開業手続き

契約後のトラブル防止~物件を決める前に最低限確認すべき4つのポイント~

開店ポータル編集部
2018/07/05
 飲食店経営者に❝開店準備をすすめるなかで、一番苦労したことは何ですか?❞とたずねたとき、資金集めと肩を並べるほど多くの経営者が苦労するのが“物件探し”です。物件を決めるときには、何度も不動産屋へ足をはこび、内見を重ねなければなりません。
 たとえ、理想の物件に出会えたとしても、気を付けなければならないポイントがあります。“やっと理想の物件に出会えた!”と喜びのあまり、すぐに契約に踏み切るのは、おすすめできません。契約後にトラブルが起きるのを防ぐため、いくつか事前に確認しておかなければならないことがあります。事によっては、その後の準備や営業にまで影響が出てしまうものもあります。スムーズにお店をオープンさせる上で重要な“事前確認”。本記事では、物件契約前に最低限確認しておくべき4つのポイントをお伝えします。

1.前に入っていたお店が退店した理由は何なのか

 以前、その物件に入っていたお店がどのような理由で退店したのか、確認をしておきましょう。オーナーの個人的な都合であれば特に気にする必要はありませんが、原因が立地や集客、設備の不具合などにある場合は要注意です。せっかく開業しても、同様の理由で、自分の店舗も閉店に追い込まれてしまう可能性があります。また、短期間での入れ替わりが激しい物件の場合も同じような原因が考えられます。どれだけの期間続いていたのかも確認できると良いですね。
 たとえ、立地が悪いからといって、絶対に諦めなければならない物件というわけではありません。人通りの少ない場所にお店を構えて、“隠れ家スポット”として人気店となった成功例もあります。物件が良くない=繁盛しないとは、一概には言えないのです。とはいえ、営業を続けにくい可能性があるのも事実。前のお店がどのような理由で退店をしたのかしっかりと確認をし、相応の対策をとったうえで決めましょう。

2.初回家賃が発生するタイミングはいつ頃か

 初回家賃が発生するタイミングは、物件や管理会社によって異なります。多額の費用がかかる重要なことなので、管理会社や物件のオーナーにしっかりと確認をしましょう。
 交渉次第で融通をきかせてもらえる場合もありますが、基本的には、契約後、すぐに初回家賃が発生してしまうケースがほとんどです。そのため、今後のスケジュールや準備を整えてから、契約にすすめましょう。ここを押さえておかなければ、空家賃が発生してしまい営業開始前から赤字となってしまうことも。

3.いつから内装工事に着工して良いのか

 物件が決まった後はスムーズに内装工事が進められるよう、あらかじめ施工業者に工事スケジュールを確認しておく必要があります。混み合う時期だと希望のタイミングで行えないことはざらにあります。すると、工事を進められないまま家賃だけが発生してしまう状況にもなりかねません。契約後、すぐに初回家賃が発生する物件ならなおさらです。着工できる時期にあわせて、物件の契約が結べるように調整する必要があります。できるだけ余分なコストや無駄を省いていきましょう。

4.電気やガスの容量(設備)は適切か

 飲食店の営業に欠かすことのできない電気やガスですが、業種や業態によって使用量には大きな差があります。とくに、以前入っていた店舗と業態が全く異なる場合には要注意です。“多分大丈夫だろう”と安易に考えてはいけません。どれだけの容量があるのかしっかりと確認しておきましょう。この確認を怠ってしまうと、オープンしてから電気やガスが思い通りに使えず、営業ができない場合も。工事で解決することはできますが、それにはもちろん、費用がかかります。事前に、営業をするうえで必要な容量を把握しておき、それをまかなえるだけの設備がある物件を選ぶのが良いでしょう。

より良いスタートをきるために

     
 前に入っていたお店が退店した理由
初回家賃が発生するタイミング内装工事に着工するタイミング電気やガスの容量といった4つのポイントは、物件を決める前に、最低限確認をしておきたいものです。物件を契約してしまった後にこれらの問題が発覚すると幸先が悪く、モチベーションの低下にも繋がります。また、予想もしていなかった問題に直面した焦りから、さらに別の問題を引き起こしてしまうことも。
 物件を選ぶ際には事前確認をしっかりとおこない、スムーズにお店を開店させましょう。

 
開店ポータル編集部
2018/07/05