物件探し

【事前準備をして内見に臨もう!】失敗しない“居抜き物件”選びのチェックポイントとは?

開店ポータル編集部
2018/06/06
 飲食店を開店する際に、頭を悩ませる問題の一つに高額な初期費用が挙げられます。その初期費用を大きく左右するのは、“スケルトン物件”にするか“居抜き物件”にするかの選択。設備が揃っている居抜き物件なら初期費用が抑えられるからと、安易に選んではいけません。下調べをせずに即決してしまい、後になって設備の不具合が多発したり、電気容量が足りなかったりと、かえって費用がかかってしまい、開店前から大赤字なんてことも。そこで、本記事では居抜き物件を選ぶ際に失敗しないためのチェックポイントをご紹介します。

物件選びで重要な“内見”

 居抜き物件に限らず、物件を選ぶ際には“内見”が非常に重要になってきます。「ちょっと見せてもらおう。」などと軽い気持ちで臨んではいけません。必要であれば、厨房機器業者や内装業者にも一緒に来てもらい、プロの意見も取り入れながら、自身のお店に適した物件かどうかを判断するのも良いでしょう。
 

内見時に必ず確認すべきポイント


 内見は、限られた時間の中で進めていかなければなりません。効率よく漏れなく確認できるよう、あらかじめポイントを決めておくなどの準備が大切です。ここでは、内見で必ず確認しておきたいポイントを押さえておきましょう。
 

■水漏れ

 物件を決める判断材料の一つに“水漏れ”が挙げられます。水漏れは原因を特定するのが難しく、さらに改善するための工事となると、高額な費用がかかってしまいます。そのため、確認は念入りにおこないましょう。天井からの水漏れ、床からの水漏れの両方をチェックします。天井裏や床下を確認したいところですが、それが難しい場合でも、外壁に水漏れのシミができていないかの確認を必ずしましょう。
 

■排水


 厨房で実際に水を貯めて排水をおこない、水の流れを確認する必要があります。そこでスムーズに流れない場合、それが汚れによるものなのか、排水設備の不具合なのかの見極めが重要です。汚れであれば落とせますが、設備の不具合となると高い出費になってしまいます。
 

■グリストラップ

 油を多く使う飲食店の場合、厨房に必要な“グリストラップ”の有無を確かめましょう。グリストラップとは、排水中の油やごみをろ過する装置です。グリストラップは埋め込み型の高額な物から、シンク下に設置する安価なものまでさまざまです。物件になかったとしても設置を検討し、スペースの確保が可能か、念入りに確認しましょう。

■空気の流れ

 店内の排気ができていないと、料理の匂いや調理時に発生する煙などがこもってしまいます。匂いや煙の出やすい業種・業態の場合、ダクトは設置されているか空気の流れがしっかり作られているかをチェックしましょう。店舗に足を踏み入れた時に、匂いがこもっていないか、第一印象を大切にしてください。排気と給気は、お客様にとって居心地の良い店づくりに重要となります。
 

■インフラ設備

 その物件でこれまで営業していた業種・業態と異なる場合は、電気やガスの容量が足りない可能性もあります。厨房機器の業者に、自店で利用する設備に必要な容量を確認しておくと良いでしょう。また、厨房機器を譲り受ける場合も同じです。どの設備にどれだけの容量が必要かを確認してください。実際設備を使用し始めてから足りないことに気付き、工事に高額な費用がかかったり、設備の使用に制限が出たりすることのないようにしましょう。
 

■造作譲渡

 居抜き物件の最大のメリットである、造作譲渡についてもしっかりと確認をしましょう。ここで気を緩めてしまうと、後々トラブルになりかねません。どこまでが譲渡対象になるのか、お互いの認識にズレがないよう、対象物のリストを作り共有するのが良いでしょう。もちろん、壊れていないかなどの動作確認は基本です。お金を出して買ったにもかかわらず、またお金をかけて直すという悲惨な事態になりかねません。
 また、設備の中には、リース契約されたものもあります。譲渡されると思っていた設備が実はリースされていたもので、リース会社が引き揚げてしまったなんてことも。細かいチェックを怠らないようにしましょう。

万全の態勢で内見へ!


 物件探しは、繁盛店への道を歩む最初の一歩です。忙しいからと言って、内見を簡単に済ませてしまうのは、失敗のもと。素人判断で済ませるのではなく、念には念を入れて、厨房機器の業者や内装業者などプロの力を借りましょう。居抜物件は、初期費用が抑えられるというメリットはあるものの、設備もそのまま譲り受ける場合は中古の設備を使用することになります。しっかり確認作業をおこなわなければ、かえってメンテナンス費用がかかることもある点を忘れてはいけません。業態に合わせた確認事項をあらかじめリストアップして、万全の態勢で内見に臨みましょう。

 
開店ポータル編集部
2018/06/06