飲食店向け情報

東京オリンピックが中止になったときの飲食店の影響は

開店ポータル編集部
2021/03/10

新型コロナウイルスの世界的な流行によって、飲食業界は大打撃を受けました。今後売り上げを回復チャンスがあるとすれば、”東京オリンピックの開催”というところになりそうです。しかし2021年3月の時点でいまだ緊急事態宣言は解除されておらず、飲食店関係者の中にはオリンピックが本当に開催されるのかどうか心配な方も多いでしょう。そこで本記事では、日本の新型コロナウイルスの動向を踏まえ、オリンピック委員会の発表から想定される「東京オリンピックの開催可否」と「経済に与える影響」について見ていきます。

一都三県では緊急事態宣言の延長が決定

3月5日、政府は新型コロナウイルスの拡大を防ぐことを目的に、東京・神奈川・埼玉・千葉の緊急事態宣言の延長を発表しています。緊急事態宣言延長の期間は、3月21日までの予定です。感染者数の減少は見られるものの、数値が鈍化していているため、リバウンド対策を狙っているのでしょう。
飲食業界は、1年以上続くコロナ対策で疲弊している店舗も多くなってきています。すでに飲食業界の倒産数は過去最悪です。さらに感染者数が増加すれば、倒産を考える飲食店が増加するのは、間違いありません。
>コロナで飲食店の倒産は過去最多。今おこなうべきこととは?
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東京オリンピックは中止になる?

新型コロナウイルスの感染が流行する前は、東京オリンピックによる特需が期待されていました。しかし、すでに東京オリンピックは1年間の延期が発表されており、2021年に本当に開催されるのかと感じている方も多いでしょう。
2021年1月時点で国際オリンピック委員会は「観客の入場を想定しているものの、最終的な判断は先だ」としています。(引用:観客入場制限決定のロードマップ要望 IOC会議)

しかし日本において、大規模フェスが中止・延期されている現状を見るに、無観客試合もしくは入場制限をしての開催がされるのではないかという説もあり、公式見解が待たれるところです。
>東京オリンピックは中止?それとも開催?飲食店が今から着手すべき対応は

東京オリンピックが開催されれば、インバウンドによる経済効果が期待できます。そこで、東京オリンピックが中止・無観客での開催・入場制限での開催に分けたとき、日本経済にどんな影響を与えるのか考えてみましょう。
 

東京オリンピック中止 東京オリンピック無観客 東京オリンピック入場制限
約4兆5,151億円の経済損失 約2兆4,133億円の経済損失 約1兆3,898億円の経済損失

東京オリンピック中止時の経済

関西大学の宮本名誉教授によれば、東京オリンピックを中止した場合は、長期的な経済損失は約4兆5,151億円の経済損失がでるのではないかと発表しています。

東京オリンピック無観客開催の経済

同様の調査において、東京オリンピックを無観客で開催した場合には、長期的な経済損失は約2兆4,133億円の経済損失が出るだろうと試算されています。中止時と比べて半分程度の経済損失です。
しかし無観客の場合、飲食業界の経済損失は、中止とほぼ変わらない影響を与えるでしょう。インバウンドや観戦客による集客が0になるため、飲食業界にとっては、入場制限をしてでもオリンピックを開催して欲しいと考えている方も多いかもしれません。

・東京オリンピック入場制限時の経済

同様の調査において、通常の50パーセントの入場制限をかけてオリンピックを開催する場合、長期的な経済損失は、約1兆3898億円になるだろうと発表しています。
入場制限でのオリンピック開催は、飲食業界にとって最もダメージが少ない方法と言えます。少なくとも通常時の50%の観戦者を確保できれば、新型コロナウイルスによって受けた打撃を、回復させられるかもしれません。さらにワクチン接種が進めば、オリンピックの開催地でない地方においても、経済効果の恩恵を受けられる可能性が高くなります。
>東京オリンピックは中止?それとも開催?飲食店が今から着手すべき対応は
オリンピックが中止・無観客になった時の飲食店の影響は
飲食店にとって東京オリンピックは、売り上げのV時回復が期待できる重要なポイントです。しかしながら、開催まで半年を切った東京オリンピックの開催可否は、いまだ発表されていません。もしオリンピックが中止・無観客での開催となれば、飲食には以下の3つの影響があると言われています。

インバウンド需要の消失

新型コロナウイルスが流行する前の2019年、訪日外客数は3188万人で過去最高でした。そのため2020年に東京オリンピックが開催されれば、訪日外国人数は4000万人を超えるだろうと予想されていました。しかしながらコロナ禍の現在は、訪日外国人の受け入れは拒否されており、今後規制が解除されるにしても、例年通りのインバウンドを期待することはできません。
また、政府は3月10日に海外からの一般観客を受け入れない方針を固めました。このことから、東京オリンピックが無事に開催されるとしても、インバウンド観光客の集客はできないと見られるでしょう。
(出典:東京五輪、海外観客受け入れ見送りの方針固まる)

売り上げの減少

新型コロナウイルスの影響によって、売り上げが下がったという飲食店は9割を超えました。(参考:飲食店の9割が売上の減少に苦悩。新型コロナに翻弄された2020年を振り返る
飲食店にとってオリンピックは、売り上げ回復の大きなチャンスです。もしオリンピックが中止となれば、今の売り上げのまま景気が戻ることはないでしょう。

倒産リスクの上昇

2020年の飲食店倒産数は、過去最高です。一時給付金によって倒産率は、減少傾向にありますが、いつまでも続くわけでないでしょう。新型コロナウイルスによってオリンピックが中止・延期となれば、売り上げが回復せず、飲食店の倒産リスクが2020年よりも上昇する可能性があります。全飲食店のうち約6割は、個人経営です。大手飲食店よりも資金力がないことは明らかでしょう。個人飲食店の多くは家族経営がほとんどですから、生活や家族にも影響があるでしょう。

飲食店が今からとっておくべき対応は

現在のところ東京オリンピックは開催される方針です。飲食店にとって東京オリンピックは、売り上げを回復する大きなチャンスですので、このチャンスを逃すのはもったいありません。飲食店経営者は東京オリンピックを見据えて、集客に力を入れていきましょう。
【緊急事態宣言解除】解除直後から差がつく!飲食店の集客術5選

衛生管理の徹底が原則

コロナ禍の現在、消費者が飲食店を探すときにポイントにするのが「衛生管理」です。すでに飲食店では、消毒や検温など新型コロナウイルス対策をしていることでしょう。東京オリンピックが開催されるとなれば、今までよりも多くの集客が見込まれますから、衛生管理をさらに強化する必要があります。オリンピック開催前に一度、飲食店の消毒選びを見直してみてもいいでしょう。
飲食店の消毒選び・成分によっては効果がないことも?

非接触・非対面の注文

東京オリンピックの開催が決定したとしても、残念ながら新型コロナウイルスの不安が0になるわけではありません。感染予防を強化するためにも、セルフオーダーシステムやキャッシュレスなどの、非接触・非対面のITツールを導入するのがいいでしょう。
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東京オリンピック開催に向けて、飲食店が今から着手すべき対応は

まとめ

現状オリンピックは、予定通り7月23日に開催される方向性です。今後オリンピックが無観客開催になるか、入場制限の開催になるかはまだわかりませんが、飲食店経営者はオリンピック開催に向けて、集客の準備を進めていきましょう。衛生管理の徹底や、非接触ツールの導入は、早すぎることはありません。むしろ現段階からでも集客効果が期待できます。開店ポータルBizでは飲食店の経営者に向けて、集客に役立つテクニックやITツールを紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。

開店ポータル編集部
2021/03/10