現在はセルフエステなどの普及も広まり、お客様のニーズに合わせた幅広い業務形態で展開されているエステ業界。

 

しかし、エステサロンでの勤務経験や技術はあっても、「開業」となると何から始めたらいいのかわからない方も多いかもしれません。

 

今回は、エステの開業に必要な資格や開業手順を中心に、エステの開業を検討している方が活用したい補助金・助成金情報もご紹介していきます。

 

エステの開業に必要な資格

エステを開業するために必要な国家資格やライセンスはありません。現在は、独学でエステを学び、個人的に開業している人が多くなってきているのも、資格や免許が必要ないからという理由が多いようです。

 

しかし民間が発行している資格はあります。

 

開業するのに資格が不要とは言え、何らかの肩書きを持っておく方が有利となるでしょう。

民間で運営するエステティック協会等の証明書を店頭に掲げていると、お客様の安心感も高まりますし安心感や信頼度にもつながります。


>エステを開業するメリットは?利用できる補助金や集客方法を解説

エステの開業手順

エステを開業するために必要なものとしては、税務署に提出する開業届のみです。

 

開業届とは、個人で新たにお金を生む仕事を始めたら開業準備から1カ月以内に税務署へ届出が必要な書類です。

 

ここでは、エステを開業させるまでの一般的な手順をご紹介します。

①コンセプトの設定

まずは、コンセプトを設定することからスタートします。具体的なコンセプトが明確になっているほど、自分が理想とするサロンに近づくため、1年以上前から準備を始めているケースが多いようです。

 

自分の強みを分析した上で、経営理念や今後の方針を決定します。周囲にある競合エステと差別化できるようコンセプトを明確化していきましょう。

 

また、どんな地域で、どんなお客様が想定されるのかなど、地域のニーズに合った開業のリサーチや、マーケティング方法の研究も必要です。

②事業計画書の作成とサービス設定

次に事業計画書を作成しましょう。

 

事業計画書は経営の基盤になるだけでなく、銀行のような金融機関や公的機関からの創業融資や助成金・補助金を受ける際にも必要になります。

 

開業時の資金計画や調達の際にも役立つため、多少手間がかかっても作成しておくと後から活躍するシーンが多く助かるでしょう。

 

ここで、自店舗のサービスや料金設定も考えていきます。価格は一度決まってしまうと、開業後に値上げすることが難しくなりますので、長期的な視点で考えることも大切です。

③サロン物件探し

並行してサロン物件を探します。まずは、サロン開業に必要となる資金の計算を行いましょう。

 

必要となる開業資金額は、サロンの経営スタイルやサロン物件の種類、立地などによって異なります。

 

エステサロンは、立地によって期待できる収益が大きく変わるケースも多いので、競合や周囲の状況を事前に調べておきましょう。

④資金調達

資金調達について、活用できる助成金や補助金は積極的に利用したいところです。

 

助成金や補助金の利用は条件によって異なるため、開業前から綿密に計画しておきましょう。

⑤内装工事施工

内装工事を行う場合には、事前に物件の条件を確認しておきましょう。理想のサロンを作り上げるため、サロン内の動線も視野に入れた計画を立てます。

 

資金的な問題で、レンタルサロンを活用するケースもあるでしょう。レンタルサロンでの開業からスタートし、ある程度、収益を確保して軌道に乗ったあとに改めて物件を借りるというのも事業計画のひとつです。

 

もし、レンタルサロンで内装を変えられない場合でも、小物やアイテムも含め、統一感や落ち着ける雰囲気のサロンを目指しましょう。

⑥販促計画と告知準備

ここまで来たら開業間近です!オープン前にサロンの告知や集客につながる広告の準備を強化しましょう。

 

限られた予算の中で効率よくやりくりするためにも、コストの低い広告媒体を優先して利用することをおすすめします。

 

現在の情報発信ツールはSNSが主流ですので、インスタグラムやTwitterの店舗専用アカウントの運用も始めると良いでしょう。!

⑦オープン

コンセプトの設定から、オープンまでは概ね1年くらいかかるのが平均的な期間になります。

 

期間や時間は人によって差が生じますが、余裕を持った開業準備と心構えが必要になるでしょう。

エステの開業時に利用できる助成金・補助金について

エステを開業時、多くのオーナーにとって悩みの種となるのが「資金調達」ではないでしょうか。そこで検討したいのが補助金や助成金の活用です。

具体的な内容や手続きの方法が分からないといった理由で、選択肢から外れてしまうケースも多いでしょう。

 

助成金と補助金の違い

結論としては、まずは助成金の申請を優先し、ある程度開業資金を確保するなどの段階を踏んでから補助金の申請を検討することをおすすめします。

 

以下で助成金と補助金の違いを理解しておきましょう。

 

助成金

助成金とは、返済の必要がない資金を指します。新たに従業員を雇用したり、研修や教育を行う等、適切な雇用を作れると判断した事業所に交付される支援金を指します。助成金は受けとるための要件が決まっているので、それを満たしていればほぼ支給されます。

 

補助金

補助金は経済産業省や中小企業庁が取り扱っている融資・補助金で、助成金と同じく返済は不要です。助成金と補助金の最大の違いは、助成金は申請の条件を満たしていれば受給することができるのに対し、補助金は申請条件が合致していても、審査の結果によっては受給できない可能性があるというところです。
 

【助成金の種類】

助成金は複数種類ありますが、ここではエステサロン開業時に役立つ助成金の種類をピックアップしてご紹介いたします。
 

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、いわゆる非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進す

るため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度です。

 

例えば、アルバイトやパートなどの有期雇用スタッフを、正規に雇用した場合に受給できる「正社員化コース」では、スタッフ1人あたり57万円を受け取ることができます。
 

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、従業員のキャリア形成を促進する仕組みを整えているエステサロンに対して支給される助成金です。従業員の技術訓練やセミナーへの参加、語学の習得などに活用できます。

 

地域雇用開発助成金

地域雇用開発助成金は、地域の雇用を拡大させることが目的の制度です。

 

指定内の地域にエステサロンを開業した場合に受け取れる助成金で、厚生労働省のホームページに対象地域が掲載されています。サロンの場所が該当する場合は申請をおすすめします。
 

自治体独自の助成金

厚生労働省が管轄する助成金以外にも、各自治体でも独自でおおこなっている助成金制度があります。

 

例えば、東京都の「働き方改革助成金」は、フレックスタイム制や短時間勤務制度などを採用することで助成金が受け取れます。それぞれの自治体によって、申請条件や金額が異なるため、地域の助成金も調べてみましょう。

 

【補助金の種類】

補助金は、設備投資をサポートすることを目的に支給されるお金となりますので、事業の拡大や成長させるためのシステムの導入には補助金を活用することができます。
 

IT導入補助金

IT導入補助金はその名の通り、IT関連の補助金です。

 

エステ経営においては、ホームページ作成・予約ソフトの導入・POSレジシステムの導入・財務管理システムなどの導入などの資金として使うことができます。

 

この補助金は審査が通った後に実際の導入をすることができるため、予算がない場合でも先立つお金が用意できないときでも申請することができます。

 

小規模事業者持続化補助金

こちらは事業を持続させるための費用として使うことができる補助金です。

 

サロン経営では顧客獲得のためのチラシ作成費用・バリアフリーを目的とした改装費用・展示会への出店費用・新規顧客獲得のための設備投資などに使用できます。

 

ものづくり補助金

ものづくり補助金は「中小企業が単独では実施することができないブランド化戦略・新商品開発・生産プロセスの改善などに活用することができる」と定義されている補助金です。

 

エステ経営はサービスを提供するものですが、新規商品やメニューの開発・宣伝・販促費としてこの補助金を使うことができます。

 

自治体の補助金

各自治体によっては、特色のある補助金を用意しているとこがあります。エステを管轄している自治体がどんな補助金を用意しているか一度調べてみるといいでしょう。

>2020年 美容室・サロン経営者が申請すべき助成金・補助金はこれ!【相談無料】

エステの開業時に助成金・補助金を使って導入できるサービス

POSレジ

様々な業態で活用されているPOSレジですが、POSアプリ型は導入コストが低く、設置スペースも取りませんので、エステサロンのイメージに合わせた店舗に馴染みやすい統一感を演出することができます。

 

商品管理機能がついたPOSアプリであれば、会計時の商品販売状況と在庫管理が連動します。施術のために必要な商品の状況がひと目でわかるので、商品管理に使っていた時間の削減にもつながります。

>小規模飲食店におすすめのタブレットPOSレジ5選

顧客管理システム

顧客管理システムを活用して、どのお客様がどのくらい来店しているか、これまでどのような施術をしたかなどのデータがすぐに把握することが大切です。

 

現在は、POSレジ(POSアプリ)に顧客管理機能が備わっているものが主流となっています。POSアプリの顧客管理機能を使えば、データ管理に割く時間が短くなります。

 

スタッフごとの売り上げ管理機能なども活用すれば、お客様の満足度を高めるサービスの提供にもつながります。

予約システム

大手ポータルサイト経由からの予約は便利な半面、多くの競合店の情報も掲載されているため、顧客の定着やリピーター獲得に関しては

課題があります。

 

自社独自の予約システムは、予約の取りこぼし軽減と口コミ拡散で集客率や売上アップが見込めるでしょう。ポータルサイトに頼らない集客を考えていきたいエステ店におすすめのシステムです。

>サロン・店舗の予約受付はLINEを活用するのがおススメ!

SNS運用代行

SNSを上手に活用できれば、お客様との接点を増やせるということです。

広告費をかけずに集客を目指すならSNSの活用がおすすめです。instagramやGoogleアカウントの運用代行サービスを利用することで、リピーターを含む集客率のアップが見込めます。

 

人材紹介サービス

即戦力を求めた人材採用を検討する場合には、人材紹介サービスを活用することで、自店舗にマッチする優秀な人材を探すことができます。

 

経験者募集や外国人採用など、職種・業種ごとに、採用や人材育成に力を入れている人材派遣型や紹介型など、独自のウリを持つ人材紹介サービスの需要が高まっています。
 

感染症対策サービス

コロナ禍では、感染症対策に力を入れたエステサロン作りは必須です。

 

空気清浄機や検温設備、消毒設備の導入等のウイルス対策は欠かせません。エステの施術では実際に顧客に触れるため、とくに衛生対策や感染防止対策を徹底する必要があるでしょう。

 

店舗や法人用として展開されている除菌グッズや設備もチェックしておきたいところです。

>【美容室開店】コロナ禍の意識調査からみる開店準備ポイント!


まとめ

エステを開業する場合、事業計画の段階からしっかりと開業手順をおこなっていきましょう。そして、利用できる助成金や補助金はどんどん活用したいところです。
 

コロナ禍でストレス解消や癒しが求められる現在、エステ業界の需要はさらに高まっていくことが予想されています。

これから開業をお考えの方は、他店と差別化を図りお客様に支持されるエステサロン運営を行っていきたいですね。そのためにも、事業計画の段階からしっかりと開業手順をおこなっていきましょう。そして、利用できる助成金や補助金はどんどん活用していくためにも情報のアンテナは張っていきましょう!
 

開店ポータルBizでは、お店にあった助成金や補助金探しをお手伝いしています。

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開店ポータル編集部
2021/05/24