物件探し

ATMの跡地が続々とテイクアウト専門店に!?

開店ポータル編集部
2021/09/07

コロナ禍では、依然として飲食店にとって厳しい経営状態が続いています。

しかし、コロナ禍だからこそ店舗営業するには最適だと言われている、ATM跡地を活用したテイクアウト専門店が続々と増え話題となっています。

 

そこで今回は、なぜいまATM跡地を利用して開業しているのかその理由と、併せて実際に開業している店舗のご紹介などお伝えしていきます。

 

これからテイクアウト専門店を開業する方は、ぜひ参考にされてみてください。

ATMが減ってきている理由

近年ではキャッシュレス化が普及し始めると伴に、ATMの利用も減少傾向にあります。

 

下記の表からも分かるように、緩やかではありますがATMの設置台数が減少しているのがわかるでしょう。そして今後もインターネットバンキングなどの普及も加速していく中、さらに減少傾向を辿るものと予想されます。

 

今後もATM設置は減少していくものと考えられます。

画像参考:https://www.smbc.co.jp/kojin/special/inside/atm/

 

そして、このATM跡地を活用しているのがテイクアウト専門店です。コロナ禍では、人々が求めるニーズの変化に伴い経営の多角化や業種転換などを考えている経営者も増えてきています。

ATMがテイクアウト専門店に最適な理由

では、なぜATM跡地はテイクアウト専門店に最適なのでしょう。その理由を3つお伝えしていきます。

狭小だからこその営業スタイル
 

テイクアウト専門店は、商品を売る事さえできれば同じ店舗で製造せずとも営業は可能です。そのため商品は別の店舗にて製造し、販売数だけを卸するのも一つの方法であり投資対効果も期待できます。

 

もちろん、狭小でもキッチンカーのように厨房機器を設置できますので、製造数量は限られてきますが製造と販売、両方行うことも可能です。

業務転換や新規出店がしやすい

コロナ禍では、客足の減少などの理由により飲食店の閉店や倒産などが目立ちました。しかし一方では、商品を持ち帰り自宅で食べることができるテイクアウト専門店の利用が人々の間では浸透しています。

 

それに伴い、テイクアウト専門店に業務転換や新規出店する、といったコロナ禍ならではの傾向も見られています。実際にATM跡地を利用した場合、物件取得費用や改装工事など合わせても約200万円ほどで済み、コストを大幅に削減しながら営業をすることが可能です。

買い物がしやすく立地の良い場所にある

元々ATMが設置されている場所は、駅やバス停付近など人通りもよく店舗を開業するには最適な場所にあります。

特に、テイクアウト専門店のようなちょっと立ち寄り目的のものだけを購入して帰るには好都合と言えます。

ライフラインが必要ない

基本的にATMには、電気は通っていても水道やガスは通っていないことがほとんどです。しかし、テイクアウト専門店であれば、そこで調理する必要がない場合がほとんどなので、水道やガスなどのライフラインが必要ありません。

自宅などで調理をして、それをATMの跡地で売るというスタイルであれば、ライフラインの利用料も抑えて、お店をすることができるでしょう。

 

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ATM跡地、テイクアウト専門店開業メリット

続いて、ATM跡地をテイクアウト専門店に開業するメリット4つをみていきます。

開業、撤去費用を抑えられる

前述したように、コンパクトなATM跡地では改装費用を抑えながら開業することが可能です。

例えば通常客席を設ける飲食店の場合、開業資金として1000万円を必要としますが、ATMでの跡地では約5分の1程度の予算で開業することもできますし、撤去する際もコストを抑えることが可能です。

コストを控えながら雇用の維持を守れる

コロナ禍では、飲食店が大きな打撃を受け雇用を守りながら経営を続けていくことが難しい状況です。

 

インターネット調査会社の「シンクロ・フード」が、503名の飲食店.COM会員を対象に「コロナ禍の雇用状況や人材管理」(2021年3月23日~2021年3月25日)について調査を行ったところ、64.5%もの従業員が解雇や退職を余儀なくされていたことが分かりました。

 

その点、狭小店舗では1~2人の従業員で十分なため、万が一の場合も立て直しを図りやすく雇用の維持を守りやすいといえるでしょう。

密を避けやすい

小さな店舗内では、入店人数も1~2人と限られてくるため密を避けやすい状態にあります。目的の商品だけを購入するため、待ち時間もかからずクレームも起きづらいでしょう。

コンパクトでも助成金などを活用できる

小規模店舗でも新型コロナ感染症対策として、飲食店は時短営業や売上げが減少した場合、助成金や補助金などがさらに拡大しています。

 

受け取った助成金や補助金を活用し生き残りを考えた場合、大規模店舗より返って狭小店舗の方が収益を補いやすい場合もあります。コロナ禍での先行きの見通しが立たない中では狭小店舗の強みとなるでしょう。

 

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このように、ATMの「狭小」「立地の良さ」が幸いし、これまで難しかったコスト面やお店の宣伝効果も期待できますし、これからテイクアウト専門店を開業する方にとっては絶好の機会となるでしょう。

ATM跡地・テイクアウト専門店事例

 

では、実際にどのようなテイクアウト専門店がATM跡地を利用しているのでしょう。以下の3店舗をご紹介していきます。

9平方メートルの食パン専門店「高匠」

昨年の10月2日、東京田園都市線あざみ駅前のATM跡地に、9平方メートルの食パン専門店「高匠」がオープンしました。

 

ATM跡地の雰囲気を活かしつつも、高級感のあるデザインになっており客層の中心は近隣の住民が多く、毎日オープンしてから4時間で完売しているといいます。

 

湯種食パンは、2斤1本850円(税込み)と価格を控えているとありますので、狭小店舗ならではのコスト削減によって、提供できる強みであるといえるでしょう。

参考画像:https://kohoku.keizai.biz/headline/3078/

5坪のサンドイッチ専門店「PANYA-SAN」

昨年の2月17日、浦和駅西口のATM跡地に、5坪のサンドイッチ専門店「PANYA-SAN」がオープンしました。

 

元はATMとは思えないほど、とてもおしゃれで店内も明るく、立地条件も良いことから毎日400食前後の商品が完売しているといいます。

 

このように5坪あれば、商品を並べても開放的な印象になりますし、広さも十分であるといえるでしょう。

画像参考:浦和西口サンドイッチ専門店「PANYA-SAN」レポ!営業時間やメニューなど | Urawacity.net(浦和シティネット)

10坪のプリン専門店「トミーズプリン工房」

昨年3月20日に、都営浅草線戸越駅から徒歩2分、戸越銀座商店街に10坪のプリン専門店「トミーズプリン工房」がオープンしました。

以前は、三菱UFJ銀行のATM跡地とあり手狭でありながらも、製造工場の間口にはちょうど良く、多い時には1日1400個売れる日もあるといいます。

このように、10坪もあれば製造販売も同時に行うことができ工場をほかに持たずとも営業することが可能です。今後は、「ATM跡地にチェーン店を広げようと計画中」とのことで営業のしやすさが伺えます。

参考画像:https://www.tommys-pudding.jp/


ご紹介した3店舗全て、売れ行きの良さからATM跡地がテイクアウト専門店として開業するには条件も良く、多くのメリットが得られていることも分かりました。

そのほかATM跡地は、自動ドアや躯体もしっかりしていることから、今後はこのような営業スタイルがトレンドになっていくのではないかと予想されます。

ATM跡地でテイクアウト専門店を開業する注意点

ATM跡地は、テイクアウト専門店にとって良い条件が揃っている一方で、開業するにあたっては注意しなければならないこともあります。

限られたスペースでの作業

店舗事例でもお伝えしたように、ATM跡地は手狭なため作業スペースをうまく利用しなければならないことが大前提出です。そのため、食パン専門店「高匠」のように製造は工場で行い、商品だけを販売するスタイルも良いでしょう。製造も行うのであれば10坪は必要になりそうです。

水道やガスの取り付け工事は必要

ATM跡地を利用する際は、電気は通っていますが水道やガスの取り付け工事は必要になります。もし必要な場合は、申請するようにしましょう。

ただ、テイクアウトのみの場合は、ただ商品を売るだけというスタイルがおおいので、ガスや水道の取り付けが必要ないことも多いです。

まとめ

本記事では、近年続々と増加傾向にあるATM跡地を利用したテイクアウト専門店

についてお伝えいたしました。

 

店舗は狭くても立地の良い場所に出店することができれば、これまで以上の売上げが見込めることや、開業資金のコストを抑えられるなどのメリットなどから今後、新しい開業スタイルとして定着していくことになりそうです。

 

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開店ポータル編集部
2021/09/07