経理・会計

飲食店向けのPOSレジって?種類や選び方のポイント、導入メリットを解説!

開店ポータル編集部
2020/10/15

飲食店の運営において欠かせない設備のひとつであるPOSレジ。
飲食店の会計時、現金のやり取りを行うだけでなく、お客様の情報管理やセルフオーダーシステムなどの役割もあり、POSレジを活用することで店舗の売上アップやサービスの向上を目指すことができます。

本記事では、飲食店向けのPOSレジとはどのようなレジなのかについて解説するとともに、POSレジの種類や選び方のポイント、導入メリットなどについても詳しく解説します。

POSレジとは?


飲食店の会計時に使用するレジ端末には、おもに「レジスター」と「POSレジ」の2種類があります。
今もなお、多くの飲食店が使用しているレジスターは、お客様が支払う金額の計算、販売する商品の登録を行うためのレジシステムです。

一方、POSレジは「Point Of Sales」の頭文字をとったもので、日本語では「販売時点情報管理」を意味しています。お会計の際に金額を計算するだけでなく、お客様とのやり取りを行った時点で、販売情報を集計から管理、分析までを行うことができます。
POSレジの中には、会計や売上だけでなく、在庫や勤怠状況といった便利な機能をタブレットで管理できるPOSシステムなども販売されています。

次章では、POSレジの種類について詳しくみていきましょう。
 

 

POSレジの種類

POSレジには、大きく分けると「タブレット型POSレジ」「据え置き型POSレジ」「PC型POSレジ」の3種類があります。これらは、POS機能を持つレジですが、機器の大きさや使いやすさなど、それぞれ特徴が異なります。

ここでは、3種類のPOSレジの特徴についてさらに詳しくみていきましょう。

タブレット型POSレジ

最近では、カフェや小規模の飲食店でよく見かけるようになったiPadやAndroidを使用した「タブレット型POSレジ」。手持ちのタブレット端末でもPOSレジ専用のアプリをインストールすることで、タブレットがPOSレジとして利用できるようになります。

「タブレット型POSレジ」は、ターミナル型POSレジやPC型POSレジに比べて、比較的に低コストで手軽に導入できるため、多くの店舗で利用されています。

またタブレット型POSレジは、見た目もコンパクトなため、飲食店の雰囲気に馴染みやすいという点もポイントです。また直感的な操作性に優れた設計となっているため、新人スタッフでもレジ操作を覚えやすいという点も魅力の一つといえるでしょう。

ターミナル型POSレジ(据え置き型POSレジ)

つづいては、「ターミナル型POSレジ」。据え置き型レジとも呼ばれています。金額を入力するキーボード部分と現金を投入するドロワーのあるPOSレジとなっており、ターミナル型POSレジは、スーパーやコンビニ、飲食店などよく見かけるタイプのPOSレジともいえるでしょう。

一般的に、POS機能の付いていないレジのことをレジスターと呼びますが、レジスターにそのままPOS機能が搭載されているレジのため、従来のレジからスムーズに移行できるといったメリットがあります。
「ターミナル型POSレジ」は、従業員の年齢層が高い場合やレジ操作に慣れていないスタッフが多い場合にとくにおススメのPOSレジです。

PC型POSレジ

最後にご紹介するPOSレジは、「PC型POSレジ」。このタイプのPOSレジは、PCにPOSシステムをインストールし、レジ機能を付けたPOSレジです。ターミナル型POSレジとは異なり、キャッシュドロワーやレシートプリンターは別途接続する必要があります。「PC型POSレジ」は、ターミナル型POSレジと比較すると導入コストが低く、コストパフォーマンスに優れたPOSレジであるという点は魅力といえます。その理由として、PCやPOSシステムが故障した場合、どちらかを修理や入替えを行うことで再利用することができるためです。
 

PC型POSレジの注意点としては、操作がやや難しい場合があるため、使い慣れるまである程度の時間がかかるという点です。PC型POSレジの多くは、レジメーカー独自のPOSシステムであるため、操作も独自のものになります。そのため、新たにPC型POSレジを導入する場合は、他のPOSレジに比べて、スタッフのレジ操作研修に有する時間が必要となるケースが多いといえるでしょう。

次章では、さらにPOSレジの魅力を深堀するため、飲食店へPOSレジを導入するメリットについて詳しくみていきましょう。

飲食店へPOSレジを導入するメリット

ここでは、飲食店へPOSレジを導入する3つのメリットをご紹介します。

メリット①業務効率化と人件費の削減が可能に

POSレジを導入する一番のメリットは、作業効率化を図ることができるため、人件費の削減が期待できることです。従来のレジスターでは、会計しかできなかったことがPOSレジを導入することで、会計業務に加え、売上管理や分析、在庫管理などもすべて一目で確認することができます。そのため、これまでかかっていたムダな作業が減り、人件費も削減できる点はメリットといえるでしょう。

メリット②POSの売上データから分析ができる

飲食店へPOSレジを導入すると、集めたPOSデータから売筋商品や注文の少ない商品を分析できるため、今後の在庫の発注やメニューに役立てることが可能となります。またメニューを注文する年齢層や注文の多い時間帯などの情報も分かるため、業務効率化のヒントも得ることができます。
このようにPOSデータの分析により、お客様のニーズに合わせたサービスや料理の提供ができることで、客単価アップやコスト削減を図ることが期待できます。

メリット③打ち間違いを防ぐことができる

POSレジへあらかじめメニューごとの価格設定を行うことで、従来のレジで発生していた金額の打ち間違いによるヒューマンエラーを防止することが可能となります。また会計時の売上データはリアルタイムでネット上へ反映されるため、レジの締め作業を行うときも金額が合っているかどうかの確認も一目で可能となります。これらの管理を徹底することで、窃盗や内部不正などによる防犯対策にもつなげることが期待できます

次章では、飲食店に必要なPOSレジ機能についてみていきましょう。

飲食店に必要なPOSレジ機能とは?

POSレジは、販売情報を蓄積できるという特徴を持っており、これらの情報を店舗のマーケティング戦略に活かすことが可能です。

ここでは、そのような飲食店の経営に役立つPOSレジの機能をピックアップしてご紹介します。

顧客管理機能

飲食店向けのPOSレジに必要な機能として、顧客管理機能が挙げられます。
この機能は、販売情報だけでなく顧客情報との連携も可能となります。これにより、顧客情報に合ったメニューの注文履歴を確認できるようになります。POSレジによっては、お客様との会話をメモする機能なども付いているため、注文履歴やメモを活用し、お客様にメニューの提案をすることで追加注文や売上アップに向上を見込めるようになります。
また顧客情報機能は、お客様の来店頻度も把握することができます。これにより、来店頻度の高いお客様やリピーターにつながりそうな潜在顧客を知ることが可能です。リピーターへ、ポイント付与率のアップや特典などを盛り込み提供することで、さらに店舗のファンとなってくれるでしょう。

分析機能

POSレジでは、販売情報を分析する便利な機能もあります。飲食店の販売情報分析は、メニューの変更や開発など今後のマーケティングに不可欠な要素の一つです。さらに飲食店の分析に必要とされる「ABC分析」などもPOSレジで利用できるようになります。POSレジを導入するだけでマーケティングに活用できる点は店舗にとってもうれしいポイントといえるでしょう。

多店舗管理機能

飲食店によっては、チェーン店やフランチャイズ店など他店舗展開しているところも多いでしょう。POSレジは、本部システムによって多店舗展開する店舗でも「多店舗管理機能」により、一括管理することができます。この機能を活用すると、複数の店舗の売上や在庫状況を一目でチェックできるようになります。また、店舗から本部データを見ることもでき、日別・週別・月別など集計データや販売メニューデータなど詳しく把握できるようになります。店舗の売上目標に向けた効果的な戦略を立てることが可能になります。

セルフオーダーシステム

「セルフオーダーシステム」とは、お客様にセルフで料理を注文してもらう機能です。テーブル席にタブレット型POSレジやモバイル型POSレジを置いておくことで、注文を自動化することができます。これまで注文の度にスタッフがオーダーを聞きに行くという手間が省かれるため、店舗の人員コスト削減や人手不足の解消に効果的です。

また最近では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、非接触型の店舗オペレーションが強く求めらるようになっています。セルフオーダーシステムであれば、スタッフとお客様との接触を減らすことができるため、衛生面でも安心といえるでしょう。

予約機能

POSレジのサービスによっては、飲食店向け予約システムとの連携も可能となります。お客様から予約が入ると、POSレジに予約状況が表示され、予約管理の手間を軽減することができます。現在では、電話での予約よりもwebからの予約サービスを利用して飲食店を予約することも増えているため、飲食店にとって非常に便利な機能といえます。自店の予約利用状況を一度確認し、場合によっては予約機能のあるPOSレジの導入も視野に入れるといいでしょう。

飲食店に適したPOSレジの選び方

最後に、POSレジ導入を検討している飲食店が、POSレジ選びで押さえておきたいポイントをご紹介します。

導入目的を明確にする

POSレジを導入する目的は、「食材の管理や仕入数をしっかり把握したい」「客単価アップに向けて、気軽に注文できるシステムを導入したい」など店舗によってもさまざまでしょう。
とくに、高機能が搭載されたPOSレジは非常に魅力的といえますが、それなりに費用も高額であり、将来的に維持費の支払いが難しくなる場合もあります。そのため、店舗の目的や予算・計画に応じたPOSレジを導入するようにしましょう。

店舗の方向性とマッチしたPOSレジを選択する

POSレジの導入を検討する場合は、店舗のこれからの方向性と合ったPOSレジを導入する必要があります。たとえば、いづれ店舗数を増やしていく予定であれば「拡張性の高いシステムを導入する」。個人で運営する飲食であれば、「低価格でシンプルなPOSレジを選択する」などです。このように、店舗によっても方向性は異なるでしょうから、今後の方向性を見据えてPOSレジを選ぶことをおススメします。

サポート体制の整っているメーカーを選ぶ

POSレジを導入する際は、レジが故障したときの保証やサポート体制がしっかり充実しているかといった点もチェックするポイントです。いきなりPOSレジが故障して使用できなくなった場合、メーカーのサポートセンターに問い合わせる必要がありますが、サポートセンターの受付時間外など長時間レジが使えない状態になってしまうリスクも考えておかなくてはいけません。万が一の場合に迅速なサポートが受けられるよう、保障やサポートが手厚いPOSレジメーカーを選ぶと安心です。
 

 

まとめ

今回は、飲食店向けのPOSレジの種類や選び方のポイント、導入メリットなどについて詳しく解説しました。飲食店の運営において、POSレジを上手く利用できれば、店舗の業務効率化やリピーターの獲得に繋がり、売上の向上も見込めるようになります。現在、POSレジの導入を検討している飲食店オーナーは、ぜひ今回の記事を参考に先を見据えたレジ選びを行い、店舗に合ったPOSレジを導入しましょう。

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開店ポータル編集部
2020/10/15