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飲食店開業|インターネット回線契約は個人法人でどう違う?法人のメリットは?

開店ポータル編集部
2020/06/29
 いま飲食店選びの条件として「WiFiが使えること」を重視する人が増えています。料理を待ちながら調べものやゲームをしたり、料理の写真を撮ってSNSにアップしたりと、店内でインターネットを楽しむお客さまは多いですよね。

 お客さまにWiFi環境を提供するさいに、飲食店に必要になってくるのが、インターネット回線の契約です。飲食店の場合は基本的に個人契約でOKですが、お店によっては法人契約のほうが適していることも。

 本記事では、これからインターネット回線を契約する飲食店オーナーに向けて、個人向けのネット回線と法人向けのネット回線の違いをご説明します。

【飲食店開業】インターネット回線は個人向けと法人向け、どちらがいいのか


 「インターネット回線は個人契約と法人契約、どちらがいいのか」。これは、飲食店を開業するときに悩むポイントのひとつです。

 「飲食店は一般家庭とは違うし、個人契約よりも法人契約のほうがいいのかな?」と思いがちですが、一概にそうとは言えません。個人経営の小さなお店では、オーナーや店長の名前で個人契約しているところが多いです。

 個人契約のほうが利用料金が安くなりますし、割引サービスが多くお得に使えます。「家族経営の小さなお店で、法人契約はちょっと…」「手続きが面倒臭そう」という理由で、個人契約を選ぶ飲食店経営者も多いでしょう。

 しかしお店によっては、個人契約ではなく法人契約を選んだほうがいい場合もあるのです。

飲食店がインターネット回線を法人契約する3つのメリット

①法人契約は、IPアドレスを固定できる

 法人契約の最大のメリットは、IPアドレスを固定できるということです。
 IPアドレスとは、インターネット上における住所や身分証明書のようなもの。個人契約でもIPアドレスを固定することはできますが、インターネットの利用料金やプロバイダの料金とは別に、固定IPアドレスを割り当てるための料金が発生してしまいます。

 法人契約をして固定IPアドレスを使うと、次のようなことが可能になります。
・お店のPCに外部からアクセスする
→自宅のPCからお店のPCにアクセスし、売上データの入力や経費の計算などができる(データを持ち帰らずに済む) 

・Webカメラの利用
→防犯カメラとしてWebカメラを設置しておき、自宅から店内の様子をチェックできる

 姉妹店が何店舗かある場合、データや文書を共有したり、共通サーバーを利用したりする場合に、IPアドレスが固定されていると便利です。固定IPアドレスからしかアクセスできない設定にしておくと、セキュリティ面でも安心でしょう。

②法人契約は、個人契約よりもサポートが充実している

 たとえば、NTTが提供する『フレッツ光』の個人向けインターネット回線では、回線にトラブルがあった場合でも9:00~17:00までしか対応してもらえません。
 深夜から早朝にかけて営業するお店や、インターネットを使った事務作業を夜遅くまでおこなうお店では、対応時間外にトラブルが発生すると非常に困ることになります。

 この点、法人名義で契約すると「24時間出張修理オプション」に加入できます。このオプションをつけると、24時間365日、いつでも出張修理を依頼できるのです。
 月額3,000円のオプション料金がかかりますが、安心してインターネットが使えることを考えれば、決して高くはありません。

③法人契約は、個人契約よりもキャッシュバック金額が高い

 キャッシュバックの金額が高いのも、法人契約のメリットです。個人契約のキャッシュバックの金額は30,000円ほどですが、法人契約だと60,000~70,000円ということもめずらしくありません。
 法人契約は個人契約よりも引っ越しや乗り換えが少なく、解約されにくいため、事業者側もキャッシュバックの金額を高くしているのです。

 ただし、キャッシュバックで戻ってきたお金は「収入」となるため、会計処理をしなければなりません。自力で会計処理をしている場合は、キャッシュバックをどう処理すればいいかわからず、面倒な作業が増えることになります。
 (税理士などに会計処理を依頼している場合は、キャッシュバックがあったことを伝えると、税理士側で処理してくれます。)

インターネット回線を法人契約する際に、注意しておきたいポイント

 法人契約にはメリットも多いですが、「申し込みが面倒」「料金割引がほとんどない」など、注意しておくべきポイントもあります。それぞれ見ていきましょう。

①法人契約は、個人契約より申し込みが面倒

 インターネット回線を個人名義で申し込むとき、用意するのは本人確認書類と、支払いに使うクレジットカードやキャッシュカードや通帳ぐらいです。
 この点、法人契約の場合は次のように必要な書類の量が多いため、申し込み手続きは少し面倒になります。

・申込者の本人確認書類
・申込者の在籍確認書類(名刺、社員証など)
・法人印
・料金の支払いに使うクレジットカード、キャッシュカード、通帳などの写し
・登記簿謄(抄)本、現在(履歴)事項証明書、法人印の印鑑登録証明書のいずれか


 インターネット料金を口座引き落としにする場合は、法人印のほかに金融機関届出印も必要です。

②法人契約には、月々の料金割引はほとんどない

 個人契約であれば、インターネットの利用料金が初月は無料だったり、利用開始から1~2か月間は大幅に割引されるといったサービスがありますが、法人契約にはこれがありません。
 月々のインターネット料金が大きく変動すると、会計処理が煩雑になるからです。税理士や会計士に依頼せず自分で会計処理をしている場合、会計処理が面倒になる点を納得できれば、個人契約の方がお得に使える可能性が高いです。

【関連記事】飲食店経営におすすめのインターネット回線・光シリーズ3選と選び方

法人向けと個人向け、通信速度や回線の安定性に違いはある?

 通信速度や回線の安定性は、法人向けでも個人向けでも大きな違いはありません。個人向けだから速度が遅く、法人契約だから使い勝手がよいというわけではないのです。

 先述のように、固定IPアドレスを使いたい場合や、急なトラブルにも24時間対応してほしい場合などは法人で契約するのがおすすめですが、そうでない場合は基本的に個人契約でもOKであると知っておきましょう。

インターネット回線の契約で悩んだら、開店ポータルBizにご相談ください

 個人事業主として飲食店を開く場合、インターネット回線は個人契約でも問題ありません。しかし本記事で説明したように、「IPアドレスが固定される」「24時間いつでもトラブル対応してもらえる」など法人契約にはメリットがあります。

 開店ポータルBizでは、お客さまにあったインターネット回線を専任のコンシェルジュが無料でご提案しております。お客さまの状況をヒヤリングしたうえで最適なサービス・プランをご紹介いたします。ご相談は無料となっておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
 
開店ポータル編集部
2020/06/29