資金計画

問題点を早期解決!損益計算書を作成しよう【イタリアンレストラン】

開店ポータル編集部
2019/01/29
 損益計画書とは、「どのくらい儲けが出るか」を予測し、事業の見通しを示したものです。もちろん、予定通りに売上が上がらないこともあります。それでも、黒字経営になるようにその都度、計画を見直すことが大切です。そのためにも損益計画書を作成しましょう。
 本記事では、イタリアンレストランを例に、損益計画書の項目や計画の立て方について説明します。

融資や補助金の申請にも役立つ「損益計画書」

 日本政策金融公庫から融資や補助金の申請において「創業計画書」が必要です。創業計画書には「事業の見通し」を記載する欄があります。事業の見通しを立てる場合にも損益計画書は参考になります。

損益計画書に記載する項目

 創業計画書の事業の見通しに記載する項目は、「売上高」「売上原価」「経費」「利益」の4つです。損益計画書でもこの4つの項目を中心に考えます。
 

1.売上高


 売上を予測し算出したものです。売上は、席数×回転数×客単価×営業日数で算出します。席数は、店内に設置している席の数です。回転数は、1席あたり、1日に何人椅子に座って食事をしたかを表したものです。
席数…15席
回転数…2
客単価…1500
営業日数…25
 例えば、上の表の場合、予測される売上高は、15×2×1500×25=112万5000円になります。
 

2.売上原価


 売上原価とは、原材料費のことです。実際に1ヶ月に使用する食材などの材料費を考えましょう。
 売上原価について考えるにあたり、目安となるのが原価率です。原価率は、売上高に対して、原価がどのくらいの割合をしめるか表したものです。
 よって、原価率の計算式は、次のようになります。

 原価÷売上高×100=原価率

 例えば、ランチコースが1500円で原価が580円だった場合の原価率は、580÷1500×100=0.38666…となり、およそ38%になります。
 一般的に飲食店の原価率は30%が目安とされていますが、イタリアンレストランの原価率は38%から45%くらいが目安です。これは、イタリアンレストランは高級な食材を扱うことが多いためです。ですから、他の飲食業と比べると高くなります。

 続いて、原価率38%、売上高を112万に設定した場合の1ヶ月の原材料費の目安を考えてみましょう。原材料費の目安は、「原価÷売上高×100=原価率」の算出方法に当てはめて考えます。すると、112万×0.38=42万5600円になります。

 ただし、売れ残りや食材廃棄などが出た場合は、原価率は上昇するため注意が必要です。生鮮食品を扱う限り、鮮度の問題や賞味期限切れなどの理由から廃棄せざるを得ないことはありますが、原価率を抑えるためにも食材廃棄を減らすように工夫しましょう。
 

3.経費

 経費は、「人件費」「家賃」「通信費」「水道光熱費」「消耗品費」などです。イタリアンレストランをはじめ飲食店の経営において、原価と人件費の合計をFLコストと呼びます。
 原価が高いイタリアンレストランの場合は、FLコストの合計を売上で割ったFL比率の目安を60%とし、利益が出るかどうかの目安とします。FL比率が低いほど利益があります。逆に、60%を超えて70%以上になっている場合、原価や人件費を削減する必要が出てきます。

 売上高に対して、経費全体が占める割合は、原価率とあわせて、90%とし、最低でも10%の利益が出るように設定しましょう。下記に記載されている割合はあくまで目安です。店舗の規模などに応じて設定しましょう。

人件費(22%)…アルバイトや社員の給料、交通費など
家賃(10%)…賃料や共益費などの合計
通信費(1%)… 電話料金やインターネット料金など
水道光熱費(5%)… 電気・水道・ガスの使用量
消耗品費(1%)… トイレットペーパー、ラップなど


4.利益

 利益は売上高から売上原価と経費を引いて計算します。上記の割合で設定した場合、経費は39%です。原価を38%とすると、合計で77%。23%が利益となります。
 実際に計算してみて、利益が出ない場合は、利益が出るように計画を見直す必要があります。
 家賃や人件費、原価の設定を見直すとともに、席数や客単価についても考え直してみると良いでしょう。

損益計画書の具体例

 上記の割合で、実際に計算すると次のようになります。

月次売上高112万円
原価 38%…42万5600円
人件費 22%…24万4600円
家賃 10%…11万2000円
水道光熱費 5%…5万6000円
通信費 1%…1万1200円
消耗品 1%…1万1200円
利益 23%…25万7600円

 この利益から、税金や借入金を支払います。25万円の利益が出たとしても、税金や借入金の返済が、25万円以上であれば、経営は破綻します。
 さらに、経営者自身の生活費は、税金や借入金を引いた残りの利益のなかから捻出しなければなりません。もしも残らない場合、生活費が0円になってしまうので注意してください。
 従業員を雇わない場合は、人件費のすべてが経営者自身の収入になります。シミュレーションを何度もおこない、利益の出る計画を立てましょう。

損益計画書を作成しよう

 損益計画書は利益を出すための計画書です。各項目について追加で必要な場合は、思いつく限りすべて追加し作成しましょう。
 経営が軌道にのるまでは、思うような利益が出ない日が続くこともあります。利益が出ないときは、損益計画書を見直してください。
 問題点が何かを把握し、早めに対策を立てることが事業を軌道に乗せる一番の近道です。
 

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