物件探し

カフェ開業で失敗しない立地の選び方とコンセプトの重要性

開店ポータル編集部
2019/12/27
 多くのお客さまが訪れる人気のカフェになるためには、お店のコンセプトにあった立地を選ぶことが大切です。移転をして、後から場所を変えることも可能ですが、それには手間や費用がかかります。しっかりと自分のお店にあった立地選びをおこなうために、本記事では立地の特徴や、選び方のポイントについてご説明します。これから開業を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

立地選びの重要性


 お店のコンセプトを考慮せず、立地を適当に選んでしまったらどうなるのでしょうか。

 もしもサラリーマンやOLをターゲットにしたカフェが住宅街にあったり、若い世代向けのフォトジェニックなカフェが年齢層の高い人が多く住む地域にあった場合です。当然、ターゲットとしている層に来てもらうことは難しいでしょう。地域のニーズにも合っていないため集客できず、最悪の場合、閉店に追い込まれてしまう可能性もあります。

 どれだけ料理や内装、サービスなどに自信があったとしても、お客さまに来てもらえなければ意味がありません。そのため、お店のコンセプトにあわせた立地選びをおこなうことはとても重要なのです。

コンセプトを明確にしておこう


 「どのようなお店にするか」が決まっていなければ、立地選びをはじめられません。あらかじめ、ターゲット層やお店のコンセプトを明確にしておきましょう。

 学生など若い世代をターゲットにするのか、働いている大人の世代をターゲットにするのか。内装はシンプルにするのか、ゴージャスにするのか。落ち着いた静かな雰囲気にするのか、賑やかで楽しい雰囲気にするのか。どのようなフードやドリンクをメインにして、どのようなラインナップのメニューをそろえるのか、どれくらいの価格帯で提供するのかなど。イメージを具体的に固めておけばおくほど、その後の立地選びが進めやすくなります。

立地ごとの特徴


 立地にはそれぞれ特徴があります。その特徴も知っておくことで、より自分のお店にあった立地選びをおこなえます。またその特徴にあわせてお店づくりを工夫すれば、集客や売り上げアップにも繋げられます。

①駅前

 早朝から深夜まで、年齢や性別に関係なく多くの人が集まります。通勤や通学で毎日通る人も多いため、認知されやすいです。また、駅から近いと立ち寄ってもらいやすく、集客が見込めます。
 立地が良い分家賃が高額となっているため、大手のチェーン店向きです。個人店や小規模なお店が営業していくのは少し難しいかもしれません。

②商店街

 特に休日に人通りが多くなり、地域の方が中心に集まります。飲食店以外にもさまざまなお店があるため、本来の目的が食事でなかった人からの認知や集客も期待できるのが強みです。また、近隣のお店の方やお客さまとの距離が近くて関係値を築きやすいため、リピーターを獲得しやすいメリットもあります。
 しかしなかには、シャッター街になってしまいほとんど人が来ない商店街もあるため、注意が必要です。

③住宅街

 住宅街に住む方々がメインのお客さまとなります。住人のニーズにあわないお店は集客で苦労する可能性があるので、どのような人々が多いかをあらかじめ知っておく必要があります。
 ランチタイムには主婦層や子連れのお客さまが多く訪れるため、お得なランチメニューやお子さまメニューがあると、より利用してもらいやすくなるでしょう。

④オフィス街

 サラリーマンやOLなど、オフィスに勤める人が集まります。主に平日のお昼休みの時間帯が狙い目です。ランチメニューが充実していたり、回転率が高いお店にはおすすめの場所となっています
 休日は営業していないオフィスがほとんどのため、定休日にするのがベター。ただし、もしも営業しているオフィスがあるのに、ほかに開いている飲食店がなければ絶好のチャンスです。近隣のオフィスや飲食店の営業日を確認してみましょう。

⑤郊外・道路沿い

 地域の方だけではなく、お出かけや旅行の途中にたまたま通りすがった方や遠方からお越しの方にも利用してもらえます。ファミリーやグループ客の利用が多いため、食事メニューの充実や一休みできる環境が整っていると良いでしょう。
 車での来店がメインとなるので、駐車場を充実させておく必要があります。また、遠くからでもお店があることをアピールできるよう、看板などを設置しておくのもおすすめです。

⑥観光・行楽地

 各地から、さまざまな人が集まります。シーズン時は繁盛する一方で、シーズンオフ時にはお客さまが減ってしまい、時期によって売り上げが大きく変動します。そのため、シーズンオフの時期でも売り上げを立てられるような対策をとることが重要です。
 たとえば、その時期にしか食べられない限定メニューを出したり、通常メニューをお得な価格で提供したり、イベントをおこなったり。シーズンオフの時期にも集客できれば、一年を通して安定した売り上げを見込めます。
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良い立地選び 10のポイント


 良い立地を選ぶためには、あらかじめ周辺環境をよく把握しておくことが大切です。そのさいにチェックしておきたい10このポイントをご説明します。

①最寄り駅の利用状況はどのようなものか

 最寄り駅がどのような駅なのかを知っておきましょう。特急や急行電車は停車するのか、乗り換えで利用される駅なのか、サラリーマンやOLと学生ではどちらが多いのか、平日と土日ではどちらが混雑するのかなど。駅の利用用途や、利用者の層、利用者が多い時間によって、そこで求められるお店の種類は変わります。

②近隣住民はどのような人が多いのか

 その地域に住む人々の特性も重要です。男性か女性か、若い世代かご年配の方か、学生かサラリーマンか、一人暮らしかファミリー層か。どのような人々が多く住んでいるのかによって、お店のコンセプトにあうかどうかは大きく変わります。ターゲットとしている層があまりいない地域であれば、適した立地ではないといえます。

③人通りはどれくらいあるのか

 周辺の通りが、一日を通してどれだけの通行量があるのかをしっかり確認しておいてください。通行量の多い時間帯と少ない時間帯はいつなのか。また、昼間と夜間、平日と休日ではどれくらい差があるのかもチェックしておきましょう。観光地であれば、時期によっても差が出てくるはずです。人がまったく通らない時間帯や時期がある場合は、対策が必要となります。

④周辺にはどのような施設があるのか

 学校やオフィスビル、ショッピングモール、病院、市役所など。周辺にどのような施設があるかで、その地域に訪れる層が変わります。学校であれば学生、オフィスビルであればサラリーマンやOL、ショッピングモールであればファミリー層が多くなります。ターゲット層が集まる施設がある地域を選びましょう。

⑤近くの商店街はどのような雰囲気か

 商店街の雰囲気やお店の価格帯も、どのようなお客さまが多いかわかる指標の一つです。お客さまとの距離が近い下町感あふれる商店街なのか、それとも価格帯の高いお店が並ぶ少しリッチな商店街なのかで、その地域の方々の買い物の傾向がわかります。また、活気があって多くの人が集まる商店街であれば、買い物ついでにカフェにも立ち寄ってもらえる可能性があります。

⑥商店街で取り組んでいることはあるか

 商店街がなにかおこなっている取り組みがあるかどうかも調べておくと良いでしょう。イベントをおこなっていたり宣伝活動に力を入れていたり、空き店舗対策や商店街を活気づけるためにさまざまな工夫をしているところも多くあります。衰退していく商店街が増えていますが、そういった対策をとっているのであれば安心できます。

⑦ライバル店が近くにあるか

 近隣の飲食店も要チェックです。業態やコンセプト、メニューのラインナップが類似しているお店はないでしょうか。もしある場合はそのお店の規模や入客状況、料理やサービス面などを調べて、差別化できるポイントをつくっておきましょう。自分のお店ならではのオリジナルがあれば、似ていても充分集客は可能です。

⑧近隣で繁盛しているのはどのようなお店か

 近隣で繁盛しているお店があれば、あわせてチェックしておきましょう。雰囲気や料理や価格帯、人気の理由などを調べてみてください。その地域の人々の趣向やニーズがわかります。それを参考にしながら、自分のお店づくりのヒントにしてみると良いでしょう。

⑨近くに住宅はあるか

 近くに集合住宅や住宅街がある場合、その住人がメインのお客さまになってくると考えられます。どのような家族構成でどの年代の方が多いのか、あらかじめ確認しておきましょう。住人のニーズとコンセプトが一致しないと、集客が難しくなってしまうかもしれません。

⑩その地域は将来的に変化があるか

 今後、大型のショッピングモールや集合住宅、再開発の予定があるかどうかも重要です。もしある場合は、現在と客層が大きく変わってしまう可能性があります。その地域の市役所などで確認できるため、忘れずに聞いておきましょう

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 自分のお店にあった立地を選ぶためには、コンセプトの明確化や立地の特徴を知ること、地域や周辺の環境をよく把握しておくことが大切です。多くのお客さまに訪れてもらえるカフェを目指して、本記事でご説明したポイントを参考に納得のいく立地選びをおこなっていきましょう。

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