経営支援

時短営業要請緩和・解除で飲食店が気を付けておきたいこと

開店ポータル編集部
2021/03/25


新型コロナウイルス感染症の拡大で、政府が首都圏に発令していた緊急事態宣言は3月22日で全面解除となりました。およそ2カ月半続いた宣言の解除を受けて、飲食店の時短営業要請も段階的に緩和されます。通常営業への道のりはまだ時間がかかることが予想されますが、徐々に回復へ向けて飲食店では経営存続の対策を講じていかなければいけません。

 

そこで今回は、時短営業要請緩和・解除で飲食店が気を付けておきたいことを解説してまいります。

 

時短営業要請緩和

政府が首都圏に発令していた緊急事態宣言は3月22日に全面解除されましたが、感染再拡大を防ぐ対策は自治体と調整し、段階的に緩和しながら継続する見込みです。飲食店の時短要請も徐々に緩和していく方針です。なお、先月2月で解除された西日本エリア全域を含む府県についても、自治体によって独自の規制が異なりますが、引き続き時短営業要請が継続されている地域が多くなっています。

午後9時までの営業へ

飲食店に対する営業時間の短縮要請は、首都圏の1都3県(東京・埼玉・千葉・神奈川)はいずれも3月末までの期間、これまでの「午後8時まで」から「午後9時まで」に延ばす方針を示しています。これは、感染の「リバウンド(感染の再拡大)」を回避するための措置として継続されます。現状よりも1時間ほど繰り下げたかたちで、夜間の営業時間を確保することができます。
>>【時短営業要請】飲食店への命令相次ぐ。グローバルダイニングに集中?

東京都は時短要請を4月も続ける方向で調整

政府は3月22日の緊急事態宣言全面解除の際、4月以降については改めて調整していく方針を示していましたが、東京都は解除後の時短緩和の要請を来月も続ける方向で調整に入りました。都では感染者が未だ増加傾向にあるため、午後9時までの時短要請期間は、22日を起点に1か月程度を目安とする案が出ていて、感染状況などを見極めながら詰めの検討を進めていくということです。また協力金は、全面的に応じた場合、今と同じ1日当たり4万円を店舗ごとに支給する方向で調整しています。

協力金は引き続き

時短を要請に応じた店舗に支給する協力金は現在の1日6万円から、午後9時までに緩和した後は4万円に変更されます。3月18日に発表された報道資料より、東京都のケースに見る感染拡大防止協力金は、3月8日から3月31日までの間、営業時間の短縮要請に全面的に協力した場合に支給される総額は一店舗あたり124万円となります。また、4月以降も継続の場合も、午後9時までの緩和は一律1日4万円の支給となります。

>>【時短要請継続】協力金はどうなる?各都道府県の情報まとめ

時短要請が解除された地域

緊急事態宣言の解除が先月2月末で先駆けて行われた西日本の2府4県(愛知、岐阜、大阪、兵庫、京都、福岡)も、解除後より段階的に緩和体制を踏みながら、現在では自治体によっての判断が分かれています。飲食店の方々は自店舗の地域で現在どんな要請が出ているのか都度確認することを意識しましょう。

 

該当地域

前述の該当地域別にみる時短解除状況は以下の通りです。(3月23日現在)

 

大阪府:21時までの短縮要請3月末まで要請

愛知県:3月21日 全面解除(※ただし、名古屋市内に限り3月末まで、22時までの時短要請)

岐阜県:3月7日 全面解除

兵庫県:21時までの短縮要請3月末まで要請

京都府:3月22日 全面解除

福岡県:3月21日 全面解除

 

協力金は?

緊急事態宣言中の時短要請による協力金は一律1日6万円、緩和期間中の時短要請は1日4万円で設定されており、各自治体では期ごとに区切って申請を行っています。全面解除後の協力金の支給はありません。

ちなみに、自治体によって期間の設定は様々ですので、行政のホームページより確認が必要です。

>>【時短要請継続】協力金はどうなる?各都道府県の情報まとめ

時短営業要請緩和・解除で飲食店が気を付けるべきこと

日本フードサービス協会が発表している外食業の事業継続ガイドラインでは、今後の飲食店の営業継続を見据え、コロナ対策を強化した改正も行われています。具体的には、現場の実情に配慮しながら3密(密閉、密集、密接)を避け、手洗いなどの衛生管理の実施、人と人との間隔の確保などを通じて、客と従業員の安全を確保するための参考となる対策が示されています。感染防止や、事業を継続するために店舗営業に必要な取組を具体的に提示していますので、一度チェックしておくとよいでしょう。

(参考:外食業の事業継続のためのガイドラインhttp://www.jfnet.or.jp/contents/_files/safety/FSguideline_201130kai.pdf)

 

変わらぬ感染対策

コロナウイルス対策の基本である「こまめな手洗い」「マスクの着用」「3密を避ける」等は新しい生活様式の浸透とともに常識化されつつあります。飲食店ではそれに加え、さらなる対策を強化させなければ、お客様に指示され続けるお店にはなりません。変わらぬ感染対策と、+αで取り入れられるものはできるだけ導入していきましょう。
 

【飲食店のコロナ対策例】

・フェイスガードの着用

・パーティションの設置

・対面を避けるなど客席への配慮

・接客時の距離感の意識改革

・店内における定期的な換気

・混雑時の対応

・ハンドドライヤーの利用からペーパータオルでの代用

・モバイルオーダーを活用で飛沫感染リスク対策

・キャッシュレスの導入で非接触決済

・アルコール消毒液の店内設置

・食材の徹底した洗浄・加熱

 

店内消毒の強化

一般的にコロナウイルスは「飛沫感染」もしくは「接触感染」で感染するといわれています。新型コロナウイルスは、プラスチックの表面では最大72時間生存するため、手指や人がよく触る箇所は念入りにアルコールで消毒するのが有効です。

また、お客様が飲食店を選ぶ基準も、これからは徹底した衛生管理がより重要視されていきます。スタッフがこまめに消毒を行っている姿や、他店よりも力を入れている設備やアイテム、サービスは思っている以上に良くチェックされていることを意識することが大切です。
 

コロナ|飲食店に必要なウイルス対策!おすすめ殺菌・消毒アイテムはコレ!

 

イートインと合わせてテイクアウト・デリバリ―も

今回コロナウイルスの復調への糸口として、飲食業界全体がテイクアウト・デリバリーへシフトする大きな契機となりました。居酒屋やカフェなどこれまでテーブルサービスを基本とした業態においても、導入開始する店舗も増えています。しかし、その場しのぎの新規参入で申し分のない成果が上がるほど、両分野のハードルは低くありません。

 

まず、テイクアウトやデリバリーで売り上げを伸ばすためには、対応店舗であることを周知しなければなりません。お客様がイートインから遠ざかっている現状で、特にイートイン(来店時)以外に接点を持ちにくい飲食店は、自店のサービスをいかに周知できるかがポイントになってきます。SNS等オンラインを活用して積極的にお客様と接点を作る工夫など視野を広げていきましょう。

【飲食店向け連載②】IT導入補助金でデリバリーを始めよう《2021年最新版》

デリバリーは、デリバリープラットフォームの活用(Uber Eatsや出前館など)の活用でスムーズに導入できますが、売上総額の30~40%ほどを運営側に手数料として支払わなければいけません。デリバリーメニュー用の価格を別途用意することで「採算割れ」を回避していくお店が多いですが、デリバリーでの印象がイートインの集客にまで影響を及ぼすことも考え、慎重に自店舗の戦略を固めてから導入を決めましょう。現在は、多くのデリバリーサービスも登場していますので、導入のしやすさよりも自店舗に見合う運用のしやすさまで見越した選定が重要です。

 

いずれにしても、イートインと合わせてテイクアウト・デリバリ―を上手に回していくことで売り上げアップにつながります。相乗効果を生みだせる戦略を立てていきましょう。

コスト計算を見誤らない

飲食店の中には、時短営業ではなく一時休業すると決断したお店も少なくありません。理由は、「居酒屋が午後8~9時閉店では商売にならない」「材料費や人件費、光熱費等で短時間でお店を開ける方がマイナスになる」など、トータル的にコストが見合わないケースを見込んだ判断です。一方で、採算を度返しし、サービス精神で認知度アップを狙って先行投資という意味合いで営業されるお店もあります。どちらも、経営戦略の一つなので、何が正しいという結論はありませんが、コスト計算を見誤らない自店舗の方針を固めていくことが大切と言えるでしょう。

まとめ

今回は、時短営業要請緩和や解除で飲食店が気を付けておきたいことを解説いたしました。

新しい生活様式が浸透しつつあるように、飲食店も、従来のままの店舗運営では成り立たない時代にきています。アフターコロナに向け、店舗の繁栄につながる対策や戦略を強化していきましょう!


 

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