経営支援

飲食店の人手不足を解決する方法はこの3つ

開店ポータル編集部
2019/06/07
この記事の目次 [表示する]
 飲食業界で長年深刻な問題となっている人手不足。
 「募集をかけても応募が来ない」「せっかく採用してもすぐに辞めてしまう」といった状況に、頭を抱えている飲食店経営者も多いことでしょう。
 人手不足に陥ると、スタッフの過重労働やサービスの質の低下をまねき、閉店に追い込まれてしまうこともあります。
 
 そのような事態を防ぐにはどのような対策を打つべきでしょうか。人手不足を解決する3つの方法を解説します。

「人手不足」はなぜ起こる?

 なぜ、飲食店では人手不足が起きてしまうのでしょうか。

 現在、日本の飲食店で働く人材のアルバイト・パート比率は、全体の85%を占めていると言われています。アルバイト・パートスタッフは、特に学生や主婦であることが多いです。彼らは学業や趣味、子育てや家事が本分であるために、働ける時間が限られています。
 そして、これによって引き起こされるのが、レギュラースタッフや正社員の離職です。アルバイト・パートスタッフの人手が足りない時間帯の頼みの綱は彼らだけ。長い拘束時間やそれに見合わない給与に働きにくさを感じてしまい、退職を決断する人が多いようです。

 こうして人手不足に陥る飲食店が後を絶たない現状ですが、改善を図らずに放置していてはいけません。これを放置してしまうと、残されたスタッフは過重労働を強いられ、さらなる人手不足に拍車をかけてしまいます。

 そのような事態を防ぐために飲食店経営者が実践すべき3つの対策をみていきましょう。

1.労働環境を改善しよう

 スタッフが長く働きやすい環境を整えるために、まずは労働環境を改善しましょう。
 特に、以下の3点を見直してみましょう。

①給与

 給与の低さは、モチベーションの低下に繋がります。業務量に見合った給与を支払えていなければ、金額を見直す必要があります。あわせて、インフラ周りのコストを見直しましょう。無駄なコストを省くことができれば、その分をスタッフの給与にあてられます

②拘束時間の短縮

 拘束時間が長くなってしまう原因の一つに、営業時間の長さと閉店時間を過ぎても続く営業にあります。
 お客様が入らない時間帯や曜日があれば、思い切って営業時間の短縮や、定休日への変更を検討しましょう
 また、閉店時間に退店してもらえるような体制を整えることも大切です。ラストオーダーを少し早めにとったり、声掛けをするだけでも改善に向かいます。

③福利厚生や手当を充実させる

 賞与や手当、休暇といった制度を整え、働くことで得られるメリットをつくりましょう。金銭的なものでなくても、なにかしらの形でスタッフに還元してあげることが大切です。
 一定期間勤務したスタッフ所定の条件を満たした場合など、該当条件を絞ることでスタッフの定着率を高められるかもしれません。

 この3つを改善するだけで、労働環境はぐんと良くなります。
 スタッフの声をしっかり聞いて、現場に反映していきましょう。

2.採用条件を見直そう

 求人募集をかけてもなかなか応募がこない場合には、採用条件を見直す必要があるかもしれません。

 最近では、短期や単発の仕事を探せるスキマワークスタイミーといった「超短期バイト募集サービス」が登場しています。採用条件を緩和し、それぞれの働き方に柔軟に対応することで、いままではマッチしなかった層からの応募を促しましょう。

 また、海外からの労働者や60代以上のシニア層など、採用対象の幅を広げるのも良いでしょう。ただし、海外からの労働者を雇用するには、資格外活動許可を受ける必要があります。シニア層を雇う場合も、働きやすい環境づくりをしておかなければなりません。
 それぞれ注意すべきことはありますが、それがしっかりできれば人手不足も解決に向かうはずです。

3.機器を導入しよう

 新しいスタッフを雇えないのなら、営業を助けてくれる機器を導入するのも一つの手です。
 飲食店で多く導入されている機器を3つ挙げてみましょう。

①食券機

 主にラーメン屋やカレー屋、定食屋など、回転率を重視するお店に導入されていることが多いです。オーダーと会計がセルフでおこなえるため、スムーズにお店が回るというメリットがあります。また、スタッフがつく必要もないため、そこに割く人員を削減できます。

②タッチパネル

 居酒屋や回転寿司屋などでよく見るタッチパネル。特に居酒屋のように飲み放題メニューがある場合には、呼ばれるたびにオーダーをとりにいかなければなりません。タッチパネルがあればオーダーを取りにいく手間が省けるため、少ない人員でお店を回しやすくなります。

③POSレジ

 ハンディとあわせて使うことで、業務効率が格段にアップするPOSレジ。オーダーを取りにいく人員は必要ですが、キッチンやレジに一瞬にして情報を共有することができます。一つひとつの業務にかける時間を劇的に短縮することができるため、少ない人員でお店を回しやすくなります。


 人手不足の解消とともに、業務効率アップというメリットもある機器の導入。ただし、機器を導入する場合には、コストもかかります。人件費と比較して、よりお店に負担のない手段を選択しましょう。

できることから一つずつ


 労働環境の改善、採用条件の見直し、機器の導入。まずは、自分のお店にあった方法で人手不足の緩和を目指しましょう。お店の経営状況や人手不足となっている原因を踏まえたうえで、最適な方法を選択してください。

 2020年には東京オリンピックが控えているため、訪日旅行客が激増し、飲食店においてはさらなる人手不足が予想されます。改善できることから一つずつ取りんで、お客様を受け入れる体制を整えておきましょう。
 

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